JuniperBerry’s diary

日々感じたことや ふと思い出した事を 書いてます

隣町の海

今週のお題「となり街」

 

子供の頃、隣の隣の隣町には

海があって

夏になると 家族&親戚一同で

海水浴に 行った

 

私の想像の中の 海は

真っ白い砂浜に

真っ青な海

海岸には綺麗な貝殻が打ち上げられて

といった ものだったけど

 

隣の隣の隣町の海は

それとは似てもにつかぬ

海の家と親子連れで

ごった返した 

灰色の砂浜の続く 海だった

 

ベタベタする 海風と

水着の中に どっぷりと入る

海砂の感触が 嫌いで

生暖かくて ちょっとしょっぱい

海の家のシャワーも 苦手で

 

みんなが わいわいと

砂だらけになりながら

歓声を上げて

楽しそうに

遊んでいるのに

 

海の家の 砂でざらついた

ゴザの上で 

家から持ってきた

本を読んでいるような

可愛くない 子供が私

 

海が嫌いだったのは

 

沈没船の中で

真っ白い骨になった

海賊達と

海の水を介して

触っている って想像してしまって

気持ち悪くて 怖かった

のもある

 

浮き輪を つけているつもりで

海に入って 海水をしこたま飲んで

むせてむせて 

やけに苦しかった

その時は

海賊の白骨が触った水を飲んじゃった と

当分の間 立ち直れなかった

 

それからというもの 

海には 基本入らない

泳げないから プールも苦手

 

学校のプール授業は

基本ズル休みしてたから

学校の花壇の草取りは

私が90パーセントやった と

言っても過言ではない

 

悩ましかったのは 

泊まりがけの臨海学校

さすがに 

行かないとは親に言えず

ズル休みもできず

心の中で ただひたすらに

雨よ降れ! 嵐になれ! って 

念じてた

 

ラッキーなことに 

遠泳の直前から

雨が降り出して

魚を捕る網を 触っただけで済んだ

神様が 

「仕方ないなあ」って

微笑んでくれたらしい

 

この世には、

臨海学校や

プールの ない学校が

あるっていうのに

なんで

毎度毎度言い訳考えたり

こんな思いをしなくちゃならないの

 

それもこれも

全部 隣の隣の隣町に

海があるから

 

隣町なんて 

もっと遠くに行っちゃえばいいのに

 

海が簡単に行けないくらい

遠くだったら

海にいこうなんて誘われることもない

臨海学校もない

どんなに楽な事だろう

 

けど

 

市町村の大合併で

いつのまにやら 

私の故郷に 海ができていた

 

これじゃ もう

逃げようもない