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「トヨタ・NRエンジン」の版間の差分

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* [[トヨタ・ヴィッツ|ヤリス]](欧州仕様車)
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* [[トヨタ・パッソ|パッソ]](2代目 -
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* [[トヨタ・ラクティス|ラクティス]](2代目 - )
* [[トヨタ・ラクティス|ラクティス]](2代目 - )
* [[トヨタ・ヴィッツ|ヴィッツ]](3代目 - )※2WD車は前期型のみ搭載
* [[トヨタ・ヴィッツ|ヴィッツ]](3代目 - )※2WD車は前期型のみ搭載

2016年4月12日 (火) 13:04時点における版

トヨタ・NRエンジン
生産拠点 ダイハツ工業
(1NR-FE/1NR-VE/2NR-FE/2NR-VE/3NR-FE)
トヨタ自動車
(1NR-FKE/2NR-FKE/8NR-FTS)
製造期間 2008年9月 - 現在
タイプ 直列4気筒DOHC16バルブ
排気量 1.2L
1.3L
1.5L
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NRエンジン(えぬあーるえんじん)は、自動車水冷直列4気筒ガソリンエンジントヨタ系列名である。トヨタ自動車およびダイハツ工業富士重工業スバル)の、Cセグメントクラス以下向け。

概要

トヨタ自動車の既存のCセグメントクラス以下向けのNZ型同様、シリンダーヘッドからシリンダーブロックにかけてアルミダイキャストが用いられており、NZ型に対して若干の軽量化が図られている。また、可変バルブ機構Dual VVT-i、およびVVT-iEを採用する同社製エンジンの中では最小クラスとなる。

NZ型及びダイハツのK3型を含むSZ系列の後継となるエンジンであり、従来のSZ型の基本設計を踏襲しているが、先述の通りデュアルVVT-iの採用やアルミダイキャストの採用などによる高性能・軽量化など、基本性能がある程度改善されている。SZ型に続いて設計はダイハツが担当した。生産は当初、ダイハツに委託していたが、2014年以降よりごく一部のエンジン(例:1NR-FKE、2NR-FKE、8NR-FTS)に限り、トヨタでも生産されるようになり、事実上の内製化を果たすこととなった。

  • 生産期間
    • 2009年6月 - (日本向けでの場合。欧州向けは2008年9月より先行生産されている)
  • 系譜
トヨタ
ダイハツ

バリエーション

1NR-FE

<出力>

<主な搭載車種>

<トヨタ車以外での搭載車種>

NR系で最初に発表されたエンジン。2008年11月欧州向けオーリスに初めて「ストップ&スタート」アイドリングストップシステムと組み合わせて搭載された[2] [3]。欧州では1.33Lと変則的な表記がなされ、従来の4ZZ-FE 1.4Lエンジンに代わって搭載されている。日本では2009年8月20日発表のiQ1.3L車で初めて導入された。

1NR-FKE

<出力>

  • 73kW(99PS)/ 6,000rpm 121N·m(12.3kg·m)/ 4,400rpm(日本仕様)

<主な搭載車種>

<トヨタ車以外での搭載車種>

同社の既存のハイブリッドカー(例・プリウスアクアSAI等)に用いられているアトキンソン(高膨張比)サイクルをはじめ、クールドEGR、VVT-iEなどの技術を採用したことで更なる燃費改善と損失低減を追求することで熱効率を高めている。なお、2016年2月現在の時点においてこのエンジンは後述する1.5L版の2NR-FKEと異なり、日本国内市場専用のエンジンとなっている。

1NR-VE

<出力>

  • 67kW(92PS)/ 6,000rpm 117N·m(11.9kg·m)/ 4,200rpm

<主な搭載車種>

厳密にはトヨタ名義ではなくダイハツ名義のエンジンであるため、型式名の-(ハイフン)後の記号がトヨタ式ではなくダイハツ式の表記になっている。搭載するトヨタ車も、1NR-FEや後述する2NR-FEと異なり、ダイハツからのOEM供給車種、もしくは主な開発作業と生産をダイハツに委託した車種に限られている。

