SHIFT UP
種類 | 非公開会社 |
---|---|
本社所在地 |
韓国 ソウル特別市瑞草区瑞草大路77キル55[1] |
設立 | 2013年12月2日[1] |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | スマートフォン・パソコン・コンソール向けのゲーム開発 |
代表者 | キム・ヒョンテ[1] |
資本金 | 99億1615万ウォン (2023年)[1] |
売上高 | 1,685億9,417万ウォン (2023年)[1] |
営業利益 | 1,110億6,258万ウォン (2023年)[1] |
純利益 | 1,066億9,058万ウォン (2023年)[1] |
総資産 | 2039億1810万ウォン (2023年)[2] |
従業員数 | 294人 (2024年4月現在)[1] |
決算期 | 12月[3] |
主要株主 |
キム・ヒョンテおよび特殊関係者 (45.19%)[2] Aceville Pte. Ltd. (40.06%)[2] |
外部リンク | https://shiftup.co.kr/ |
SHIFT UP(シフトアップ、韓:시프트업)は、韓国のゲーム開発会社。ゲームクリエイター、イラストレーターのキム・ヒョンテによって2013年に設立され、ソウル特別市瑞草区に本社を構える。代表作に「デスティニーチャイルド」「勝利の女神:NIKKE」がある。
歴史
[編集]元々はキムが、MMORPGを主流とする韓国のスマートフォン向けゲーム市場において、イラストをメインとしたゲームを愛好する人に向けたゲームを作りたいと考えていたことが設立のきっかけとなっている[4]。
2014年3月、同社はNext Floor社(現LINE GAMES)との間で戦略的パートナーシップ強化とモバイルゲームのラインアップ拡充を目的とした投資契約を締結。加えて新規タイトルの共同開発に着手することを発表した[5]。この作品は2015年12月16日に「デスティニーチャイルド」として正式に発表され[6][7]、翌2016年10月27日にリリース。本国ではiOSとAndroid各ストアで売上ランキング1位を獲得するなどの人気を博した[8]。その後本作は2017年に日本での展開が決定し[9]、2018年には世界164ヶ国でリリースされた[10][11]。この年には同じゲーム開発会社のWemadeより100億ウォン(約12億円)の投資を受けており、同社はSHIFT UP株の4.23%を保有していた[12][13]。
2019年4月、開発中の新作タイトルとしてスマートフォン向けの「Project NIKKE(仮題)」および同社初となるパソコン・コンソール向けの「Project EVE(仮題)」の2つを発表[14][15]。同年10月21日にはLINE GAMESより「デスティニーチャイルド」の韓国国内および海外におけるサービスの移管を受け、同ゲームの運営元となった[16]。
2020年2月、東京都新宿区に日本支社SHIFT UP JPを設立し、日本版『デスティニーチャイルド』の共同運営を開始[17][18](なおSHIFT UP JPは、2022年5月9日に清算を結了し解散している[19])。
2021年5月、韓国の同名小説を原作とする「彼女が公爵邸に行った理由」をリリースし[20][21][22]、同月31日に限定版がNFTとして発行された[23]。11月には「Project NIKKE」の正式名称を「勝利の女神:NIKKE」とすることを発表した[24][25]。
2022年7月にはキム・ヒョンテおよび役員・従業員らが保有する自社株の一部を売却したことにより、1兆ウォンの企業価値があると算定され、ユニコーン企業となったことが報じられた[26][27]。9月には「Project EVE」の正式名称を「Stellar Blade」とし、2023年にPlayStation 5専用タイトルとしてリリースすることを発表した[28]。11月には「勝利の女神:NIKKE」が正式にリリースされ[29]、1か月後には全世界での収益が1億ドルを突破[30][31][32]。また、サウジアラビアの政府機関である投資省と業務協約を交わしている[33][34]。12月、中国の大手IT企業テンセントが株式の20%を取得し、主要株主となった[35][36][37]。
2023年10月、テンセントは子会社であるシンガポール企業Acevilleを通じてWemadeよりSHIFT UP株208万株を取得、持分比率を24%にまで高めたことにより[12][13][38]、企業価値が2兆ウォン(約2200億円)となった[39]。その後2023年末までにテンセントは比率を2倍の40%にまで拡大し、これは筆頭株主でもあるキムとその関係者の持分比率(45%)との差を著しく縮めることとなった[40]。 11月、ソニー・インタラクティブエンタテインメントとのパブリッシング契約により、「Stellar Blade」の世界展開が決定。これと併せて、韓国企業としては初めて同社のセカンドパーティーとなることが発表された[41]。
2024年3月、韓国取引所にIPO(新規株式公開)の予備審査申請書を提出し、上場を計画していることが報じられ、企業価値が3兆ウォン(約3400億円)になるとの予測が出た[42][43][44][45][46]。4月には「Stellar Blade」が正式にリリースされ[47]、日本とアメリカのゲームソフト売上ランキングで首位を獲得した[48][49]。5月には投資家に向けた有価証券報告書内にて、「Stellar Blade」の続編およびPC移植版の開発を検討していることを発表した。また、同作のダウンロードコンテンツ開発も計画されていることや、クロスプラットフォーム向けの新作タイトル「Project Witches(仮題)」を2027年以降にリリース予定であること、さらに今後2~3年周期で新規タイトルを開発する計画であることも発表した[50][51][52]。
