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「マツダ・カペラ」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==
===初代(1970-1974年)===
===初代(SNA,S122A系 1970-1978年)===
[[Image:Mazda-capella-1st-generation01.jpg|thumb|300px|right|初代]]
[[Image:Mazda-capella-1st-generation01.jpg|thumb|300px|right|初代]]
初代カペラは、1970年に登場した。当初は、ファミリアの上位機種として、12Aロータリーエンジンを搭載するモデルと、1600ccレシプロエンジンを搭載するモデルがあった。エンジンは、カペラロータリーのために開発された12Aロータリーエンジンが搭載されていた。基本的には10A型と同じだったが、ローターハウジングの厚みを10mm増して単室容積で573ccの排気量を得た。また、排気孔をハニカムポートとして燃焼効率を上げトルク特性を改善した。最高出カ120ps/6500rpm(グロス)、最大トルク16.0kgm/3500fpm(グロス)、最高速度190Km、さらに0→400m=15.7秒(MT車)で、当時の日本車としては、並はずれたパワーを誇った。そのエンジンパワーを生かし、レースにも出場。当時無敵を誇った[[日産・スカイライン|スカイライン]]GT-Rに挑んだが、及ばず、打倒GT-Rは、サバンナまで待つ必要があった。その後、デビューしたサバンナとの差別化を図るためにGシリーズとして、4灯ヘッドライトを採用するなどマイナーチェンジを行った。
初代カペラは、1970年5月に登場した。当初は、ファミリアの上位機種として、12Aロータリーエンジンを搭載するモデルと、1600ccレシプロエンジンを搭載するモデルがあった。エンジンは、カペラロータリーのために開発された12Aロータリーエンジンが搭載されていた。基本的には10A型と同じだったが、ローターハウジングの厚みを10mm増して単室容積で573ccの排気量を得た。また、排気孔をハニカムポートとして燃焼効率を上げトルク特性を改善した。最高出カ120ps/6500rpm(グロス)、最大トルク16.0kgm/3500fpm(グロス)、最高速度190Km、さらに0→400m=15.7秒(MT車)で、当時の日本車としては、並はずれたパワーを誇った。そのエンジンパワーを生かし、レースにも出場。当時無敵を誇った[[日産・スカイライン|スカイライン]]GT-Rに挑んだが、及ばず、打倒GT-Rは、サバンナまで待つ必要があった。


1970年10月、レシプロエンジンに1500㏄が追加される。
===2代目(1974-1978年)===
[[1974年]]登場。排ガス規制に適応し、カペラAPとなった。スタイルに特に変更は無い。オイルショックなどによる影響もあり、1978年に一時生産中止になった。


1971年10月、マイナーチェンジ。デビューしたサバンナとの差別化を図るためにGシリーズとして、4灯ヘッドライトを採用。ロータリー車に初の[[オートマチックトランスミッション|AT]]仕様が登場。
===3代目(CB系 1978-1982年)===
[[1978年]]にファミリーカーに生まれ変わり、レシプロ専用車種として再登場した。


[[1974年]]2月、マイナーチェンジ。排ガス規制に適応し、'''カペラAP'''となった。フロントマスクが変更された。
===4代目(GC系 1982-1987年)===

===2代目(CB系 1978-1982年)===
[[1978年]]10月にファミリーカーに生まれ変わり、レシプロ専用車種として登場した。エンジンは1600㏄と1800㏄の2タイプが用意。ボディは2ドアクーペが消え、4ドアセダンとクーペの変わりとなる2ドア[[ハードトップ]]を設定。

1979年3月、2000㏄車が追加。

1980年9月、マイナーチェンジ。フロント部分の大幅変更。

===3代目(GC系 1982-1987年)===
[[Image:Mazda-capella-4th-generation01.jpg|thumb|300px|right|4代目]]
[[Image:Mazda-capella-4th-generation01.jpg|thumb|300px|right|4代目]]
[[1982年]]登場。駆動方式をFFに変更する。エンジンは新開発の1600、1800、2000EGIで「マグナム」の名称が与えられた。
[[1982年]]9月登場。駆動方式をFFに変更する。エンジンは新開発の1600、1800、2000EGIで「マグナム」の名称が与えられた。ボディは4ドアセダンと初代以来となる2ドアクーペ、後のマイナーチェンジで追加される5ドアハッチバックの3タイプ。又、この代からフォードブランドの兄弟車である'''[[フォード・テルスター]]'''が登場
CMには[[アラン・ドロン]]が出演。キャッチコピーは「たまらなく、ティスティー。」(布施明が同名CM曲をリリースした)
CMには[[アラン・ドロン]]が出演。キャッチコピーは「たまらなく、ティスティー。」(布施明が同名CM曲をリリースした)

1983年9月、セダンに2000㏄のディーゼル車が追加される。

[[1983年]]10月、グロス145psの2000EGIターボモデルを追加、ターボ車はヘッドライトが角型4灯となり、他のグレードと差別化された。
[[1983年]]10月、グロス145psの2000EGIターボモデルを追加、ターボ車はヘッドライトが角型4灯となり、他のグレードと差別化された。

