Android 向けプライバシー サンドボックスのベータ版を公開
日々、数十億人が情報を探したり、何かを決めたり、楽しんだり、とさまざまな用途でモバイルアプリを使用しています。デジタル広告は、そういったアプリを開発し、運営している数百万の開発者をサポートする重要な役割を果たしています。また、人々がアプリを使うほど、期待されるプライバシー水準も高まっています。
昨年、Google は Android 向けプライバシー サンドボックスを発表しました。これは、利用者のプライバシーを保護する基準を引き上げ、無料のコンテンツやサービスへの継続的なアクセスを目指す業界全体の取り組みです。Google は、ウェブ向けプライバシー サンドボックスの取り組みに基づいて、利用者データの共有を制限し、アプリ間識別子に依存しないデジタル広告向けのソリューションを開発しています。
この 1 年間、 Google は業界と密接に協力してフィードバックを集め、これらの新しいテクノロジーのテストを行っていました。本日より、この取り組みの次の段階として、 Android 向けプライバシー サンドボックスのベータ版を対象デバイス向けに展開します。ベータ版を使用することで、利用者と開発者はこれらの新しいソリューションを実際に体験して評価することができます。
ユーザーにとって
Android 向けプライバシー サンドボックスのベータ版は、まず一部の Android 13 端末を対象に提供を開始し、今後時間をかけて対象端末を拡大する予定です。利用している端末がベータ版に選ばれると、 Android から通知が届きます。
プライバシー サンドボックスのベータ版は、アプリやウェブサイトを横断してアクティビティを追跡できる識別子は使用せず、プライバシーを中心に設計した新しい API を提供します。ベータ 版に参加するアプリは、これらの API を使用して関連する広告を表示し、その効果を測定できます。
利用者は、「設定」 の「プライバシー サンドボックス」 に移動して、ベータ版への参加を管理できます。この設定画面より、アプリが関連する広告を表示するために使用できる興味の種類を確認し、管理できます。例えば、映画やアウトドアなどのトピックに興味があると Android が推定した場合、画面からトピックを確認でき、興味に合わないトピックはブロックできます。また、ベータ版に参加したくない場合は、「設定」からオフにすることも可能です。
業界との連携
プライバシー サンドボックスの目標は、プライバシー保護を強化した上で、オンラインで成功するためのツールを事業者に提供することです。実行可能な代替手段を提供しないアプローチ(英語)は、アプリ開発者に害を及ぼすだけでなく、利用者のプライバシーも配慮できません。結果として、フィンガープリントのような、利用者のプライバシーが守られないトラッキングに繋がります。
Google が Android のエコシステムと協力して、利用者のプライバシーを保護し、開発者のために機能するソリューションを構築しているのは、これが理由です。
Android 向けプライバシー サンドボックスを発表して以来、多くの事業者から Google の設計案と開発者向けのプレビューに対するフィードバックを共有いただいています。そうしたフィードバックは、設計案を形作る上で非常に貴重であり、業界全体からのさらなる参加をお待ちしています。
「利用者のプライバシー保護は、ウェブとモバイルの未来にとって不可欠ですが、このような大規模なエコシステムの変化は、単独では起こり得ません。Google の プライバシー サンドボックス の取り組みに協力してきた長年のパートナーとして、これほど多くの企業が共通の目標に向かって取り組んでいることを嬉しく思います。私たちは、プライバシー サンドボックスのテストへの継続的な参加を楽しみにすると同時に、業界のより多くの団体がこの取り組みに参加することを願っています。」
- ヤフー株式会社、ディスプレイ広告部門プロダクト戦略部長 小西雅永氏
「利用者のプライバシーを守ることは、Adjust にとって長年の最優先事項です。そのため、Googleのアンドロイド向けのプライバシー サンドボックスに参加できることを光栄に思います。また、 Google が広告分野におけるデータプライバシーを強化するためにこのように迅速に対応していることを嬉しく思います。Google とのテスト段階に入り、私たちは利用者のプライバシーを強化すると同時に、アプリマーケターの分析能力を向上させるソリューションを推進していきますきます。Google をはじめとする業界のリーダーたちとのこのコラボレーションは、プライバシーにとって間違いなく正しい方向への一歩です。」
- Adjust, Chief Product Officer, Katie Madding 氏
「AppsFlyer では、プライバシーは本質的な価値であると考えており、そのため、プライバシーを中核に据えてすべての製品を構築してきました。私たちは Android チームと密接に協力し、エコシステム全体のプライバシー基準を向上させながら、マーケティング測定のための強固なソリューションを提供しています。Android 向けのプライバシー サンドボックスの発表からこの短い期間で、Android がプライバシーを重視した測定パートナーとして、前進し、注力していることに感銘を受けています。」
- AppsFlyer, EVP Product, Barak Witkowski 氏
「Unity は、Android と協力しながらプライバシーを中心においたモバイル向けデジタル広告の次の時代へ飛び込むことを楽しみにしています。プライバシー サンドボックスとともに変化しつづける環境を舵取り出来るということは、Unity がどうユーザー データを安心安全に維持しながら、我々の顧客のために成功をもたらせるかを繰り返し実験することを可能にしてくれます。Unity は多くの場合、ゲーム デベロッパーのビジネス構築の最初のステップになるため、この取り組みは 我々のアプローチと合致しています。Android チームはベータ テストやその先へ移行するにあたり、業界のユース ケースに見合ったソリューションを提供したり、貴重なフィードバックを提供するという意味において徹底しています。」
- Unity, SVP Product & Engineering, Unity Ads, Felix The 氏
「我々は、Android 向けプライバシー サンドボックスにおける Google のオープンで協力的、かつ迅速な対応を嬉しく思います。 これにより、プライバシーを改善し続けながら健全なアプリのエコシステムを維持できると確信しています。」
- InMobi Exchange, Product Head, Sergio Serra 氏
デジタル広告を進化させ、アプリ間トラッキングの依存から脱却し、利用者のプライバシー保護を強化することは、モバイル エコシステムの未来にとって不可欠です。この取り組みにおいて、開発者、マーケティング担当者、規制当局と今後も緊密に協力していきます。
アドテクのプロバイダーの皆様は、プライバシー サンドボックスをすぐにテストいただけます。広告関連サービスでサードパーティーと連携しているアプリ開発者は、お付き合いされているプロバイダーに、ロードマップとプライバシー サンドボックスのテストに参加する方法について、お問い合わせください。Google は、ベータ版への参加方法に関する開発者向けガイダンスを公開しています。また、プライバシー サンドボックス ブログも定期的に情報を更新していますので、ご確認ください。