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{{Otheruseslist|大阪府にある公立高等学校|神奈川県にある公立高等学校|横浜市立南高等学校・附属中学校|横浜市立南高等学校}}
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'''大阪市立南高等学校'''（おおさかしりつ みなみ こうとうがっこう）は、[[大阪府]][[大阪市]][[中央区 (大阪市)|中央区]]に所在する[[公立学校|市立]]の[[高等学校]]。
'''大阪市立南高等学校'''（おおさかしりつ みなみ こうとうがっこう、{{lang-en-short|Osaka City Minami High School}}）は、[[大阪府]][[大阪市]][[中央区 (大阪市)|中央区]]にある[[公立学校|公立]]の[[専門教育を主とする学科|専門]][[高等学校|高校]]。統廃合により[[2021年]]（[[令和]]3年）度を最後に募集停止となり、在校生が卒業する[[2022年|2024年]]3月31日で廃止（閉校<ref name="nikkei">[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49310130S9A900C1AC8000/ 大阪市立高、22年度に府へ移管　人事・再編を効率化] - [[日本経済新聞]][[2019年]]（[[令和]]元年）9月2日</ref><ref name="sankei">[https://www.sankei.com/west/news/190902/wst1909020017-n1.html 大阪市立の全21高校を府へ無償譲渡　令和4年度] - [[産経新聞]]2019年9月2日</ref><ref name=":0">{{Cite web|url=http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/5181/00369881/g2.pdf|title=大阪市立の高等学校等移管計画（令和２年８月教育委員会会議）p.2-3|accessdate=2021/01/28|publisher=}}</ref>）となる。ただし、現在の南高校の校地に通学するのは2022年3月が最後となり、2022年4月からは扇町総合高校の校地に南高校が併設される（後述）。

2022年度に統合および大阪府への移管で[[大阪府立桜和高等学校]]が新設される予定<ref name="ikan">{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000527/527255/ikankeikaku.pdf |format=PDF |title=大阪市立の高等学校等移管計画 |publisher=大阪市教育委員会 |date= |accessdate=2021-04-22}}</ref>であることに伴い、2021年度入学生を最後に募集を停止し、在校生が卒業する2024年3月に閉校予定となっている。


== 概要 ==
== 概要 ==
[[1937年]]に開設した旧制大阪市立南高等女学校が前身である。[[学制改革]]により[[普通科 (学校)|普通科]]の大阪市立南高等学校となり、その後英語科と国語科の2学科を併設する[[専門教育を主とする学科|専門高等学校]]として改編された。2020年度入学生以降は英語探究科1学科の専門高校へと改編している。
[[昭和]]初期の[[高等女学校]]（[[義務教育]]後の[[修業年限|修業]]5年間）の入学難を緩和させるため、[[1937年]]（昭和12年）3月27日、大阪市立の高女として新設された（[[文部省]][[告示]]第145号3月27日付で、設置と4月開校を認可<ref name="kanpo19370327">[[官報]][[昭和]]12年（[[1937年]]）3月31日第3071号</ref>）。


英語科・国語科の2学科併設時代は1学年あたり各学科2学級ずつの計4学級、また英語探究科への改編後は1学年2学級の、大阪府の高校としては小規模となっている。
[[2020年]]（[[令和]]2年）12月現在、[[高等学校#全日制の課程|全日制課程]]で[[英語科]]と[[国語科]]の2学科。全校12クラス（各学科1学年2クラス80名ずつ計4クラス160名）で大阪府内の高校としては小規模である。[[2021年]]（[[令和]]3年）4月の新入生から、英・国2学科を統廃合した「英語探究科」2クラス80名に半減する<ref>{{Cite web|url=http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/attach/hodo-36388_5.docx|title=昼間の高等学校（全日制の課程及び多部制単位制Ⅰ・Ⅱ部並びに昼夜間単位制）学科別募集人員増減数及び学校名|publisher=[[大阪府教育委員会]]（大阪府庁）language=日本語|accessdate=2020-12-18}}</ref>。


英語科は[[1988年]]、大阪府内の[[公立学校|公立高校]]では最初に設置された。[[英語 (教科)|英語]]を重点的に学び、英語力向上のために、少人数授業や[[外国語青年招致事業|ALT]]とのティームティーチングによる[[英会話]]の授業、海外研修旅行や宿泊セミナーなどをおこなっている。2020年度および2021年度の入学生については英語探究科に改編された。
[[2022年]]4月、南高校・西高校・扇町総合高校の市立3校が統廃合され、普通科系「桜和（おうわ）高等学校」が扇町総合高校の校地に新設される<ref>[https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000501500.html 大阪市：新普通科系高等学校の校名の決定について （…&gt;教育&gt;高校）] - 大阪市[[2020年]]5月7日</ref>。それに従い、南高校は2021年度入学生を最後に生徒募集を停止する。なお、2022年4月から2024年3月までは、扇町総合高等学校の校地・校舎を活用し、桜和高等学校と南・ 西・扇町総合高等学校を併置する<ref name=":0" />。


国語科は高校の専門学科としては日本唯一で、[[国語 (教科)|国語]]について重点的に学ぶ。現代文や古典、表現、古典芸能に関する専門科目が開講されている。また、文学ゆかりの土地の見学、作家やジャーナリストなどによる特別講義などもおこなわれている。
=== かつての教育方針 ===
1. 特色ある専門学科（国語科・英語科）の充実　2. 国際交流の推進　3. 進学を柱とした進路指導<ref>[http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h553503&frame=mokuhyou 教育目標] - 大阪市立南高等学校</ref>


[[アメリカ合衆国]]・[[オーストラリア]]・[[中華人民共和国]]の高等学校とそれぞれ姉妹校協定を結んでいる。
英語科は[[1988年]]（昭和63年）府内の[[公立学校|公立高校]]で最初に設置。[[英語 (教科)|英語]]を重点的に学び、英語力向上のために、少人数授業やALT（[[外国語指導助手]]）とのティームティーチングによる英会話の授業、海外研修旅行や宿泊セミナーなどを行っていた。


