夕暮れのregret―生命のエリキシル : ラ リベラ

この口コミは、ばーむくうへんさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

5.0

¥6,000~¥7,9991人
  • 料理・味4.8
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
2024/08訪問16回目

5.0

  • 料理・味4.8
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥6,000~¥7,9991人

夕暮れのregret―生命のエリキシル

夕暮れ。
無為に一日が終わりゆくさびしさと、やるせなさが押し寄せる。
同時に、何か素敵なことが起きそうな予感もある。
少しワクワクして、目覚めたばかりの宵に泳ぎだす。
予約の時刻より早く着いたが、どうするか。
当店の周辺には消防署に薬局と公共の施設が多く、あいにく時間を潰せそうなスポットはない。
あてどもなく周囲を徘徊するも憚られ、悄然と入店することにした。
ぼんやり待つ間に、店の全容など写真におさめておけばよいのに。
気の利かぬ己に、またしてもregret.
店の裏手から、夫人と令嬢と思しきシルエットがひらりと流れ出て、誰そ彼の青さに紛れてゆく。
週末のこと、本日は予約満席の札がある。
グループ客多き店内に、シェフの孤軍奮闘が予感された。

          *

・冷やしたズッキーニのスープ、トマトのジュレ

エメラルドの湖に浮かぶのは、無色に近いトマトのジュレの小島である。
極度のなめらかさ、透き通るような喉越しにため息が漏れる。
ひと匙で欠けたる体内の水分を補われ、生き返ったような心地がする。
爽やかな色味に比して、濃厚なフォンの旨みが広がる。
ズッキーニ自体の旨みと柔らかな甘み、フォンの香りは鶏だろうか。
それにしても濃い。素晴らしい出汁を贅沢に使っている。
コクがあり、口中を満たして広がってゆきながらも深さも感じられる。
中央に浮かせたトマトのジュレの酸味が旨味の余韻を引き締め、爽やかに幕を引く。

・十勝産小麦のパン
しばらく前から、「セモリナ粉」と付かなくなった。
粗挽き粉が手に入らなくなったのだろうか。
割いてみると断面はきめ細かで、以前の粗さはない。
粗いほうがソースに浸すとき吸い込みが良かった気がするが、さほど気にならない。
噛むと香ばしく、小麦の旨みがじわりと沁み出してくる。

・芽室産ペペロナータのインボルティーニ(パプリカの詰め物)
またしてもエメラルド。
レタスを背景に、目の覚めるような赤がルビーのようだ。
当店のブログに、作る手順が記されていた。
立派なサイズの肉厚のパプリカを、オーブンで蒸し焼きしてから皮を剥く。
イタリア産のツナをほぐし、オリーブオイル等で作ったマヨネーズ、ケイパー、ジャカイモ等で和えたものを詰めてあるそうだ。
なんと高級なツナマヨ!
まずはパプリカのぷりっとした歯応えと、なめらかさを楽しむ。
フルーティな甘みが広がる。わずかな酸味が果物を思わせる。
ツナだけ食べてみても、とてもおいしい。パンにつけて、カナッペ風に頂いてみる。
こんな高級な味のツナサンドは、食べたことがない(笑)。

・花ズッキーニのホタテを詰めたフリット、ブロッコリーのソテー
小さめの花ズッキーニを二つ、交差する剣のように盛りつけてある。
鮮度のよいホタテを詰めて揚げ、半生の一番美味しい状態に仕上がっている。
すり身に近い状態に細かくしたものと、刻んだものと両方の食感がある。
ホタテの香りが立ち、甘さも充分である。
詰め物は海老のこともあったが、最近はホタテである。
もしかして、北海道産ホタテの応援消費のためだったのだろうか。
一年ほど前に中国が日本の海産物禁輸をしてから帆立の在庫が余り、値崩れを起こしていた。
関係者の努力で米国やベルギーに販路が広がり、過剰在庫は解消したそうだ。
海老もホタテも、どちらもズッキーニの花の繊細さによく合う。
軽やかな衣がサクサクと儚く崩れ、ほのかなにニンニクの風味と適切な塩味が絶妙である。

・自家製パスタのキタッラ、ポルチーニ茸のソース
季節と天候の巡り合わせが良いと食べられる、地物の高級キノコ。
ヤマドリタケ及びその近縁種と思われる。
流通はしていない。
公園などにひっそり自生していることもあるらしいが、ほとんど知られていない。
当店でポルチーニを食べた方のレビューを拝読するまで、自分もまったく知らなかった。
生のキノコをソテーしたものが、かなり豪勢に入っている。
口溶けのよいキノコで、口に入れるとそれほど噛まないうちに消えてゆく。
香りは強くないけれど旨みがよくソースに出ており、麺によく絡んで旨い。
具はポルチーニのみ、硬質チーズを削ってふりかけてある。
キノコの成分とあいまって、旨みが加算でなく乗算される。
一口食べて醤油のフレーバーを強く感じたが、これは錯覚だった。
発酵の旨みとキノコの香りが、醤油の香ばしさを想起させたのだろう。
食べ進むうち、香ばしさは全体になじんだ。
最後に残った油分の味をみると、シンプルに塩とオリーブオイルとニンニクなのだろう。
最初に感じられた、和の佇まいが面白かった。

