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ガクアジサイ(''Hydrangea macrophylla'' f. ''normalis'')に良く似ている。アマチャ<ref name="本山">{{Cite book|和書|author=本山荻舟|title=飲食事典|publisher=平凡社|page=13|year=1958}}</ref>(学名:''Hydrangea macrophylla var. thunbergii'')。また、その若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの、およびそれを煎じて作った飲料のことも指す。[[ウリ科]]の[[つる植物|つる性]][[多年草]]である[[アマチャヅル]]の葉または全草を使った茶も甘茶ということもあるが、前者の「アマチャ」を使った甘茶が本来の甘茶である。



2021年8月26日 (木) 15:22時点における版

甘茶

甘茶(あまちゃ)は、アジサイ科落葉低木のアジサイ(学名:Hydrangea macrophylla)の変種である。 ガクアジサイ(Hydrangea macrophylla f. normalis)に良く似ている。アマチャ[1](学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergii)。また、その若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの、およびそれを煎じて作った飲料のことも指す。ウリ科つる性多年草であるアマチャヅルの葉または全草を使った茶も甘茶ということもあるが、前者の「アマチャ」を使った甘茶が本来の甘茶である。

甘茶の茶葉に「御法楽」という御祈祷を神社で行った茶葉のみ「天茶」の称号が許される[要出典](読みは同じ「あまちゃ」)。

風習

飲料としての甘茶は、黄褐色で甘みがあり、灌仏会(花祭り)の際に仏像に注ぎかけるものとして古くから用いられた。これは、釈迦の生誕時に八大竜王がこれを祝って産湯に甘露を注いだという故事によるものである[1]。また、潅仏会の甘茶には虫除けの効能もあるとされ、甘茶をに混ぜてすり、四角の白紙に「千早振る卯月八日は吉日よ 神下げ虫を成敗ぞする」と書いて室内の柱にさかさまに貼ると虫除けになるという風習がかつて全国的に行われていた[1][2]

薬用

甘茶は甘味成分としてフィロズルチンとイソフィロズルチンを含み、その甘さはショ糖の400あるいは600 - 800倍[3][4]サッカリンの約2倍である[5]。葉を乾燥させることにより甘味が出る。また苦味成分としてタンニンを含むが、カフェインは含まない。

生薬としては、抗アレルギー作用、歯周病に効果を有する(日本薬局方に収載)。

茶・麦茶などに砂糖を入れたものは本来の意味での甘茶ではない。

毒性

昔から食用とされてきた植物であり、これまでアマチャから毒性のある成分が検出されたことも無く、毒性はないと考えられているが、濃すぎるアマチャを飲むと中毒を起こして嘔吐する恐れがある。

花祭りの際に濃すぎるアマチャを飲んだ児童が集団食中毒を起こした事例が報告されている(甘茶による集団食中毒事件)。アジサイ属の植物には葉に青酸配糖体が含まれており、食すと中毒を起こす可能性があるが、それとの関連はよく解っていない。

厚生労働省は濃いアマチャを避けること、2〜3グラムを1リットルの水で煮出すことを推奨している[6]

脚注

  1. ^ a b c 本山荻舟『飲食事典』平凡社、1958年、13頁。 
  2. ^ 神下げ虫とはムカデのことである。
  3. ^ 瀬口正晴、多田洋、小関佐貴代、衣笠治子、道家晶子、八田一 著、瀬口正晴、八田一(編) 編『食品学各論』化学同人、page=176頁。ISBN 978-4-7598-0473-7 
  4. ^ Kinghorn, A. Douglas; Compadre, Cesar, M. (2011). “Less Common High-Potency Sweeteners”. In O'Brien-Nabors, Lyn. Alternative Sweeteners (4th ed.). Boca Raton: CRC Press. p. 228. ISBN 978-1-4398-4614-8 
  5. ^ アマチャ”. 東邦大学薬用植物園. 2012年5月27日閲覧。
  6. ^ 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アマチャ 厚生労働省

関連項目

外部リンク