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「国鉄タキ29300形貨車」の版間の差分

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[[ファイル:Taki 29327 at Kamiokakozanmae.jpg|thumb|right|タキ29300形タキ29327、日本陸運産業所有、[[神岡鉱山前駅]]にて]]
'''タキ29300形'''は、[[1976年]](昭和51年)から製作された、[[硫酸|濃硫酸]]専用の 39 [[トン|t]] 積 [[貨車]]([[タンク車]])である。
'''タキ29300形'''は、[[1976年]](昭和51年)から製作された、[[硫酸|濃硫酸]]専用の 39 [[トン|t]] 積 [[貨車]]([[タンク車]])である。



2011年1月12日 (水) 16:31時点における版

タキ29300形タキ29327、日本陸運産業所有、神岡鉱山前駅にて

タキ29300形は、1976年(昭和51年)から製作された、濃硫酸専用の 39 t貨車タンク車)である。

私有貨車として製作され、日本国有鉄道(国鉄)に車籍編入された。1987年4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に車籍を承継されている。

概要

それまで濃硫酸専用タンク車は40 t 積のタキ5750形が製作されていたが、その後継として製作された車両である。1974年(昭和49年)の保安対策に伴う諸基準の改訂に伴い、フレームレス構造・側梁なし台枠を持つ貨車の製作が禁止されたことを受け、台枠に側梁を設け、台車にコロ軸受を採用した。そのため、自重が増加し、荷重はタキ5750形と比べて1 t 減少している。

2004年(平成16年)までに、総数62両(29300 - 29361)が日本車輌製造および川崎重工業で製作された。所有者は、神岡鉱業古河機械金属日本陸運産業および同和鉱業である。

構造

タンク体は29300 - 29341は耐候性高張力鋼製で塗色は、29342以降は耐硫酸性鋼製で無塗装(銀)である。

荷役方式は、搬入は上部の注入口から、搬出は空気弁から空気を注入加圧して上部液出弁から行う上入れ・上出し方式である。

台枠はタキ5750形では自重軽減のために車体側面の側梁を省略していたが、本形式では保安向上のために側梁を設けた。

ブレーキ装置は29300 - 29321は手ブレーキと積空ブレーキ、29322以降は手ブレーキとCSD型積空ブレーキである。

台車は29300 - 29306はTR225-1、29307以降はTR213Cである。

下回りの塗色は29300 - 29341は黒、29342以降はグレーである。

運用の変遷・現況

本形式は、1980年(昭和55年)までに22両が製作された時点で製作は一旦中止され、その後の増備は国鉄の財政難もあり、余剰車両活用の観点からタキ45000形の台枠を流用して改造名義で製作したタキ46000形1985年(昭和60年)に登場し、製作はそちらに移行したが、1987年4月の国鉄分割民営化に際しては22両全車がJR貨物へ継承された。1991年(平成3年)からタキ46000形の種車であるタキ45000形が枯渇したため、本形式の製作が再開され、2004年(平成16年)までに40両が増備された。

廃車1994年(平成6年)から開始され、その後も鉄道による硫酸輸送の減少から廃車が進み、2009年(平成21年)4月の時点では42両が在籍している。

参考文献

関連項目