コンテンツにスキップ

「トンスル」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
103.77.233.52 (会話) による ID:87139418 の版を取り消し
タグ: 取り消し
m 外部リンクの修正 http:// -> https:// (books.google.co.jp) (Botによる編集)
36行目: 36行目:
また朝鮮では、民間療法として[[ヒトに由来する生薬]]を多く用い、人糞を薬用としてきた。『東医宝鑑』によると、「肉を食べて中毒になった時、人糞汁を飲食させればよい」と書いてあり、「毒キノコ中毒になった時、人糞を一升食べさせる」と書かれてあり、朝鮮の昔の歌手がのどを通すために人糞水を飲んだという話も伝わっている<ref name="cn100820">[https://megalodon.jp/2015-0320-2037-03/japanese.joins.com/article/303/132303.html 【噴水台】人糞] [[金南中]](キム・ナムジュン)論説委員 [[中央日報]] 2010/8/20</ref>。
また朝鮮では、民間療法として[[ヒトに由来する生薬]]を多く用い、人糞を薬用としてきた。『東医宝鑑』によると、「肉を食べて中毒になった時、人糞汁を飲食させればよい」と書いてあり、「毒キノコ中毒になった時、人糞を一升食べさせる」と書かれてあり、朝鮮の昔の歌手がのどを通すために人糞水を飲んだという話も伝わっている<ref name="cn100820">[https://megalodon.jp/2015-0320-2037-03/japanese.joins.com/article/303/132303.html 【噴水台】人糞] [[金南中]](キム・ナムジュン)論説委員 [[中央日報]] 2010/8/20</ref>。


日韓併合時代の韓国の風俗を蒐集した『朝鮮風俗集:全』には、二日{{lang|zh|瘧}}<ref>「ふつかおこり」と読む。熱病の一種で、多くはマラリアをさす。</ref>の治療として「人糞を黒飴に包み三日間夜霧にさらした丸薬を飲む」、腫れ物の対処として「人糞に塩を混ぜて貼る」、チフス(熱病)の治療として「人糞を瓦に塗って熱して水に入れその水を飲む」、虫歯の対処として「人糞を焼いて歯に含む」などの人糞療法の記録が残っている<ref name="chihusu">[http://books.google.co.jp/books?id=slYHn68LUT4C&hl=ja&pg=RA426 今村鞆『朝鮮風俗集:全』斯道舘、1914年、426ページ]</ref>。
日韓併合時代の韓国の風俗を蒐集した『朝鮮風俗集:全』には、二日{{lang|zh|瘧}}<ref>「ふつかおこり」と読む。熱病の一種で、多くはマラリアをさす。</ref>の治療として「人糞を黒飴に包み三日間夜霧にさらした丸薬を飲む」、腫れ物の対処として「人糞に塩を混ぜて貼る」、チフス(熱病)の治療として「人糞を瓦に塗って熱して水に入れその水を飲む」、虫歯の対処として「人糞を焼いて歯に含む」などの人糞療法の記録が残っている<ref name="chihusu">[https://books.google.co.jp/books?id=slYHn68LUT4C&hl=ja&pg=RA426 今村鞆『朝鮮風俗集:全』斯道舘、1914年、426ページ]</ref>。
{{See also|糞#人糞|ヒトに由来する生薬#排泄物およびその関係品に由来する生薬|便微生物移植}}
{{See also|糞#人糞|ヒトに由来する生薬#排泄物およびその関係品に由来する生薬|便微生物移植}}



2022年3月31日 (木) 19:56時点における版

トンスル
各種表記
ハングル 똥술
漢字 糞酒
発音 トンスル
日本語読み: ふんしゅ
ローマ字転写: Ttongsul[1]
テンプレートを表示

トンスル똥술、糞酒、Ttongsul)は、人糞を使った朝鮮半島(韓国北朝鮮)の薬用酒[2]韓方薬

地方によって作り方に差異がある一種の民間療法で、「骨折・打撲・腰痛に効果がある」と信じられた伝統酒として嗜まれていたが、韓国では1960年代中盤からの経済発展以降は次第に飲む人が減ってきているために2010年代には廃れかけている。2013年には製造動画が取材され、2020年には嫌悪食博覧会に展示された[1][3][4][5][6][7][8]

製法

様々な製法が伝えられている[1]

