馬が加わる「しかのこのこのここしたんたん」。今回は新入生の馬車芽めめが登場する。3話は虎子が馬と鹿の両翼ではばたく回だ。
しかのこのこのここしたんたん」 第3話 「ばしゃめ入学」
1.今までと違う虎子
いつものように部室を訪れた虎子は、なぜかシカがいる事に困惑する。のこが着ぐるみを着ていると考えた彼女は、あの手この手でそれを脱がせようとするが……？
虎子「こんな恥ずかしいもん、今すぐ燃やさなきゃなー……ちら。でも私と鹿乃子の仲だしな。燃やす前にお前が元の姿に戻ったら特別に見せてやってもいいんだけどなー」
場所を問う「しかのこのこのここしたんたん」。3話はシカ部に新メンバーが加わる回だが、新たな部員である馬車芽めめの出番はそれほど多くない。アバンで示されるように、前半の中心は虎子の一人相撲的なシカとのやりとりの方だ。
「一人相撲」……そう、虎子のしていることは一人相撲である。シカ部の部室に現れたシカがのこの変装、自分をおちょくるようないつもの行為と考えた彼女はどうにか着ぐるみを脱がせようとするが、実際はこのシカは動物園から脱走してきた本物のシカでのこではなかった。虎子は着ぐるみを脱がせるためわざわざ人気の限定タピオカを見せびらかしてみたり、他人に見せられない黒歴史ポエムノートの歌まで披露してみせたが、それが全くの一人相撲と知れば恥ずかしさのあまり床を転がってしまうのも無理もないところだろう。
また、この3話では虎子達は3年生に進級、高校に新たに入学した虎子の妹の餡子に先述のめめといったボケまくりのキャラ達がシカ部に加わるが、虎子がいっそうツッコミに追われているかと言えばそれも否だ。確かにシカ部が遊んでばかりの状況を憂いて部内会議を開いたりはするが、自分の評価が落ちるのを恐れてという動機や個人的な趣味で部室の再建築を目論む今回の彼女はむしろのこ達3人にツッコまれる側だったりする。今まではのこや先生、他の生徒の行動に呆然とするばかりだった彼女が、だ。
今回の話は終わりまで含め、ほとんど収拾を放棄しているようですらある。けれどその中でも一貫しているのは、虎子の役割がこれまでと同じではないことだ。上述したような行動はむしろボケ役のすることであって、前回までの彼女にはこんな役回りはけして回ってこなかった。それは一体、何を意味するのだろう？
2.虎に翼のウマとシカ
これまでの2話、虎子の役割はのこを始めとした周囲に振り回される側の人間であった。しかしこの3話で勘違いから一人奇行に走ったり、改革を訴えるもまともな案を出せずのこ達にツッコまれまくる虎子は常識人とは言い難いものだ。どちらかと言えば、なまじボケ倒しに見える他のキャラより間の抜けた馬鹿っぽさがある。そう、「馬」と「鹿」――馬車芽めめの登場は、本作が馬鹿の集いとでも呼ぶべき状況になっていくこの3話と不思議なシンクロを見せている。馬と鹿が揃ったの時を同じくして、虎子の馬鹿っぽさを強調する出来事が起きているのだ。
のこのあまりの非常識さにかすみがちだが、虎子はけしてツッコミ役に収まる器ではない。絵に描いたようなツンデレでチョロくて、ともすれば今回のようなすっとんきょうなことをやらかす愛すべき「馬鹿」な少女だ。けれどそうした魅力はのこといつも二人きりでは発揮できない。のこ達に驚かされるばかりでは、彼女のポテンシャルは眠ったままだ。今回序盤のように一人だったり、逆に部員が増えてのこに負けず劣らずの「馬鹿」達に囲まれ、時にはその馬や鹿達にツッコまれるから見えてくる人間的面白み……虎子が今回見せたお馬鹿っぷりは、難しく言えばそういう類のものだろう。馬鹿だから、馬鹿といっしょにいるから、他の存在と馬鹿を交代できるから今回の虎子はこんなにも自由になった。1話からは考えられなかったことだ。
人は一つの役割だけで生きてはいない。シカ部に現れた馬と鹿は、そのあまりにもフリーダムな振る舞いは、仮面優等生だった虎視虎子に与えられた自由の両翼なのである。
感想
以上、しかのこアニメ3話のレビューでした。虎子の「馬鹿」っぽさが出た回だなという以上のことはなかなか浮かばなかったのですが、こうしてみると彼女が一層自由に振る舞えるようになった回だったのだなと思います。
ばしゃめはほんわかしてそうなデザインだなと思ってましたがそれどころではなかった。まあかわいいけど。炊飯器の容量より大量のご飯をどうやって用意したんだ。
さてさて、次回はラストで顔見せした3人が出て更ににぎやかになるのかな。愉しみです。
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虎に翼のウマとシカ――「しかのこのこのここしたんたん」3話レビュー＆感想https://t.co/qkxrTB8Q1n
— 闇鍋はにわ (@livewire891) July 18, 2024
ブログ更新。
私「虎視虎子は馬鹿の翼で自由になるんだよ！」
ΩΩΩ<な、なんだってー!!
な話。#しかのこ#しかのこのこのここしたんたん#おしおしお