2NR-FE

<出力>

  • 66kW(90PS)/ 5,600rpm 132N·m(13.5kg·m)/ 3,000rpm

<主な搭載車種>

トヨタ初のインド市場専用車エティオスで初搭載。新型エンジンを途上国新興国向けの戦略車種で先行搭載というのは極めて異例。ただし、価格を抑えるために可変バルブタイミング機構は省かれており、出力等も最近の一般的なものと比較すると控えめとなっている。

2NR-FKE

<出力>

  • 80kW(109PS)/ 6,000rpm 136N·m(13.9kg·m)/ 4,400rpm(日本仕様)

<主な搭載車種>

<トヨタ車以外での搭載車種>

先述の1NR-FKE型同様、同社のハイブリッドカーに用いられているアトキンソンサイクルをはじめ、クールドEGR、VVT-iEなどの技術を採用したことで更なる燃費改善と損失低減を追求することで熱効率を高めている。なお、日本市場向けとしては事実上、初めて導入される2NR型系エンジンとなるが、エンジンの最高出力、および最大トルクの数値は既存の日本市場向け版の1NZ-FE型とほぼ同じ数値(2WD用での場合)である。日本では2015年3月30日発表の2代目後期型カローラアクシオ、および3代目後期型カローラフィールダーの各1.5L車の2WD・CVT仕様で初めて導入された。

2NR-VE

<出力>

  • 75kW(104PS)/ 6,000rpm 136N·m(13.9kg·m)/ 4,200rpm

<主な搭載車種>

先述の1NR-VE同様、厳密にはトヨタ名義ではなくダイハツ名義のエンジンであるため、型式名の-(ハイフン)後の記号がトヨタ式ではなくダイハツ式の表記になっている。こちらもダイハツからのOEM供給車種、もしくは主な開発作業と生産をダイハツに委託した車種に限られている。

3NR-FE

<出力>

  • 59kW(80PS)/ 5,600rpm 104N·m(10.6kg·m)/ 3,100rpm (Dual VVT-iなし)
  • 63kW(86PS)/ 6,000rpm 108N·m(11.0kg·m)/ 4,000rpm (Dual VVT-iあり)

<主な搭載車種>

エティオスのハッチバック版であるエティオスリーバで初搭載。こちらもエティオス用の2NR-FE同様に価格を抑えるために可変バルブタイミング機構は省かれており、出力等も最近の一般的なものと比較すると控えめとなっている。その後ヤリス(タイ仕様)向けでは可変バルブタイミング機構が追加されている。

8NR-FTS

<出力>

  • 85kW(116PS)/ 5,200〜5,600rpm 185N·m(18.9kg·m)/ 1,500〜4,000rpm(日本仕様)

<主な搭載車種>

同社(レクサスブランド除く)としては初となる本格的なダウンサイジングコンセプトを用いた直噴ターボエンジン。1,500〜4,000rpmの幅広い回転数で最大トルクを発生させるほか、エキゾーストマニホールドをシリンダーヘッドを一体化させ、吸気側に可変角を拡大したVVT-iW、燃料噴射システムD-4Tなどを採用したほか、アイドリングストップ機能(Stop & Start System)も装備したことで低燃費を実現している。日本では2015年4月6日発表の2代目後期型オーリスで初めて導入された。 エンジンのメカニズムとしては2014年7月29日に発売されたレクサス・NXに搭載されたダウンサイジングコンセプトエンジンである8AR-FTSと類似する部分が多い。

1.2LのNRエンジンとしては3NR-FEが存在するがボア・ストロークが異なる。仕様としては1NR-FEをベースとしており、1NR-FE比でボアを1mm縮小、ストロークを6mm縮小することで1.2Lとしている。


出典・脚注

  1. ^ ダイハツの場合はデュアルDVVTと表記。
  2. ^ Toyota Auris to Offer New 1.33L Dual VVT-i with Stop&Start”. Green Car Congress (2008年11月19日). 2009年7月21日閲覧。
  3. ^ Toyota Auris gets new Toyota 1NR-FE 1.33L Dual VVT-i engine in UK line-up”. paultan.org (2008年11月19日). 2009年7月21日閲覧。
  4. ^ Specification - Toyota www.toyotabharat.com
  5. ^ Specification - New Yaris - Toyota Motor Thailand Co.,Ltd.www.toyota.co.th

関連項目

外部リンク