校歌は、同校教諭として勤務したことがある[[作家]]・[[庄野潤三]]が作詞<ref>{{Cite book|和書|title=創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念 |publisher=大阪市立南高等学校 |date=1988 |page=69 }}</ref>を手がけている。
国語科は[[1991年]]（[[平成]]3年）に設置。高校の専門学科としては日本唯一で、[[国語 (教科)|国語]]について重点的に学ぶ。現代文や古典、表現、古典芸能に関する専門科目が開講。また、文学ゆかりの土地の見学、作家やジャーナリストなどによる特別講義なども行われていた。


== 沿革 ==
== 沿革 ==
[[昭和時代]]初期の[[高等女学校]]への進学希望者増加に伴う入学難緩和のため、大阪市立としては3番目の高等女学校・大阪市立南高等女学校として、[[1937年]][[4月15日]]に大阪市[[南区 (大阪市)|南区]]西賑町（現在地）に開校した<ref>{{Cite book|和書|title=創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念 |publisher=大阪市立南高等学校 |date=1988 |page=32 }}</ref>。開校当初は、[[尋常小学校]]卒業者を入学対象とした5年制の学校だった。
=== 略歴 ===
[[1937年]]（[[昭和]]12年）3月27日、大阪市立南[[高等女学校]]として設置を認可され（[[文部省]][[告示]]第145号3月27日付で、設置と4月開校を認可<ref name="kanpo19370327" />）、4月15日に[[南区 (大阪市)|南区]]西賑町に開校した（現・[[中央区 (大阪市)|中央区]][[谷町]]6丁目、現校地）。


校舎敷地は、この年限りで廃校となった旧大阪市育英高等小学校の敷地を継承した。また同校に併設されていた育英高等家政女学校<ref group="注釈">1919年育英実科女学校として設置、1930年育英高等家政女学校に改編。1937年廃校。</ref>の教育実践も継承する形になった。
大阪府では、[[1900年]]（[[明治]]33年）に府知事の[[菊池侃二]]が『大阪府教育十カ年計画』を策定。大阪府第一高等女学校（現・[[大阪府立清水谷高等学校]]）と、第二高女の大阪府中之島高等女学校（現・[[大阪府立大手前高等学校]]）の府立の2校が設立。以降、高女や[[旧制中学校]]（[[男女別学|男子校]]）などの[[普通教育]]学校を府が設置し、市は[[実業学校]]を担う「棲み分け」が続いており、南高女は、府教育十カ年計画の策定以降、大阪市立で3番目の新設となった（[[大阪市立扇町高等学校|扇町高女]]・[[大阪市立桜宮高等学校|桜宮高女]]に次ぐ）。


[[太平洋戦争]]中には戦時体制として、修業年限が4年制へと短縮され、また工場への[[学徒勤労動員|動員]]が実施された。終戦後の1945年10月に5年制へと復帰した。
[[1938年]]2月13日、校内に夜間部（[[実業学校]]）の「大阪市立南第二女学校」を併設。大阪府の公立学校としては初の夜間[[女学校]]（[[夜間中学]]に相当）であり、府下でも[[私立学校|私立]]の「扇町夜間女学校<ref>のち定時制高校の[[大阪女学院中学校・高等学校|大阪女学院第二高等学校]]（[[1974年]]閉校）。</ref>」と並んで珍しいものだった。


=== 学制改革 ===
南第二女学校は[[1945年]]3月末で廃校と決定（文部省告示 第491号[[1944年]]3月9日付で、廃止を認可<ref name="kanpo19440309">官報 昭和19年（[[1944年]]）4月15日第7174号</ref>。このため[[1944年]]4月、新たに[[中学校令]]による夜間の高女「大阪市立南第二高等女学校」が設置された（文部省告示 第490号4月15日付で、設置と4月開校を認可<ref name="kanpo19440309" />）。
[[学制改革]]により、[[1948年]][[4月1日]]に大阪市立南高等学校として発足し、全日制[[普通科 (学校)|普通科]]を設置した。


大阪市では当時市立として設置されていた旧制中等教育学校について、全校を形式的・暫定的に新制高等学校へと移行させたが、戦災被害などを考慮して学校を整理統合することにしていた。1948年[[4月21日]]には、敷地を新制[[中学校]]に転用することになった[[大阪市立桜宮高等学校]]が南高等学校の敷地内に移転し、2校が同居することになった<ref name="enkaku1948">{{Cite book|和書|title=創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念 |publisher=大阪市立南高等学校 |date=1988 |page=38 }}</ref>。学校名については当時、「大阪市立南桜宮高等学校」と併称することもあった<ref name="enkaku1948" />。桜宮高等学校は1950年、独立校舎を設置して退去している。
戦後の[[学制改革]]により、南高女は[[1948年]]4月1日に[[高等学校|新制の高校]]「大阪市立南高等学校」に改編され、全日制[[普通科 (学校)|普通科]]を設置。同年6月15日、[[大阪府立今宮高等学校]]および[[大阪府立泉尾高等学校]]と生徒・教職員を交流（入れ替え）し[[男女共学]]となった。南第二高女も夜間[[高等学校#定時制の課程|定時制課程]]の「大阪市立南第二高等学校」に改編された（敷地は南高校と共用）。


[[1948年]][[6月15日]]には[[大阪府立今宮高等学校]]（旧制今宮中学校）および[[大阪府立泉尾高等学校]]（旧制泉尾高等女学校）と生徒・教職員を交流し[[男女共学]]となった<ref name="enkaku1948" />。
大阪市では当時、市立の旧制中等教育学校（旧制中学校、高等女学校など）全校を形式的・暫定的に新制の高校へと移行させたが、戦災被害などを考慮し整理統合する方針だった。このため敷地を新制[[中学校]]に転用された[[大阪市立桜宮高等学校]]が1948年4月21日から南高校の敷地内に移転し、2校が同居。学校名を「大阪市立南桜宮高等学校」と併称したこともあった。なお、桜宮高校は[[1950年]]、独立校舎を設置して退去してした。