・ドライトマトを詰めたラビオリ
コクがあるキタッラの後は、おなじみのドライトマトを詰めたパスタが供された。
田口シェフがイタリアで一番苦い経験をしたリストランテ、トスカーナ州の小さな港町、サンヴィンチェンツォの「ガンベロ ロッソ」の料理だとか。
自分の店を出して、二十年近く。
固定客もつき評価が高い中、ぶれない軸とモチベーションを保ち続けていられる秘密は、なんだろうと考えた。
それは修行先で刻み込まれた、苦い記憶の鮮明さによるのかもしれない。
「この程度でいいか」という、妥協のないお人柄を感じる。
その分、生真面目さに苦しむことも多いだろうけれど。
負の経験も真摯に受け止めたからこそ、がっちりとした基礎が積みあげられたのだろう。
それは確かな土台となり、田口シェフの足元を支えている。
だから、料理の味がぶれない。
プラスの経験だけでは得られぬものが、一皿の小宇宙の中に滲んでいる。
本日の詰め物パスタは一枚皮をくるくる巻いて包んだトルテッリではなく、四角く包まれていた。
グループ客が多く、満席であったためかもしれない。
自分の好みはどちらかというとトルテッリの方で、食感が愉しくて好きである。
いつも食べていたら有り難みはわからないので、たまに違う形状のものも食べられてよかった。
中身のトマトは、ドライと銘打っているがセミドライであろう。
ソースより濃く、トマトのお餅といった状態のペーストである。
味は、乾物のそれではない。
完全に干したものは鄙びた味わいに変わり、旨みが濃くなるもののフレッシュさは失われてしまう。
そのため、シェフ自ら加工している。
旬の十勝産トマトの香りと甘さを引き出すために、一番味の濃くなる状態まで水分を飛ばす。
香りとフルーティさをなくさないよう、限界値を探りながらの作業と推測される。
人まかせにしないのは、その見極めが難しいからであろう。
ラビオリ生地の、シコシコとした弾力を楽しむ。
皮が破れ、濃厚なトマトが染み出す。
芳醇な甘酸っぱさか広がるのを愉しむ。
美味しい!
ソースはシンプルに、バターを主体とした塩みのソースである。
チーズかと錯覚しそうなほど、旨みがある。
若干の発酵味も感じられるのは、発酵バターなのかそうでないのか。
バターの銘柄を聞きたいと思うのに、聞きそびれている。
乳製品とトマトの旨みが乗算され、もう一つ…と吸い込まれるように口に運んでしまう。
フルーティなトマトにバターのコクが加わり、なんとも言えない華やかな香りが鼻に抜ける。
生クリームに甘酸っぱい苺が合うのと、同じ理屈であろう。
無限に食べられそうな、至高のハーモニーである。

・十勝かみこみ豚のロースト、カポナータを添えて
牛フィレ肉のローストを続けていたので、変えてみた。
豚か鳥で指定しなかったら、今回は豚のローストがきた。
脂肪が赤身に噛み込んでいるため、その名がある。
十勝で豚丼にも使われ、人気があるようだ。
赤身部分はしっかりとした食感で、旨みがある。
嫌な匂いはないので、豚肉がやや苦手な自分にも食べられる。
同行者は噛み込んだ脂肪の食感が苦手であり、いつもの牛フィレのほうが良いそうだ。
次回は鶏を希望するか、牛に戻すか考えよう。
添えられたカポナータは濃厚に甘酸っぱくとろけ、コクもある。
お恥ずかしいことながら、私はカポナータとラタトゥユの違いさえ知らなかった。
揚げたナスから染み出すコクとビネガーの爽やかさがご馳走感を盛りあげる。
これだけで、メインを張れる美味しさである。
プリッとした甘いパプリカに、喉の奥でとろけるナスの旨みがたまらない。
野菜の生気を半液体化し、吸うだけで滋養を摂取できるドリンクにしたかのようだ。
まさに、生命のエリキシル。
思えば体調の悪いときでも、当店の料理は美味しく頂けた。
丁寧な下拵えと食材の美味しさを最大値に引き上げる確かな技術によって、疲れた胃にもスッと染み込んでくるのである。
なんなら、毎食ラリベラの料理で暮らしたいと思える時期があった。
当然ながらそんな贅沢は叶うはずもなく、何が食べられて食べられないのかを自身で試行錯誤してゆくよりなかったのだが。
作りたての美味しい料理には、弱った体をも元気にする力がある。
それは即ち、生き物の命を自分の体に移し替える営みに他ならない。
料理が下手にしろ不味いにしろ、人は何かを食べずには生きてゆかれない。
田口シェフは、生命のエリキシルの稀有なる作り手である。

