月刊 追い焚き作業

見て聴いて読んで遊んだ記録です

2024年10月の購入予定と9月の話 『Castlevania Dominus Collection』『太陽の子』『198Xのファミコン狂騒曲』『極悪女王』などなど

まだ暑いんですけどー。10月なのにー。

 

そんな今月の購入予定。

とはいえ今月は特になし。

25日発売の『Call of Duty: Black Ops 6』はGAME PASSで配信されるので、ちょこっと触る予定です。ちょこっとだけ。

 

あと11日発売の『メタファー: リファンタジオ』は体験版をプレイしてみたものの…うーん。

すげー良く出来てるけど、ムービーの演出やBGMのクドさとか、心動かされるものが無かったので見送り。

直近で『ペルソナ3 リロード』やってたのも影響してるかもね。カレンダーシステムがお腹いっぱいなんだよなぁ。あのシステムのゲームは数年に一回で十分かな。

まぁ今後機会があればって感じで。とか言ってる内に完全版が出るんでしょうけど。

 

 

それでは先月プレイしたゲームの話。

PS5『Castlevania Dominus Collection』

ニンテンドーDSで発売されたIGAヴァニア3作がセット。

それぞれプレミアが付いていて入手のハードルが高くなっていたので、こうやって現行ハードで多くの人にプレイできるような形になるのはうれしいですね。

 

どれも発売当時にプレイしたので、まぁ大体覚えてはいるのですが、その中でも『奪われた刻印』は当時より面白く感じてちょっと驚いた。

一般的な武器ではなく、敵の落とすソウルを吸収して武器としたり、攻撃にMPが必要等、他2作とは若干違う方向で作られたゲームで、難易度も高くクセのある作りなのだが、今回続けて遊んでみたらコレが一番おもしろかった。

やっぱアクションゲームはある程度難しいほうが楽しいな。

 

あと『蒼月の十字架』のマップ内にある15パズル。(以下のピースがそれぞれ部屋になっていて部屋をつなげるというギミック)

昔っからよくあるスライドパズルなんだけど、これが子供の頃から本当に苦手でして。たまーにゲームで出てきますよね、15パズル。

で、今回さすがにちゃんとパズルの解き方を理解しようとネットで調べてみたら、これがめっちゃ単純な話で笑った。解き方覚えればランダムな15パズルとか1分かからないですね。

こんなに簡単なんだったら、もっと早くから解き方を覚えておけばよかった。

このゲーム買って一番の収穫はコレでした。

 

 

ここからは、その他のお家エンタメ。

先月は、「お前ヒマだなー」って言われるくらい見た・読んだ作品が多く、しかも面白い作品が多かったのでサクサクと短めに。

まずは本。

 

三浦英之(著)『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』

前に書きましたが、積読になっているノンフィクション本が大量にあるので、それらを消化するモードに入ってまして。その中から頭をドカンとやられた一冊。

 

1960年代。日本の企業がコンゴ(旧ザイール)に採掘工場を建設。そこでは従業員や医師など含め1,000人以上の日本人が暮らしながら生活していた。

娯楽も大きな歓楽街もない貧しい村に突然多くの日本人がやってきた。しかも多くは男性。

そうなると必然的に村に住むコンゴ人の若い女性(13歳から20代くらい)が体を売りお金を稼ぐようになるのだが、そこで日本人男性の中から彼女たちと結婚し、子供を授かり家族となる人が出てくる。

 

しかし、工場建設から20年程経つ1980年代になると採掘していた銅の需要の低下。また内戦の勃発による治安の悪化により、日本企業は撤退する。

日本人は帰国するが、コンゴ人の妻や日本人とのミックスである子どもたちはすべてアフリカへと残された。

今も父親に会いたいと願う子供たち。夫の帰りを待つ妻。この問題をなかったことにしたい企業側。口を閉ざす当時の従業員などなど。国内外の関係者に当たり、丁寧に取材した一冊。

 

