ATR (航空機メーカー)
種類 | コンソーシアム(共同事業体) |
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設立 | 1981年 |
業種 | 航空宇宙産業(輸送用機器) |
外部リンク | www.atr-aircraft.com/ |
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ATR(Avions de Transport Régional )は2つの航空機メーカー、フランスのアエロスパシアルとイタリアのアエリタリアが1982年に興したコンソーシアム(共同事業体)である。
概要
[編集]アエロスパシアルはEADSを経てエアバス・グループに、アエリタリアはアレーニア・アエロナウティカを経てレオナルド S.p.Aに合流しており、現在はエアバス・グループとレオナルド S.p.Aがそれぞれ半数の株式を所有する。
ラインナップはターボプロップ機のATR 42およびストレッチ型のATR 72の生産に限定し、エンジンやアビオニクスの改良を繰り返すことで完成度を高めている。同クラスのリージョナルジェット(ターボファンエンジン搭載)と比べ燃費が良く、貨物機としても使えるように大型のカーゴドアを装備しているなど、短距離や採算の取れにくい地方路線向けの堅実な設計である。またグラスコックピットや炭素繊維強化炭素複合材料を取り入れるなど先進的な要素も取り入れている[2]。また、半分出資するレオナルド S.p.Aは傘下にアグスタウェストランドを抱え、同社の開発しているAW609とATR42-600Sは空港設置拡張困難な離島航路市場では競合する可能性がある。
競合機のボンバルディアDHC-8-Q400シリーズからの乗り換えを狙い、リージョナル航空会社や大手航空会社の近距離路線向けに売り込まれており、カリビアン航空、 アズールブラジル航空、トランスアジア航空、LOTポーランド航空、チェコ航空、日本エアコミューター、北海道エアシステム、天草エアライン、トキエアなどが採用している。
2003年にターボファンエンジン搭載のリージョナルジェットを生産すると発表したが、後に計画は中止された。
機体リスト
[編集]- ATR 42 - 最初の共同開発機である双発ターボプロップの近距離用旅客機。座席数は42-52席。1984年8月16日に初飛行。
- ATR 72 - ATR 42のストレッチ型。座席数は64-72席。1985年のパリ航空ショーで発表された。貨物機使用もある。
- ATR 72ASW - レオナルド S.p.Aが改造した哨戒機。
いずれも最新型は-600型である。
日本での動き
[編集]- 2007年4月にATR社副社長が来日し、日本エアコミューターや全日本空輸などの航空会社や北海道、沖縄県などの地方公共団体を訪問しATR機の商品特性について説明した。同年6月にはさらに、アレーニア・アエロナウティカの親会社であるフィンメッカニカ社の社長兼CEOが来日し、ATR社の日本の小型旅客機市場への参入を表明した[3]。
- 2012年10月10日、スターフライヤーの設立支援を受けた地域航空会社リンクが、日本で初めてATR 72-600型機を導入すると公式発表した[4][5]。国土交通省はATR 72-600の型式証明書を2013年10月28日付けで交付[6][7]、同年11月に初号機が納入される予定だったが、リンクがその前に自己破産したため、実際に受領は行われなかった。
- 2012年12月12日、天草エアラインは、使用しているデ・ハビランド・カナダ DHC-8-Q100型機が、2014年ごろには整備費が大幅に増加する時期を迎えるため、機材更新の検討に入り、その候補としてATR 42を挙げた[8]。その後の2014年7月22日、天草エアラインはノルディック・アビエーション・キャピタル社との間でATR 42-600のリース契約を締結し、2015年第4四半期に引き渡される予定。これにより、天草エアラインが日本で初めてATR機を運航する航空会社となる[9]。
- 2013年12月11日、オリエンタルエアブリッジが、保有している2機のDHC-8-Q200型機が2019年と2020年に構造寿命を迎えるため、2016年には更新機材の方針を決定するにあたり、同型機の製造は既に終了していることから、更新機材の有力候補としてATR 42の導入検討を進めている事が報じられた[10]。
- 2015年6月15日、日本エアコミューターが、2017年の運航開始を目指し、ATR42-600型機の導入を決定し、確定8機、オプション1機の購入契約を締結した[11]。2017年4月26日から運航開始した[12]。
脚注
[編集]- ^ “ATR Fleet Details and History”. 2023年1月23日閲覧。
- ^ 「リージョナルジェットより景色も燃費も良い」特集・ATRシェーラーCEOに聞く日本戦略
- ^ “「小型旅客機の“価格破壊者”:仏ATR参入で、国産ジェットに新たな不安」”. 日経ビジネス (2007年7月16日): 14頁.
- ^ “新航空会社リンク、ATR72を日本初導入 上場視野に”. Aviation Wire (2012年10月10日). 2014年7月31日閲覧。
- ^ “ATR enters the Japanese market”. ATR Aircraft Press Releases (2012年10月9日). 2014年7月31日閲覧。
- ^ “国土交通省、ATR社製のATR72-212A 型航空機の型式証明を交付”. レスポンス (2013年10月28日). 2013年10月28日閲覧。
- ^ “国交省、ATR72に型式証明交付 リンクが14年春運航へ”. Aviation Wire (2013年10月29日). 2014年7月31日閲覧。
- ^ “天草エアライン、機体更新を検討 候補に仏機”. くまにちコム/熊本日日新聞 (2012年12月12日). 2012年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月28日閲覧。
- ^ “天草エアライン、日本初のATR 42-600を導入 引き渡しは2015年末”. フライチーム (2014年7月23日). 2014年7月28日閲覧。
- ^ “オリエンタルエアブリッジ、ATR42型の導入検討 16年に更新機方針 19年~20年に現有機構造寿命で”. 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社 (2013年12月11日). 2014年7月28日閲覧。
- ^ “日本エアコミューター、ATR42-600型機の導入を決定”. 日本航空プレスリリース (2015年6月15日). 2015年6月16日閲覧。
- ^ https://www.aviationwire.jp/archives/118369
- ^ “北海道エアシステムATR42-600型機発注に関する覚書を締結”. 北海道エアシステム (2017年7月18日). 2017年7月18日閲覧。
- ^ https://www.aviationwire.jp/archives/196222
- ^ “航空機(ATR72-600)のリース契約を締結しました”. トキアビエーションキャピタル (2021年9月21日). 2023年8月22日閲覧。
- ^ “新潟=札幌(丘珠)線 運航ダイヤ並びに運賃のお知らせ”. トキエア株式会社 (2023年7月26日). 2023年8月22日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ATR社公式ウェブサイト
- ATR社公式ウェブサイト
- ATR (@atraircraft) - X(旧Twitter)
- ATR (atraircraft) - Facebook
- ATR (@atraircraft) - Instagram
- ATR - Linkedin
- ATRbroadcast - YouTubeチャンネル