・とうもろこしのカタラナ、巨峰と紅茶のジュレを添えて
大好きなデザートがきた。
歓声をあげ足を踏み鳴らしたいのを我慢して、お淑やかに頂く(笑)。
夏の終わりと秋の始まりが、一皿の上に結集している。
卵黄の旨みが濃厚で大好きなカタラナだ。
しかし、とうもころしで作られたものを、他店で食べたことがない。あまり他店に行かない我々ではあるけれども。
ラリベラにしても、この季節にしか食べられない。
記録を遡ったが、一、二回ほど巡り会えたのみである。
冷凍したとうもろこしを使えば一年中提供可能だが、それをしないのがラリベラ流だ。
旬の食材は一期一会、巡り会えたら幸運な邂逅である。
なぜ、冷凍品を使わないのか。
その答えは、日中の出来事に繋がっていた。
ラリベラに伺う前に、知人宅を訪問した。
採れたばかりのとうもころしを茹で終わったところに居合わせて、数本頂いた。
甘い匂い。しかし甘いだけではない。
香ばしさを伴った濃厚な香りが、居間にまで漂っていた。
いつも採れたて野菜を食べて育った同行者にとっては、懐かしい匂いだという。
産直市場で朝採れのとうもころしを買っても、出荷準備のため既に数時間は経過している。
味わいに甘さは残るが、香りはだいぶ失せている。
採れたて茹でたての香りは、とうもころしを庭先から捥いで食べられる人しか知り得ないのだ。
翌朝頂くと、甘さはスッキリしていた。
飽きずに、一本食べられる。
なんならお代わりできそうなほどだ。
飲み物が必要ないほどで、決して甘ったるくはない。
より甘いのは、香りのほうであった。
とうもころしの甘さの魅力は、香りのほうに多く潜んでいた。
さて、当店のカタラナである。
焼きとうもころしを模して、まだらに焦がしてある表面にスプーンをいれる。
半分凍ったさくりとした感触の中に、溶けかけのねっとりとしたペーストが封じられている。
口に入れるとゆるりと解けて、とうもろこしの香りと香ばしさで胸がいっぱいになる。
屋台の焼きとうもころしー!! と手足をバタバタさせたいのを我慢して頂いていたが…。
これは、屋台どころではない。
札幌の大通り公園だって、旬の時期以外は冷凍物を使う。
旬の時期に大量に取れる農作物だけに、多くは加工に回され冷凍保存される。
しかし味は残っても、加熱や解凍時に香りが飛んでしまう。
このカタラナは、とうもろこしの真実の旨さが凝縮していた。
捥いだ瞬間家に駆け込み、あらかじめ沸かしておいた湯で茹でた味わいである。
実家が農家である田口シェフが幼い頃から味わってきた、一番美味いとうもころしの味わいだ。
その、採れたて茹でたての風味に拘って作りあげたのだろう。
再現度が、高すぎる!
後でお話を伺うと、やはり採りたてのとうもろこしをすぐに持ち帰ってペーストにしているそうだ。
そうでないと、この香りは出せない。
そうだろうなあ。
…初物はありがたいねえ。長生きできそうだ。
昔、祖母が語った言葉を思い出した。
科学的根拠は薄いのかもしれないが、近場でとれる旬の食材には香りという見えない成分が含まれている。
まだ発見されていない、なんらかの栄養成分があるかもしれない。
なにより、香りは幸福度をあげる。
去年の今頃は、コロナで臥せっていた。
ぜんぶの食べ物が、不味く感じられるなんて!
香りがないと、生きている感じがしないとさえ思う。
添えられた茶褐色のジュレは、少し濁っている。
濃い紅茶を急冷すると起きる現象なので、見た目は地味になるが、味は間違いなく美味しい。
中には半分ほど皮を剥かれた巨峰が、粒ごと閉じ込められている。
溢れ出る果汁や果皮から出る軽い渋みが、紅茶の渋みや香りとユニゾンを響かせる。
今回は、以前より紅茶を香り高く感じた。
洋酒が加わったか、紅茶が変わったかどちらかであろう。
確かめようと思ったが、またしても聞きそびれてしまった。
忙しいシェフを質問攻めにするのも迷惑かと思い、当店のブログを遡って読むとかなりのヒントがあった。
実食した感覚を同行者と擦り合わせて記し、料理の作り方は田口シェフのブログを参考にして書き添えた。
結果として、かなりの長文になってしまった。
こりゃ、読みにくいだろうなあ。
最後まで読み通してくださった方に、感謝を。

  • ラ リベラ - 夕暮れ

    夕暮れ

  • ラ リベラ - はじまりはバラのお茶で胃を温めよう

    はじまりはバラのお茶で胃を温めよう

  • ラ リベラ - エメラルドの湖と小島

    エメラルドの湖と小島

  • ラ リベラ - 帆立貝を詰めた花ズッキーニのフリット、ブロッコリーのソテー

    帆立貝を詰めた花ズッキーニのフリット、ブロッコリーのソテー

  • ラ リベラ - ホタテの粒度を変えている

    ホタテの粒度を変えている

  • ラ リベラ - 食べる宝石

    食べる宝石

  • ラ リベラ - たっぷりと詰められたツナ

    たっぷりと詰められたツナ

  • ラ リベラ - シェフ手作りの小さなパン

    シェフ手作りの小さなパン

  • ラ リベラ - 断面をみると、セモリナ粉の粗さではないようだ

    断面をみると、セモリナ粉の粗さではないようだ

  • ラ リベラ - ポルチーニ茸のキタッラ

    ポルチーニ茸のキタッラ

  • ラ リベラ - 贅沢にポルチーニが入っている

    贅沢にポルチーニが入っている

  • ラ リベラ - ドライトマトを詰めたラビオリ

    ドライトマトを詰めたラビオリ

  • ラ リベラ - 割ってみると濃厚なトマトが詰められている

    割ってみると濃厚なトマトが詰められている

  • ラ リベラ - 十勝産噛み込み豚のロースト、カポナータ添え

    十勝産噛み込み豚のロースト、カポナータ添え

  • ラ リベラ - 豚の後味を消すためウーロン茶を飲んでみた

    豚の後味を消すためウーロン茶を飲んでみた

  • ラ リベラ - 春から固定の小菓子はチョコートケーキ、ふんわりきめ細かく卵の風味が感じられる。湿度の下がる秋には胡桃入りのメレンゲに変わる

    春から固定の小菓子はチョコートケーキ、ふんわりきめ細かく卵の風味が感じられる。湿度の下がる秋には胡桃入りのメレンゲに変わる

  • ラ リベラ - とうもろこしのカタラナ、巨峰と紅茶のジュレ添え

    とうもろこしのカタラナ、巨峰と紅茶のジュレ添え

  • ラ リベラ - どうやってまだらに焦がしているのだろう。香ばしさは最高機密

    どうやってまだらに焦がしているのだろう。香ばしさは最高機密

  • ラ リベラ - 濃厚なとうもろこしペーストと卵黄のマリアージュ、旨い!