そもそもこの問題の取材と発端となったのが、フランスの報道機関による取材で、当時コンゴ人と日本人の間に生まれた子供が意図的に殺害されていたという疑惑の報道。

日本企業にとって面倒なことになるので、生まれた子供に薬を打って殺していたという証言が地元の人によりされていた。

本当にそんなことが行われていたのか。

その疑惑に対して著者が取材をしていくなかで明らかになっていく事実。そして浮かび上がる背後で糸をひく人物。

題材の興味深さだけでなく、この問題に対しての取材にかける意気込みというか、魂を感じる一冊でした。

 

日本が残したものによって大きく人生が変わってしまうというのは、同じ著者が記した『五色の虹』を思い出しながら読んでいたら、本書の最後に著者自らが触れていた。

ちなみに『五色の虹』は1938年、満州国の新京に建設された学校、建国大学の卒業生を取材した一冊。

柳条湖事件満州事変の首謀者である石原莞爾らが設立した建国大学であるが、日本・中国・ロシア・朝鮮・台湾などから生徒を募集、"五族協和"を目指し、当時としては珍しいほど思想や表現の自由な学校であった。

結果的に日本の敗戦によって、創立理念とはかけ離れた結果になってしまった。しかし、学生時代に異文化と思想をぶつけ合いながら過ごした日々を胸に、それぞれの国に帰った卒業生たちの人生を辿る旅が胸を打つ一冊ですのでこちらもぜひ。

 

 

塩崎剛三(著)『198Xのファミコン狂騒曲』

ゲーム雑誌『ファミコン通信』の2代目編集長である著者(ペンネームは東府屋ファミ坊)の回顧録

雑誌『ログイン』の1コーナーであったファミコン通信を隔週の雑誌として立ち上げ、そして週刊化し後に業界トップ雑誌へと導いたその記録。

 

本書は完全に『ファミ通』ファン向けの内容で、読むのにコンテクストが必要な本なので、当時のファミ通の編集者やゲーム関係者の名前だけでなく時代の空気みたいな物を知らないとかなり読みにくい本ではあるが、その分濃い内容。

また、著者は堀井雄二と共に『オホーツクに消ゆ』や、その後ボードゲームの『いただきストリート』『タワードリーム』などのゲーム制作を雑誌編集と同時並行でやっているのが凄い。

自分の好きな仕事を好きなだけできる事の喜びみたいなものってあるんだよね。ゲーム業界に限らず、若い頃に無茶しながらも情熱で突っ走っていた話を聞くのは楽しい。

(もちろんブラック企業的なものを肯定はしませんよ)

 

 

キャット・ローゼンフィールド(著)『誰も悲しまない殺人』

「私の名はリジー・ウーレット。あなたがこれを読んでいる今、私はもう死んでいる」

という書き出しから始まるミステリ小説。

 

アメリカの田舎町で起きた殺人事件。頭をショットガンで吹き飛ばされた状態で発見されたのは、冒頭で名乗る女性リジー

貧しい生い立ちとよそ者の父親、ジャンクヤードで育った環境など様々な要因により、子供の頃から周囲から距離をおかれイジメられてきた彼女。

その後も町で一番野球が上手く、プロになれるかもしれない男性の子供を妊娠し、彼の人生を奪った女。湖の畔で宿泊施設を営み、周囲の人間が嫌うよそ者を入れて金を稼いでいる女。

親しい友人も気にかけてくれる親族もおらず、町の誰からも嫌われている女性が被害者となった事件。

だからこそ、タイトルである『誰も悲しまない殺人』であるわけです。

 

海外のミステリ作品あるあるですが、ミステリとしてちょっと無理がありすぎるポイントがあり、そこが小骨どころか喉に詰まる勢いで引っかかりはする。

ただ、本書の見どころはそのミステリ要素ではなく、その後に描かれる一人の女性の決断の物語。最後に描かれるエピローグの味わいが沁みる。

あと、著者の文章の巧みさなのか、訳者が良いのか判断ができませんが、海外ミステリとしてはめっちゃ読みやすかった。

この著者は構成の面白さとか読者のひきつけ方が相当上手いので、たぶん今後小説だけではなく映像作品の脚本などで活躍するんじゃないかな。今後が楽しみな作家の一人です。

 

