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おくるみ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
"De Wikkelkinderen" /ユトレヒト同盟時代のネーデルラントオランダの前身)で1617年に描かれた作者不明の油彩画。おくるみの双子
アンブロージョ・ロレンツェッティ "Madonna and Child"/1319年の油彩画。イタリア人画家の手になる聖母子像で、幼子イエスは包帯状の細長い布でくるまれている。幼子の腕は外に出ているし、巻き方は随分と緩い様子である。

おくるみ御包み[1][2]とは、ベビー服(ベビーウェア、英語babywear)の一種。赤ちゃん用の防寒着[1]衣服の上から全身を包むものをいう[1]。おおよそがまだ据わらないうちの[* 1][* 2][3]赤ちゃん(新生児と低月齢児[4])のためのもので、体温湿度の保持と姿勢の安定などを含む体の保護を主な目的として、小さな体をくるみ込む(すなわち、内包する)や衣服である。日本語では、くるみ包み[1][2]、または、くるみぶとん包み布団[2]ともいう。

英語では「おくるみ」を "swaddle"[5]、「おくるみを施す」ことを "swaddling" といい[5][6]、現代日本語にもこれらに由来する外来語スワドル」および「スワドリング[6][7]がある[4]。また、「アフガン」という名称もあるが、これはおくるみの素材に手編みの一種である「アフガン編み」が多用されるうちに素材名から転じたとの推測がなされている。

概要

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紀元前遺跡からも小が幾つも出土しており(ギャラリー参照)、時代地域を越えて世界に広く存在することが分かっている。クレタ島にあるアヤ・トリアダ遺跡の紀元前26世紀ミノア文明に属する地層[* 3]から発掘された複数の小像は、おくるみに包まれた赤子を単体で象ったもので、この頃からすでに包帯状の細長い何かでぐるぐる巻きにしていたことが確かめられる。また、ギリシアアテネ近郊のアギア・パラスカヴィ英語版にある紀元前21世紀に属する遺跡の地層からは、おくるみに包まれた赤子を抱く母であろう人物の小像が発掘されている。

偏在するわけではないものの世界で広く用いられ続けているおくるみは、時代と地域によってある程度の差異がある。中世ヨーロッパのおくるみなどは、包帯状の布で一切の身動きが執れないほどガチガチに体を固定してしまうもので、18世紀哲学者ジャン=ジャック・ルソーが「精神肉体発育を妨げる」として旧態然とした極めて抑圧的な子供服全般を批判したのも納得させられる酷いものであった[6](右列上段の画像参照)。それ自体が酷く抑圧的な作りであった大人の衣装の縮小版に過ぎなかったヨーロッパの子供達の服の改革は、何世紀も取り沙汰された末にようやく果たされ、子供の体格や子供らしさに合わせた設計思想による子供服という概念が実現し、拘束し過ぎるおくるみも過去のものにされていった。そういったものに比べて、現代都市文明社会におけるおくるみは、少しも抑圧的ではない。[要出典]

ギャラリー

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脚注

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注釈

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  1. ^ 首が据わる(くびがすわる)とは、乳児の安定しない首がしっかりした構造になること。
  2. ^ 生後3〜4カ月頃まで。
  3. ^ 日本考古学用語では「土層

出典

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  1. ^ a b c d 三省堂大辞林』第3版
  2. ^ a b c 小学館大辞泉
  3. ^ 助産師 REIKO. “おくるみとは?おくるみの種類や巻き方”. ベビーカレンダー. 株式会社ベビーカレンダー. 2018年1月26日閲覧。
  4. ^ a b おくるみの巻き方!赤ちゃんスヤスヤ基本巻きとおひなまき - おくるみの巻き方スペシャル”. ベビリナ. 有限会社みのり. 2018年1月26日閲覧。
  5. ^ a b 英辞郎
  6. ^ a b c 平凡社世界大百科事典』「スワドリング」
  7. ^ スワドル(おくるみ)”. エイデンBYエイデンアンドアネイ. エイデン. 2018年1月26日閲覧。

関連項目

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