隠国(こもりく)の食 伊良原 : 隠国の食 伊良原

この日は、今まで何度も振られたお店へ。(^^;

流石にもう幾ら何でも開いているだろうと言った思いと、どうせまた開いていないだろう・・と言った思いも混じりながらも行ってみた。(^^;

で、何時もの様に国道から覗いて見ると、隣の公園の駐車場には何台か駐まっているものの、お店の横には一台も車が見当たらない・・。
あぁ・・・やっぱり今回もダメか・・・。
・・でも、道路沿いには「そば」の幟が立てられているけど・・。

どうなんだろう・・？と思いながら車を駐めて入口まで行って見ると・・・えっ！
開いていた！
何と、営業されている！

初めて来た時は普通に営業されていて、お客さんも多かったのだが、その時は他に行くつもりだったので、ま、次で良いやとスルーしたのだけど、その後は振られる事振られる事。(^^;
一体何度やって来た事だろう。(^^;

やれやれ、漸く開いている姿を見る事が出来た。
それがここ、「隠国の食 伊良原」。

お店は、行橋市と英彦山を結ぶ国道496号線沿いに在り、隣に「伊良とぴあ公園」が在るくらいで、周辺には他に何も無い様な所。

外観は、黒と白を基調とした和の佇まいで、板張りのデッキ (と言って良いのかな？)と広く敷かれた玉砂利の庭？がよりその印象を強くする。

店内に入るとお店の人が待機していて、非接触型の体温計で検温をし、アルコールスプレーで両手にシュッ。(^^

入って直ぐの左右に物産の販売が有って、正面左側にレジ。
その後ろが厨房の様だが中の様子は見えない。
右側にもテーブル席が少し有るが、客席のメインは左側の様で、レジ前を通って入って行くと、4人掛けテーブルが左壁側に３つ、右壁側に２つ、2人掛けテーブルが中央に２つの構成。

お一人様なので2人掛けテーブルに着席。
メニューは卓上に。
セット物でも良かったのだが、ジビエも食べたかったので、十割蕎麦800円と里山の盛り合わせ850円を注文。

60代くらいのお揃いの和の制服を着た女性2人が応対。
素朴な感じの、畏まらない丁寧な応対。
店内は天井が高く、黒くて太い梁が渡されているが、古民家風と言うよりは和モダンと言った雰囲気。

4〜5分で里山の盛り合わせ、その1分後くらいに十割蕎麦の到着。
2人掛けテーブルで、中央にアクリルの仕切り板が立っているので両方並べるにはちょっと狭い。なので蕎麦を持って来てもらった時にアクリル板を少し動かしてもらった。

十割蕎麦は、丸い竹籠に乗せて。
薬味は、おろし山葵と小葱。
それに胡瓜と人参の浅漬けが付く。
蕎麦は、少し薄めな灰色で、角がキリッと立った切り口。
太さは一般的な物で、長さは長短が混じる。
パッと見、表面がテカって見えたので水切りがイマイチなのかな？と思い蕎麦の下部分を覗いてみたが、水が溜まっている様子は無く、ザルを持ち上げてもお盆に水滴などは落ちていない。

まずは蕎麦のみで一口。
口当たりは"つるっ"としているが、ヌメリなどは無く、そばの表面を覆っている水分がそう感じさせるもので、蕎麦本体は"つっ"とした口当たり。
表面から中心までちょっと高めな圧が有り、噛むと"クッ"と切れる。
思っていたよりも蕎麦の香りが高く、"蕎麦"を食べている気分になれる。(^^
量も、十割でこの価格だったら割と多めに感じる物。
本当は、この倍くらいの量の蕎麦を箸でガッと掴んで思いっ切り啜ってみたいのだけど、この量だとそんな事をしたら直ぐに無くなってしまうので、少しずつゆっくりと食べる事に。(^^;
山葵は本山葵で、割と荒目なおろし具合。
粒々とした舌触りと、青々しい香りにツーンと来る刺激。
蕎麦に乗っけて食べると、うん、やっぱり蕎麦との相性は良いな。(^^
蕎麦つゆは、濃い茶色で僅かにトロミも感じる。
味は鰹メインの様だけど、その後にも色々有りそうで、厚みの有る旨味。
後味に少し甘みが残る様な好みな味。
蕎麦を漬けて食べて見ると、蕎麦の舌触りとつゆの旨味の相性が良く、旨いと感じる。
これなら大盛りにしておけば良かった。(^^;
蕎麦湯は、割と透明感のある物で、さらっとしている。
少し茶色っぽく見えたのは照明の具合かな。
つゆ自体が旨く、それ程濃くも無いのでそのままでも飲めるくらいだが、一応蕎麦湯を入れて飲んでみると、口当たりや旨味が軽くなって飲み易くなるが、本来の旨味は薄まらずに味が開く感じになる。
流石に2杯目以降は薄くなってしまうけどね。
蕎麦湯自体には蕎麦の栄養素が溶け込んでいるので全部飲んでしまいたいけど、だんだん味がなくなって行くのでちょっと厳しい。
蕎麦湯は一杯分くらいの量が丁度いいかも。

里山の盛り合わせは、提供時に説明が有ったのだけど忘れてしまった。(^^;
鹿と猪のハムと燻製だった様な・・。
肉は3種類で、2〜4切れづつ。
1番旨いと思ったのは左端の肉で、肉なのにシャリっとした歯応えが有り、一口目から肉の旨味が感じられ、噛めば噛むほど旨くなる。
これは絶対ビールか焼酎のロックに合いそう。
2番目に旨いと思ったのは右側の肉。
旨味の点では左側のそれよりは少し落ちるが、肉自体の旨味は良く出ている。
これはウイスキーに合いそう。
真ん中の肉は、旨味的には少し低めに感じたかな。
タレを付けて食べると又ちょっと違うけど、酒のアテと言うよりはご飯のおかずとして合いそう。
一番右の物は、こんにゃくの刺身かと思っていたが、食べてみるとこんにゃくの様な弾力は無く、そのつもりで強めに噛んだらサクッと切れた。
少しざらついた舌触りがあり、味は何と言って表現したら良いか判らないが、酢味噌との相性は良く、日本酒のアテに良さそう。
なぜかパプリカが2切れ乗っていたが、好きなので問題なし。
シャクっとした歯応えと少しの甘みが口休めに丁度良かった。
飾りと思っていた花は、食べられますとの事だったので食べてみると、意外にもシャリっとした歯応え。味は無いだろうからとタレに浸けて食べたけど、意外と旨い。
流石に酒のアテには成りにくそうだけど。(^^;


ほぼ1年間、ずっと振られ続けたお店だったが、今回やっと食べる事ができた。(^^
まあ、無計画に行き続けたと言う事もあるし、コロナの影響でか営業日が変わったりしたり、臨時休業が有ったりしての事だけど、振り返ってみればそれなりに楽しめていたので、結果オーライ。(^^;

お店が在る「伊良とぴあ公園」横には「祓川」が流れており、親水広場・親水護岸・水車小屋・ビオトープ・散策路などが整備されているので、夏休みとかに子供を遊ばせるのに良さそう。
駐車場も広くて便利。
唯一難点なのが、お店の横に併設されたトイレが、今現在コロナ対策の為閉鎖されている事。
周辺にコンビニ等は無いので、いざと言う時が大変。(^^;
国道496号線を行橋側から来て、「伊良原ダム見学台」を過ぎてしばらく行った左側に、「伊良原森林公園」のトイレが１箇所有るくらいなので、もし行かれるのなら事前に済ませておく事をお勧めです。(^^;