 

ここからは映像関連。

Netflix『極悪女王』

幼少期の貧困の中、女子プロレスの応援を心の支えに生き続けた少女がプロレス団体に入団。優しすぎて悪役には向かないとまで言われた選手がダンプ松本となり、全国民から憎まれるようなヒール役として成り上がっていくドラマ。

 

いやぁ面白かった。期待以上の面白さ。

しかし、ここまで真面目にプロレスをやっているドラマになるとは思っていなかった。

役者たちのプロレスとの向き合い方が本気でしたね。受け身や技の完成度など不安になるような場面も多々あるのだが、その不格好さがリアルな映像を産んでおり、その成長度合いを見ていくことこそがプロレスとして成立している。

長与千種役の唐田えりかの完成度の高さ、ライオネス飛鳥役の剛力彩芽の身体能力、大森ゆかり役の隅田杏花の受け身の上手さ。もちろんゆりやんレトリィバァの見せる狂気と、それぞれが本当に素晴らしかった。

 

ラストは泣いたなぁ。同期だからこそできるプロレス、美学のぶつかり合い。

自分の居場所を作るために戦った女性たちのドラマ。かっこよかった。本当に面白かった。

 

 

Netflix『誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる』

宿泊施設のオーナー VS 借りた部屋で人殺しする客

という韓国ドラマ。

 

数十年前にホテルの一室で起きた殺人事件。

その事件をきっかけに順風満帆だったホテル経営は殺人現場として有名になったことで一気に傾き、親子3人のオーナー一家の転落が始まる。

そして、数十年後の現在に起きたペンションでの殺人事件。母と幼い子の二人の宿泊だったが、チェックアウトするときには母一人であった。残された部屋にはいくつかの血痕が。

ドラマの中盤で、この2つの出来事が交錯し始める辺りから一気に物語の熱が上っていくのが上手い。

 

登場人物の誰かに感情移入するのではなく、ただただ起きている出来事に振り回されるドラマ。

サイコパスの人怖でひたすら押し切る展開、しかも細部はツッコミどころ満載なので、人それぞれ評価が分かれる作品かも。

見終わった後、「なんじゃこの話」という感想以外ない。そういったストーリーを求める方はぜひ。私は楽しめました。

 

 

Netflixトークサバイバー シーズン3』

シーズン3まで来て、結局ゴッドタンの延長線上じゃねーかっていう。

チャンス大城トークにめっちゃ笑った。

でもまぁこのクオリティならシーズン3で終わって正解かな。

 

 

YouTube『そうして私たちはプールに金魚を、』

結構前に公開されていた映画で、機会があれば見たいなと思って幾年月。

それがYouTubeでアップされているのを最近知って見たら、これがなかなかパワーがある作品で良かった。(動画はこちら)

 

2012年に埼玉で実際に起きた事件で、中学校のプールに金魚が400匹も放流され警察まで出て騒動になったが、後に女子中学生4人が名乗り出て解決。

それをテーマにした短編映画。

 

地方都市の閉塞感。先が見えない世界なんて不安でしょうがないけど、先が見えすぎたらそこでもう人生は終わってしまう。

田舎過ぎず、都会過ぎず。そんな町にはなんでもあるけど、なんにもない。そんな空虚な町と空虚な思春期の共鳴。

 

また本作を見るまで、このタイトルになっている状況そのものがどういった形で映像化されるのだろうかと期待していたが、そのシーンを観客に見せないというのが面白い。

美という感覚は、恍惚であり呪いでもある。

彼女たちが見た美。その恍惚を共有しないという美しさ。その後、濡れた制服を着て歩く彼女達に、青春という名と共にフェティッシュな美を観客に想像させつつ、その粘っこい呪いの視線にベロを出して見せるのも最高。

お前らに私達の見た美しさを簡単に共有されてたまるか。私達の持つ美を消費されてたまるかという気概。

不特定多数への共感を拒否し、彼女たちのグループだけでの共感を絶対とし、一人一人の自我を融解させたその瞬間こそ、まさに美の恍惚だったのだろうと思う。それがあまりにも眩しい。

