袋入りセビーチェは極上のおやつ【コスタリカ料理・魚のマリネ編】 | ハゲとめがねのランデヴー!!

ハゲとめがねのランデヴー!!

『深夜特急』にあこがれる妻(めがね)と、「肉食べたい」が口ぐせの夫(ハゲ)。
バックパックをかついで歩く、節約世界旅行の日常の記録。

 

コスタリカのセビーチェ

 

「セビーチェ」について語るときが再びやってきた。

ペルーですっかりはまった魚のマリネ「セビーチェ」が、コスタリカにもあるのだ。

 

 

 

同じエンパナーダでも国によって焼いたり揚げたり具材も異なるように、セビーチェもまた、ペルーとコスタリカでは具や味が微妙に異なる。

 

コスタリカの首都サン・ホセ近くの町に友人を訪ねた際、わたしのセビーチェ好きを知っている友人はセビーチェ専門店に連れて行ってくれた。

 

そこで注文したのは「海岸風セビーチェ」。

たっぷりの白身魚に、細かく刻んだ玉ねぎ、赤パプリカ、パクチーが加わり、美しく白いマリネ液に浸かっている。

 

そして上には大きなエビ。

 

プリプリ! プリプリっ!!

 

と視覚に訴えてくるエビが5つものっかっている。

あまりにプリプリしているのでつい「ダイヤモンドだね ♫」と歌いたくなる。

 

柑橘系の強い酸味で締められていたペルーのセビーチェとは違い、この店のセビーチェはマリネ液がマイルドである。

 

友人曰く、マヨネーズ入りのセビーチェはコスタリカではそれほど一般的ではないらしいので、これが「コスタリカの定番セビーチェ」というわけではないかもしれない。

しかしこの店のセビーチェに限らずコスタリカ料理とは味にクセがなく、たとえばエスニックな料理が苦手な人でも抵抗なく食えそうだと思う。

 

 

小袋にマリネを注ぐ

 

こうしてわれわれはセビーチェの味を思い出してしまい、友人の住む町からサン・ホセに戻ったあとも、宿の近くにセビーチェ屋を見つけたので入ってみることにした。

 

看板には「カルドッサ」とあり、チップスの袋とセビーチェが描かれている。

 

「カルドッサ」。

 

わたしはすでに友人から「カルドッサ」の存在を教わっており、それは「チップスの小袋に魚のマリネを注いで食べる軽食」だと聞いていた。

そのときわたしは

 

「袋にマリネを注ぐ?

まあ、セビーチェにバナナかポテトのチップスをつけるか交互に食うかするんだろうな」

 

と思っていた。

 

「カルドッサ2つ」と注文すると、セビーチェ屋の兄ちゃんはまず、まるでコンビニのように並べられた一人用の小袋チップス各種の中から、どれがよいか選べという。

 

われわれが答えあぐねていると、「一番うまいのはこれだ」と言ってハラペーニョ(ちょっと辛め)の三角チップスをすすめてくれたので「それにしてくれ」と頼む。

 

すると兄ちゃんは袋の上から軽くチップスを潰したあと、その小袋を開け、なんとそこに、セビーチェをマリネ液ごとドバッと注ぎ出したではないか……!

 

兄ちゃんは「マヨネーズ? ピカンテ(辛い)?」と味の好みをきいてきたので、わたしはマヨネーズとケチャップを、夫は辛いサルサも少々と答える。

すると兄ちゃんはそれらをセビーチェの入ったチップス小袋にぶっかけていった。

 

最後にスプーンを差し込み、たっぷりと注がれたマリネ液によって重くなったチップスの小袋を渡された。

 

おお、まさしく友人の言っていた通りではあるが、しかし予想外のスタイル……。

 

マリネ液が小袋からこぼれないように常に手で支えながらスプーンですくって食べる。

 

マヨネーズやケチャップによりややジャンキーになったセビーチェは、しかし魚のマリネとしての風味も失っておらず、チップスのパリッとした食感も加わっている。

まるで魔法にかかったかのように食べるのをやめられないではないか。

 

一袋450円ほど。

物価の高いコスタリカでは手が出しやすい値段であり、たっぷり入った魚の量を考えると割安である。

 

割安だからいいか、いいよね?

 

と自らに言い訳しながらもう一袋ずつ食べた。

あー贅沢した、すんげえうまかった!

 

店の兄ちゃんはわれわれが店を出るとき、

 

「明日はエビやタコが入ったセビーチェがある。

うまいぞ」

 

と声をかけてくれた。

 

われわれは素直で実直な夫婦であるので翌日もそのセビーチェ屋に出かけ、今度はカルドッサではなく「エビやタコが入ったセビーチェをくれ」と注文。

 

今度は前日とは違い、真っ赤な汁に浸かったマリネがバナナチップスとともに出てきた。

魚、タコ(イカ?)、玉ねぎ、パクチー、赤パプリカの上に、これまたプリプリのエビ。

 

ちょっとピカンテなトマトベースのマリネ液に浸かったエビは、まさしくエビチリ。

エビチリは中華の専売特許ではなかったのだ。

 

兄ちゃんが「どうだ、うまいか?」と聞いてきたので「うまい、うまいよ」と返事をすると、兄ちゃんは常連らしき客とハイタッチしていた。

わたしもハイタッチに加わりたい気分になった。

 

ペルーに引き続きコスタリカでもセビーチェに出会い、それはやはり中毒性のあるおいしさだった。

 

特に「カルドッサ」はジャンキーでカジュアルでポップな魔性の逸品であり、思い出すとどうしようもなく食べたくなるのだった。

 

 

(友人が連れていってくれたグレーシアの店にて)

 

(カルドッサ)

 

(見た目から想像するよりずっとうまい)

 

(エビチリ風セビーチェ(と勝手に呼んでいる))

 

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村