2024年6月、SHIFT UPは投資家に向けた需要予測の提示を当初の予定だった同月3日から27日に延期したことにより、IPOの申し込みを7月に延期することが報じられた[53]。
作品
[編集]リリース | 作品名 | 発行 | プラットフォーム | 備考 |
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2016年 | デスティニーチャイルド | SHIFT UP | iOS, Android | 2023年9月21日サービス終了。 |
2021年 | 彼女が公爵邸に行った理由 | Steam, iOS, Android | SHIFT UP傘下のStudio VINOが開発元となっているが[22]、Steamのページ上ではSHIFT UPと表記されている[54]。 | |
2022年 | 勝利の女神:NIKKE | Level Infinite | iOS,Android,PC | |
2024年 | Stellar Blade | ソニー・インタラクティブエンタテインメント | PlayStation 5 | 同社初のコンシューマーゲーム |
2027年以降 | Project Witches(仮題) | 未公表 | コンソール, PC, モバイル | 同社初のクロスプラットフォームゲーム |
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h SHIFT UP企業情報Saramin、2024年6月2日閲覧。
- ^ a b c SHIFT UP 2023年度監査報告書韓国金融監督院電子公示システム(DART)(2024年4月1日)、2024年6月2日閲覧。
- ^ SHIFT UPの会社概要および予備審査請求概要大韓民国代表企業公示チャンネル KIND、2024年6月2日閲覧。
- ^ “韓国の天才イラストレーター,キム・ヒョンテ氏のルーツを探る。「デスティニーチャイルド」のリリースを控えて来日した氏に直撃インタビュー”. 4Gamer.net (2017年10月7日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “드래곤플라이트의 넥스트플로어, 김형태와 공동 신작 개발 착수 (Next Floor、キム・ヒョンテと共同で新作開発に着手)”. IT 조선 (2014年3月14日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ ㈜시프트업GAMEJOB、2023年1月9日閲覧。
- ^ “데스티니 차일드, '흔들흔들' 라이브 서큐버스로 유혹(デスティニーチャイルド、"揺れ動く"ライブサキュバスで誘惑)”. Gametrics (2015年12月16日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “キム・ヒョンテ氏が携わるスマホ向け新作アプリ「DESTINY CHILD for Kakao」が韓国で配信。さっそく売上で1位にランクイン”. 4Gamer.net (2016年11月1日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “NextFloorのスマートフォン向けゲームアプリ「デスティニーチャイルド」日本展開、決定!本日より事前登録スタート”. PR TIMES (2017年8月17日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Destiny Child – Global launch begins for exciting new mobile card game”. MMO Culture (2018年12月6日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “엔씨소프트, 프로야구H2 업데이트 등 게임 업계 핫 클립”. Gameple (2018年12月6日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ a b “위메이드, 시프트업 주식 매각해 700억원 차익(Wemade、SHIFT UP株売却により700億ウォンの差益)”. Bizwatch (2023年10月24日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ a b “ゲーム会社への投資のメインは,VCから大手ゲーム会社へ―――韓国のゲーム投資の歴史をちょっと掘り起こしてみる”. 4gamer.net (2023年11月10日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “시프트업 김형태 대표, “겸손하고 진지하게, AAA급 게임에 도전하겠다”(SHIFT UPキム・ヒョンテ代表「謙虚かつ真摯に、AAA級ゲームに挑戦する」)”. THIS IS GAME (2019年4月4日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “キム・ヒョンテ氏監督のCS/PC向け最新作『Project EVE』、スマホ向け『NIKKE』発表!映像も公開”. GameSpark (2019年4月6日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “라인게임즈 '데스티니 차일드', 시프트업으로 서비스 이관(LINE GAMES「デスティニーチャイルド」、SHIFT UPにサービス移行)”. 뉴데일리 경제 (2019年9月20日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “『デスチャ』のシフトアップが日本支社を設立。国内サービスにおける支援を行う体制をより強固に構築”. ファミ通App (2020年2月21日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Company”. SHIFT UP JP. 2021年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月9日閲覧。