 

 

Netflix『喪う』

ニューヨークの小さなマンションの一室を舞台にした会話劇。

末期がんの父の元へと集まる三姉妹。

それぞれに家族を持ち、疎遠となっていた三姉妹が自宅介護、そして看取りまでの数日間を描いた作品。

 

独立した姉妹、父と共に暮らし続けていた娘。結婚していたり、子供が居たり、独身だったり。

住んでいる環境も、性格もなにもかも違う三姉妹がぶつかり合いながらも、旅立ちゆく父を中心にもう一度家族として再生する。

地味な作品ではあるけれど、ちょっとしたすれ違いの表現、ラストシーンの見せ方、ジョークで終わる脚本の洒落っ気など、好きな作品でした。

 

 

NHK『虎に翼』

日本初の女性弁護士・判事である三淵嘉子の人生をベースにしたドラマ。

様々なルーツや属性を持つ個人のエンパワーメントの塊のような作品で素晴らしかった。

 

丁寧に戦前の生活から戦中を描き、そして戦後の焼け野原の中で公布された日本国憲法。その中でも14条がどれほど国民一人一人にとって大事であるかを、ここまで見事に描いた作品は見たことがない。

第一話のシーンと繋がる中盤の山場となる河原のシーン。

そこで語られる言葉が現在テレビの前で見ている私へと繋がった瞬間の衝撃。見ていて本当に打ちのめされた。

ここはもうテレビドラマ史に残る名シーンでしょう。

 

今まで社会的に虐げられ見えない人(透明化)にされていた人々にスポットを当てるという作りになっているが、終盤になってまるでチェックシートを埋めるかのように様々な属性の人を出したが故に、ドラマとしては詰め込み過ぎで、キャラクタの魅力が薄れてしまったのはもったいない。

それら様々な属性の人の問題の根っこは繋がっているのだと、ドラマとして描こうというチャレンジ精神は素晴らしかった。しかし、主張したいメッセージがまずあり、それを各登場人物に喋らせるという物語の組み立てになったことで、主役である寅子が狂言回し的なキャラになってしまっていたのももったいない(ただ、これは狙ってやっているかもしれん)。

 

あと主題歌である米津玄師の『さよーならまたいつか』は本当に凄い曲。

全体の歌詞のメッセージ性とパワーに圧倒されるが、人の尊厳を大きなテーマにしているドラマの主題歌としてそのラストに「生まれた日からわたしでいたんだ 知らなかっただろ」という言葉を持ってくるセンスには震えた。

 

NHKの朝ドラは『カーネーション』や『あまちゃん』など、朝ドラの枠から飛び出すような傑作が数年に一度生まれるが、この作品はそれらに並ぶ傑作であることは間違いない。

また、主役の愛されキャラクタや魅力だけで強引に押し切るストーリーが多い朝ドラの中で、まさに虎に翼というアクの強いキャラクタを登場させた事は、今後の朝ドラの方向性を広げる作品になるでしょう。

たくさん泣いて笑った半年間、楽しい毎日をありがとうございました。

 

 

最後に音楽

Makoto & L-Side - Settle Down

イントロだけで泣けるLiquid。先月一番リピートした曲。

 

 

CLIKK, That Fancy I - MICRODOSE

That Fancy Iのご機嫌ガラージ

ポンポンと跳ねるグルーヴが気持ちよくて、運転中から部屋のBGMなど活躍していただいてます。

 

 

Jazztronik - New World feat.ELAIZA

Jazztronik池田エライザをヴォーカルに迎えた一曲。

ストリングスに乗っかる歌声の気持ちよさよ。

 

 

名取香り - Darling

前も書きましたが、ここ何ヶ月と昔の国産HOUSEばっか聴いてたら、当時のHOUSEがバンバンリコメンドされて来まして。

その中でもコレ懐かしいって声出たよ。あったなーこの曲。

これぞ歌謡ハウス。良いダサさ。

 

 

