河邑厚徳
映像ジャーナリスト。 1948年生まれ。都立西高等学校、東京大学法学部卒業後NHKに入局。 おもに番組制作局・NHKスペシャル番組部などに所属し、現代史、芸術、科学、宗教などを切り口にしたドキュメンタリーを担当。 1971年にNHKに入局し、映像の技術がフィルムからビデオ、さらにハイビジョンへと進化する中で、新しい映像コンテンツの可能性にチャレンジしてきた。 NHKでの制作現場を2010年で退職し、現在は女子美術大学・アートデザイン表現学科教授を務め、NHKエデュケーショナルの特集文化部でドキュメンタリー制作も兼務している。
志賀信夫著の『映像の先駆者』(NHK出版)によれば、独創的方法論で現代に切り込む知的ドキュメンタリーの作り手と紹介されている。 過去の『加藤周一・日本そのこころと形』(ジブリ学術ライブラリー) 『アインシュタインロマン』(NHKエンタープライズ)『チベット死者の書』(ジブリ学術ライブラリー) などの作品が、最近DVDでも発売されている。 戦後に生まれ、60年代の学生運動や若者文化全盛時代に青春を過ごし、経済大国日本の光と影を体験し、 同意に国際的な枠組みの映像ソフトの実現に邁進できた団塊の世代である。映像で発言するジャーナリストとして、 戦争体験者が減る中で日本の未来世代に道しるべを差し示す責任を担わなければならない世代である。
主要ドキュメンタリー作品 ●1973年 「名古屋港24時」前島密賞受賞 ●1979年 「私の太平洋戦争~昭和万葉集より~」芸術祭参加 ●1981年 ドキュメンタリー「がん宣告」芸術祭参加。テレビ技術大賞受賞 ●1981年~84年 NHK特集「シルクロード」朝日賞受賞 ●1984年 ドキュメント人間列島「晴れゆく空の光仰がむ~昭和二十年八月十五日の日記~」ギャラクシー賞受賞 ●1985年 シリーズ「中村元・インドこころの旅」 ●1986年 シリーズ「加藤周一・日本そのこころと形」 ●1991年 NHKスペシャル「アインシュタイン・ロマン」ヒューストン国際映像祭銀賞。イタリア賞正式参加 ●1993年 NHKスペシャル「チベット死者の書」。国際ホスピス学会ベストドキュメンタリー賞受賞 イタリア省正式参加 国際エミー賞正式参加 ●1999年「エンデの遺言~根源からお金を問う~」ギャラクシー賞 ●2000年 シリーズ「未来への教室」。日本賞 ●2002年 NHKスペシャル「長崎の子・映像の記憶~原子雲の下に生きて~」児童福祉賞受賞 ●2003年 テレビ放送開始50年企画・アジアの若い世代と環境問題を考える「未来への航海」プロジェクト ●2005年 ユネスコとの共同制作「世界遺産」プロジェクト開始 ●2007年 東京芸術大学創設120年関連企画「日本人と自画像」 ●2010年 映画「しかしそれだけではない~加藤周一幽霊との対話」プロヂューサー
著書(編著、共著をふくむ)
『60分間の残照~ドキュメントがん宣告~』(飛鳥出版)
『NHK特集 シルクロード』(NHK出版)
『昭和二十年八月十五日・夏の日記』博文館新社。角川文庫)
『アインシュタインロマン6・エンデの文明砂漠』
『チベット死者の書』
『エンデの遺言~根源からお金を問うこと~』
『エンデの警鐘~地域通貨の希望と銀行の未来~』『世界遺産・秘めた力~災害列島日本より~』
『藝大生の自画像~4800枚の卒業制作』(以上NHK出版)
『誰でも持っている一粒の種~生活クラブ生協・レッスン1』(ランダムハウス講談社)など