辰野保

辰野保（たつのたもつ、1891年（明治24年）1月10日^[1] - 1938年（昭和13年）10月17日^[2])は、日本の陸上競技選手、弁護士、政治家。

経歴

1891年、東京市赤坂に生まれる。旧制第一高等学校を経て東京帝国大学法学部に入学。東大在学時の1913年（大正2年）、第1回全国陸上大会において砲丸投げで9m00の記録を打ち立てて優勝する。父・金吾、兄・隆ともども相撲好きで、保はとくに強く、一高時代には出羽海部屋に通っていた^[3]。

1917年に東大法学部を卒業後、岩田宙造の法律事務所に入って実務研修する^[1]。同年、中山瑞彦の娘千代子と結婚^[4]。翌1918年に独立して弁護士を開業し、法律事務および特許関係の仕事に従事する^[1]。

1920年アントワープオリンピックでは役員（監督）として選手団に同行した。帰国後、内田正練・齋藤兼吉の日本泳法が全く歯が立たなかったことや、飛込競技のルールが日本で知られていなかったことを受けて、欧米に在外連絡員を置いて世界の競技界を研究すべしと訴えた^[5]。1933年、東京市会議員選挙に渋谷区から政友会の候補として出馬して当選、一期務めた^[6]。また大日本体育協会理事、大日本相撲協会理事、全日本アマチュア拳闘連盟会長を歴任するとともに、1940年東京オリンピック招致委員会委員長として東京への大会誘致に尽力した^[7]^[8]。1938年、東京目黒の自宅で死去^[8]。墓所は父・金吾、兄・隆と同じく、西新宿の常圓寺^[9]。

著作

辰野隆共著『スポオツ随筆』大畑書店、1932年。

脚注

^ ^a ^b ^c 帝国秘密探偵社編『第三版大衆人事録タ-ワ之部』1930年、タの部149頁。
^ 『日外アソシエーツ whoplus』「辰野保（タツノタモツ，弁護士，体協理事）」の項。
^ 旧唐津銀行展示解説シート　相撲好きだった親子～辰野金吾と辰野隆唐津市役所、2015年
^ 『読売新聞』1917年5月31日、朝刊4頁「婦人付録　新郎新婦」。
^ 辰野保「運動界の新しき途二海外に運動聯絡員を設置世界の競技界を研究せよ」東京朝日新聞1921年1月6日付朝刊、4ページ
^ 『東京朝日新聞』1933年3月18日、夕刊 1頁「開票結果」。
^ 社団法人　日本ボクシング連盟歴代会長
^ ^a ^b 『東京朝日新聞』1938年10月19日、夕刊2頁「辰野保氏が死去」
^ “東京の中の佐賀「新宿・常圓寺」”. 佐賀偉人伝. 佐賀県立佐賀城本丸歴史館 (2013年2月21日). 2019年8月15日閲覧。
^ 近藤正高 (2019年6月2日). “「いだてん」綾瀬はるか名演「金栗四三は金メダルばい!」選手たちもむせび泣く20話”. 2019年8月15日閲覧。

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[zinzi-1] 帝国秘密探偵社編『第三版大衆人事録タ-ワ之部』1930年、タの部149頁。