あと最後に、こちらも同じくいつの間にかサブスク解禁されてた懐かしの曲を。

RAM - S.C.A (TT & NAVE Remix)

ゲームコンポーザーとしても有名なRAMのアルバム『RE:CHARGE』から一曲。これ当時ハマりすぎてめちゃくちゃ聴いてたな。

もうすぐリリースされるRAMのニューアルバムも楽しみにしてます。

 

こんな感じで今月はおしまい。

また来月。

2024年9月の購入予定と8月の話 『スターウォーズ 無法者たち』『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』『自由研究には向かない殺人』『七夕の国』『川島明の辞書で呑む』

今年はホントに暑かった。暑すぎて味覚の嗜好が変わるくらいの暑さ。

普段からジュースは飲まないのに、今年は炭酸飲料ばっか飲んでる。

お盆に母親を拾ってお墓参りに行ったのだが、途中で寄ったサービスエリアでコーラを買って飲んでいたら母に「あんたがジュース飲んでるとこ30年ぶりくらいにみたわ」って言われて笑った。

そのくらい暑さが異常でしたね。

 

そんな9月の購入予定です。

26日

Switch『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』

ゼルダが主人公のゼルダの伝説

近年の3Dゼルダの方向性である自由度を2Dの世界に落とし込んでいる印象。

公開されている要素を見ただけでも、デバッグ大変そうという感想と同時に、ヤバいグリッチが発見されてRTAが盛り上がりそうだなという。

 

今月はこの1本かな。

あと今月GAME PASSのデイワンで配信される『Star Trucker』。

宇宙を舞台にしたトラック配送ゲーム。

世界観がアニメ『カウボーイビバップ』の7話『ヘヴィ・メタル・クイーン』っぽくて、トレイラー見ただけで熱くなってしまった。

ヘヴィメタル・クイーンこと女性トラッカーのVT。本名ヴィクトリア・テルプシコレですよね。

彼女の名台詞「失敗したってせいぜい死ぬだけよ」ってヤツね。

 

それと10日に『ペルソナ3 リロード』のエキスパンションが出るので、それは機会があればやるかも。機会というか、単純にやる気か。

後日談自体はPS2版の『ペルソナ3 フェス』でプレイ済みで、まぁ蛇足という印象しかないんだよね。でも、今回のリロードのリメイクの出来が非常に良かったので、最後まで付き合うかという気持ちもあり。

まぁ今月はこんな感じで。

 

それでは、ここからは先月遊んだゲームの話。

XBOXスターウォーズ 無法者たち』

10時間ほどプレイ。

いやぁ。どうしたもんでしょうか。うーん。悪くはない。ただ面白くもない。

 

全体的な印象として、ただただ古臭い。

ベースとしては、オープンワールド+ステルスアクションってな感じのゲームで、まぁ『ウォッチドッグス』に近いといえば近い。

ただ、ベースの作りが古臭いんだよなぁ。

メインミッションなど、敵に見つかったらダメというミッションでは、敵に発見されたり警報を鳴らされたら即終了。

Rスティック押し込みをインタラクトとする操作や、ただ広くて意味の薄いオープンワールド、報酬が異常に渋いサブクエスト、ロケーションもミッション内容も違うステージですら延々と同じことを繰り返すだけの代わり映えしないゲームプレイ部分などなど。

10年前ならもう少し評価されたかもしれないけれど、2024年の新作としてコレを出されても、なんならリマスター作品ですかコレ?みたいな古さを感じる。

 

ステルス部分もガジェットや能力などを駆使して有利に進めるタイプではなく、地道にしゃがみ移動でこそこそしながら進むタイプ。

解法が複数用意されているように見えて、場面によってはちゃんとしたルートが指定されている(それ以外を通ると難易度が跳ね上がる)など窮屈な作り。

この辺り、UBIのゲームで言えば『アサシンクリード』や『ウォッチドッグス』、もっと古い所では『スプリンターセル』などがシリーズを重ねるなかで、いかにステルス部分の快適さを出しながら、爽快感と緊張感のバランスを取るかという研鑽があったわけで。

