「スペインオオヤマネコ」の版間の差分
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標高1,600メートル以下(主に標高400 - 900メートル)にある硬葉樹からなる低木林に生息する<ref name="obara"/>。以前は[[コルクガシ]]からなる森林や松林、藪地、沼沢地に生息していた<ref name="narushima"/>。[[夜行性]]<ref name="narushima"/>。木に登ることもあるが<ref name="obara"/>、あまり高所まで登らない<ref name="narushima"/>。オスは18[[平方キロメートル]]、メスは10平方キロメートルの行動圏内で生活する<ref name="obara"/>。[[樹洞]]、茂み、[[ヨーロッパアナグマ]]やコウノトリの古巣などを巣として利用する<ref name="obara"/>。 |
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食性は動物食で、主に[[アナウサギ]]を食べるが(80 - 99%)<ref name="iucn"/>、アナウサギがいなければ齧歯類やシカなどの幼獣、[[カモ科|カモ]]なども食べる<ref name="obara"/>。小鹿も捕食する<ref>コニカミノルタ絶滅危惧種図鑑「スペインオオヤマネコ」解説より</ref>。視覚を頼りに発見した獲物(例としてノロは550メートル、アナウサギは270メートル、ネズミは70メートルの距離からでも発見できる)に3 - 4メートルの距離まで接近し、その後に喉に噛みついて捕える<ref name="obara"/>。 |
2017年4月7日 (金) 12:26時点における版
スペインオオヤマネコ | |||||||||||||||||||||||||||
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スペインオオヤマネコ Lynx pardinus
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保全状況評価[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Lynx pardinus (Temminck, 1827)[2] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
Felis pardina Temminck, 1827[2] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
スペインオオヤマネコ[3][4] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Iberian lynx Spanish lynx[2][4][5] | |||||||||||||||||||||||||||
スペインオオヤマネコ(Lynx pardinus)は、食肉目ネコ科オオヤマネコ属に分類される食肉類。別名イベリアオオヤマネコ[5]。
分布
形態
体長85 - 110センチメートル[4][5]。尾長12 - 13センチメートル[4][5]。肩高50-70センチメートル[5]。体重オス12.9キログラム、メス9.4キログラム[5]。耳介の先端には黒く長い房状の体毛が伸長する[4][5]。胴体や尾、四肢には黒く明瞭な斑紋が点在するが[5]、変異がある[4]。
夏季は毛衣が赤褐色、冬季は毛衣が灰色がかる[4]。
分類
生態
標高1,600メートル以下(主に標高400 - 900メートル)にある硬葉樹からなる低木林に生息する[5]。以前はコルクガシからなる森林や松林、藪地、沼沢地に生息していた[4]。夜行性[4]。木に登ることもあるが[5]、あまり高所まで登らない[4]。オスは18平方キロメートル、メスは10平方キロメートルの行動圏内で生活する[5]。樹洞、茂み、ヨーロッパアナグマやコウノトリの古巣などを巣として利用する[5]。
食性は動物食で、主にアナウサギを食べるが(80 - 99%)[2]、アナウサギがいなければ齧歯類やシカなどの幼獣、カモなども食べる[5]。小鹿も捕食する[6]。視覚を頼りに発見した獲物(例としてノロは550メートル、アナウサギは270メートル、ネズミは70メートルの距離からでも発見できる)に3 - 4メートルの距離まで接近し、その後に喉に噛みついて捕える[5]。
繁殖形態は胎生。1 - 7月(主に1-2月)に交尾を行う[5]。妊娠期間は65 - 72日[4]。主に3-4月に樹洞などで1回に1-4頭(主に2-3頭)の幼獣を産む[5]。幼獣は生後7 - 10か月で独立する[5]。最大寿命は13年[5]。
人間との関係
農地開発やアルカンタラ湖のダム建設などによる生息地の破壊、ユーカリや松の植林などによるアナウサギの減少などにより生息数は減少している[5]。スペインでは1973年、ポルトガルでは1974年から法的に保護の対象とされているが、密猟されることもある[2]。以前はイベリア半島広域に分布していた[5]。国家レベルで分断した分布域の間に通路をつくる試みが進められている[5]。1978年における生息数は1,000 - 1,500頭、1996年における生息数は1,200頭未満と推定されている[5]。2002 - 2012年の生息数は増加傾向にあるが、再導入によるところが大きい[2]。
画像
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頭部
参考文献
- ^ Appendices I, II and III<http://www.cites.org/>(accessed August 15, 2015)
- ^ a b c d e f g h i Rodriguez, A. & Calzada, J. 2015. Lynx pardinus. The IUCN Red List of Threatened Species. Version 2015.2. <http://www.iucnredlist.org>. Downloaded on 15 August 2015.
- ^ 石井信夫 「スペインオオヤマネコ」『絶滅危惧動物百科8 ニシキフウキンチョウ-(パンダ)レッサーパンダ』 財団法人自然環境研究センター監訳、朝倉書店、2008年、18-19頁。
- ^ a b c d e f g h i j k 成島悦雄 「スペインオオヤマネコ」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、166-167頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 小原秀雄 「イベリアオオヤマネコ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、14、140-141頁。
- ^ コニカミノルタ絶滅危惧種図鑑「スペインオオヤマネコ」解説より