【プジョー 208 新型試乗】Cピラーは「205」へのオマージュに違いない…島崎七生人

「205」へのオマージュも

シートに吸い付くような着座感が上出来

50km/hあたりから、さらにフラットライドになる

プジョー 208 Allure
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「205」へのオマージュも

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全長+120mm、全幅+5mm、全高ー25mm(2540mmのホイールベースは変わらず)。新旧『208』のボディサイズの差はこうだが、実車の第一印象は、あらら『308』に迫る風格を身に付けたのでは?と思えた。

メーカーの資料にもあったが、Aピラーがグッと後退し、今までより水平のエンジンフードが押し出し感を増したようだ。一方でこちらは資料では触れられていないが、三角定規(90度の角を挟んだ2等辺3角形のほう)を立てたようなCピラー形状(と“1.9 GTI”のロゴプレートを連想させるプレスのアクセント)は、明らかにあの『205』(2ドア)へのオマージュに見える。

正直なところ個人的にはデイタイムランニングライト(通称「セイバー」というのだそう)は、文字通り、まあまあそういつでも牙を剥かなくても……と思わなくもないが、スッキリとテールライトとガーニッシュを真1文字に仕上げてリヤビューを引き締め、全体のスタイリングはアクが控えめなところがいい。

シートに吸い付くような着座感が上出来

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インテリアは例の3D iーCockpitを中心に先代の正常進化版といったところ。メーターはグラフィックが切り替えられるが(車両の通信の速度のせいか、切り替えにはひと呼吸がある)、3Dのフワッとした視覚効果と、文字や表示類のフランスらしい色遣いが眺めていて心地いい。

試乗車借り受け時に「このフタはこう開きます」と説明を受けた、スマホのワイヤレスチャージャー部のフタは、レクサスあたりならススッとダンパーでフタを上に開けさせつつ引っ込ませるだろうが、フタの下辺にクロームの加飾を施しておきながら実は下ヒンジで開く(こうしないと内部が見えない)ようにしてある力技(?)は微笑ましい。

ステアリングは例によって小径で、形状も先代以上に凝ったもの。グリップは奥行き方向まで形状に変化がつけられているが、これは実際に握っていると、寝ているうちに形がフィットして心地いい枕のように思えた……とお伝えしておこう。

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前席は座ると身体がシートに吸い付くような着座感が上出来。後席は割と座面が落とし込まれ、背もたれは立っているほうだが、頭上空間はそこそこ確保されており、窓やドアの開口部形状は、いずれもコンパクトなクルマとしては十分に機能を吟味して決められた風だ。トランクスペースは幅1020mm、奥行き660mm、トノボードまでの高さ530mm(いずれも筆者実測値)と、実用になる容量。

50km/hあたりから、さらにフラットライドになる

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試乗車はEVではなく内燃機関の3気筒/1.2リットルターボ(100ps/205Nm)でこれに8速ATの組み合わせ。モード切り替えも備わり、ゆるやか~ヴィヴィッドまで動力性能の発揮のさせかたを選びながら走らせられる。

“SPORT”モードでは、どうやら音の演出も入るようだが、このウィーンという音(おそらく150Hz前後?)は、人によってはウナリ音(=ノイズ)と感じるのでは?と思った。ただし走行中の遮音は十分で「欧州コンパクトカーはいいけど煩いよね」といったコメントはもう通用しない。

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乗り味は低速から十分なしなやかさだが、50km/hあたりから、さらにスッとフラットライドになる。高速走行時のピタッと路面に貼り付いたような直進安定性にも好感をもった。ステアリングはアソビが少ないタイプで、とくに180度以上切り込んだ先のクイックさは、このクルマのキャラクターを作る上でそうなっているのだろう。

タイヤは195/55R16 87Hサイズのミシュラン・プライマシー4(イタリア製)で、指定空気圧は前220/後210kPa(軽荷重時)と案外と低めの設定。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

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島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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