制作会社が違うので単純に比較してはイカンのだが、それにしてもここまでシンプルなステルスゲームを今更出されてもという。

 

戦闘部分も基本的に武器は一種のみ。

腰に下げたブラスター(ビームが出る拳銃ね)だけで、その他の武器は敵やマップに落ちている物を拾って使う。ただ、それも常に携行出来るものではなく、基本的にその場で使い捨てになる。

なので、戦闘部分がまぁ地味。ピチュンピチュンってブラスターのSEに興奮するくらいしか見る部分ないっすよ。

 

まぁそれでも遊べないクオリティではないので一応クリアまではやるかと思ってたら、終盤のクエストで進行不能バグにあって終了。

YouTubeに上がっているウォークスルーを確認したところ、ある地点へ行くとカットシーンが始まるはずなのですが、こちらのデータだとダメなようで。

いくつかのセーブから遡ってやり直してみましたが、進行不能バグが回避出来ないので終わりです。

ありがとうございました。

 

 

あとCall of Duty: Black Ops 6』のベータが配信されていたのでちょっとプレイしました。

今回のウリになっているのが、オムニムーブメント。

前方だけでなく、左右と後方にもダッシュが可能になり機動力アップ。

しかも、そのダッシュ状態から飛び込みが出来、その飛び込み中から着地後の伏せ状態でもかなりスピーディなエイムが可能になっているのも面白い。

マジでジョン・ウーですよ。二丁拳銃で飛び込み中に相手をキルしたら鳩飛ばしてくれよってくらいジョン・ウー

割と好きな手触りだったので、ちょっとリリースが楽しみになりました。

 

 

ここからは、その他のお家エンタメ。

まずは本。

ジー・フィサメィ(著)『崖っぷちだったアメリ任天堂を復活させた男』

両親はハイチ移民、幼少期をニューヨークのブロンクスという治安的になかなかヤバい環境で育った著者が猛勉強をして大学、その後P&G、コーラでお馴染みのペプシコ(PepsiCo)、VH1(ケーブルテレビ会社)などを経て、アメリ任天堂(NOA)に入社しアメリカ市場での任天堂ハードの普及を牽引した著者初の自伝。

 

著者の存在が世界的に有名になったのは、2004年のE3。

開口一番「My name is Reggie. I'm about kicking ass, taking names, and were about making games」という任天堂らしからぬパワフルなスピーチによって熱狂を生み出す。

その後のニンテンドーDSや『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』の発表により、2003年とはまったく違う任天堂の姿を見せつけた。

(2003年と2004年における任天堂のカンファレンスの違いは、ネットミームとなった"外人4コマ"として大きく広がり、その写真は本書でも掲載されていて笑える)

そんな任天堂のイメージ(特に北米など海外において)を一新させたのが著者であると。

 

そんなE3での裏話から、上司でありメンターでもあると評している岩田聡の存在。

宮本茂との交流などゲーマー的に興味深いポイントはいくつもあります。


ただ、本書はあくまで自伝でありビジネス書という体裁なので、任天堂(NOA)の裏話的なものを期待すると肩透かしを食らう。

またビジネス書としてもちょっとイマイチかな。

彼がこの本で語っている戦略は、ローカライズの重要性(DSの『脳を鍛える大人のDSトレーニング』に数独を入れるべきなど)など芯を食った話があるにはある。

しかしその他では、値段を下げるべきだの、本体にソフトをバンドルするべきだの、マーケティングの話としてはひねりが無さすぎて読み応えがない。

組織のマネジメントに関しても漠然とした観念的な話が何度も続く。

んで、これはおそらく任天堂という会社に居た事に起因しているのかもしれない。

ゲーム業界の中でもトップクラスの秘密主義である任天堂は、その内部の話が出てこない事でゲーマーとっておなじみですよね。なので、詳細な戦略やマネジメントの部分は書けなかったのでは、と思いますがどうでしょうか。

 

