「新撰菟玖波集」の版間の差分
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『'''新撰菟玖波集'''』(しんせん つくばしゅう)は、[[連歌]](れんが)の選集の一つ<ref name="奥田勲" />。[[一条冬良]]および[[三条西実隆]]、[[宗祇]]、[[兼載]]らが共同編集して[[室町時代]]後期の1495年([[明応]]4年)に成立した<ref name="奥田勲" />。全20巻<ref name="奥田勲" />。収録された連歌は1429年の作品がもっとも古い<ref name="奥田勲" />。この選集は文人との交流があった武将である[[大内政弘]]の発起によって出来た<ref name="奥田勲" />。収録作は全2052句で、[[後土御門天皇]]や[[心敬]]、[[宗砌]]、選者である[[宗祇]]が作った連歌の他、武士が作った連歌も多く選ばれている<ref name="奥田勲" />。「連歌がもっとも洗練された時期の選集」と評価されている<ref name="奥田勲">[[奥田勲]]「[https://kotobank.jp/word/%E6%96%B0%E6%92%B0%E8%8F%9F%E7%8E%96%E6%B3%A2%E9%9B%86-82102 新撰菟玖波集]」『[[日本大百科全書]](ニッポニカ)』[[小学館]]、[[コトバンク]]。2023年1月27日閲覧。</ref>。1396年に成立した連歌選集である『[[菟玖波集]]』と同様に和歌の[[勅撰集]]のテーマ別分類(部立〈ぶだて〉)にならって作品を分類し収載している<ref name="奥田勲" />。ただし『新撰菟玖波集』には[[俳諧]]の部はない<ref name="奥田勲" />。 |
『'''新撰菟玖波集'''』(しんせん つくばしゅう)は、[[連歌]](れんが)の選集の一つ<ref name="奥田勲" />。[[一条冬良]]および[[三条西実隆]]、[[宗祇]]、[[兼載]]らが共同編集して[[室町時代]]後期の1495年([[明応]]4年)に成立した<ref name="奥田勲" />。全20巻<ref name="奥田勲" />。収録された連歌は1429年の作品がもっとも古い<ref name="奥田勲" />。この選集は文人との交流があった武将である[[大内政弘]]の発起によって出来た<ref name="奥田勲" />。収録作は全2052句で、[[後土御門天皇]]や[[心敬]]、[[宗砌]]、選者である[[宗祇]]が作った連歌の他、武士が作った連歌も多く選ばれている<ref name="奥田勲" />。「連歌がもっとも洗練された時期の選集」と評価されている<ref name="奥田勲">[[奥田勲]]「[https://kotobank.jp/word/%E6%96%B0%E6%92%B0%E8%8F%9F%E7%8E%96%E6%B3%A2%E9%9B%86-82102 新撰菟玖波集]」『[[日本大百科全書]](ニッポニカ)』[[小学館]]、[[コトバンク]]。2023年1月27日閲覧。</ref>。1396年に成立した連歌選集である『[[菟玖波集]]』と同様に和歌の[[勅撰集]]のテーマ別分類(部立〈ぶだて〉)にならって作品を分類し収載している<ref name="奥田勲" />。ただし『新撰菟玖波集』には[[俳諧]]の部はない<ref name="奥田勲" />。当時はユーモアや滑稽をねらった俳諧の連歌が流行していたが、『新撰菟玖波集』の編者は俳諧の連歌を収録せず、洗練された句風である純正連歌すなわち有心連歌(うしんれんが)の確立を意図した<ref>光田和伸「新撰菟玖波集」『改訂新版 [[世界大百科事典]]』[[平凡社]]、[[ジャパンナレッジ]]。</ref>。 |
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[[奥田勲]]他編による『新撰菟玖波集全釈』全8巻および別巻が三弥井書店によって1999年から2009年に刊行された<ref>[https://iss.ndl.go.jp/books?ar=4e1f&rft.title=%E6%96%B0%E6%92%B0%E8%8F%9F%E7%8E%96%E6%B3%A2%E9%9B%86%E5%85%A8%E9%87%88&search_mode=advanced 新撰菟玖波集全釈] [[国立国会図書館]]。</ref>。他に[[岩波書店]]の『[[日本古典文學大系]]』第39巻『連歌集』に[[伊地知鐵男]]の校訂・注釈によって「新撰菟玖波集抄」として一部分が収録されている<ref>『[[日本古典文學大系]]』第39巻『連歌集』[[伊地知鐵男]]校注、[[岩波書店]]、1960年。ISBN 4000600397。</ref>。 |
[[奥田勲]]他編による『新撰菟玖波集全釈』全8巻および別巻が三弥井書店によって1999年から2009年に刊行された<ref>[https://iss.ndl.go.jp/books?ar=4e1f&rft.title=%E6%96%B0%E6%92%B0%E8%8F%9F%E7%8E%96%E6%B3%A2%E9%9B%86%E5%85%A8%E9%87%88&search_mode=advanced 新撰菟玖波集全釈] [[国立国会図書館]]。</ref>。他に[[岩波書店]]の『[[日本古典文學大系]]』第39巻『連歌集』に[[伊地知鐵男]]の校訂・注釈によって「新撰菟玖波集抄」として一部分が収録されている<ref>『[[日本古典文學大系]]』第39巻『連歌集』[[伊地知鐵男]]校注、[[岩波書店]]、1960年。ISBN 4000600397。</ref>。 |
2023年2月16日 (木) 05:25時点における版
『新撰菟玖波集』(しんせん つくばしゅう)は、連歌(れんが)の選集の一つ[1]。一条冬良および三条西実隆、宗祇、兼載らが共同編集して室町時代後期の1495年(明応4年)に成立した[1]。全20巻[1]。収録された連歌は1429年の作品がもっとも古い[1]。この選集は文人との交流があった武将である大内政弘の発起によって出来た[1]。収録作は全2052句で、後土御門天皇や心敬、宗砌、選者である宗祇が作った連歌の他、武士が作った連歌も多く選ばれている[1]。「連歌がもっとも洗練された時期の選集」と評価されている[1]。1396年に成立した連歌選集である『菟玖波集』と同様に和歌の勅撰集のテーマ別分類(部立〈ぶだて〉)にならって作品を分類し収載している[1]。ただし『新撰菟玖波集』には俳諧の部はない[1]。当時はユーモアや滑稽をねらった俳諧の連歌が流行していたが、『新撰菟玖波集』の編者は俳諧の連歌を収録せず、洗練された句風である純正連歌すなわち有心連歌(うしんれんが)の確立を意図した[2]。
奥田勲他編による『新撰菟玖波集全釈』全8巻および別巻が三弥井書店によって1999年から2009年に刊行された[3]。他に岩波書店の『日本古典文學大系』第39巻『連歌集』に伊地知鐵男の校訂・注釈によって「新撰菟玖波集抄」として一部分が収録されている[4]。