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KBSニュース9

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KBSニュース9(韓国語:KBS 뉴스 9)は韓国放送公社(KBS)で毎日21時(韓国標準時=日本時間)から放送される韓国ニュース番組。KBSの看板ニュース番組で、KBSは“大韓民国代表ニュース”と謳っている。2013年11月の時点では第1テレビジョン、第1ラジオ(途中まで)、KBSのインターネットサービスに加えYouTubeでも配信している。但しネット配信は各種権利などの関係から韓国国外では事後でも視聴できない場合があるので注意が必要。

KBSの午後9時台のニュース番組名は若干変遷しており『KBSニュース9』の名称となったのは1993年5月10日からである(#番組の変遷を参照)。

内容

2013年10月21日実施の秋改編で従前に比べがらりと変わったため、その対比を含めて解説する。

オープニング

2013年秋改編以前はある種の“フライングスタート”を長らく導入していたため開始時間は一定ではなく、20:58になると時間調整をした上でヘッドラインとオープニンググラフィックを流し、『ニュース広場』『ニュース12』とは違い21時になるところで男性キャスターが「ヨロブン・アニョハシムニカ!!(皆さんこんばんは!!)」と挨拶した後、タイトルを述べないで最初のニュース項目にいきなり入っていた。このように21時きっかりに最初のニュース項目が始まるようになっていたため、同時放送のラジオでは『58分天気』終了後「今から『KBS9時のニュース』を、KBS第1テレビジョンとKBSインターネットと同時に放送いたします。KBS第1ラジオです」という女性アナウンサーの告知が入り、時報まで時間調整の音楽が流れ21時になったところで最初のニュース項目を伝えていた。オープニングテーマにフェードしていた時期もあった。

ところが、2013年秋改編で先ずタイトルから入ってヘッドラインを伝える嘗てのスタイルに戻り、2週目になった10月28日にフライングスタートが数十年ぶりに廃止され、テレビ・ラジオ・ネット配信全て正時スタート体制に移行。映像では10月中は時計による時報が現れて21時の時報を鳴らしてからタイトルに入り、11月からは番組開始前に流すロゴソング映像にデジタル表示の時報を被せる民放と同じスタイルに変わった。

地域ニュースの扱い

『KBSニュース9』では同時間帯の全国ニュースと地域ニュースを別番組として区別せず同じ番組の枠内で地域ニュースの時間を設けている。ローカル枠は平日は21:30前後からスポーツニュース放送前まで、週末はスポーツニュース途中の21:25前後から終了時刻の21:30まで放送されている。なお、ラジオの同時放送はローカル枠に入る前で終わり、ラジオ情報センターからスポットニュースを流して21:30に終了、引き続きラジオ番組『スポーツハイライト』を放送する。

  • 本部の一部署扱いである京仁センターでもソウル市以外の首都圏向けニュースを「ニュース9 京畿・仁川」として制作しており、本部レベルで全国ニュースと共に動画配信している。首都圏以外の地域における動画配信については各放送局の判断による。
  • キャスターは放送総局と広域市にある蔚山局が全国版同様男女ペア、京仁とその他放送局が1人。土日祝日については蔚山を除きNHK同様ブロック単位の放送になる。

その他

  • 大きな事件があった場合は、放送開始時刻が早まったり、放送終了時刻が遅くなったりする(この場合、タイトルは「特集 KBSニュース9」となる)。なお、スポーツ中継による番組の前倒し、遅れに関しては、スポーツ中継をKBS第2テレビに充てることが多いため、そのようなことは少ない。
  • MBCニュースデスク』と同じように、重大事件やイベントが起こった場合は、サテライトスタジオを組み立ててから、そこで生放送をしている。
  • 日本ではかつてスカパー!KNTVにて同時生放送、ならびに深夜帯で再放送されていた。現在はスカパー!のKBS WORLD チャンネルにて早朝の「KBSニュース広場」や昼の「KBSニュース12」とともに同時放映されている(再放送、および日本語翻訳や字幕はなし)。

歴史

全斗煥政権時代には、同番組において、大統領の動静を毎日トップニュース(別名:テン・ジョンニュース)で報道したり、総選挙の際野党に対して露骨とも取れる偏向報道を行ったことで、視聴者から猛反発を受けて、一時KBSの受信料収入が半分近くまで減少するきっかけとなった。しかし、1980年代後半から民主化が進んだこと、KBSの労働組合が、報道の自由を求めてストライキを起こしたりしたことで報道の自由度は、大幅に改善されることとなった。また、大韓航空機爆破事件湾岸戦争の際に現地から報道を行うなど、キャスターによるニュース報道にも力を入れるようになった。

