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ランシット駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ランシット駅
ダークレッドラインの発着する高架ホーム
รังสิต
Rangsit
地図
所在地 タイ王国の旗パトゥムターニー県タンヤブリー郡タイ語版
北緯13度59分23秒 東経100度36分8秒 / 北緯13.98972度 東経100.60222度 / 13.98972; 100.60222
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
電報略号 รต.
駅構造 高架駅&地上駅
ホーム 4面8線
開業年月日 1994年7月10日[要出典]
乗入路線 2 路線
所属路線 北本線
東北本線
駅番号 1021
キロ程 29.75 km(クルンテープ起点)
ドンムアン (7.54 km)
(4.09 km) クローンヌーン
所属路線 ダークレッドライン
駅番号 RN10
キロ程 ? km(クルンテープ・アピワット中央起点)
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ランシット駅(ランシットえき、タイ語:สถานีรถไฟรังสิต)はタイ王国中部パトゥムターニー県タンヤブリー郡タイ語版にある、タイ国有鉄道北本線及びダークレッドライン

概要

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2020年まで使われた暫定駅

北本線の当駅 - バーンパーチー駅間は、1994年から2004年の改良工事で三線化されている[1][2]

当駅以南の区間については、1990年に開始されたホープウェル計画[3]により、北本線当駅 - ヨムマラート(北本線・東線の接続予定地点) - 東線フアマーク駅間の高架化が行われる予定であったが、進捗の大幅な遅延のため同計画の事業免許は1997年に取り消され、高架化は中断した。

その後、バンコクの都市鉄道整備計画では、タイ国鉄北本線沿いにバンコク北方へ向かう路線を「ダークレッドライン(濃赤線)」として整備することとなり[4]、第1期区間のバーンスー(現・クルンテープ・アピワット中央) - ランシット間について2010年に入札を実施した[5]。タイ国鉄在来線の乗入れが可能な規格により、高架化・電化された都市鉄道を建設するものである。

ダークレッドラインの第1期区間であるバーンスー - ランシット間は2021年8月2日に無料運行が開始された[6]。同年11月29日より運賃を徴取し正式開業した[7][8]

歴史

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1897年3月26日にタイ官営鉄道最初の区間が、クルンテープ - (現)アユタヤ間に開業した[9][10]

同時開業したクローンランシット停車場はタイで最も古い駅のひとつであったが[10]、当駅開業ののちに停車場は廃止された。当駅から約1 km南側に位置していた。

駅構造

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橋上駅舎化後の地上ホーム

3層構造の高架駅かつ地上駅で、乗換駅機能を備える。G階(1階)が駅出入り口と本線(北本線・東北本線)中長距離列車用ホーム、2階がコンコース、3階がダークレッドライン用ホームとなっている。2階には、自動券売機、改札口がある。G階に5 - 8番線(2面4線)、3階に1 - 4番線(2面4線)の計4面8線が設置されている[13]

のりば

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番線 路線 行先 階層
1・2 ダークレッドライン 当駅止まり 3階
3・4 クルンテープ・アピワット中央方面
5・6 北本線、東北本線 クルンテープ・アピワット中央フワランポーン方面 G階
7・8 チェンマイノーンカーイウボンラーチャターニー方面

旧駅時代

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2000年時点は単式及び島式2面の複合型ホーム3面4線をもつ地上駅であり、駅舎はホームに面していた[14]

配線

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本線

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当駅の北側からはバーンパーチー駅に至る三線区間となり、南側はダークレッドラインを含め複々線となる。当駅構内において両者の線路は接続されていない[15][注釈 1]

ダークレッドライン

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当駅の北側には折返し線が備わる。さらに北側で地上に降下後、在来線併設の延伸予定区間となる。現在の末端部は操車場としても機能する[15]。 南側は地上へ降下し、ラックホック駅へ至る。

駅周辺

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やや離れてはいるが、クローンルワン郡に立ち並ぶナワナコーン工業団地やサイエンスパークの最寄り駅のひとつである。

隣の駅

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タイ国有鉄道
ダークレッドライン
トゥンソンホン駅 (RN09) - ランシット駅 (RN10)
北本線、東北本線
ドンムアン駅 - ランシット駅 - クローンヌーン停車場

注釈

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  1. ^ 両者間が接続され転線可能な地点はラックシー駅バーンケン駅、およびワット・サミアンナーリー駅南側の操車場接続部に限られる[15]

脚注

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  1. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.294-p.296
  2. ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年10月号(No.691)p.79 電気車研究会
  3. ^ 香港の建設会社・ホープウェル社が提案したBOT方式による高速道路建設・タイ国鉄都心部高架化計画(『鉄道ジャーナル』2005年5月号(No.463)p.117 及び『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』(柿崎一郎著、京都大学学術出版会、2010年) p.317-p.319)
  4. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年) p.324,p.347
  5. ^ タイ国有鉄道公式サイト掲載「CONSTRUCTION OF MASS TRANSIT SYSTEM PROJECT IN BANGKOK (RED LINE) (I)」による。
  6. ^ 岸本まりみ (2021年8月2日). “バンコク都市鉄道「レッドライン」開通 日本が建設支援”. 2021年8月5日閲覧。
  7. ^ Red Line to charge fares from Nov 29”. Bangkok Post (2021年11月18日). 2021年11月27日閲覧。
  8. ^ a b Full services begin along SRT Red Line” (英語). バンコックポスト (2021年11月30日). 2021年12月1日閲覧。
  9. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.25
  10. ^ a b การรถไฟแห่งประเทศไทย” (タイ語). タイ運輸省. 2022年8月2日閲覧。ちなみに同ページの英語版では西暦1896年開業と記載しているが、タイ仏暦2439年3月は西暦1897年なので明らかに誤りである。
  11. ^ รฟท.ยกเลิกที่หยุดรถ 'แกรนด์ คาแนล-หลักหก-คลองรังสิต' ตั้งแต่ 15 ก.ย. นี้”. Voice TV(英語版) (2020年9月3日). 2021年12月12日閲覧。
  12. ^ SRT opens new Rangsit Station, The Nation Thailand, 2020年12月26日閲覧.
  13. ^ รายงานการเปลี่ยนแปลงรายละเอียดโครงการในรายงานการวิเคราะห์ผลกระทบสิ่งแวดล้อม(EIA計画変更申請書)2章74節 図2.3-68 , 2016年
  14. ^ 鉄道ピクトリアル』2000年10月号(No.691)p.79 に構内の写真掲載。
  15. ^ a b c รายงานการเปลี่ยนแปลงรายละเอียดโครงการในรายงานการวิเคราะห์ผลกระทบสิ่งแวดล้อม(EIA計画変更申請書)2章100節 図2.4-18 , 2016年

参考文献

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  • 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
  • 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

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