1985年5月、マイナーチェンジ。[[フォード・テルスター|テルスター]]に採用されていた5ドアハッチバックが追加される。

* この4代目GC系は、'82-'83 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
* この4代目GC系は、'82-'83 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。


===5代目(GD系 1987~1991年)===
===4代目(GD,GV系 1987~1997年)===
[[1987年]]登場。タクシー仕様は5代目が最終となった(後継は[[マツダ・カスタムキャブ|カスタムキャブ]])。
[[1987年]]5月登場。タクシー仕様は4代目が最終となった(後継は[[マツダ・カスタムキャブ|カスタムキャブ]])。
キャッチコピーは「ベーシック & アドバンス」。ボディタイプは4ドアセダンと5ドアハッチバックのカペラCG、2ドアクーペのカペラC2。遅れてステーションワゴンのカペラカーゴが追加された。
キャッチコピーは「ベーシック & アドバンス」。ボディタイプは4ドアセダンと5ドアハッチバックの'''カペラCG'''、2ドアクーペのカペラC2'''。遅れてステーションワゴンの'''カペラカーゴ'''が追加された。
世界初の電子制御車速感応型4WSや量産エンジン初のプレッシャーウエイブスーパーチャージャーディーゼルを搭載するなど、カペラの生産史上、最も華やかなモデルとなった。
世界初の電子制御車速感応型4WSや量産エンジン初のプレッシャーウエイブスーパーチャージャーディーゼルを搭載するなど、カペラの生産史上、最も華やかなモデルとなった。
[[1991年]]には[[マツダ・クロノス|クロノス]]の登場でセダンは一旦絶版となった。しかし、カーゴは[[スバル・レガシィ|レガシィ]]に端を発するワゴン車ブームもあり継続して販売された。


1987年7月、カペラCGにセンターデフ方式[[四輪駆動|フルタイム4WD]]が追加。
===6代目(1994-1997年)===

クロノスの登場でセダンは一旦製造中止されていたが、クロノス系の不振で[[ユーノス500]]等のパーツを流用し、[[1994年]]にセダンが復活した。かつてのカペラとはほど遠いほどチープと酷評されたが、5ナンバーサイズに戻されたこと、車両本体価格が抑えられたことなどから、お買い得感は高く商品的にはそれなりの成功を収めた。ワゴンは先代のカーゴを大幅マイナーチェンジを行い「'''カペラワゴン'''」に改名し、販売された。
1988年2月、これまでカペラCGのみの採用であった4WSがセダン、C2にも設定拡大。

1988年3月、5ドアワゴンの'''カペラカーゴ'''が追加。加えて商用車の'''カペラカーゴバン'''を販売。

1989年6月、マイナーチェンジ。これまでCGのみであった4WDをセダンにも設定。1800㏄にDOHCエンジンが追加。

1990年10月、カペラカーゴに2000㏄4WD車が追加。

[[1991年]]10月には[[マツダ・クロノス|クロノス]]の登場でセダン、CG、C2は絶版となった。しかし、カーゴは[[スバル・レガシィ|レガシィ]]に端を発するワゴン車ブームもあり継続して販売された。

1992年8月、カーゴがマイナーチェンジ。ディーゼルに4WDが追加。

===5代目(CG系 1994-1997年)===
クロノスの登場でセダンは一旦製造中止されていたが、クロノス系の不振で[[ユーノス500]]等のパーツを流用し、[[1994年]]8月にセダンが復活した。かつてのカペラとはほど遠いほどチープと酷評されたが、5ナンバーサイズに戻されたこと、車両本体価格が抑えられたことなどから、お買い得感は高く商品的にはそれなりの成功を収めた。ワゴンは先代のカーゴを大幅マイナーチェンジを行い「'''カペラワゴン'''」に改名し、1994年10月に販売された。

===6代目(GF,GW系 1997-2002年)===
[[1997年]]8月にセダンが、追って10月にワゴンが最後のフルモデルチェンジ。

1998年7月、2000㏄クラス初となる直噴ディーゼル車登場。

1999年11月、マイナーチェンジ。


[[2002年]]に[[マツダ・アテンザ|アテンザ]]が後継モデルとして登場するまで販売が続けられた。
===7代目(GF系 1997-2002年)===
[[1997年]]に最後のモデルチェンジ、[[2002年]]に[[マツダ・アテンザ|アテンザ]]が後継モデルとして登場するまで販売が続けられた。


== プラットフォーム ==
== プラットフォーム ==

2006年2月3日 (金) 06:43時点における版

カペラワゴン
画像は海外仕様の626

カペラ (Capella) はかつてマツダで生産されていた乗用車である。

歴史

初代(SNA,S122A系 1970-1978年)