=== 学校敷地・校舎 ===
[[1960年代]]の生徒数増加で、特別教室を普通教室に転用したり、屋上に[[プレハブ]]校舎を設置したりなどした。敷地狭隘化や校舎老朽化により、[[瓜破]]（現・[[平野区]]）や[[大阪湾]]の[[埋立地]]の[[大阪港#南港|南港]]（現・[[住之江区]][[咲洲]]）などへの郊外移転を[[大阪市教育委員会]]から提案されたが、「移転する場合は、南区内もしくは近辺での移転を希望する」と学校関係者が強く主張したため、立ち消えになった。
[[1956年]]には鰻谷の[[大阪市立大学]]敷地（旧制大阪市育英商工学校跡地。現在の中央区島之内1丁目）を運動場として譲り受け、翌[[1957年]]より運動場として使用した。鰻谷運動場は[[大阪市立南中学校]]の移転・建て替え用地として提供されることになり、[[1983年]]3月に廃止している。廃止の代替地として、1983年4月より旧南中学校分校敷地<ref group="注釈">旧制[[大阪市立南小学校|渥美尋常小学校]]跡地。現在の中央区南船場1丁目。</ref>が提供され、南船場運動場として使用している。


[[1960年代]]には生徒数増加に伴う学級増のため、特別教室を普通教室に転用したり、屋上にプレハブ校舎を設置するなどした。敷地狭隘化や校舎老朽化により、1960年代前後から郊外移転なども含めた対策が検討された。大阪市教育委員会は移転先として[[瓜破]]（現・[[平野区]]）や[[咲洲|南港]]（現・[[住之江区]]）などの案を提示した。しかし学校関係者は「移転する場合は、[[南区 (大阪市)|南区]]内もしくは近辺での移転を希望する」と強く主張し、郊外移転案は立ち消えになっている。
[[1986年]]2月、現在地での校舎建て替えが決まり同年8月から約1年半、旧[[大阪市立難波元町小学校|大阪市立難波小学校]]跡（[[浪速区]][[難波中]]3丁目8-26）に仮移転。[[1988年]]3月に新校舎が竣工し復帰、翌4月より使用を開始した。


最終的には現在地での校舎建て替えが、[[1986年]]2月に決定した。1986年8月には[[浪速区]][[難波中]]3丁目、旧[[大阪市立難波元町小学校|大阪市立難波小学校]]跡<ref group="注釈">後年の大阪市立浪速スポーツセンターの場所。</ref>に仮移転し、仮校舎で約1年半の間教育活動をおこなった。
=== 特色化を進め閉校 ===
大阪市は[[1976年]]、市教委の諮問機関として市高等学校教育審議会を設置。第8次までの答申と前後して改革を進めたが、第1次答申で、大阪では[[旧制中学校]]や[[高等女学校]]からの古さを持つ府立高への人気が高い、と指摘。市立高は「名門と称される伝統を有するものがない」上に「大学進学に不利な立場とされる職業科が３分の２を占め」「高校格差のしわ寄せを受け」ていると述べ、府立高との格差を挽回するため「特色ある普通科づくり」と[[専門学科]]の新設によるレベルアップを推奨した<ref>[[1997年]]3月「大阪市立高等学校改革の歴史と展望」 - [[神戸大学]][[神戸大学国際人間科学部|発達人間学部]]研究[[紀要]]</ref>結果、[[1980年代]]後半以降、市立の高校では、普通科系の高校も専門学科を併設する改編の動きが進んだ。


[[1988年]]3月に現在地に新校舎が竣工し、1988年4月より使用を開始している。
これを受け、南高校も[[1988年]]（昭和63年）度より、普通科に加えて「[[英語科]]」を新設。さらに[[1991年]]（平成3年）度には「[[国語科]]」も新設した。なお、国語科新設に伴い、普通科は[[1991年]]度より生徒の募集を停止した。


=== 専門高等学校に改編 ===
[[1990年代]]からの[[少子化]]<ref>全国の高校の在籍者数は[[1989年]]の約564万人をピークに[[2006年]]度は約349万人に減少。</ref>を受け、市教委は[[1992年]]に定時制商業高校4校を統廃合し、単位制課程（昼夜間）と学年制課程（夜間）を併せもつ「[[大阪市立中央高等学校]]」を開設した。
大阪市では[[1980年代]]以降、「意欲的で目的意識の明確な生徒の入学により学校が活性化することをねらい」<ref>{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/cmsfiles/contents/0000010/10312/c-56.pdf |title=高等学校の現状と課題 事業分析（経過報告） |format=PDF |publisher=大阪市教育委員会事務局 |date=2005-10 |accessdate=2021-04-21}}</ref>として、府立高校とは異なった形での学校特色化の動きが進み、市立の普通科系高校では普通科目を深化させて学ぶ専門学科設置の動きが生まれた。


[[1984年]][[2月27日]]に出された大阪市学校教育審議会第4次答申では、高等学校における[[外国語教育]]の充実が打ち出され、英語科の設置が提言された<ref name="english">{{Cite book|和書|title=創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念 |publisher=大阪市立南高等学校 |date=1988 |page=74-75 }}</ref>。南高等学校では校内で検討を進めた結果、[[1984年]][[6月28日]]に「校舎の改築」と「英語科2学級および理数科1学級の設置」を大阪市教育委員会に求める方向で、職員会議での合意が得られた<ref name="english" />。大阪市教委はその後[[1986年]][[2月21日]]付で、南高等学校の校舎建て替えと英語科新設を決定し報道発表した<ref name="english" />。その一方で理数科については構想のみにとどまった。
[[2000年代]]に統廃合を加速させ、[[中高一貫校]]の新設や新しいタイプの商業高校、総合技術高校といった再編を構想。市教委は「市立高校全体を一体のものとして各校が応えるべきニーズと配置を考えることが重要」（[[2007年]]4月の報告書）として、普通科系の高校も含めた再編<ref>[http://www.city.osaka.lg.jp/shiseikaikakushitsu/cmsfiles/contents/0000010/10240/koutou_02.pdf 高等学校 事業分析報告書について - 大阪市]</ref>に着手した。


