北陸新幹線でお隣の石川、福井 延伸ルート巡り「距離」 その背景

北陸新幹線が延伸開業し、JR敦賀駅に入線する列車=福井県敦賀市で3月、長谷川直亮撮影
北陸新幹線が延伸開業し、JR敦賀駅に入線する列車=福井県敦賀市で3月、長谷川直亮撮影

 東京駅を出発した北陸新幹線の終着が石川の県都・金沢から福井県敦賀市まで延びて、9月で半年となる。その間、福井県内では観光客が大幅に増えたが、聞こえてくるのは「石川に裏切られた思い」という声だ。背景には、二つの延伸ルートの存在がある。隣り合う石川、福井両県に生じた「距離」を、地元の政界や関係者への取材で深掘りした。

与党PTが「小浜・京都ルート」採択

 北陸新幹線の計画を見ると、終着駅は敦賀駅ではなく新大阪駅となっている。

 その延伸ルートを巡っては、敦賀市から琵琶湖の東側を通って滋賀県米原市で東海道新幹線に接続する「米原ルート」や、敦賀市から福井県小浜市を通って琵琶湖の西側を南下しながら京都市経由で新大阪に至る「小浜・京都ルート」などの案が出ていた。

 これらの中で、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は2016年12月、「小浜・京都ルート」の採用を決めた。移動時間が最短であることなどを重視したという。

 ところが、最近になって与党PTの決定を覆そうかという状況が生まれている。

 自民党系が多数を占める石川県議会では6月、改めて米原ルートの検討…

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