コンテンツにスキップ

藤嶋昭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
印刷用ページはサポート対象外です。表示エラーが発生する可能性があります。ブラウザーのブックマークを更新し、印刷にはブラウザーの印刷機能を使用してください。
ふじしま あきら
藤嶋 昭
文化勲章受章に際して
公表された肖像写真
生誕 (1942-03-10) 1942年3月10日(82歳)
日本の旗 日本 東京都世田谷区
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 化学
出身校 横浜国立大学工学部
東京大学大学院工学系研究科博士課程
主な業績 本多-藤嶋効果酸化チタン光触媒反応)の発見
主な受賞歴 #学術賞参照
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

藤嶋 昭(ふじしま あきら、1942年3月10日 - )は、日本化学者。専門は、光電気化学・機能材料化学。東京理科大学第9代学長[1]。東京理科大学栄誉教授[2]。東京理科大学光触媒国際研究センター長[3] 兼 東京理科大学光触媒研究推進拠点長[4]。初代東京大学特別栄誉教授。東京応化科学技術振興財団理事長[5]。財団法人神奈川科学技術アカデミー理事長。2006~2007年度日本化学会会長。他に日本学術会議会員、化学委員会委員長、光機能材料研究会会長、電気化学会会長、光化学協会会長、川崎市教育アドバイザーなどを歴任。

東京都世田谷区生まれ、1944年から中学入学まで愛知県豊田市に疎開した経験を持つ[6][7][8]事から、2021年3月に豊田市の名誉市民に推挙された。

人物

東京大学大学院に在学中の1967年春、水溶液中の酸化チタン電極に強い光を当てたところ、酸化チタン表面で光触媒反応が起きることを発見。この現象は共同研究者の本多健一の名前と合わせ「本多-藤嶋効果」と呼ばれる。それらの業績が認められ、2004年に日本国際賞を受賞している。 2013年4月に東京理科大学光触媒国際研究センターを開設しセンター長に就任、同センターにより光触媒の多様な応用展開を実現[9]。また、学長在職中も2014年に光触媒による伝染病撲滅装置の試作品を完成させるなど、様々な研究を実践し続けている[10]

経歴

学術賞

  • 1983年 朝日賞[14]
  • 1987年 電気化学協会学術賞
  • 1988年 光化学協会賞
  • 1997年 日本照明学会賞
  • 1998年
    • 井上春成賞
    • Innovations in Real Materials Award(実用材料発明賞)
  • 1999年
    • 電気化学賞・武井賞
    • Award of Federation of Asian Chemical Societies(アジア化学連合会賞)
  • 2000年
  • 2003年 第1回The Gerischer Award
  • 2004年
  • 2005年 APA Award
  • 2006年 恩賜発明賞
  • 2011年 The Luigi Galvani Medal
  • 2012年 トムソン・ロイター引用栄誉賞『本多-藤嶋効果(酸化チタンの光触媒反応)の発見』[16]