    濃厚なとうもろこしペーストと卵黄のマリアージュ、旨い!

  • ラ リベラ - 巨峰はジューシィ、見た目は地味ながら華やかな紅茶の香りは頂くとギャップがある

    巨峰はジューシィ、見た目は地味ながら華やかな紅茶の香りは頂くとギャップがある

  • ラ リベラ - エスプレッソ

    エスプレッソ

  • ラ リベラ - コーヒーをお代わりした

    コーヒーをお代わりした

  • {"count_target":".js-result-Review-191144018 .js-count","target":".js-like-button-Review-191144018","content_type":"Review","content_id":191144018,"voted_flag":null,"count":22,"user_status":"","blocked":false}
2024/07訪問15回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

誠意の分量、そして精度。

札幌や小樽ならいざ知らず、十勝の片田舎でイタリア料理が珍しかった頃…素敵な店を見つけた。
鴨肉のロースト・オレンジソースなどというメニューにときめき、お洒落な盛り付けとおいしさに感激したものだった。
常連になるほど懐に余裕はなかったので、勇気を出してドキドキしながら訪問する店だった。
ある時行ったら影も形もなく、消えていた。
建物だけは残っていたけれど、常連でもない自分はシェフの顔を知らず、何の伝もない。
小樽まで行かないとイタリアンは食べられない日々が戻り、悲しかった。
そんな折、自転車で街を走っていたら見たこともないお店が建っていた。
こじんまりした中にも温かい手作り感があり、とても気になった。
そこがイタリア料理店であることを後に知る。
側を通るたびに予約で満席であった。
勇気を出して、恐る恐る電話をした(私は電話が大変苦手である。怖いと言ってもよい)。
少しオドオドしているぐらいに腰の低い方が、快く予約を受けてくれた。
気弱な自分が臆せず訪れることができる、親しみと温もりがあった。
アボカドのムースやパプリカのプリンといったメニューに驚嘆・内心狂喜乱舞して、通うことを決めた。
もう、小樽に行かなくてもいい(メシを喰うために小樽に行っていた)。
それからずいぶん経つが、田口シェフは今も変わらず少年のような輝く目をして厨房に立っている。
穏やかな水彩画めいた味は今や荒さと力強さのエッジを加え、威力をいや増すばかり。
これ以上美味しくなったらどうしたら良いんだ! と圧倒されるばかりである。
なるべく精確にレビューしようとしているが、当方の舌と筆力と追いついていない。
…さて、消えてしまった店である。
店名を変え、装いを変えて営業しているのをずいぶん後に知った。
確かめるために、何度かは行った。
値段に見合わない味だと感じた。
何が足りないのだ。おそらく、誠意の分量だ。
ラリベラの料理には一品一品驚嘆すべき割合で込められている、作り手の真心といったものが感じられない。
新鮮なはずの食材も、それほど旨くは感じられないのであった。
その店も、既にない。
栄枯盛衰諸行無常…長く続く店には特別な魔法が掛けられている。
シェフの手先から繰り出される見えない糸に操られ、集まってきた大切な食材たちが躍っている。
素朴な盛り付けであるのに、毎度びっくりするほど美味しい。
…これはレビューじゃないな、もう。
拡大版ひとりごとである。
料理について書こう。

・音更産カリフラワーのムースと北海シマエビのタルタル、トマトのジュレ添え
薄紅の華やかさにバラのジュレかと思えば、名物アボカドのムースの代わりに考案された粋な前菜である。
カリフラワーの滋味溢れる旨みの、滑らかさに目を細めて味わう。
地物トマトがザクザク採れる夏の間、シェフが大忙しで一年分のジュレを作って保存されている。
十勝は日照時間が長く寒暖の差が激しいので、トマトが途轍もなく甘くて旨い。
しかし、短い夏の間しか採れない。
盆が過ぎればもう秋である。野菜は固くなる。
そのフレッシュなトマトのジュレは、穏やかな酸味と旨みがタマラナイのである。
添え物ではなく、もはやメインといいたいぐらいである。
大好きなので、供されると変な声が出る。←騒ぐな。
北海シマエビ…正月のおせちの、賑やかし要因だと思っていた。デカくて派手だが、おいしくな…(自主規制)と思っていた。
ところが当店の北海シマエビは、あっ、あまーい! プリプリや! うんまい!
最初の一品で既に陥落、あとはどうしたらよいのであろうか。

・帆立を詰めた花ズッキーニのフリット、ブロッコリーのソテー
ブロッコリーの少しコリコリした食感と、旨みにうっとりした。
これは食感の協奏曲だ。
やや塩気の衣が帆立の甘さを引き立てる。
羽衣のようにサクサク切なく壊れてゆく、衣の食感が素晴らしい。
当方が調理した花ズッキーニは潰れ団子と化し、こんなに儚く作れない。ムリ、ゼッタイ。
どうやったら繊細な花びらを壊さず、具を仕込めるのですか。
さっくりとした揚げ加減、衣の配合も到底真似ができない。

・焼きナスと真鯛のカルパッチョ
真鯛の切り身が、花びらのように焼きナスをカバーしている。花びらをそっと開くと、焼きナスの香ばしい香りが漂ってくる。
洋と和、見事な折衷で見た目から大変美しい。
崩して食べるのがもったいないほどである。
鮮度の良い真鯛が、オリーブオイルの香りと共に口の中でとろける。
あーっ、これだよ、これ!
夏の旨さ。ナスの瑞々しさ、香ばしい香りが口いっぱいに広がってゆく。
短いと盛りの夏を、心ゆくまで堪能した。
精度の高い前菜三品を満喫したら、もう帰っても良いぐらいの満足感があった。
しかし待たれよ。
手打ちパスタの登壇である。