設置準備を経て、1988年度より英語科を新設した<ref name="english" />。
結果、[[2008年]]に中高一貫の[[大阪市立咲くやこの花中学校・高等学校]]（[[大阪市立扇町高等学校|扇町高校]]・[[大阪市立此花総合高等学校|此花総合高校]]を統廃合）が、[[2012年]]に商業高の[[大阪市立大阪ビジネスフロンティア高等学校]]（[[大阪市立東商業高等学校|東商業高校]]・[[大阪市立天王寺商業高等学校|天王寺商業高校]]・[[大阪市立市岡商業高等学校|市岡商業高校]]の3校を統廃合）が設置され、続く普通科系高校の計画<ref>[https://www.sankei.com/west/news/170124/wst1701240056-n1.html 英語、ＩＣＴ教育を強化　大阪市立３高校軸に再編へ] - 産経新聞「[[産経ニュース]]」2017年1月24日</ref>も[[2017年]]7月14日の市教委会議で了承<ref>[https://www.sankei.com/west/news/170715/wst1707150018-n1.html 大阪市立３高校を１校に統合　西・南・扇町総合、平成３４年に開校] - 産経新聞「産経ニュース」2017年7月15日</ref>。南高校と[[大阪市立西高等学校]]、[[大阪市立扇町総合高等学校]]の3校を統廃合し、[[2022年]]（[[令和]]4年）4月1日に「'''桜和（おうわ）高等学校'''」（扇町総合高校の校地）が開校する。


さらに[[1991年]]には国語科を新設した。国語科新設に伴い、普通科は1991年度より募集停止となっている。
なお、南高校をはじめ大阪市立の高校は2022年度から大阪府に移管されるため、桜和高校は府立高校として開校する<ref name="nikkei" /><ref name="sankei" />。


=== 年表 ===
=== 学校統合 ===
大阪市教育委員会は2010年代に入り、大阪市立の普通科系高等学校の再編方針を打ち出した。背景には、少子化の進行による生徒数の減少や、大阪府教育委員会と大阪市教育委員会が連携して2013年11月に打ち出した「2018年度までに府立・大阪市立あわせて7校程度の公立高校統廃合を検討する」方針があった<ref name="k20170714">{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000406/406663/gian99.pdf |title=平成29年第16回教育委員会会議 議案第99号 普通科系高等学校の再編整備の方向性について|format=PDF |publisher= 大阪市教育委員会|date=2017-07-14 |accessdate=2021-04-22}}</ref><ref name="kenkai">{{Cite web |url=https://www.osk-shikokyo.com/pg835819.html |title=普通科系高等学校の再編整備の方向性について　今回の再編整備計画の白紙撤回を求めます　大阪市教育委員会会議決定（2017.7.14）に対する見解|publisher=大阪市立高等学校教職員組合 |date=2017-07-25 |accessdate=2021-04-22}}</ref>。
* [[1937年]]（[[昭和]]12年） - 3月27日、「'''大阪市立南高等女学校'''」設置を認可<ref name="kanpo19370327" />。4月15日、開校（現在地）


大阪市高等学校教育審議会は2017年1月23日、「本市普通科系高等学校の在り方について（第12次答申）」を大阪市教育委員会に提出した<ref name="toushin12">{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000389/389164/houkoku1.pdf |title=本市普通科系高等学校の在り方について（第12次答申） |format=PDF |publisher=大阪市高等学校教育審議会 |date=2017-01-23 |accessdate=2021-04-22}}</ref>。答申では、市立普通科系高等学校7校を設置学科の特徴によって「スポーツ体育系」「理数系」「言語系・実業系および[[総合学科]]」の3グループに分類し、「言語系・実業系および総合学科」の同一グループに分類された[[大阪市立西高等学校]]・[[大阪市立扇町総合高等学校]]および大阪市立南高等学校について、英語力や[[情報通信技術|ICT]]活用力・市立としての強みを生かした高大連携などをおこなう新たな普通科系高等学校としての検討を提言した<ref name="toushin12" />。
* [[1938年]] - 2月13日、夜間部の[[実業学校]]「大阪市立南第二女学校」併設（[[1945年]]3月末で廃校<ref name="kanpo19370327" />）
* [[1944年]] - 4月、[[中学校令]]による夜間の高女「大阪市立南第二高等女学校」併設<ref name="kanpo19370327" />。[[太平洋戦争]]の戦時体制として、工場へ[[学徒勤労動員|動員]]。修業年限も4年制へ短縮（戦後5年制へ復帰）
* [[1948年]] - 4月1日、[[学制改革]]により、南高女が新制の高校「'''大阪市立南高等学校'''」に改編（[[普通科 (学校)|普通科]]を設置）。南第二高女が「大阪市立南第二高等学校」に改編（定時制課程）。4月21日、[[大阪市立桜宮高等学校]]が南高校敷地内に移転し、2校同居。6月15日、[[大阪府立今宮高等学校]]・[[大阪府立泉尾高等学校]]と3校で生徒を交流し、[[男女共学]]となる。
* [[1950年]] - 3月31日、桜宮高校が独立校舎に移転
* [[1972年]] - 4月、[[学生運動]]の余波で、服装を自由化（[[制服]]を廃止）
* [[1979年]] - 4月、制服を復活
* [[1986年]] - 8月16日、校舎を建て替えのため、南高校が旧[[大阪市立難波元町小学校|大阪市立難波小学校]]跡（[[浪速区]][[難波中]]3丁目）に仮移転。南第二高校が廃止（閉校）
* [[1988年]] - 3月、新校舎が完成し、仮校舎から復帰。4月1日、[[英語科]]を併置
* [[1991年]]（[[平成]]3年） - 4月1日、[[国語科]]を併置（普通科の生徒募集を停止）
* [[2022年]]（[[令和]]4年） 府立に移管される。扇町総合高校の校地に、西高校・新設の桜和高校と併設される。
*[[2022年|2024年]]（[[令和]]6年） - 3月31日　閉校<ref name=":0" />
== 基礎データ ==
=== 交通アクセス ===
* [[Osaka Metro]]（[[地下鉄]]の長堀鶴見緑地線）[[松屋町駅]]より南へ約100m（徒歩で約3分）
* Osaka Metro（谷町線）[[谷町六丁目駅]]より西へ約600m（徒歩で約8分。[[空堀商店街]]を下って出口右手）
* Osaka Metro（堺筋線）[[長堀橋駅]]より東へ約750m（徒歩で約10分）
=== 象徴 ===
;校歌
[[校歌]]は、教諭として勤務していた[[作家]]の[[庄野潤三]]による作詞。[[平井康三郎]]による作曲<ref>[http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h553503&frame=school_song 校歌] - 大阪市立南高等学校</ref>。