また著者に関しては今後、ブレイク・J・ハリスの著書『セガ vs. 任天堂』の中で主役となっているトム・カリンスキーみたいな評伝が出ると面白いかもしれないですね。

ジーと同じくマーケティングの世界からゲーム業界に来たトム・カリンスキー。

マテルでバービー人形を世界的にヒットさせ、スーパーヒーローキャラクターの"ヒーマン"を生み出した人物が、セガ・オブ・アメリカのCEOになり、北米でのメガドライブの大ヒットだけでなくソニックを世界的キャラクタに押し上げた。

まぁ最終的にセガの日本本社に足を引っ張られて、セガ・オブ・アメリカは大失速、その後のセガのハード戦争もズルズルと終わっていくわけですが、そこの至るまでのまるで見てきたような講談的ストーリーがめちゃくちゃおもしろいんですよね。

そんな『セガ vs. 任天堂』もめっちゃ面白いので、ゲーム好きな人はぜひ。

 

 

ここからは映像関連。

Netflix『自由研究には向かない殺人』

イギリスの田舎町で起きた殺人事件。

若い女性が殺害され、その交際相手の男性が犯行を自供するメッセージを残し自殺して事件は解決したとされていた。

しかし、主人公の女子高生ピップは、この事件に疑問を感じていた。なぜなら、殺害したとされてる男性は誰に対しても優しく、ピップもまた彼に助けられたことがあったから。

ピップは、大学への入学資格を得るために必要な自由研究の題材に5年前の事件を選び、事件関係者にインタビューをしながら真相を追う。

 

大ヒットした同名タイトルのミステリー小説がドラマ化(著者はイギリスの作家ホリー・ジャクソン)。

主演は『ウェンズデー』で人狼のルームメイト役を演じたエマ・マイヤーズ。

このドラマの見どころは何よりまず、彼女の魅力ですよね。主人公のピップは、好奇心旺盛で知識を得ることが好きで、ちょっとオタクな女の子。

自分の興味のあることには猪突猛進で、それが行き過ぎることも多々あるキャラクタを見事に演じていて素晴らしい。

 

ミステリーのドラマとしては、基本的にフーダニットが焦点となり、そこに複数の登場人物とそこから得られる情報によりミスディレクションを絡み合わせるという、これぞミステリーという王道な作り。

そこにプラスして、イギリスの町並みの美しさ。

歴史的な建物とちょっと古いけどカラフルな一軒家。そして、森ですよ。やっぱヨーロッパの人の持つ森への思い入れってのは、日本人には想像がつかないほど深いですよね。

 

ちなみに原作の小説からはかなりアレンジがされたドラマ化になっていて、正直ミステリーとしては原作の方が面白い。

ただ上述した通り、エマ・マイヤーズの可愛さとキレイな風景で画が持つタイプのドラマで、登場人物の数や構成も原作よりもシンプルな形になっているので、コレはコレとしてあり。

 

ちなみに原作ではこのあとの続編として『優等生は探偵に向かない』で、最初の事件をポッドキャストで配信したことで有名人になったピップが、新たに町で起きた行方不明事件を追うことになる。

そして3部作のラストである『卒業生には向かない真実』では、これまで事件を解決してきたピップに対して、不穏な脅迫が行われる所から始まる新たな事件が描かれます。

 

んで、この3作目が問題作なんですよ。マジでヤバい。場合によっては炎上するタイプのヤバさ。

私はこの3作目はメチャクチャ面白く読んだし高く評価しているけれど、マジで激怒する人が居るだろうなという想像はつくし、共感もする。それくらい問題作。

 

今回のドラマ化で出来れば3作目まで描いて欲しかったのですが、どうでしょうか。ここ最近の配信ドラマも、相当ヒットしないとシリーズ更新が厳しい感じなので無理ですかね。

そもそも続編を作るのであれば、本作のドラマ化で改変されている部分により上手くいかない可能性もあるんですよね。

 

以下、一応ネタバレに近くなるので、原作未見の人はご注意を。

ドラマの最終話。最後の最後でのシーン。ある人物が逮捕されないままドラマは終わるんだけど、原作では逮捕され起訴される。

しかし、その後の裁判での行方というものが、主人公のピップだけでなく周辺の人物までに大きく影響し、物語の中で重要なファクターとなっている。

ドラマではその部分を続編への引きのようにしているが、その人物が逮捕されるかどうかの部分は焦点ではないのよっていう。

 

