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カバノキ属

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カバノキ属
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: ブナ目 Fagales
: カバノキ科 Betulaceae
: カバノキ属 Betula
学名
Betula L.
タイプ種
Betula pubescens L.[1]
和名
カバノキ属
英名
Birch
  • 本文参照

カバノキ属(カバノキぞく、学名Betula)は、カバノキ科の1属。カバカンバ(樺)、カバノキ(樺の木)などと総称する。属名Betula(ベトゥラ)の語源は、瀝青(天然アスファルトやタール、ピッチ)を意味する英語の butumen(ビチューメン)の語源と同じで、オウシュウシラカバの肥厚した樹皮を煮るとタールを抽出することができることからきている[2]

概要

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木材としてはしばしばカバザクラ(樺桜)、あるいは単にサクラ(桜)とも呼ぶ。樺細工が実際には桜皮を用い、水平方向の皮目を生じる共通点があり古くからサクラとカバの混同が見られることや、サクラの方がイメージが良いのと、カバがバカに聞こえるから、カバザクラと材木商が言い出したのが始まりとされる。カバザクラと言う名称は、木材商の悪しき習慣とされている。[要出典]

世界に約40種[3]、日本に約10種がある(分類によって数は一定しない)。落葉広葉樹で、北半球の亜寒帯から温帯にかけて広く分布する[3]。高原の木として知られるシラカバ亜高山帯ダケカンバが代表的である。

いわゆるパイオニア樹種の一つであり、日本の寒冷地ではササが密生する無立木地の表土を除去する地ごしらえをするとカバノキが優占することが多い[4]。葉は黄色く紅葉する[5]

用途

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木目の美しさでは桜や楢に劣るが、比較的安価であるので家具やフローリング材に、楢や桜の代用品として使用される。廉価な商品に使われることが多い。濃い目に塗装してウオルナットやチークの代用品としてもよく使用される。 ドラムのシェル材としても使われ、おもに中級グレードの機種に採用されることが多い。ただ、傷つきやすいという欠点がある。

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下記に主な種を記載する[6]

雑種

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  • Betula x avaczensis オクエゾシラカンバ

脚注

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  1. ^ Betula Tropicos
  2. ^ ジョナサン・ドローリ 著、三枝小夜子 訳『世界の樹木をめぐる80の物語』柏書房、2019年12月1日、29頁。ISBN 978-4-7601-5190-5 
  3. ^ a b 辻井達一『日本の樹木』中央公論社〈中公新書〉、1995年4月25日、85頁。ISBN 4-12-101238-0 
  4. ^ 原田茜, 吉田俊也, Resco de Dios V., 野口麻穂子, 河原輝彦「北海道のササ掻き起こし地における施工後6∼8年の高木性樹種の動態」『日本森林学会誌』第90巻第6号、日本森林学会、2008年、397-403頁、doi:10.4005/jjfs.90.397 
  5. ^ 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月27日、17頁。ISBN 978-4-8299-0187-8 
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)等による [リンク切れ]
  7. ^ a b c d e アレン・コーンビス 著、濱谷稔夫 翻訳・監修『木の写真図鑑 完璧版日本ヴォーグ社、1994年、118-125頁。ISBN 4-529-02356-7
  8. ^ 「シラカバジャクモンティー」の正体”. 株式会社ライフアップ. 2020年7月17日閲覧。

関連項目

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  • 木の一覧
  • ビョーク - アイスランド出身の歌手。名前の「ビョーク (Björ) 」はカバノキを意味する。
  • 枝むち - しばしばカンバの枝で作られる