[[2017年]][[7月14日]]の大阪市教育委員会会議において、南高等学校・西高等学校・扇町総合高等学校の大阪市立3高校を1校に統合し、2022年4月1日に従来の扇町総合高等学校の校地（[[北区 (大阪市)|北区]]松ヶ枝町）に新しい普通科系高等学校を開校させる計画が原案どおり了承された<ref name="k20170714" /><ref name="kenkai" />。
=== 姉妹校 ===
[[アメリカ合衆国]]アーバンデール高校、・[[オーストラリア]]マウントウェーバリー校と[[姉妹]]校協定を結んでいる<ref>{{Cite web|url=http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h553503|title=交換留学報告会|date=2020-12-03|publisher=大阪市立南高等学校language=日本語|accessdate=2020-12-18}}</ref>。。


統合方針に伴い、統合対象の3校についても2020年度・2021年度の学科および入学者選抜の再編成がおこなわれ、[[2018年]][[10月2日]]の大阪市教育委員会会議で基本方針が承認された<ref name="k20181002">{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000448/448911/giann90.pdf |title=平成30年第21回教育委員会会議 議案第90号 普通科系高等学校の再編整備について |format=PDF |publisher=大阪市教育委員会 |date=2018-10-02 |accessdate=2021-04-22}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000481972.html |title=教育系の専門学科を有する新高校の設置 |publisher=大阪市教育委員会 |date=2020-10-20 |accessdate=2021-04-10}}</ref>。新普通科系高校では「[[教育]]」に関する内容を学習の軸に据えることに対応する形で、統合対象の3校の新学科についても教育に関連する内容を取り入れた学習内容とした。これに伴い、南高等学校は2020年度より英語探究科を設置し<ref name="k20181002" />、従来の英語科・国語科は募集停止となった。
== 学校施設 ==
[[1937年]]（[[昭和]]12年）4月に開校した南高女の校地は、この年限りで廃校となった「育英[[高等小学校]]<ref>[[民俗学者]]の[[折口信夫]]、[[作家]]の[[織田作之助]]らが卒業した。</ref>」の敷地を継承。また、高等小に併設の「育英高等家政[[女学校]]」<ref>[[1919年]]「育英[[実科女学校]]」として設置。[[1930年]]「育英高等家政女学校」に改編され、[[1937年]]廃校。</ref>の教育実践も継承する形になった。


統合新校の名称はその後、[[2020年]]5月に「桜和（おうわ）高等学校」に決定した。2020年5月26日に大阪市会で統廃合関連の条例案<ref>{{Cite web |url=https://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/result/pdf/2020gian110.pdf |title=大阪市会令和2年5月第2回定例会議案第110号「大阪市立高等学校条例の一部を改正する条例案」 |format=PDF |publisher=大阪市会 |date=2020-05 |accessdate=2021-04-22}}</ref>が可決されたことにより、2022年4月1日付での桜和高等学校の設置と、南高等学校が桜和高等学校敷地に移転することが正式に決定した。
なお、南高校は[[1956年]]、南区鰻谷東之町の[[大阪市立大学]]敷地（旧「大阪市立育英商工学校」跡地）を譲り受け、運動場として翌[[1957年]]より使用した。この鰻谷運動場は[[大阪市立南中学校]]の移転・建て替え用地として提供されることになり、[[1983年]]3月に廃止されたが、代替地として翌4月より旧南中学校[[分校]]の敷地（旧制[[大阪市立南小学校|渥美尋常小学校]]跡地、現・[[中央区 (大阪市)|中央区]]南船場1丁目）が提供され、南船場運動場として使用している。


また大阪市と大阪府の方針により、大阪市立の高校全校を大阪府に移管する方針が具体化し、2020年12月に大阪市会および大阪府議会で移管に関連する条例が可決<ref name="ikan" />された。これに伴い大阪市立の高等学校は2022年度より大阪府に移管<ref name="ikan" />されることになった。
== 高校関係者と組織 ==
=== 関連団体 ===
*大阪市立南高等学校同窓会 - [[同窓会]]。固有の団体名は無し。


2022年以降の南高等学校の生徒については[[学籍]]は卒業まで同校のままとなった上で、大阪府立となり、在校生が在籍する2022年度および2023年度は桜和高等学校と併存することになる<ref name="ikan" />。南高等学校の在校生は2022年4月以降、桜和高等学校の校舎（大阪市[[北区 (大阪市)|北区]]松ヶ枝町、従来の[[大阪市立扇町総合高等学校]]敷地）で学ぶ。その後2024年3月の閉校が予定されている。
=== 高校関係者一覧 ===

