Gmailでメールを分類する際、一見同じような機能に見えるけれど、実は異なる2つの機能や操作が用意されていて、混乱してしまった人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、そうした似て非なる操作の違いを改めて説明するとともに、それらの有効活用法について説明したいと思います。
1つはラベルによる分類です。多くの人はGmailのラベルを使ってメールを分類しているかと思いますが、実はラベルによる分類には「付与」と「移動」の2つが用意されており、この2つの違いがよく分からず混乱してしまう、ということはよくあるのではないでしょうか。
では一体、この2つは何が違うのか?と言いますと、要は「受信トレイ」にメールが残るか否かの違いです。実は受信トレイも特別なラベルの1つであり、受信トレイに表示されているメールは全て「受信トレイ」というラベルが付与されているのです。
そしてラベルの「付与」は、「受信トレイ」のラベルはそのままに、新しいラベルを追加する操作になります。つまり「仕事」というラベルを付与した場合、1つのメールに「受信トレイ」と「仕事」という2つのラベルが付与された状態となる訳です。
一方の「移動」は、「受信トレイ」のラベルを外して別のラベルを付与する操作になります。「仕事」というラベルに移動した場合、そのメールから「受信トレイ」のラベルが外され、受信トレイには表示されず、「仕事」のラベルを選んだ時だけ表示される状態になる訳です。
では、付与と移動のどちらを利用して分類すべきか?と言うのは、利用スタイルによって大きく変わってくるかと思います。ラベルの付与は使いこなせば高度なメールの分類ができることから、古くからGmailを使っており、ラベルの使い方に慣れている人は付与による管理が便利かと思います。
一方ラべルの移動による分類は、一般的なメーラーの「フォルダ」を使ったメールの管理に非常に似ており、直感的に分かりやすいのが特徴です。そうしたことから他のメーラーの操作に慣れている人や、ラベルの付与による操作が複雑で分かりにくいと感じている人などは、移動による分類を活用するのがいいでしょう。
ちなみにフィルタ機能を使って届いたメールを自動的に特定のラベルへと移動したい場合は、フィルタ作成の際に「ラベルを付ける:」にチェックを付けて移動したいラベルを選び、さらに「受信トレイをスキップ(アーカイブ)」にもチェックを付けることで同様の操作を実現できます。
そしてもう1つ、似て非なる操作の代表例が「アーカイブ」と「ミュート」です。どちらも読み終わったメールを受信トレイから非表示にする操作なのですが、大きく異なるのはスレッド、つまり非表示にしたメールに対する返信も隠れるか否かということです。
アーカイブされたメールへの返信は受信トレイに表示され続けますが、ミュートされたメールへの返信は表示されなくなるという違いがあります。
実はこの2つの違いもラベルで説明することができます。アーカイブはメールから「受信トレイ」などすべてのラベルを外し、何のラベルも付いていない状態にする操作。
一方「ミュート」は「受信トレイ」のラベルを外しつつ、「ミュート」というラベルを付与する操作になります(それゆえミュートされたメールは、「is:muted」という検索演算子を使って簡単に見つけることができます)。
では、アーカイブとミュートをどうやって使い分けるのか?と言いますと、自分に関係のあるメールのやり取りか否かで判断することになるでしょう。
すでにやり取りが終わったメールなど、自分に直接関係ある内容のメールはアーカイブで十分ですが、メーリングリストなどで自分と関係のないやり取りが延々と続いている場合は、やり取りごと隠してしまうためミュートするのがよいかと思います。
もちろん、両方の機能を使わなければいけないというルールはありませんので、自分に合う機能だけを使うというのでも全く問題はありません。いずれの機能もメールを削除してしまう訳ではありませんので、色々な操作を試してみながら自分ならではの使い方を身に着けていくのがいいでしょう。