[2] 『日外アソシエーツ whoplus』「辰野保（タツノタモツ，弁護士，体協理事）」の項。

[3] 旧唐津銀行展示解説シート　相撲好きだった親子～辰野金吾と辰野隆唐津市役所、2015年

[4] 『読売新聞』1917年5月31日、朝刊4頁「婦人付録　新郎新婦」。

[5] 辰野保「運動界の新しき途二海外に運動聯絡員を設置世界の競技界を研究せよ」東京朝日新聞1921年1月6日付朝刊、4ページ

[6] 『東京朝日新聞』1933年3月18日、夕刊 1頁「開票結果」。

[7] 社団法人　日本ボクシング連盟歴代会長

[asahi-8] 『東京朝日新聞』1938年10月19日、夕刊2頁「辰野保氏が死去」

[sg-9] “東京の中の佐賀「新宿・常圓寺」”. 佐賀偉人伝. 佐賀県立佐賀城本丸歴史館 (2013年2月21日). 2019年8月15日閲覧。

[10] 近藤正高 (2019年6月2日). “「いだてん」綾瀬はるか名演「金栗四三は金メダルばい!」選手たちもむせび泣く20話”. 2019年8月15日閲覧。

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表話編歴日本陸上競技選手権大会男子砲丸投優勝者
1910年代	13 辰野保 14 後藤欣一 15 鈴木智一郎 16 伊藤鉄五郎 17 中村正祐 18 中村正祐 19 益田弘
1920年代	20 二村忠臣 21 花井充三 22 猿丸吉雄 23 横川末吉 25 樋口一雄 26 溝川末吉 27 高田静雄 28 石田末吉 29 斎藤真衛
1930年代	30 高田静雄 31 高田静雄 32 栗原伝次郎 33 高田静雄 34 高田静雄 35 高田静雄 36 神代義郎 37 神代義郎 38 青木半治 39 西田泰介
1940年代	40 永倉秀松 42 西村政平 46 西村政平 47 西村政平 48 西村政平 49 木村喬利
1950年代	50 伝田扶夫 51 伝田扶夫 52 佐藤範美 53 小島義雄 54 小島義雄 55 後藤均 56 後藤均 57 後藤均 58 後藤均 59 後藤均
1960年代	60 梁川昌三 61 糸川照雄 62 糸川照雄 63 ハインフリート・バーレンバッハ（英語版） 64 石田義久 65 渡波一郎 66 石田義久 67 石田義久 68 青木正純 69 青木正純
1970年代	70 青木正純 71 青木正純 72 青木正純 73 青木正純 74 青木正純 75 青木正純 76 青木正純 77 青木正純 78 小山裕三 79 小山裕三
1980年代	80 瓜田吉久 81 池川哲史 82 三浦重則 83 瓜田吉久 84 伊藤好郎 85 瓜田吉久 86 瓜田吉久 87 瓜田吉久 88 大和敏幸 89 岡野雄司
1990年代	90 セルゲイ・ニコラエフ（英語版）（19m02）* 91 ゲオルゲ・グセト（英語版） 92 岡野雄司 93 アデワーレ・オルコジュ（英語版） 94 岡野雄司 95 岡野雄司 96 岡野雄司 97 野口安忠 98 野口安忠 99 野口安忠
2000年代	00 野口安忠 01 野口安忠 02 畑瀬聡 03 野口安忠 04 村川洋平 05 畑瀬聡 06 畑瀬聡 07 畑瀬聡 08 村川洋平 09 山田壮太郎
2010年代	10 畑瀬聡 11 村川洋平 12 畑瀬聡 13 畑瀬聡 14 畑瀬聡 15 畑瀬聡 16 畑瀬聡 17 畑瀬聡 18 畑瀬聡 19 武田歴次
2020年代	20 幸長慎一 21 武田歴次 22 村上輝 23 奥村仁志 24 奥村仁志
は大会記録走高跳棒高跳走幅跳三段跳砲丸投* 円盤投ハンマー投やり投

表話編歴日本陸上競技選手権大会男子ハンマー投優勝者
1910年代	13 大河原泰次郎 14 辰野保 15 原鴻太郎 17 白野俊夫 18 佐藤義江 19 木下米松
1920年代	20 浅岡信夫 21 浅岡信夫 22 浅岡信夫 23 溝川末吉 25 沖田芳夫 26 沖田芳夫 27 長尾雄治 28 沖田芳夫 29 沖田芳夫
1930年代	30 長尾雄治 31 長尾雄治 32 落合正義 33 阿部功 34 阿部功 35 松野栄一郎 36 塚本簫之助 37 永車孝道 38 白石達也 39 白石達也
1940年代	40 釜本文男 42 高木康煥 46 二瓶昇 47 阿部功 48 釜本文男 49 釜本文男
1950年代	50 釜本文男 51 釜本文男 52 吉武勝之 53 小島義雄 54 小島義雄 55 小島義雄 56 小島義雄 57 岡本登 58 花村栄之進 59 岡本登
1960年代	60 岡本登 61 岡本登 62 ジュラ・ジボツキー 63 G.コンドラショフ（英語版） 64 菅原武男 65 石田義久 66 菅原武男 67 菅原武男 68 菅原武男 69 石田義久
1970年代	70 室伏重信 71 菅原武男 72 石田義久 73 石田義久 74 室伏重信 75 室伏重信 76 室伏重信 77 室伏重信 78 室伏重信 79 室伏重信
1980年代	80 室伏重信 81 室伏重信 82 室伏重信 83 室伏重信 84 居福信行 85 塩野寿和 86 室伏重信 87 池田明由 88 塩野寿和 89 大倉一吉
1990年代	90 ティボル・ゲチェク（英語版） 91 ティボル・ゲチェク（英語版） 92 池田明由 93 池田明由 94 等々力信弘 95 室伏広治 96 室伏広治 97 室伏広治 98 室伏広治 99 室伏広治
2000年代	00 室伏広治 01 室伏広治 02 室伏広治 03 室伏広治（83m29）* 04 室伏広治 05 室伏広治 06 室伏広治 07 室伏広治 08 室伏広治 09 室伏広治
2010年代	10 室伏広治 11 室伏広治 12 室伏広治 13 室伏広治 14 室伏広治 15 野口裕史 16 柏村亮太 17 柏村亮太 18 墨訓熙 19 赤穂弘樹
2020年代	20 柏村亮太 21 福田翔大 22 柏村亮太 23 福田翔大 24 中川達斗
は大会記録走高跳棒高跳走幅跳三段跳砲丸投円盤投ハンマー投* やり投

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