・五穀鶏とズッキーニのキタッラ
五穀鶏とズッキーニから溢れる出汁がキタッラに絡み、もはや旨みの洪水である。
こんなに旨みで旨みで、ええんか、ええ? とエセ関西人になってしまうほど、贅沢な出汁まみれだった。
味付けのメインは塩、控えめなニンニクが香る。
シンプルだが途轍もなく旨い。
いつも稜角キリリのキタッラは今回珍しい柔らかめで、それが出汁と相まって優しく、感激した。

・ドライトマトを詰めた手打ちパスタ
供されると手を叩いて喜びたい気持ちを抑えて、ニコニコして皿を見る。
うれしい。うれしい。
シェフ自らオーブンで乾かしたミニトマトは、甘みと旨みがギューッと、とんでもなく濃縮されている。
その旨いトマトを、シコシコ食感のパスタの皮で丁寧に包み、バター風味のソースで絡めてある。
プリッとしたパスタの皮が破れると、甘さと旨みが広がる。トマトの香りが鼻に抜ける。
うんまーっ!!
立ち上がって踊りたい!
こんなに旨いものは食ったことがない。
初めてこのパスタを食した時思ったが、食べるたびに同じことを思う。
とても美味しい。素晴らしい一品だった。

・士幌産牛フィレ肉のロースト、オレンジトマトのソース シシトウのソテー添え
爽やかなオレンジトマトの色合いが夏らしい。
酸味と甘味に旨みを加え、牛肉を食べやすく調子を整えてくれる。
シシトウのコリッと食感を残した加熱加減が素晴らしい。こういった野菜はすぐに火が通り過ぎてしまい、ちょうど良い加減が難しい。見た目もぐたっとなり、香りもなくなってしまう。
田口シェフはいつも、シシトウを最高の状態で供してくださる。
大変デリケートな加熱術だ。
今回特筆すべきは、牛フィレ肉のきめ細かさである。
旨みが飛び抜けていた。
外側のカリッと感と内部のしっとりさは普段と変わらないが、なぜだかとにかく、めったやたらに美味かったのである。
食後に同行者がシェフに感想を伝えた。
「今日はすごく良い肉が入ったんです」とにこやかに仰る。
本日が誕生日であった同行者は、幸せ者だと思った。
チャッカリお相伴に預かった自分も幸運である。

・白胡麻のビアンコマンジャーレと紫蘇とパイナップルのソルベ
フランス語でブラマンジェとは白い食べ物の意、と昔学んだ。
イタリア語はビアンコマンジャーレか。なるほどである。
大好きなデザートで、ニヤニヤしたいのを堪えて平静な顔を取り繕う。
白胡麻の香りがお口いっぱいに広がり、ミルキーな余韻と共にとろけてゆく。
紫蘇とパイナップルと併せ、和洋折衷のオリジナルデザートである。
ミルクの香りと旨みを白胡麻がさらに濃厚にし、パイナップルには紫蘇が吹き抜ける清涼感を加えている。
いつ食べても旨い。
幸せのひとときであった。
できれば毎月来たいのである。
がんばって働くのである。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-190884655 .js-count","target":".js-like-button-Review-190884655","content_type":"Review","content_id":190884655,"voted_flag":null,"count":26,"user_status":"","blocked":false}
2024/05訪問14回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

裏切りの美食、ここに在り!