  • 田舎の汲み取り式便所に竹を差込み竹の中に排泄物が詰まって出てきたものにお酒を混ぜて飲む[9]
  • 竹筒に小さな穴を開け、松葉できっちり穴を塞ぎ、便壺に入れておき、3-4ヶ月経つと、竹筒の中に清い液が溜まるので、それをマッコリと混ぜて熟成させる[10]
  • 急ぎの場合は直接に酒と大便を混ぜて3日程度で飲む場合もあった[10]が、急造されたトンスルは薬としての効果は弱く、非常に臭いがきつく飲みづらい。
  • 赤ちゃんの排泄物を焼いた物と複数の韓薬(秦皮(?)、ホンア、猫の骨等)を酒に漬ける[11]。全ての疾患に治療効果を発揮するとされる。
  • 6歳の子供の大便に水を混ぜ、丸1日発酵させる。次に、炊いた白米と酵母、糞尿を混ぜて酒にする[12][1]。骨折・打撲・腰痛のほか、てんかんにも効能があるとされる。

朝鮮半島における人糞の水薬

破棺湯(野人乾水)の製法が載せられている『東醫寶鑑』(ユネスコ世界記録遺産に登録されている)

生薬では人(またはその他の動物)の大便・小便が薬または薬の原料として一般的に用いられるが、中国から中国医学が伝わった朝鮮半島でも、人糞を使った水薬として用いていた。それは「破棺湯」またの名を「野人乾水」というもので[13]、熱病で発狂したときに飲むべしとされ、乾燥させた人糞を焼き、水に溶かしたものである。人糞を乾燥させ粉末にしたものを「ヤインゴン, (야인건/野人乾)」と呼び、それを煎じたものを「ヤインゴンス, (야인건수/野人乾水)」と呼ぶ。「傷寒発狂」という重い症状(現代で言えば腸チフス等からくる循環器系疾患および意識障害)の時にも用いる三番目に厳しい薬で、ちなみに(発狂を治す)最も厳しい治療法は火の中に顔を突っ込んで鼻の穴から炎を吸い込むという火却法[13]。15 - 16世紀に李氏朝鮮時代の女医・大長今が、第11代朝鮮国王中宗に解熱剤として処方したことで知られる[14][15]

また朝鮮では、民間療法としてヒトに由来する生薬を多く用い、人糞を薬用としてきた。『東医宝鑑』によると、「肉を食べて中毒になった時、人糞汁を飲食させればよい」と書いてあり、「毒キノコ中毒になった時、人糞を一升食べさせる」と書かれてあり、朝鮮の昔の歌手がのどを通すために人糞水を飲んだという話も伝わっている[16]

日韓併合時代の韓国の風俗を蒐集した『朝鮮風俗集:全』には、二日[17]の治療として「人糞を黒飴に包み三日間夜霧にさらした丸薬を飲む」、腫れ物の対処として「人糞に塩を混ぜて貼る」、チフス(熱病)の治療として「人糞を瓦に塗って熱して水に入れその水を飲む」、虫歯の対処として「人糞を焼いて歯に含む」などの人糞療法の記録が残っている[18]

21世紀以降のトンスル

  • 2009年7月31日、トンスルを紹介する記事をロケットニュース24(β)が配信した[19]。それによると、韓国に嫁いだ日本人女性のブログ[9]を紹介し、嫁ぎ先でトンスルに出会い「うんこ酒」という漢方に困惑した様子が記載され、記事では「特に韓国の田舎では愛飲されているようである」とされた。[2]
  • 2012年11月9日、ロケットニュース24では半年間に渡る極秘の調査でトンスルの秘密の売人を発見し購入。トンスルは現在の韓国でも製造がされていること、店では買えず事前の注文でトンスル販売員から直接買えることなどを報じた[11]

ロケットニュース24が取材した製法では、子供の便を250℃の電気オーブンで30分間焼くため隣近所に悪臭が匂い、それを朝鮮人は韓方や韓薬と呼称する漢方薬と猫の骨とともに最低2ヶ月間酒に漬け込み、茶色の液体が完成するという。女優の千絵ノムラが実際にトンスルを飲む動画が公開された[20]。2012年12月28日には、ガールズエアバンド「ドッペルゲンガー」のメンバーである北條まみ加藤遥小田あさ美由井香織加藤桃子の5人に、原料を秘匿して飲ませて感想を聞いた記事を掲載した[21]

  • 2013年8月17日にVICE Japanは、ウチダ・ユカ記者が李昌洙医師を取材し、目の前でつくってもらったトンスルを飲んでみたが、帰りに嘔吐してしまう、という内容の記事と動画を公開している[22]。同20日には英紙デイリー・メールが[1]、同22日には中国の環球時報が香港の文匯報を引用して[12]、同23日には中国の広州日報もデイリー・メールを引用して、それぞれ報道している[23]
  • 2020年にはスウェーデンの嫌悪食博覧会に展示された[4][5][6][7][8]
  • 韓国ドラマ「力の強い女ト・ボンスン」の中で、ヒロインが怪我を負わせた人達が入院している病院に、ヒロインの母(道峰区出身)がお見舞いで糞酒を持参し、それを飲んだ人の怪我が治癒したというシーンがある。