初代

初代カペラは、1970年5月に登場した。当初は、ファミリアの上位機種として、12Aロータリーエンジンを搭載するモデルと、1600ccレシプロエンジンを搭載するモデルがあった。エンジンは、カペラロータリーのために開発された12Aロータリーエンジンが搭載されていた。基本的には10A型と同じだったが、ローターハウジングの厚みを10mm増して単室容積で573ccの排気量を得た。また、排気孔をハニカムポートとして燃焼効率を上げトルク特性を改善した。最高出カ120ps/6500rpm(グロス)、最大トルク16.0kgm/3500fpm(グロス)、最高速度190Km、さらに0→400m=15.7秒(MT車)で、当時の日本車としては、並はずれたパワーを誇った。そのエンジンパワーを生かし、レースにも出場。当時無敵を誇ったスカイラインGT-Rに挑んだが、及ばず、打倒GT-Rは、サバンナまで待つ必要があった。

1970年10月、レシプロエンジンに1500㏄が追加される。

1971年10月、マイナーチェンジ。デビューしたサバンナとの差別化を図るためにGシリーズとして、4灯ヘッドライトを採用。ロータリー車に初のAT仕様が登場。

1974年2月、マイナーチェンジ。排ガス規制に適応し、カペラAPとなった。フロントマスクが変更された。

2代目(CB系 1978-1982年)

1978年10月にファミリーカーに生まれ変わり、レシプロ専用車種として登場した。エンジンは1600㏄と1800㏄の2タイプが用意。ボディは2ドアクーペが消え、4ドアセダンとクーペの変わりとなる2ドアハードトップを設定。

1979年3月、2000㏄車が追加。

1980年9月、マイナーチェンジ。フロント部分の大幅変更。

3代目(GC系 1982-1987年)

4代目

1982年9月登場。駆動方式をFFに変更する。エンジンは新開発の1600、1800、2000EGIで「マグナム」の名称が与えられた。ボディは4ドアセダンと初代以来となる2ドアクーペ、後のマイナーチェンジで追加される5ドアハッチバックの3タイプ。又、この代からフォードブランドの兄弟車であるフォード・テルスターが登場。 CMにはアラン・ドロンが出演。キャッチコピーは「たまらなく、ティスティー。」(布施明が同名CM曲をリリースした)

1983年9月、セダンに2000㏄のディーゼル車が追加される。

1983年10月、グロス145psの2000EGIターボモデルを追加、ターボ車はヘッドライトが角型4灯となり、他のグレードと差別化された。

1985年5月、マイナーチェンジ。テルスターに採用されていた5ドアハッチバックが追加される。

  • この4代目GC系は、'82-'83 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

4代目(GD,GV系 1987~1997年)

1987年5月登場。タクシー仕様は4代目が最終となった(後継はカスタムキャブ)。 キャッチコピーは「ベーシック & アドバンス」。ボディタイプは4ドアセダンと5ドアハッチバックのカペラCG、2ドアクーペのカペラC2。遅れてステーションワゴンのカペラカーゴが追加された。 世界初の電子制御車速感応型4WSや量産エンジン初のプレッシャーウエイブスーパーチャージャーディーゼルを搭載するなど、カペラの生産史上、最も華やかなモデルとなった。

1987年7月、カペラCGにセンターデフ方式フルタイム4WDが追加。

1988年2月、これまでカペラCGのみの採用であった4WSがセダン、C2にも設定拡大。

1988年3月、5ドアワゴンのカペラカーゴが追加。加えて商用車のカペラカーゴバンを販売。

1989年6月、マイナーチェンジ。これまでCGのみであった4WDをセダンにも設定。1800㏄にDOHCエンジンが追加。

1990年10月、カペラカーゴに2000㏄4WD車が追加。

1991年10月にはクロノスの登場でセダン、CG、C2は絶版となった。しかし、カーゴはレガシィに端を発するワゴン車ブームもあり継続して販売された。

1992年8月、カーゴがマイナーチェンジ。ディーゼルに4WDが追加。

5代目(CG系 1994-1997年)

クロノスの登場でセダンは一旦製造中止されていたが、クロノス系の不振でユーノス500等のパーツを流用し、1994年8月にセダンが復活した。かつてのカペラとはほど遠いほどチープと酷評されたが、5ナンバーサイズに戻されたこと、車両本体価格が抑えられたことなどから、お買い得感は高く商品的にはそれなりの成功を収めた。ワゴンは先代のカーゴを大幅マイナーチェンジを行い「カペラワゴン」に改名し、1994年10月に販売された。

6代目(GF,GW系 1997-2002年)

1997年8月にセダンが、追って10月にワゴンが最後のフルモデルチェンジ。

1998年7月、2000㏄クラス初となる直噴ディーゼル車登場。

1999年11月、マイナーチェンジ。

2002年アテンザが後継モデルとして登場するまで販売が続けられた。

プラットフォーム

プラットフォームは、ベース車がFF化されて以降は主にマツダ・Gプラットフォームが採用されていた。クロノスの販売不調を受けて急遽復活した際、3ナンバー化したマツダ・Gプラットフォームに代わりマツダ・CGプラットフォームが採用されていた(期間は1994年から1996年)。