アスパラを食べにいった。
というわけではないが、数か月遠のくとこちらの味が恋しくなる。
なんの記念日でもないが、予約さえ取れればいそいそと出かけてゆく。
・音更産カリフラワーのスープとホタテのタルタル
なめらかに裏漉しされたカリフラワーは、冷たくても味がわかる塩梅に冷やされている。
とろりと喉を滑り落ちる快楽に、もう酒なんかいらないんじゃないかと余計なことを考える。飲まないくせに。
穏やかな旨味が広がり、ため息ひとつ。
うんまい!
当店のシグネチャメニューに、アボカドのムース&魚貝のタルタルがある。
天候不順で質の良いアボカドが手に入らず、代替に工夫を凝らされているようだ。
アボカドでなくては、ということもない。
むしろ旨ければなんでもいいので、おまかせを愉しんでいる。
田口シェフは、全身から誠実さの溢れ出すお方である。
自ら山菜採りに行ってくださったり、常連でもない客の希望を叶えようと無理をなさるので、申し訳なさすぎて反省千回!
食べられない食材以外は、特に希望を伝えないことにした。
シェフの掌の上で転がされて、唸ったり感嘆したり、宙に飛ばされたり、きりきり舞いをしている。
十二分にスペクタクルである。
アトラクションは嫌いでも、こちらには通う。
・音更産路地もの白アスパラガスのソテー
アスパラ来たァ!!
希望していないのに供されて、内心小躍りした。
椅子から浮きそうになる腰をちょいと落ち着けて、写真を撮る。
バターでこんがり焼き目をつけたアスパラに、今回はふんわり泡立てた卵のソースがかかっている。
去年はなめらかに裏漉した卵のソースだった。
…うん! ふわっふわである。これも美味しい!
淡雪のような繊細な口当たりが、白アスパラガスの旨みによく合っている。
卵のまろやかさが野菜の苦味を抑えて、大人の食材・白アスパラガスを食べやすくしている。
ビニールハウスを暗室にして栽培された白アスパラはそこそこ出回るが、路地物は入手困難である。
栽培する方がやめてしまい、ようやく手に入った希少品であったことを後にブログで知る。
申し訳なさすぎ事件簿が、また増えた。
しっかし旨いなあ。
よく味わって、ゆっくり頂いた。
チーズが旨味を倍増させて、前菜2つだけでも相当に満足できる。
もともと前菜が好きだから、メインがなくてもよいぐらいである。
…え? 出されたお肉は? むろん頂きますとも。
前菜が続く。我的狂喜乱舞。嬉々。
・軽く燻したサクラマスのサラダ
ふふふ、サクラマス。
春に来ることが少ないので、過去に一度いただいたことがあるかどうかである。
刺身にできるなめらかな切り身に絶妙の塩味が施され、レモンの香りと酸味が全体を引き締める。
五月はまだ浅き春である北の大地に、淡い風味が春を呼ぶ。
…アッ、もう無い。
光の速さで平らげるなよ、落ち着いて食ひたまへ。
・真カスベの蒸し煮
カスバの砦じゃなかった、カスベは食べたことがない。
プルプル系なのかと思えば意外なほどしっかりもしていて、もっちり感もある。
不思議な食感のお魚であった。
ベージュ色のソースには酢が使われていて、魚の風味を引き締めている。とんがった感じはなく、穏やかな酸味は旨みに通ずる。
乗せられたネギはシャキッとして香りよく、ネギ臭さがない。
以前タチをバターソテーしたものに同じソースが使われていて、好きだった。
美味しいね!
・キタッラ 海老とズッキーニのソース
海老のオレンジがかった薄紅と、ズッキーニの黄緑色が実に爽やかな取り合わせである。
ズッキーニは麺状に切ってあり、キタッラに伴奏をつけるが如く絡み、馴染んでいた。
田口シェフは、ズッキーニに旨みがあるという。
そうかな。家で食ってもそんなふうにはならないぞ?←腕が悪いだけ。
アッ! なんだこの旨みは! 出汁としかいいようのない、奥深い味わいが全体を浸していた。
うんまい!
調理法から違うのだろう。
ズッキーニから、ここまで旨味を引き出せるのか。
海老との合わせ技だとしても、随分と旨みのパスタであった。
塩にオリーブオイル、控えめなニンニクで、シンプルな味付けなのに途方もなく美味かった。
キタッラの稜角も実にキリリとして麗しく、写真に撮って独りほくそ笑んだ。←変態。
・キタアカリのニョッキ クリームソース
キタアカリキター!! キタアカリのキタッラはキタことナイのかね? 
…オヤジギャクを言ってる場合ではない。
ふんわりとしたニョッキは、形を留めるに最小限の粉を入れたのみである。
従って食感はどこまでも柔らかく、口に運んだ途端にエッジがゆるんで溶けてしまう。
その瞬間、キタアカリというシェフに選ばれしジャガイモの旨みと甘さが口いっぱいに広がるのである。
ここで油断してはいけない。
単なるクリームソースというシンプルすぎるネーミングは、裏切りである。
さすが、美食と裏切りの国・イタリアで修行したシェフだ。
当方の期待値を遥か上方、ぶっちぎりで裏切ってくれる。
こっ、これがただのクリームだとお?
旨みありすぎるんだが。チーズ入れてるでしょ、でしょでしょ。
わかりませんねえ。
どうしたらこんなに美味くなるんだ。
きっとシェフに尋ねても、大地と素材のお陰ですと静かに笑って仰るだらう。
・十勝産ハーブ牛のロースト、パプリカのペペロナータ添え
確かなクオリティのフィレ肉に、艶やかな赤が目を引く。
ペペロナータとは変わった名前だが、パプリカを柔らかく炒め煮したものらしい。
これが、実に旨いんだ。甘さといい、くったりした加熱加減といい。
もはや、何を食べても旨いしか言ってないけど。
旨いが、すべて素材から採った旨みと思われる。
化学調味料由来の、舌を攻撃されるウマミではない。
ゆえに、食べても疲れない。
めったに食べないコース料理を、最後まで喜んでいただける。
塊の牛肉…ほかではあまり食べない。
当店が秀逸すぎて、他の店で冒険しようと思わない。
誠実さが結晶化したような、薔薇色の断面は汁気を滲ませて輝いている。
キラキラと潤んで、食べられるのを待っている。
とんだ勘違い野郎かもしれないが、せっかくシェフが一番旨い状態で提供してくれたのだから、迷わず食らう。
外側は締まってやや固くなり、サクッとした感もある。
中心部はレアだから、食感の対比が理想的にすぎる。
とろーり、とろけるような食感で胃におさまっていく。
もっと胃が大きかったらなあ。
それだけが無念だなあ。
・中にマスカルポーネを詰めたクレープ、パイナップルと青紫蘇のソルベ
シェフがトライ&エラーの末、ようやくデザートの中核を占めるようになったクレープである。
実はクレープは好みではない。
巷に溢れるクレープは食べない。
だが当店のクレープは別物!
こんがりとバターで焼かれた薄生地は、貴婦人のごとく裾を広げる。
アングレーズソースだろうか。
ミルクの風味豊かなソースに浸していただくと、きひひ。と変な笑みが漏れる。
マスカルポーネに到達するまで、ソースの海でミルクの天使と戯れる。
かすかな塩味に近いものを感じたとき、中心部に到達したことを知る。
マスカルポーネ。ひひひ旨いよ。
パイナップルソルベの原料は、このとき台湾産であったか。
バニラに似た天然の香気を漂わせ、甘く麗しかった。
後味に青紫蘇が駆け抜けてゆく。
一陣の風去るごとく甘さを駆逐して、次なる一口を誘っている。
もう、どうにかなっちゃうわね。
これは5月の訪問記である。
詳細レビューは体力がないしもう書けないと思っていたが、やってみたら意外とできた。
7月に訪問したレビューは未着手である。
少し気力が戻ったら、書いてみよう。

