「高吸水性ポリマー」は、紙オムツやナプキンなど身近な様々なものに使われていますが、高吸水性ポリマーの性質・用途を知っていますか?
この記事では、「高吸水性ポリマーとは」「高吸水性ポリマーの性質」「高吸水性ポリマーの用途」などについて解説しています。
それでは早速、「高吸水性ポリマーの性質・用途」について一緒に勉強していきましょう!
1. 高吸水性ポリマーとは
高吸水性ポリマーは、英語で「SAP(Superabsorbent polymer)」といいます。
日本語の呼び方では、「高吸水性ポリマー」「高吸水性高分子」「高吸水性樹脂」「高分子吸収体」などがあります。
主に、「ポリアクリル酸ナトリウム」という物質が使われることが多いです。
ポリアクリル酸ナトリウムは「C₃H₃NaO₂」の分子がたくさんつながった構造をしています。
2. 高吸水性ポリマーの性質
高吸水性ポリマーは、「水をたくさん吸収する」「吸収した水を放出せずたくわえる」という性質があります。
この性質には、高吸水性ポリマーそのものの「分子のつくり」と「浸透圧(しんとうあつ)」が関わっています。
① 分子のつくり
高吸水性ポリマーを拡大してみてみると、とても細かい網目状になっており、その中に水をたくわえることができます。
また、この網目は水を離しにくいつくりになっているため、強く握っても水は出てきません。
② 浸透圧
続いては、なぜ高吸水性ポリマーの網目に水が入っていくのかを説明していきます!
このしくみは、「浸透圧(しんとうあつ)」という言葉と深い関係にあります。
下の図は、高吸水性ポリマーの内側に水が入り込む様子を図で表したものです。
ポリマーの内側にはナトリウムイオンがたくさんあります。しかし、外側にはナトリウムイオンがあまりありません。
水は、内側と外側のナトリウムイオンの濃度が同じになるように移動します。この現象を「浸透圧」といいます。
そのため、水は外側から内側へ移動します。
水の分子が高吸水性ポリマーの中に移動して、水とナトリウムイオンの数が内側と外側で同じになりました!
このようなしくみで、水は高吸水性ポリマーへと吸収されていきます。
ちなみに、尿や血液には水よりも多くのナトリウムイオンが含まれているため、ポリマーの吸収できる量が少なくなります。
3. 高吸水性ポリマーの用途
高吸水性ポリマーは次のような製品で使われています。
衛生用品 | 紙オムツ、ナプキン |
ペット用品 | ペットシート、猫砂 |
日用品 | 保冷剤、カイロ、ペーパータオル、湿布、芳香剤、消臭剤 |
農業・土木 | 保水剤、固化剤、土壌改良剤、土のう、クリスタルソイル |
医療 | フィルター、廃血液固化剤 |
その他 | 災害用トイレ、電池、食品添加物 |
環境や生物への影響もあまりないため、観葉植物の土の代わりにクリスタルソイルとして使われたり、ペット用品にも使われています。
色々なところで使われていて、とても便利な物質ですね!
4. まとめ
今回は、「高吸水性ポリマーの性質と用途」について解説しました。
実際に使う時には、捨て方に注意しましょう。水をたくさん吸収するので、使ったあとは可燃ゴミとして捨ててください!
それでは、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!