スケジュール管理はエクセルよりも……

スケジュール管理はエクセルよりも……

チームで仕事をする際、絶対に必要なのがスケジュールの管理です。

スケジュールを作成し、チーム全員で共有しますよね。

スケジュールはパソコンで作成すると思いますが、どのソフトで作成しているでしょうか?

エクセル……、そう答える人が多いのではないでしょうか。

エクセルでのスケジュール作成

一口にスケジュールと言ってもいろいろな種類があります。

タイムテーブル

予定表、時間表といった日時と予定の表です。

タイムスケジュールなどとも呼ばれることもあります。

個人的なスケジュール管理などでよく使われています。

タイムテーブルはその名の通り「表」ですのでエクセルで作るのに向いています。

ガントチャート

ガントチャートは多人数が関連する複雑なスケジュールを管理するためによく使われます。

下図のような横棒で作業の開始、終了、進捗、依存関係などを表します。

ガントチャート

横棒を繋いでいる縦線が作業間の依存関係です。

例えば基本設計が完了しないと始められない詳細設計との間には縦線があるわけです。

このガントチャートはエクセルでもよく作られています。

チャートの横棒は棒グラフのようにも見えますが、だからと言ってエクセルのグラフ機能で作るのは無理があり、エクセルを方眼紙のように使って「作図」されます

スケジュール管理が「作図」になっていた

僕もエクセルでスケジュールを管理していた人間の一人です。

仕事のスケジュールはタイムテーブルではとても管理できないため、エクセルで懸命にガントチャートを作図していました。

しかも、同じスケジュールを異なる視点から見た資料を別々に作っていました。

  • プロジェクト全体のラフなガントチャート
  • 各作業を細分化したガントチャート
  • 顧客に見せるためのカレンダー形式のスケジュール
  • チームメンバに見せるための今日中に終了させる作業リスト
  • チームメンバに見せるための今週中に終了させる作業リスト
  • その他、諸々の視点から見たスケジュール

表計算機能やグラフ機能は活かされることなく、エクセルは単なる作図ソフトとなっていました。

それでも紙に手書きするよりは楽だから……、というのがエクセルを使っていた理由です。

スケジュールはイキモノ

たとえスケジュールの作図が大変でも、頑張って作り上げてそれがずっと使えればまだいいのです。

後は完成したスケジュールに進捗状況を書き込んでいくだけですから。

しかし、スケジュール管理とは「進捗状況を書き込む」ことではなく「スケジュールを調整する」ことです。

進捗が遅れているからといって頑張れ!もっと頑張れ!とやるだけで予定どおりになるわけがなく、関連する(ガントチャートの縦線で繋がった)作業や人員を調整する、つまりスケジュールを調整する必要があります。

そして調整したスケジュールはエクセルに反映して顧客やチームメンバーに周知します。

前述の同じスケジュールを様々な視点から見た資料をスケジュール調整の度に修正するわけです。

大変な手間ですが、それでも紙の資料を修正するよりは楽だから……、という理由でやはりエクセルを使っていました。

スケジュール管理をしているはずが、エクセルでの作図作業に工数を浪費している状況でした。

Officeのスケジュール管理アプリ

このようなエクセルでのスケジュール管理の問題を解決してくれた方法があります。

エクセルでなく、マイクロソフトOfficeアプリの1つマイクロソフトProjectを使うことです。

Projectはスケジュール管理(プロジェクト管理)のためのOfficeアプリです。

え?マイクロソフトOfficeにProjectなんてアプリあったっけ?と思われるかもしれません。

マイクロソフトProjectはOfficeアプリの1つではあるのですがMicrosoft 365などには含まれていません。

それが低い知名度の原因と思われます。

ちなみにProjectと同様にOfficeアプリでありながらOfficeスイートに含まれないアプリにVisioがあります。

Visioは作図専用のソフトウエアで、エクセルやワードに内蔵された作図機能より遥かに複雑な図をより簡単に作成することができます。

エクセルやワードでの作図のために時間を浪費していると感じているなら導入を検討する価値は大いにあるかと思います。

スケジュールを「描く」のではなく「作る」アプリ

エクセルではスケジュールの開始や終了などを作図、つまり描き込みます。

開始日や終了日などはエクセルが計算するわけでなく、人間が考えて決めるわけです。

それに対してマイクロソフトProjectでは基本的に以下のようなデータからガントチャートやカレンダーなどが自動で作図されます。

  • マイルストーン
    • 納品日、打ち合わせ日等
  • 作業項目
  • 作業項目間の依存関係
    • 作業Aが完了しないと作業Bが始められない等
  • 各作業に必要なりリソース
    • 延べ人数
    • 必要な機材
  • リソースカレンダー
    • 各メンバーの出勤予定
    • 機材の使用予定
  • リソースコスト
    • 各メンバーの時給等
    • 機材の使用料金等

Projectでの作業はこのようなスケジュールに関連するデータを正確に定義することです。

エクセルのような作図作業は必要ありません。

ガントチャート、カレンダー、作業リストといったものは入力データからProjectが自動で作図してくれるためです。

絶大な導入効果

エクセルによる「スケジュールの作図」からProjectによる「スケジュールデータの定義」への移行は敷居が高く感じられかもしれません。

しかし、Projectへ移行することによる効果は絶大なものがあります。

考えてみれば当たり前の話かもしれません。

エクセルからProjectへ移行すればスケジュール管理者が作図に割いていた工数がゼロになり、より正確に状況を定義するようになるからです。