まぁそんなこんなでドラマの続編は難しいかもしれませんが、このドラマをみて興味があればぜひ原作も読んでみてください。

3作目まで読んで「てめー!こんな小説勧めるんじゃねーよ!」って怒らないでね。

 

 

Disney+『七夕の国』

主人公である大学生の青年は超能力を持っている。それは、どんなものにも小さな穴を開けることが出来るという能力。

しかし、地味すぎてなにも使い道の無い超能力であり、その能力を見せられた方も「で?」っていう程度の力であったが、実はその能力はある東北地方にある小さな村に伝わる能力であることがわかる。

そこで、ルーツを探りにその地へと行こうとしていた矢先、その場所では人間が円形に切り取られたような死体が発見されるという奇妙な殺人事件が起きていた。

 

物語としては、この能力の正体は何なのか、そしてどこからこの能力が伝わってきた(顕現)したのかを追うストーリーとなっている。

全体的に役者のクオリティの低さが完成度を下げていてもったいない。

ただベースのストーリーはよく出来ていて、ラストの方は結構なちゃんとしたSF。スケールの広がり方と能力の秘密が明かされる場面では、なるほどーと感心した。

 

あとドラマとしては若干テンポが遅いのが気になった。

原作で全4巻の漫画を10話にするのはちょっと長いかな。このストーリーの内容であれば、6・7話ぐらいがベストだったように思います。

でも楽しかった。見て損はしないクオリティでした。

 

 

テレ東『川島明の辞書で呑む』

辞書を片手に載っている字をアテにてみんなで呑むという番組。今、放送されてるバラエティ番組で一番好きな番組かもしれない。

 

知らない言葉の意味を知るのはもちろん面白いが、あるあるなどその現象・行動に名前があったの?ってパターンが面白い。

直近で放送されていたなかでは、"空足(からあし)"がそのパターン。

"空足"とは、階段などでそこに足場がないのにあると思って足を踏み出しカクンとなること、だそうで。

いやぁこれに名前あるんだっていう驚き。

 

番組の雰囲気や、呑むという事にフォーカスした構成により、この番組は見ながらついつい飲んでしまう。

残念ながらこの番組は不定期放送なので、次回放送はまだ未定のようですが、ぜひともレギュラー化をしていただきたい。

まだまだお中元にもらったビールがたくさん残ってるので、それを消費するためにもお願いします。寝る前にまったりしながら見るのにちょうど良いのよ。

 

 

最後に音楽。

bird - GAME

 

bird - マインドトラベル

現在ではみうらじゅんとご結婚されているbirdのPVが最近公式でアップされまして。

なつかしー。当時CD買ったわー。大沢伸一サウンドだわー。

さすがに古臭さは感じるものの、このストリングやビートは今聴いてもアガりますね。

 

 

ザ・グルーミーズ - 言ってくれないと

最近なんでもない時のBGMとしてよく流しているザ・グルーミーズの新曲。

ダウナーなサウンドが残暑にちょうどよい。

 

 

LE SSERAFIM - CRAZY

リリース前からTeaserやショート動画などでドロップの部分が公開されていましたが、その頃からヤバいサウンドだと思ってたんだよね。

で、数日前にフルでリリースされたので聴いてみたら、やっぱりヤバいわけですよ。

ディープでちょいテックかつDOPEなハウスチューンで、めっちゃ好み。このサウンド好きすぎる。

 

90年代から様々なジャンルをもってきて、現代的な解釈をする曲がバンバン出てくる中でも、ここまで自分の中でクリティカルなものは、けっこう前にリリースされていたNewJeansのAttention以来かも。

NewJeans - Attention

まぁそんなこんなで、LE SSERAFIMのCRAZYは今年聴いたK-POPの中でもベスト。最高。ホントに凄い。めっちゃかっこいい。

 

 

こんな感じで今月はおしまい。

また来月。