栄誉・叙勲

文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真

著書

  • 『電気化学測定法 (上)』技報堂出版、1984年。
  • 『電気化学測定法 (下)』技報堂出版、1984年。
  • 『光のはなし〈1〉』技報堂出版、1986年。
  • 『光のはなし〈2〉』技報堂出版、1986年。
  • 『光クリーン革命―酸化チタン光触媒が活躍する』 シーエムシー、1997年。
  • 『光触媒のしくみ (入門ビジュアルサイエンス)』日本実業出版社、2000年。
  • 『光機能化学―光触媒を中心にして』昭晃堂、2005年。
  • 『Diamond Electrochemistry』ビーケイシー、2005年。
  • 『くらべるシリーズ2 どこが違うの?ホタルの光と蛍光灯』丸善、2006年。
  • 『ナノテクとエネルギー』丸善、2006年。
  • 『天寿を全うするための科学技術―光触媒を例にして』川崎市生涯学習財団かわさき市民アカデミー出版部、2006年。
  • 『アサガオはいつ、花を開くのか?―読んで納得。「お茶の間サイエンス」』神奈川新聞社、2007年。
  • 『科学も感動から 光触媒を例にして』東京書籍、2010年。
  • 『時代を変えた科学者の名言』東京書籍、2011年。
  • 『CLEAN AND GREEN:A STORY OF THE SUN AND PHOTOCATALYSTS』偕成社、2011年。
  • 『高等学校理科用 化学 啓林館 化学305 文部科学省検定済教科書 平成28年度用』啓林館、2015年。
  • 『理系のための中国古典名言集』朝日学生新聞社、2016年。
  • 『化学基礎(化基318)啓林館 文部科学省検定済教科書 高等学校理科用【平成29年度版】』啓林館、2016年。
  • 『やさしい 科学者のことばと論語』朝日学生新聞社、2017年。
  • 『第一人者が明かす光触媒のすべて-基本から最新事例まで完全図解』ダイヤモンド社、2017年。
  • 『人物でよみとく物理』朝日新聞出版、2020年。
  • 『最新情報をやさしく解説 光触媒実験法』北野書店、2021年。
  • 『人物で読みとく化学』朝日新聞出版、2021年。
  • 『かこさとし 科学絵本の世界』学研プラス、2022年。
  • 『地球のびっくり!数の図鑑』北野書店、2023年
  • 『ファラデーのつくった世界 ロウソクの科学が歴史を変えた』化学同人、2024年。

その他、書籍の監修を多数手がけており、オリジナル論文(英文のみ)896編、著書(分担執筆、英文含む)約50編、総説・解説494編、特許310編などがある[23]

脚注

  1. ^ 歴代学長肖像 東京理科大学
  2. ^ 藤嶋 昭学長の「東京理科大学栄誉教授称号贈呈式」(1/26)および「文化勲章受章祝賀会」(1/27)を開催 東京理科大学
  3. ^ センター長挨拶 東京理科大学光触媒国際研究センター
  4. ^ 拠点長挨拶 東京理科大学光触媒研究推進拠点
  5. ^ 理事長挨拶 東京応化科学技術振興財団
  6. ^ 東京大学基金
  7. ^ 東京理科大学学長 藤嶋昭先生に聞く
  8. ^ 【神奈川のノーベル賞候補 新春インタビュー】東京理科大学長・藤嶋昭さん 産経新聞2015年1月3日
  9. ^ トッピク 日刊工業新聞
  10. ^ 藤嶋昭さん 「光触媒」の応用技術、身近に広く 東京理科大学長 産経新聞
  11. ^ 国立国会図書館. “博士論文『半導体の光電極反応究』”. 2023年4月7日閲覧。
  12. ^ 1977-2003光化学協会
  13. ^ http://www.newkast.or.jp/kisya/press_100326.html
  14. ^ 朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年9月2日閲覧。
  15. ^ ジャパンプライズ(Japan Prize/日本国際賞)”. 国際科学技術財団. 2022年9月2日閲覧。
  16. ^ 11回目の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」で、21名(うち3名が日本人)の新たなノーベル賞有力候補者を発表
  17. ^ 平成15年秋の褒章受章者 神奈川県” (PDF). 内閣府. p. 2 (2003年11月3日). 2004年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月30日閲覧。
  18. ^ 安藤・三宅氏ら7人に文化勲章 ノーベル賞2氏も”. 日本経済新聞 (2010年10月26日). 2023年3月21日閲覧。
  19. ^ 文化勲章に光触媒の藤嶋氏ら5人 日本経済新聞
  20. ^ 発見50年目、「大変光栄」=光触媒の藤嶋昭さん-文化勲章 時事ドットコムニュース
  21. ^ 文化勲章に東京理科大学長の藤嶋昭さんら5人 NHK
  22. ^ 光触媒応用感慨深く 東京理科大学長・藤嶋昭氏 毎日新聞
  23. ^ 光触媒の「抗カビ効果」を活かした見ざる・言わざる・聞かざる「日光東照宮・漆プロジェクト」がアツイ! DIAMOND ONLINE

外部リンク


先代
丸山和博
光化学協会会長
1998年 - 2000年
次代
増原宏
先代
村井眞二
日本化学会会長
2006年 - 2008年
次代
中西宏幸