脚注

  1. ^ a b c d e Sarah Griffiths 「Bottoms up? The bizarre traditional Korean rice wine that uses human POO to 'heal' everything from broken bones to epilepsy」 デイリー・メール 2013年8月20日
  2. ^ a b “한국인, ‘똥술’ 마신다” 日 기사 논란(「『韓国人、トンスル飲む』日本の記事論争」)ヘラルド経済(2010年3月10日)
  3. ^ 韓国の人糞酒「トンスル」 - Korean Poo Wine VICE Japan 2013年8月16日
  4. ^ a b 스웨덴 박물관에 한국 '똥술' 전시.."전통 요법 일종"” (朝鮮語). 다음 뉴스 (20200912212935). 2020年9月14日閲覧。
  5. ^ a b Foerster, Emma (2019年8月23日). “Disgusting Food Museum - 80 of the world’s most disgusting foods.” (英語). disgustingfoodmuseum.com. 2020年9月14日閲覧。
  6. ^ a b Poop wine? Vile alcohol on show at Swedish Disgusting Food Museum”. Moneycontrol. 2020年9月14日閲覧。
  7. ^ a b AFP (2020年9月13日). “Faeces wine? Revolting alcohol on show at Disgusting Food Museum | New Straits Times” (英語). NST Online. 2020年9月14日閲覧。
  8. ^ a b AFP (2020年9月13日). “Faeces wine? Revolting alcohol on show at Disgusting Food Museum | New Straits Times” (英語). NST Online. 2020年9月14日閲覧。
  9. ^ a b トンスル(うんこ酒) - 走れ!ボンヤン一家 相方は釜山人。(2005年6月30日)
  10. ^ a b 똥술” (朝鮮語). 경남일보(慶南日報) (2007年10月15日). 2009年8月8日閲覧。慶南警察庁警務課長カン・ソンジュのコラム
  11. ^ a b Kuzo (2012年11月9日). “韓国伝統の人糞酒『トンスル』を入手 / 現在も販売されており猫も材料として使用”. ロケットニュース24. 2012年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
  12. ^ a b 韓国に数百年伝わる秘伝の「薬用酒」、実は6歳の子どもの大便が原料だった Focus-Asia 2013年8月22日
  13. ^ a b 許浚 (他) 編「国立国会図書館デジタルコレクション 寒」『訂正東醫寶鑑』 難病篇3、栂井藤兵衛、1724年https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2558298/5 国立国会図書館デジタルコレクション 
  14. ^ 「世宗大王は肉食がお好き…肥満に糖尿病」東亜日報 AUGUST 22, 2005 03:11 2013年8月24日閲覧
  15. ^ 「朝鮮時代の王たちの疾病治療を通じてみた医学の変遷」金正善 ソウル大学大学院医学科
  16. ^ 【噴水台】人糞 金南中(キム・ナムジュン)論説委員 中央日報 2010/8/20
  17. ^ 「ふつかおこり」と読む。熱病の一種で、多くはマラリアをさす。
  18. ^ 今村鞆『朝鮮風俗集:全』斯道舘、1914年、426ページ
  19. ^ 韓国伝統の人糞酒『トンスル』とはどんな酒なのか”. ロケットニュース24(β) (2009年7月31日). 2009年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
  20. ^ 韓国伝統の人糞酒『トンスル』を飲んでみた / 色は完全にウンコだが「漢方酒」のような味”. ロケットニュース24 (2012年11月11日). 2012年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
  21. ^ 【トンスル】韓国のウンコ酒を美女5人に飲ませてみた / 女子「ワインのような上質な味がする」→ 記者「ウンコ入ってますよ」→ 女子「糞まずオエーッ!!」”. ロケットニュース24 (2012年12月28日). 2012年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月22日閲覧。
  22. ^ 韓国秘伝の人糞酒『トンスル』その製造過程からお味まで確かめてみよう!(2013年8月19日時点のアーカイブ) VICE JAPAN、2013年8月17日 2013年9月1日閲覧
  23. ^ 原料は6歳の子どもの大便、韓国秘伝の「トンスル」を日本人女性記者が試飲―中国紙(2013年8月25日時点のアーカイブ) 新華経済、2013年8月23日 2013年9月1日閲覧

参考文献

関連項目