- ^ 株式会社SHIFT UP JPの情報国税庁法人番号公表サイト、2023年1月15日閲覧。
- ^ “시프트업, '그녀가 공작저로 가야했던 사정' 출시(SHIFT UP、「彼女が公爵邸に行った理由」リリース)”. 電子新聞 (2021年5月28日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “시프트업, 첫 스토리 게임 ‘그공사’ 모바일앱마켓·스팀 출시(SHIFT UP初のストーリーゲーム「彼女が公爵邸に行った理由」がモバイルアプリマーケットSteamでリリース)”. 매경게임진 (2021年5月28日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ a b “SHIFT UPがインタラクティブストーリーゲーム「彼女が公爵邸に行った理由」をSteam/iOS/Android向けに配信”. 4Gamer.net (2021年6月1日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “시프트업, 신작게임 '그.공.사'에 NFT 적용한 디지털 한정판 발행(SHIFT UP、新作ゲーム「彼女が公爵邸に行った理由」にNFTを適用したデジタル限定版を発行)”. TechM (2021年5月31日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “시프트업, 지스타 2021에 '니케: 승리의여신' 공개(SHIFT UP、「勝利の女神:NIKKE」公開)”. ZDNet Korea (2021年11月1日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “올해 지스타 최고 게임은 시프트업의 '니케'..전문가들 '극찬'(今年最高のゲームはSHIFT UPの「NIKKE」 専門家「絶賛」)”. 東亜日報 (2021年11月19日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “만화가 꿈꾸던 게임 작화가의 변신...9년만에 1조 유니콘 CEO 됐다(漫画家が夢見たゲームイラストレーターへの変身 9年で1兆円のユニコーン企業のCEOに)”. 머니투데이 (2022年7月8日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “今年上半期、企業価値1兆ウォン以上のユニコーン企業5社誕生”. KORIT (2022年7月25日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “PS5『Stellar Blade』2023年リリース決定。キム・ヒョンテ率いるSHIFT UPの新作【State of Play】”. ファミ通.com (2022年9月14日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “승리의여신 니케, 11월 4일 출시 확정.. 사전예약자 300만 명 돌파(『勝利の女神:NIKKE』、11月4日に発売決定…事前予約者300万人突破)”. ZDNet Korea (2022年10月12日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “"'승리의 여신: 니케', 출시 1개월만에 글로벌 매출 1억 달러 달성"(『勝利の女神:NIKKE』、発売1ヶ月でグローバル売上1億ドル達成)”. 아주경제 (2022年12月13日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “『勝利の女神:NIKKE』、11月収益は1億ドル(132億円)で世界4位 日本が最大収益 『原神』は1億7000万ドル(224億円)で2位に SensorTower調査”. Gamebiz (2022年12月21日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Tencent takes a stake in Korean studio behind Goddess of Victory: Nikke” (英語). South China Morning Post (2022年12月19日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “사우디 ‘빈 살만’이 게임사 시프트업 주목한 이유(サウジのビン・サルマンがゲーム会社SHIFT UPに注目した理由)”. 민주신문 (2022年11月22日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “キム・ヒョンテ氏率いるSHIFT UPとサウジアラビア投資省が包括的な事業協力に基本合意。中東地域に本格進出を模索”. 4gamer.net (2022年11月25日). 2023年1月15日閲覧。
