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イナバウアー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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イナバウアーは、フィギュアスケートの技で足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑る技である。1950年代に活躍した旧西ドイツ女性フィギュアスケート選手、イナ・バウアーが開発したのでその名が冠された。

技法について

ストローク後に、長い距離または時間を、ある姿勢を保ったまま滑ることを「ムーヴズインザフィールド」という。イナバウアーはそのうちの、両足のトウ(つま先)を外側に大きく開いて横に滑る「スプレッドイーグル」の変形であり、片方のひざを曲げ、もう片方の足は後ろに引いて伸ばした姿勢で滑る。

毎年多くの選手が「要素間のつなぎ」として取り入れているものであるが、要求される技術要素ではない。


レイバックイナバウアー

「イナバウアー」は流行語となり、2006年の流行語大賞にも選ばれた。 荒川は上半身を大きく反らせる特徴的なイナバウアーを行った。このイナバウアーを本人や解説者は、「レイバック・イナバウアー」や「サーキュラー・イナバウアー」とも呼ぶ。荒川の演技によって広く知られたことで、日本においては「『イナバウアー』とは背中を大きく反らしながら滑る技、または大きく反り返った状態のこと」といった誤認が発生している。

ロシア選手ではアリーナ・ザギトワらが披露のほか、アリョーナ・コストルナヤはイナバウアーから2回転アクセルを飛ぶなど、ジャンプの加点要素として取り入れている。

商標登録問題

2007年2月、アサヒビールが「イナバウアー」の商標登録を出願したが、特許庁から「便乗行為は公序良俗を乱す、人名でありイナ・バウアー氏の承認を要する」として拒否された。アサヒビールを含め13社から出願があったという[1]

その他

  • 2007年大相撲九州場所10日目で里山栃乃花との対戦で珍しい決まり手・伝え反りで勝った際には、技が決まった瞬間の体勢が類似していたことに掛けて、「イナバウアー」と各種スポーツ紙でもてはやされた。
  • 大相撲の大関琴奨菊が取組前の仕切りで大きく上半身を反らせることを、「琴バウアー」と呼ばれる。
  • 卓球選手の張本智和ITTFワールドツアージャパンオープン荻村杯(U-21)を優勝した際、仰け反り雄たけびを上げたシーンを全日本代表の監督の倉嶋洋介から荒川静香のイナバウアーの動きに似ていたことから「ハリバウアー」と名付けた[2]

本来のイナバウアーは背中を反らせることは関係がなく、これらの多くが混同による誤認識である。

脚注

  1. ^ 「イナバウアー」商標登録認めず 日本経済新聞社インターネットアーカイブによるミラー)※文字化けする場合は文字エンコードをシフト JISに変換してください。
  2. ^ 4年後の五輪金メダルを本気で狙う13歳 国内敵なし、張本智和のロードマップ スポーツナビ 2016年10月20日

外部リンク