番組の変遷

  • KBS 9時ニュース(KBS 9시 뉴스、1977.12.15 - 1984.10.27)
    NHK『ニュースセンター9時』を参考にしたものとみられており、当初のオープニングは9の文字をモチーフにした時計付のオブジェ。約10年ほど使われた9の文字が『NC9』の『9』に似ていただけでなく、時計も同様にクロマキー合成システムとなっており、その日のトップ項目やスタジオの風景が映されるものを使用。1980年代にはKBSでもニュースセンターが簡素ながらも整備されたということもあってか、9を大きくかたどった黄色い文字が回転し、画面中央に消えた後もう一度9の文字がズームインするオープニングに変わった。テーマソングはいずれもファンファーレ調。
  • KBS ニュースセンター9(KBS 뉴스센터9、1984.10.29 - 1986.11.01)
  • KBS 9時ニュース(KBS 9시 뉴스、1986.11.03 - 1992.04.05)
    • 1987年1988年にかけてオープニングでは「KBS 9時 뉴스」と一部漢字表記していた。
    • 1988年1月~1990年12月のオープニングではKBSのマークが登場。ニュースセンターからの放送のためセットには「KBS뉴스센터」と文字が入っていた時期がある。
    • 1990年頃から21時の数十秒前ぐらいから時報スーパーが画面下部中央に表示されるようになる。
  • KBS 9時ニュース現場(KBS 9시 뉴스현장、1992.04.06 - 1993.05.07)
    • 現在のテーマソングが使われるようになる。
  • KBSニュース9(KBS 뉴스 9、1993.5.10 - )
    • 歴代オープニング(KBSニュース9以降)
      • 初代:1993年5月~1993年9月
      • 2代目:1993年10月~1995年12月(マークが登場)
      • 3代目:1996年1月~1996年12月
      • 4代目:1997年1月~1999年12月
      • 5代目:2000年1月~2005年3月(マークが登場)
      • 6代目:2005年3月~2008年8月(マークが登場)
      • 7代目:2008年8月~2010年5月 テーマソングは変わらないが、これまでのシンセサイザー系のものからオーケストラのものに変わる
      • 8代目:2010年5月~現在

キャスター

男性アンカーは報道記者、女性アンカーはアナウンサーが務める。2013年秋改編でキャスターがスタジオセットとともに刷新されたが、平日の女性アナウンサーだけは、前任の人妻アナウンサーが妊娠したことによる産休降板で交代しまだ日が浅かったことからただ1人留任した。

アンカー

  • チェ・ヨンチョル(최영철)記者(月-金、男性)
  • イ・ヒョンジュ(이현주)アナウンサー(月-金、女性)
  • チェ・ムンジョン(최문종)記者(土日、男性)
  • チャン・スヨン(장수연)アナウンサー(土日、女性)

スポーツコーナー

アナウンサーが務めている。2009年4月の異動で月-金は女性が担当に。
  • オム・ジイン(엄지인)アナウンサー(月-金、女性)
  • キム・スンフゥイ(김승휘)アナウンサー(土日、男性)

お天気キャスター

韓国では女性アナウンサー・キャスターが務める。
  • キム・ヘソン(김혜선)(月-土、女性)
  • ノ・ウンジ(노은지)(日のみ、女性)

備考

  • 韓国のTV局において、ニュース番組は局のレベルとイメージを決定付ける、いわば「顔」としての役割を果たしている。日本や欧米のニュース番組では、ニュースの合間に雑談やジョークを交えて番組を和やかにするよう演出するが、韓国では「キャスターはあくまでニュースを読むこと徹するべき」と考えられている。そのため、キャスターがふざけたり、長々とフリートークを行えば視聴者から苦情が殺到すると言われている。特に、公共放送であるKBSなら尚更である。
  • 韓国では、鄭東泳のように報道番組でキャスターを務めた後に、政治家として転出するケースが多いのも特徴である。これは、「KBSニュース9」も例外ではなく、90年代前半には、同番組のキャスター経験者が相次いで政治家に転出し話題を集めた。こうした傾向に対し、韓国の新聞東亜日報は、ピーター・ジェニングストム・ブロコウダン・ラザーが、ジャーナリズムの最前線で活躍していたことを例に挙げた上で、キャスターという地位を国政進出の踏み台にする韓国の一部キャスターを批判する論説を掲載したほどである。

参考文献

  • 韓国のマス・メディア/彭元順著/電通/1991.11

関連項目