;芸能
=== 年表 ===
* [[1937年]][[4月15日]] - 大阪市立南高等女学校として、南区西賑町（現在の中央区谷町6丁目）に開校。5年制だった。
* [[1943年]] - 修業年限が4年制に短縮。
* [[1945年]]10月 - 5年制に復帰。
* [[1947年]] - [[学制改革]]に伴い、併設中学校を過渡的に設置。
* [[1948年]][[4月1日]] - 学制改革により大阪市立南高等学校に改称。[[普通科 (学校)|普通科]]を設置。
* 1948年[[4月21日]] - [[大阪市立桜宮高等学校]]が南高校敷地内に移転し、2校同居。
* 1948年[[6月15日]] - [[大阪府立今宮高等学校]]・[[大阪府立泉尾高等学校]]と生徒を交流し、[[男女共学]]となる。
* [[1950年]][[3月31日]] - 桜宮高等学校が独立校舎に移転。
* [[1972年]][[4月]] - 服装の自由化（制服の廃止）。
* [[1979年]]4月 - 制服制度の復活。
* [[1986年]][[2月21日]] - 校舎建て替えと英語科新設が決定。
* 1986年[[8月16日]] - 現在地での校舎建て替えのため、旧[[大阪市立難波元町小学校|大阪市立難波小学校]]跡（[[浪速区]][[難波中]]3丁目）に仮移転。
* [[1988年]]3月 - 新校舎が完成し、仮校舎から移転。
* 1988年4月1日 - 英語科を新設。
* [[1991年]]4月1日 - 国語科を新設。普通科をこの年から募集停止。
* [[2020年]] - 英語探究科を設置。英語科・国語科を募集停止。
* [[2022年]]3月 - 英語科、国語科が閉科予定。
* [[2022年]]4月- 大阪府に移管。[[大阪府立桜和高等学校]]へ統合。在校生も桜和高等学校敷地（現[[大阪市立扇町総合高等学校]]敷地）に移転予定。
* [[2024年]]3月31日 - 閉校予定。

== 南第二高等学校 ==
{{日本の高等学校
|校名 = 大阪市立南第二高等学校
|過去校名 = 大阪市立南第二女学校<br />大阪市立南第二高等女学校
|国公私立 = [[公立学校]]
|設置者 = [[ファイル:Flag of Osaka, Osaka.svg|25x20px|border]] [[大阪市]]
|学区 = [[大阪府]]全域
|設立年月日 = [[1938年]][[2月13日]]
|閉校年月日 = 1986年3月31日
|課程 = 定時制課程
|設置学科 = 普通科
|郵便番号 = 542
|所在地 = 大阪市[[南区 (大阪市)|南区]]西賑町6<br />（現：大阪市中央区谷町6丁目17番32号）
}}
大阪市立南高等学校と敷地を共有していた定時制課程単独設置の高等学校・'''大阪市立南第二高等学校'''の沿革についても、当項目で記述する。

[[1938年]][[2月13日]]に南高等女学校の敷地内に、夜間部の大阪市立南第二女学校を併設した。大阪府の公立学校としては初めての夜間女学校であり、府下でも夜間女学校は私立扇町夜間女学校<ref group="注釈">のち定時制高校の[[大阪女学院中学校・高等学校|大阪女学院第二高等学校]]、1974年閉校。</ref>と並んで珍しいものだった。

南第二女学校は1944年に大阪市立南第二高等女学校へ改編され独立した。1948年の学制改革により大阪市立南第二高等学校として発足した。しかし定時制高校の再編方針により、1986年に閉校した。

== 出身者 ==
* [[浅野亜希子]] - 放送タレント、[[ラジオパーソナリティ]]
* [[浅野亜希子]] - 放送タレント、[[ラジオパーソナリティ]]
* [[玄月]] - [[作家]]
* [[玄月]] - 作家
* [[河井ゆずる]] - [[漫才師]][[お笑いタレント|お笑いコンビ]]「[[アインシュタイン (お笑い)|アインシュタイン]]」
* [[河井ゆずる]] - [[漫才師]]（[[アインシュタイン (お笑い)]] ）、[[お笑い芸人]]
;教職員
* [[庄野潤三]] - [[芥川賞]]作家。元[[教諭]]で、[[1948年]]に[[大阪府立今宮高等学校]]より異動


== 脚注 ==
== 関係者 ==
* [[庄野潤三]] - 芥川賞作家、元教諭。1948年に今宮高等学校（旧制今宮中学校）より異動。
{{脚注ヘルプ}}
* [[氏原寛]] - [[臨床心理学|臨床心理学者]]、元教諭。
{{reflist|2}}


=== 参考文献 ===
== 交通 ==
* [[Osaka Metro]] [[Osaka Metro長堀鶴見緑地線|長堀鶴見緑地線]] [[松屋町駅]]より南へ約100m
* Osaka Metro [[Osaka Metro谷町線|谷町線]] [[谷町六丁目駅]]より西へ約600m
* Osaka Metro [[Osaka Metro堺筋線|堺筋線]] [[長堀橋駅]]より東へ約700m

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
* {{Cite book|和書
|author = 大阪市立南高等学校
|author = 大阪市立南高等学校
139行目: 163行目:
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}}

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注釈"|2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[大阪市立西高等学校]]
* [[大阪市立扇町総合高等学校]]
* [[高等女学校]]
* [[旧制中等教育学校の一覧 (大阪府)]]
* [[大阪府高等学校一覧]]
* [[大阪府高等学校一覧]]
* [[大阪都構想]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h553503 大阪市立南高等学校]
* [http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=h553503 大阪市立南高等学校]
* [http://minami-hs.com 大阪市立南高等学校同窓会]


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[[Category:学校記事]]
[[Category:大阪市の公立高等学校|みなみ]]
[[Category:大阪市の公立高等学校|みなみ]]
[[Category:大阪市中央区の学校|みなみこうとう]]
[[Category:日本の外国語に関する学科設置高等学校]]
[[Category:日本のその他専門教育を施す学科設置高等学校]]
[[Category:日本のその他専門教育を施す学科設置高等学校]]
[[Category:大阪府の公立高等学校 (廃止)]]
[[Category:大阪市中央区の学校|みなみこうとう]]
[[Category:大阪市中央区の歴史]]
[[Category:1937年設立の教育機関]]
[[Category:学校記事]]

2021年4月22日 (木) 12:29時点における版

大阪市立南高等学校
過去の名称 大阪市立南高等女学校
国公私立の別 公立学校
設置者 大阪市
学区 大阪府全域
設立年月日 1937年4月15日
創立記念日 4月15日
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 学年制
設置学科 英語探究科（2020年・2021年入学生）
英語科（1988年-2019年入学生）
国語科（1991年-2019年入学生）
学期 3学期制
高校コード 27223A
所在地 〒542-0012
大阪府大阪市中央区谷町6丁目17番32号
地図
北緯34度40分28.2秒 東経135度30分46.2秒 / 北緯34.674500度 東経135.512833度 / 34.674500; 135.512833座標: 北緯34度40分28.2秒 東経135度30分46.2秒 / 北緯34.674500度 東経135.512833度 / 34.674500; 135.512833
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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大阪市立南高等学校（おおさかしりつ みなみ こうとうがっこう）は、大阪府大阪市中央区に所在する市立の高等学校。

