労働基準法における「労働者」について、これまでの議論を踏まえた考え方(案)について | ハラスメント防止コンサルタント 社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ

ハラスメント防止コンサルタント 社会保険労務士 大澤明彦の情報提供ブログ

特定社会保険労務士の大澤明彦です。
中小企業の代表者・人事担当者向けに、労働社会保険に関する最新情報をお届けします。

こんにちは。

町田市の社会保険労務士 大澤明彦です。

初めてご訪問いただいた方は、

私のプロフィールは、こちらから左差し

ご確認ください。

 

 厚生労働省は、令和6年6月26日に記載された「労働基準関係法制研究会 第8回資料」を公開しております。

 

 

 

 この回では、労働基準関係法制についてのヒアリングが行われ、全国社会保険労務士会連合会が提出資料も掲載されております。

 

 資料では、労働基準法に関する様々な論点について、社労士としての視点からの意見が述べらております。

 

 この中から、労働基準法の「労働者」に関する部分について、資料から抜粋して、ご紹介します。

3.労働基準法の「労働者」について 

・労働者性の判断は多様な判断基準を総合的に評価する必要があることから、実務的には非常に判断が難しく、予見可能性が乏しい。 

・近年、柔軟な働き方が認められる労働者や自ら積極的にフリーランスでの契約を望む者が増加する一方、業種によっては偽装フリーランスが指摘されるケースも増加しており、労働者性の線引きは非常に曖昧なものとなっている。 

複数の仕事を並行して行うキャリアを指向する労働者が増加していることから、個人事業者に対する保護は重要な問題である。対策としては、労災保険特別加入制度の活用などが考えられるであろう。 

・既存の特定加入団体等機能に加えて、加入を希望するフリーランス自身が行政機関で加入手続できる仕組みを構築することがより働き方に中立な制度となり得るのではないか

 

 また、厚生労働省の資料では、労働基準法における「労働者」について、これまでの議論を踏まえた考え方(案)として以下のような内容が記載されております。

 

1 労働基準法第9条の労働者の定義について 

(職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者) 

 労働基準法上の「労働者」の定義は、法制定時から変わるものではなく、今日の課題は、もっぱら個別の働く人が「労働者」に該当するかどうかの当てはめとなっている。これは国際的にも同様で、欧米においても「労働者」の基本的な定義を維持しつつ、個別のプラットフォームワーカー等が「労働者」の定義に当てはまるかどうかの判断を明確化しようとしている。

 こうしたことも踏まえ、労働基準法第9条に定める「労働者」の定義自体について、どのように考えるか

 

(筆者注)

※プラットフォームワーカーとは、デジタルプラットフォームを介して、発注者に対して労務の提供や労働の成果物の提供を行う働き手のことをいいます。

 

2 労働基準法の「労働者」の判断基準(昭和60年労働基準法研究会報告)等について 

 昭和60年の研究会による判断基準は、職種や雇用形態にかかわらず、労働者であると判断するために必要な要件を、抽象的に一般化して示されたものである。 

 また、これまでも個別の職種等に関連して、判断基準への当てはめが難しい事情が生じた場合には、当てはめについての具体的考え方を通達の形で示してきている。(例:建設業手間請け労働者に係る判断基準) 

 他方、欧米でのプラットフォームワーカーの労働者性の検討においては、「経済的従属性」を考慮しているが、昭和60年の判断基準には含まれていない。「経済的従属性」をどのように扱うかは、労働基準法が刑罰法規であることから、罪刑法定主義の観点で適当かどうかも踏まえ、丁寧に検討する必要がある。 

 また、プラットフォームワーカーについては、プラットフォームを介するという契約関係の特徴があり、役務の提供の実態を踏まえた検討が求められる。

 これらのことを踏まえ、 

①昭和60年判断基準に盛りこむことが適当な要素があるか、 

②プラットフォームワーカーなど個別の職種に関するより具体化した判断基準を作成することが可能かどうかについて、裁判例などを通じて、国際動向も踏まえながら、検討する必要があるのではないか。そのうえで、契約関係や役務の提供の実態を踏まえ、労働基準法の「労働者」に当たらないプラットフォームワーカーであっても、労働基準関係法令などにおける特別の取扱いの必要性についてどう考えるか。

(筆者注)

経済的従属性とは以下のようなものを言います。

・使⽤者との関係で、交渉⼒が不均衡・⾮対称であり、経済的劣 位にある関係。

・特定の契約の相⼿⽅に対し、収⼊の全部ないし多くを依存して いる関係。

 

3 家事使用人について 

 家事使用人については、労働基準法制定当初からの状況変化や、家事使用人の働き方の変化を踏まえ、労働基準法を適用する方向で具体的施策を検討すべきではないか。 

 検討に当たっては、私家庭に労働基準法上の使用者義務や災害補償責任をどこまで負わせることができるか、また、労働基準 法の労働者の定義を引用している関係法令の適用をどうするか、検討が必要ではないか。

 

 詳細は、以下よりご確認ください。

 

 

 

ハラスメント研修(管理職向け、一般職向け)実施可能です。

 ハラスメント防止対策には、従業員への研修が効果的です。21世紀職業財団認定のハラスメント防止コンサルタントであり、法学修士でもある特定社会保険労務士が講師を担当致します。

 

ZOOMを使ったオンラインでの相談も可能です。

 まずは、当事務所のホームページをご覧いただき、どのような事務所かご確認の上、ご相談ください。

 

お問合せはこちらから左差し

 

クリックのご協力をお願い致します。お願い

⇓⇓⇓⇓⇓

にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ

PVアクセスランキング にほんブログ村