トンバク
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トンバクは、イランで使用されるゴブレット(足付酒杯)形太鼓の一種。ザルブ、ドンバクなどとも呼ばれる。ダフと並んでペルシア音楽で重要な打楽器である。
歴史
ペルシア音楽においては、19世紀までダフが主要な打楽器としての地位を占めており、トンバクは歌手の伴奏楽器にすぎなかった。
1940年代になり、ホセイン・テヘラーニーがトンバクを用いて様々な演奏活動・普及活動を行っていくなかで、トンバクという楽器の持つ可能性が改めて見直され、ペルシア音楽でも主要な打楽器としての地位を確立した。
現在では、その複雑な奏法を活用したソロ演奏もしばしば行われている。
材質
胴体はクルミやクワの木からできており、1本の丸太から削り出されている。
高さは34cm~54cm、打面の直径は22cm~32cmのものまであり、大小さまざまなサイズがある。
皮はヒツジやヤギ、ラクダや牛の皮などが使われている。
奏法
ホセイン・テヘラーニーの登場以前と以後では奏法が大きく異なっており、登場以前の奏法については不明な点が多い。
指を細かく使うことによって持続音のような効果を出すリーズ奏法がもっとも特徴的であり、この習得はたいへん難しいといわれている。
出典
- Ella Zonnis(1973)『Classical Persian music』
- Jean During, Zia Mirabdolbaghi,D.Safvat(1991)『The Art of Persian Music』
- http://www.khafif.com/rhy/his.html
- http://www.nasehpour.com/peyman/id80.html