  • ラ リベラ - 胃を刺激する炭酸水

    胃を刺激する炭酸水

  • ラ リベラ - カリフラワーのスープ、表面のなめらかさが尋常ならざるよ

    カリフラワーのスープ、表面のなめらかさが尋常ならざるよ

  • ラ リベラ - 希少な路地もの、白アスパラガス。日に当てずに土から掘り出すのが困難に過ぎる

    希少な路地もの、白アスパラガス。日に当てずに土から掘り出すのが困難に過ぎる

  • ラ リベラ - ふわっふわの卵ソース

    ふわっふわの卵ソース

  • ラ リベラ - キタアカリのニョッキ

    キタアカリのニョッキ

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン

    十勝産セモリナ粉のパン

  • ラ リベラ - サクラマスの軽い冷燻をサラダ仕立てに

    サクラマスの軽い冷燻をサラダ仕立てに

  • ラ リベラ - 真カスベの蒸し煮 シェリービネガーのソースだったかもしれぬ

    真カスベの蒸し煮 シェリービネガーのソースだったかもしれぬ

  • ラ リベラ - 手打ちキタッラ 海老とズッキーニの出汁浸し状態

    手打ちキタッラ 海老とズッキーニの出汁浸し状態

  • ラ リベラ - 歯応えや!

    歯応えや!

  • ラ リベラ - フィレ肉ロースト

    フィレ肉ロースト

  • ラ リベラ - ペペロナータ。甘じょっぱさにわずかな酸味、辛くはない。

    ペペロナータ。甘じょっぱさにわずかな酸味、辛くはない。

  • ラ リベラ - ソルベが(・ё・)の顔に見えた

    ソルベが(・ё・)の顔に見えた

  • ラ リベラ - たまにはコーヒー

    たまにはコーヒー

  • ラ リベラ - 小さなチョコレートケーキが出た

    小さなチョコレートケーキが出た

  • {"count_target":".js-result-Review-188399580 .js-count","target":".js-like-button-Review-188399580","content_type":"Review","content_id":188399580,"voted_flag":null,"count":34,"user_status":"","blocked":false}
2023/12訪問13回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.5
¥10,000~¥14,9991人

メニュー構成は緩急自在、食材マジックにキリキリ舞いさ☆

みなさま、あけましておめでとうごさいます。
元旦からの大地震に、震撼とさせられた幕開けとなりました。
被災地にお住まいのみなさま、関係者のみなさまには、一刻も早く通常通りの生活に戻れますようお祈りいたします。

