テツガクの小部屋24 アリストテレス②
・形相論
イデア論批判は、普遍が個物から離れて存在すると想定することの不合理なることを示している。それゆえアリストテレスは、普遍すなわち形相は個物に内在することによってはじめて存在できると考えた。普遍の存在は個物の存在によってささえられねばならないのである。ところで個物とは、アリストテレスによれば、形相と質料の結合体である。それゆえ形相も質料もそれ単独では存在しえず、結合体、すなわち具体的な個物となってはじめて存在しうるのである。個物が独立して存在する唯一の存在である。それゆ