2022年度に統合および大阪府への移管で大阪府立桜和高等学校が新設される予定[1]であることに伴い、2021年度入学生を最後に募集を停止し、在校生が卒業する2024年3月に閉校予定となっている。

概要

1937年に開設した旧制大阪市立南高等女学校が前身である。学制改革により普通科の大阪市立南高等学校となり、その後英語科と国語科の2学科を併設する専門高等学校として改編された。2020年度入学生以降は英語探究科1学科の専門高校へと改編している。

英語科・国語科の2学科併設時代は1学年あたり各学科2学級ずつの計4学級、また英語探究科への改編後は1学年2学級の、大阪府の高校としては小規模となっている。

英語科は1988年、大阪府内の公立高校では最初に設置された。英語を重点的に学び、英語力向上のために、少人数授業やALTとのティームティーチングによる英会話の授業、海外研修旅行や宿泊セミナーなどをおこなっている。2020年度および2021年度の入学生については英語探究科に改編された。

国語科は高校の専門学科としては日本唯一で、国語について重点的に学ぶ。現代文や古典、表現、古典芸能に関する専門科目が開講されている。また、文学ゆかりの土地の見学、作家やジャーナリストなどによる特別講義などもおこなわれている。

アメリカ合衆国・オーストラリア・中華人民共和国の高等学校とそれぞれ姉妹校協定を結んでいる。

校歌は、同校教諭として勤務したことがある作家・庄野潤三が作詞[2]を手がけている。

沿革

昭和時代初期の高等女学校への進学希望者増加に伴う入学難緩和のため、大阪市立としては3番目の高等女学校・大阪市立南高等女学校として、1937年4月15日に大阪市南区西賑町（現在地）に開校した[3]。開校当初は、尋常小学校卒業者を入学対象とした5年制の学校だった。

校舎敷地は、この年限りで廃校となった旧大阪市育英高等小学校の敷地を継承した。また同校に併設されていた育英高等家政女学校[注釈 1]の教育実践も継承する形になった。

太平洋戦争中には戦時体制として、修業年限が4年制へと短縮され、また工場への動員が実施された。終戦後の1945年10月に5年制へと復帰した。

学制改革

学制改革により、1948年4月1日に大阪市立南高等学校として発足し、全日制普通科を設置した。

大阪市では当時市立として設置されていた旧制中等教育学校について、全校を形式的・暫定的に新制高等学校へと移行させたが、戦災被害などを考慮して学校を整理統合することにしていた。1948年4月21日には、敷地を新制中学校に転用することになった大阪市立桜宮高等学校が南高等学校の敷地内に移転し、2校が同居することになった[4]。学校名については当時、「大阪市立南桜宮高等学校」と併称することもあった[4]。桜宮高等学校は1950年、独立校舎を設置して退去している。

1948年6月15日には大阪府立今宮高等学校（旧制今宮中学校）および大阪府立泉尾高等学校（旧制泉尾高等女学校）と生徒・教職員を交流し男女共学となった[4]。

学校敷地・校舎

1956年には鰻谷の大阪市立大学敷地（旧制大阪市育英商工学校跡地。現在の中央区島之内1丁目）を運動場として譲り受け、翌1957年より運動場として使用した。鰻谷運動場は大阪市立南中学校の移転・建て替え用地として提供されることになり、1983年3月に廃止している。廃止の代替地として、1983年4月より旧南中学校分校敷地[注釈 2]が提供され、南船場運動場として使用している。

1960年代には生徒数増加に伴う学級増のため、特別教室を普通教室に転用したり、屋上にプレハブ校舎を設置するなどした。敷地狭隘化や校舎老朽化により、1960年代前後から郊外移転なども含めた対策が検討された。大阪市教育委員会は移転先として瓜破（現・平野区）や南港（現・住之江区）などの案を提示した。しかし学校関係者は「移転する場合は、南区内もしくは近辺での移転を希望する」と強く主張し、郊外移転案は立ち消えになっている。

最終的には現在地での校舎建て替えが、1986年2月に決定した。1986年8月には浪速区難波中3丁目、旧大阪市立難波小学校跡[注釈 3]に仮移転し、仮校舎で約1年半の間教育活動をおこなった。

1988年3月に現在地に新校舎が竣工し、1988年4月より使用を開始している。

専門高等学校に改編

大阪市では1980年代以降、「意欲的で目的意識の明確な生徒の入学により学校が活性化することをねらい」[5]として、府立高校とは異なった形での学校特色化の動きが進み、市立の普通科系高校では普通科目を深化させて学ぶ専門学科設置の動きが生まれた。

1984年2月27日に出された大阪市学校教育審議会第4次答申では、高等学校における外国語教育の充実が打ち出され、英語科の設置が提言された[6]。南高等学校では校内で検討を進めた結果、1984年6月28日に「校舎の改築」と「英語科2学級および理数科1学級の設置」を大阪市教育委員会に求める方向で、職員会議での合意が得られた[6]。大阪市教委はその後1986年2月21日付で、南高等学校の校舎建て替えと英語科新設を決定し報道発表した[6]。その一方で理数科については構想のみにとどまった。

設置準備を経て、1988年度より英語科を新設した[6]。

さらに1991年には国語科を新設した。国語科新設に伴い、普通科は1991年度より募集停止となっている。

学校統合

大阪市教育委員会は2010年代に入り、大阪市立の普通科系高等学校の再編方針を打ち出した。背景には、少子化の進行による生徒数の減少や、大阪府教育委員会と大阪市教育委員会が連携して2013年11月に打ち出した「2018年度までに府立・大阪市立あわせて7校程度の公立高校統廃合を検討する」方針があった[7][8]。

