西武3000系電車
西武3000系電車 | |
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西武3000系3001F(於:小手指車輛基地) | |
基本情報 | |
製造所 | 東急車輛製造・西武鉄道所沢工場 |
主要諸元 | |
編成 | 8両 |
軌間 | 1,067(狭軌) |
電気方式 | 直流1,500V |
設計最高速度 | 105 |
起動加速度 | 2.6 |
全長 | 20,000 |
全幅 | 2,849.5 |
全高 | 4,246 |
台車 | FS372A・FS072 |
主電動機出力 | 130kW |
歯車比 | 1:5.31 |
制御装置 |
界磁チョッパ制御 (MMC-HTR-20G) |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ |
保安装置 | 西武形ATS |
西武3000系電車(せいぶ3000けいでんしゃ)は、1983年(昭和58年)に登場した西武鉄道の通勤形電車。
概要
池袋線用として1983年(昭和58年)から1987年(昭和62年)まで製造された。車体外観は新101系とほぼ同一の3扉車である。新101系との違いは、先頭車前面の「鼻柱」が無くなったこと、前面窓の左下部に車両番号を表記したこと、客室側面窓を2連ユニット構造としたこと、車内の冷房吹出口がスリット状のものになったこと、車内の非常スイッチを通報装置に変更したことなどが挙げられる。
また、車体側面の種別・行先表示器を西武鉄道で初めて採用した。制御方式は2000系と同一の界磁チョッパ制御を採用し省エネ化が図られている。主電動機出力は130kW、起動加速度は2.6km/h/s(1986年版会社要覧より)、ブレーキ方式は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキである。8両編成9本の72両が在籍する。
1983年に落成した3編成は、東急車輛製造で製造され8両で出場したが、第4編成以降の編成は自社の所沢工場で製造され、暫定4両編成で出場し狭山線などで運行された後、中間車4両の落成後に8両編成となった。
外部塗装は新旧101系・301系同様西武イエローにベージュの塗り分けであったが、保守作業明確化の理由で西武イエロー一色への変更を行い、1998年(平成10年)に完了した。
20m級車体・4扉車の2000系が新宿線運用車両の主流となりつつあった同時期に、3000系が20m級車体・3扉車で設計されたのは、当時の池袋線は途中駅での乗り換え客が、所沢以外では少なく、終点の池袋までの利用客がメインであったために、着席乗車の便をはかったからである。かつては、秋津や練馬等での乗り換えが大きな比重を占めなかった時代でもあった。また、同じ3扉車である101・301系や同じ界磁チョッパ制御・電気指令式ブレーキを採用している2000系との相互連結ができない(2000系との併結は補助回路の違いで不可能)ため、新宿線はもとより池袋線でも4扉車が主流となった2000年代において、8両編成しか組成できない3扉車の3000系は使い勝手の悪い車両になってしまっている。
当初は池袋線で使用されていたが、1992年に4編成が新宿線に移動、新2000系投入とともに一部の701系・801系、401系を置き換えた。この過渡期では、当時練馬駅 - 豊島園駅で区間運転を行っていた豊島線に2編成が運用されることも見られた。
前面の種別・行先表示器の字幕の黒地化、側面の種別・行先表示器の字幕の青地化は、新宿線所属車の前面行先・側面が転属時であり、それ以外の池袋線所属車は1997年(平成9年)に行われている。2008年(平成20年)5月からは3013Fを皮切りに2000系と同様に種別・行先にローマ字表記を追加し、各駅停車の種別表示は「普通」から「各停」に順次変更がなされている。
新型車両30000系導入後も引き続き使用される予定である。
運用
2007年(平成19年)3月現在、池袋線と新宿線とほぼ編成数を半々に分けて使用されているが、他系列と併結できないなど運用面に制約があり、8両編成の単独運用にしか就くことができない。制御車(クハ)の運転台側には、電気連結器は装備されていない。このため特に池袋線ではほとんど各駅停車で使用されている。2008年6月時点では、新宿線所属の3011Fが池袋線で運用されている。
運用区間は池袋線の池袋~飯能間、豊島線、狭山線(西武ドームでの野球・イベント開催日のみ)、西武秩父線(土曜・休日のみ)、新宿線、拝島線、多摩湖線(小平~西武遊園地間、土曜・休日のみ)、西武園線である。池袋線では飯能まで行く優等列車は10両編成主体であるため一部の急行に運用される程度で、あとは池袋~豊島園、保谷、清瀬、所沢、小手指間の各停・準急列車に運用されることが多い。
山岳区間である池袋線・西武秩父線の飯能~西武秩父間では、変電所の設備の都合で回生ブレーキが失効する恐れがあったため定期運用を行っていなかったが、2007年12月3日より吾野変電所および正丸変電所で環境配慮型蓄電装置の運用が開始されてその心配はなくなり、本格運用が可能となった(その例が西武秩父線乗り入れの快速急行)。なお山岳区間へは設備更新以前に羊山公園の芝桜(春)、巾着田の曼珠沙華(9月)、秩父夜祭(12月)など沿線観光需要の増加に伴う臨時運用により入線したことがある。
性能面から新101系・301系とは基本的に運用が分けられており、平日・休日ともに検修日を除きほぼ全編成が運用される。検修日は新101系・301系が代走する。
改造
2004年(平成16年)から、先頭車前面下部に排障器(スカート)を装着する工事が開始された。2004年度は3009F・3011F、2005年9月に3017F、2006年2月に3003F・3013F、2006年7月に3015F(新宿線最後の未装着編成)、2006年8月には3005Fに装着された。未装着であった3001F・3007Fにも2007年度に装着された。
なお、2000系で施工されているパンタグラフ削減やLED式種別・行先表示器への交換はされていないが、2000系や9000系などで実施されている方向幕の交換は、3013Fを皮切りに始まり、2008年6月14日ダイヤ改正までに全編成に施工された。