- ^ “中 텐센트, 시프트업 2대 주주 등극(中テンセント、SHIFT UPの2大株主に上り詰める)”. 더게임스데일리 (2022年12月15日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “텐센트, 시프트업 지분 20% 취득...'승리의 여신' 미소짓다(テンセント、SHIFT UP持分20%取得…「勝利の女神」微笑む)”. MTN NEWS (2022年12月15日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Tencent,「NIKKE」開発のSHIFT UPの株式を20%取得――出資比率は創業者キム・ヒョンテ氏に次ぐ第2位に”. 4Gamer.net (2022年12月16日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Market value of Goddess of Victory: NIKKE developer Shift Up increased eightfold over past five years”. Game World Observer (2023年10月30日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “2023年の業績が急増したSHIFT UP,新規プロジェクトを始動”. 4gamer.net (2024年4月9日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “'3조원 대어' 시프트업 상장땐 中텐센트 수천억 돈방석(「3兆ウォンの大物」SHIFT UP上場で中テンセントは数千億の儲け)”. 韓国経済新聞 (2024年5月10日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “PS5向け新作タイトル「Stellar Blade」,開発元SHIFT UPとSIEのパブリッシング契約締結により,グローバルでの展開が決定”. 4gamer.net (2023年11月27日). 2024年2月14日閲覧。
- ^ “빈 살만이 점찍은 ‘니케’ 개발사 시프트업, 유가증권시장 상장 도전…몸값 3조원대(「NIKKE」開発会社SHIFT UP、上場に挑戦 企業価値は3兆ウォン台に)”. 朝鮮日報 (2024年3月5日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “시프트업, 본격적인 IPO 절차 돌입...'3조 대어' 등장 예고(SHIFT UP、本格的なIPO手続きに突入 '3兆の大物' 登場を予告)”. TechM (2024年3月6日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “Stellar Blade developer Shift Up to go public at projected valuation of $2.3 billion”. Game World Observer (2024年3月11日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “キム・ヒョンテ氏率いるSHIFT UPがIPOを申請。人気作「NIKKE」やPS5向け新作「Stellar Blade」を手がけるゲームデベロッパ”. 4gamer.net (2024年3月11日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “『勝利の女神:NIKKE』のSHIFT UPが上場へ―評価額23億ドルとの予測”. GameBusiness.jp (2024年3月14日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “「NIKKE」SHIFT UPによるアクションゲーム「Steller Blade」が4月26日発売決定!【State of Play】”. GAME Watch (2024年2月1日). 2024年2月14日閲覧。
- ^ “2024年4月のソフト・ハード売上ランキングが公開。『ステラーブレイド』が首位を獲得。『百英雄伝』Switch/PS5/PS4合計で6.5万本と好スタートを記録”. ファミ通.com (2024年5月10日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “『Stellar Blade』、4月の米国ゲーム売上で首位 異例のヒット作に”. フォーブス日本語版 (2024年5月31日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “「Stellar Blade」のDLCやシリーズ化を発表。SHIFT-UPの証券申告書で明らかに”. GAME Watch (2024年5月21日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “『Stellar Blade』の続編やDLC、PC版が登場か 売り上げが好調でシリーズ化やIPとのコラボが計画される”. IGN Japan (2024年5月21日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “『ステラーブレイド』の続編とPC移植版を開発元が検討中。有価証券報告書をもとに海外メディアが報道、新規IPとして「Project Witches」の存在も判明”. 電ファミニコゲーマー (2024年5月21日). 2024年6月2日閲覧。
- ^ “SHIFT UPが上場延期へ―『勝利の女神:NIKKE』頼りの収益体制がリスクと見られたか”. INSIDE (2024年6月14日). 2024年6月26日閲覧。
- ^ Steam:彼女が公爵邸に行った理由日本語ページ、2023年1月15日閲覧。