大阪市高等学校教育審議会は2017年1月23日、「本市普通科系高等学校の在り方について（第12次答申）」を大阪市教育委員会に提出した[9]。答申では、市立普通科系高等学校7校を設置学科の特徴によって「スポーツ体育系」「理数系」「言語系・実業系および総合学科」の3グループに分類し、「言語系・実業系および総合学科」の同一グループに分類された大阪市立西高等学校・大阪市立扇町総合高等学校および大阪市立南高等学校について、英語力やICT活用力・市立としての強みを生かした高大連携などをおこなう新たな普通科系高等学校としての検討を提言した[9]。

2017年7月14日の大阪市教育委員会会議において、南高等学校・西高等学校・扇町総合高等学校の大阪市立3高校を1校に統合し、2022年4月1日に従来の扇町総合高等学校の校地（北区松ヶ枝町）に新しい普通科系高等学校を開校させる計画が原案どおり了承された[7][8]。

統合方針に伴い、統合対象の3校についても2020年度・2021年度の学科および入学者選抜の再編成がおこなわれ、2018年10月2日の大阪市教育委員会会議で基本方針が承認された[10][11]。新普通科系高校では「教育」に関する内容を学習の軸に据えることに対応する形で、統合対象の3校の新学科についても教育に関連する内容を取り入れた学習内容とした。これに伴い、南高等学校は2020年度より英語探究科を設置し[10]、従来の英語科・国語科は募集停止となった。

統合新校の名称はその後、2020年5月に「桜和（おうわ）高等学校」に決定した。2020年5月26日に大阪市会で統廃合関連の条例案[12]が可決されたことにより、2022年4月1日付での桜和高等学校の設置と、南高等学校が桜和高等学校敷地に移転することが正式に決定した。

また大阪市と大阪府の方針により、大阪市立の高校全校を大阪府に移管する方針が具体化し、2020年12月に大阪市会および大阪府議会で移管に関連する条例が可決[1]された。これに伴い大阪市立の高等学校は2022年度より大阪府に移管[1]されることになった。

2022年以降の南高等学校の生徒については学籍は卒業まで同校のままとなった上で、大阪府立となり、在校生が在籍する2022年度および2023年度は桜和高等学校と併存することになる[1]。南高等学校の在校生は2022年4月以降、桜和高等学校の校舎（大阪市北区松ヶ枝町、従来の大阪市立扇町総合高等学校敷地）で学ぶ。その後2024年3月の閉校が予定されている。

年表

南第二高等学校

大阪市立南第二高等学校
過去の名称 大阪市立南第二女学校
大阪市立南第二高等女学校
国公私立の別 公立学校
設置者 大阪市
学区 大阪府全域
設立年月日 1938年2月13日
閉校年月日 1986年3月31日
課程 定時制課程
設置学科 普通科
所在地 〒542
大阪市南区西賑町6
（現：大阪市中央区谷町6丁目17番32号）
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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大阪市立南高等学校と敷地を共有していた定時制課程単独設置の高等学校・大阪市立南第二高等学校の沿革についても、当項目で記述する。

1938年2月13日に南高等女学校の敷地内に、夜間部の大阪市立南第二女学校を併設した。大阪府の公立学校としては初めての夜間女学校であり、府下でも夜間女学校は私立扇町夜間女学校[注釈 4]と並んで珍しいものだった。

南第二女学校は1944年に大阪市立南第二高等女学校へ改編され独立した。1948年の学制改革により大阪市立南第二高等学校として発足した。しかし定時制高校の再編方針により、1986年に閉校した。

出身者

関係者

交通

参考文献

  • 大阪市立南高等学校『創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念』1988年。 

脚注

注釈

  1. ^ 1919年育英実科女学校として設置、1930年育英高等家政女学校に改編。1937年廃校。
  2. ^ 旧制渥美尋常小学校跡地。現在の中央区南船場1丁目。
  3. ^ 後年の大阪市立浪速スポーツセンターの場所。
  4. ^ のち定時制高校の大阪女学院第二高等学校、1974年閉校。

出典

  1. ^ a b c d “大阪市立の高等学校等移管計画” (PDF). 大阪市教育委員会. 2021年4月22日閲覧。
  2. ^ 『創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念』大阪市立南高等学校、1988年、69頁。 
  3. ^ 『創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念』大阪市立南高等学校、1988年、32頁。 
  4. ^ a b c 『創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念』大阪市立南高等学校、1988年、38頁。 
  5. ^ “高等学校の現状と課題 事業分析（経過報告）” (PDF). 大阪市教育委員会事務局 (2005年10月). 2021年4月21日閲覧。
  6. ^ a b c d 『創立50周年記念誌 新校舎竣工・英語科発足記念』大阪市立南高等学校、1988年、74-75頁。 
  7. ^ a b “平成29年第16回教育委員会会議 議案第99号 普通科系高等学校の再編整備の方向性について” (PDF). 大阪市教育委員会 (2017年7月14日). 2021年4月22日閲覧。
  8. ^ a b “普通科系高等学校の再編整備の方向性について　今回の再編整備計画の白紙撤回を求めます　大阪市教育委員会会議決定（2017.7.14）に対する見解”. 大阪市立高等学校教職員組合 (2017年7月25日). 2021年4月22日閲覧。
  9. ^ a b “本市普通科系高等学校の在り方について（第12次答申）” (PDF). 大阪市高等学校教育審議会 (2017年1月23日). 2021年4月22日閲覧。
  10. ^ a b “平成30年第21回教育委員会会議 議案第90号 普通科系高等学校の再編整備について” (PDF). 大阪市教育委員会 (2018年10月2日). 2021年4月22日閲覧。
  11. ^ “教育系の専門学科を有する新高校の設置”. 大阪市教育委員会 (2020年10月20日). 2021年4月10日閲覧。
  12. ^ “大阪市会令和2年5月第2回定例会議案第110号「大阪市立高等学校条例の一部を改正する条例案」” (PDF). 大阪市会 (2020年5月). 2021年4月22日閲覧。

関連項目

外部リンク

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