さて、誕生日が単なる美味いものを喰うイベントと化している今日この頃です(笑)。
一か月ほど前に予約して伺いました。
食材が高騰しているのに、ラリベラは料金を値上げしていません。
食材のクオリティも変わらず、味に至っては更に美味しくなっています。
夜のコースの一番上が8500円です。良心的過ぎやしませんか。よーし、それならパパ飲み物をお代わりしちゃうぞ☆
最初の前菜は定番の、帆立のタルタルとアボカドのムースです。いつ食べても美味しく、嬉しいお料理です。
鮮度の良い帆立にかすかなレモンのアクセント、香りのよいオリーブオイルが絡み、絶妙のコンビネーションです。
とろんとしたアボカドムースのマイルドな旨みが帆立によく合って、スプーンの早さが倍速になりそうなのを抑えていただく始末です。
初めて訪れた時に驚愕させられた一品で、懐かしさと感慨がよみがえってきます。しあわせー。
グラスに残すまいと操るスプーンを名残り惜しく置いて、美味しかったぁーとニッコニコです。
・芽室産菊芋のスープと海老のソテー
菊芋(ヤーコン)にはオリゴ糖が多く含まれ、腸内環境を改善してくれる野菜として知られています。
甘くて食べやすいので、人気があります。ただし独特の香りがあり、イタリアンのスープには向かないのではと思っていました。
しかし田口シェフの食材マジックは鮮やかです☆
一切のクセなどなかったようにキャンセルされ、まろやかな甘みと滋味溢れるクリーミィなお料理に変貌しているのです。
おーいしー! 海老はプリップリ、火加減が完璧です。
テーブルに供される時間まで考慮に入れ、一番美味しい状態で食べさせていただいているのだなあ、と感嘆してしまいます。
席数が少ないとはいえ満席で、複数人のコース料理を助手なしのお一人で制御なさっているのです。時にはシェフ自らお給仕を!
謙虚になさっているけれど、フツーじゃありませんからね!
・真タチのソテー、お酢のソースとマッシュポテトを添えて
冬の旬のタチです。
これも苦手食材であるのに、シェフの魔法で匂いなし、アラ・クリーミィ♪
バターでカリッと焼かれた衣の香ばしさと歯応えがアクセントになり、お酢のソースが後味の濃厚さを爽やかに引きさらってくれます。
ではもう一口♪ と食べ進められます。
さっぱりと濃厚さの波状攻撃をマッシュポテトの穏やかな旨みがミルキーに和らげてくれ、気がつくと完食していました。
・洋梨(ラフランス)と生ハムのパイ包み焼き、ワイルドルッコラのサラダ
ブログで当メニューの告知を見つつも、時間が取れず諦めかけていたお料理です。
それを今頂けるなんて…嬉しさ二乗です。
こんがり焼けたパイに、ワイルドルッコラの深緑が鮮やかです。
『森は生きている』ではありませんが、氷雪の大地でこんなに生き生きしたルッコラをいただけるなんて、驚きです。
野趣溢れるほろ苦さとピリッとした辛さが、バターたっぷりのパイの濃厚さを引き締めてくれます。
中に閉じ込められたラフランスは、加熱されてもジューシィでした。
温まることでさらに香りが増し、甘酸っぱさが後味を爽やかにしてくれます。
生ハムの穏やかな旨みと塩気が、全体に変化を与えていました。
初めていただくお料理ですが、リッチでとても美味しいです。ふわー、濃厚だった!
・キタッラ(田口シェフの手打ち生パスタ)、池田産サンマルツァーノのトマトソース
バターリッチなお料理が続いたところで、目に鮮やかな赤いパスタの登壇です。
とてもシンプルなトマトソースです。
トマト本来の旨みと、適切に角の取れた酸味がとても爽やかです。
モッチモチにして稜角キリリの歯応えも実に心地よく、食感の刺激にダイナミズムを感じます。
濃厚なお料理が続いたので、このシンプルさと酸味に救われました。
かつて穏やかなパステル風景画のようだった田口シェフのお料理は、今や「なんちゅう男前や!」と叫びたいほど力強さと迫力を増しています。
その緩急に私と友人は驚いたり宙に放り投げられたり、手のひらに乗せられキリキリ舞いです(笑)。
次はどうなるの、ねえ(笑)。
・中に南瓜を詰めた、トルテッリーニという生パスタ
穏やかなの来たー!! …フッ、そう来たか(笑)。
シコシコの歯切れ良い手打ち生地は可愛らしくクルクルっと丸められ、中には甘味と旨味の南瓜ペーストが包まれています。
一見とても素朴なのですが、チーズを使ったソースはなめらかで旨みが深く、絶品です。
適切な塩気が南瓜の甘さを引き締め、旨みを重ねて響かせています。派手ではありませんが、安らぎの美味しさです。
中にシェフの自作ドライトマトが入ったパスタが大好きですが、この時期の南瓜は実に佳いものです。体にも良いですしね☆
この時期乾燥しがちな髪や皮膚、風邪や感染症などでダメージを受けやすい喉や肺などの呼吸器を、カロテン(体内でビタミンAに変わる)が守ってくれるそうです。みなさん南瓜食べてね☆
・十勝ハーブ牛フィレ肉のロースト、にんじんのピューレ、ちぢみほうれん草のソテー
周囲はカリッと、中心部はレアでしっとりとローストされ、まばらな塩加減も絶妙です。
キュッと絞った盛り付けて供された縮みほうれん草のソテーを一口頂いて、びっくりしました。
濃いめの塩気にニンニクを加え、非常にパンチの効いた味わいです。荒々しいといっても良いぐらいでした。縮みほうれん草の風味が濃くて甘みも強い、フォルティッシモ!
人参のピューレは優しい甘みの上品さで、目の覚めるようなコントラストでした。
ソテーを口にしてからお肉をいただくと、ニンニクの残り香で力強く変化します。
とろーりとコラーゲンたっぷりのフォンのソースの穏やかさと、ダイナミズムを感じるソテーの対比が変化に富んで、お腹いっぱいでも食べ進めてしまいます。
・パンナコッタ 苺と小豆のソース。くるみを使った小菓子、コーヒー
今回は誕生日タルトではなく、通常のデザートをお願いしました。
季節により変わるシェフのデザートが、いつも素晴らしく美味しいからです。
小豆と苺の組み合わせは苺大福でお馴染みですが、イタリアンのデザートに仕立てたものは珍しいと思います。
お月様のようなパンナコッタを、鏡沼のようなソースが囲んでいます。
小豆の渋い色合いに鮮やかな苺が散らされ、日本画のような趣きを感じるデザートです。
ゼラチンは限界まで減らされ、かろうじて姿を留める究極の柔らかさでした、
とろりとしたミルキーさは、淡雪のごとくふわりふわりと口中に消えてゆきます。
小豆のスープのようなソースは、いわゆる餡の味ではありませんでした。
ミルキーでマイルド、苺の甘酸っぱさと香りも加わって名状し難い味わいですが、なんとも幸せになるお味です。
気づけば最後の客となっており、シェフにお料理の感想をわちゃわちゃとお伝えすることができました。
もはやベテランの域に達しているのに、まったく偉そうではなく、少年のような方です。
一介のシロウトに過ぎない者の感想を、目を輝かせて聞いてくださいます。
そんなお人柄に魅せられ、通い続けています。
スタッフの方の対応も控えめ&積極性の塩梅が絶妙で、当店の運営方針がすばらしいからだと感じます。
悩みがあるとすれば、パスタかメインの分量を減らして頂くか、パンを諦めるかの選択ですね☆
本年は健康に気をつけ、足繁く通いたいと思います。

  • ラ リベラ - 帆立のタルタルとアボカドのムース

    帆立のタルタルとアボカドのムース

  • ラ リベラ - 芽室産菊芋のスープ、海老のソテー。色調はグレーで地味だけど、美味しいです!

    芽室産菊芋のスープ、海老のソテー。色調はグレーで地味だけど、美味しいです!

  • ラ リベラ - 真タチのソテー、お酢のソース

    真タチのソテー、お酢のソース

  • ラ リベラ - ラフランスのパイ包み焼きと、ワイルドルッコラのサラダ

    ラフランスのパイ包み焼きと、ワイルドルッコラのサラダ

  • ラ リベラ - パイの断面

    パイの断面

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン

    十勝産セモリナ粉のパン

  • ラ リベラ - キタッラ 池田産サンマルツァーノトマトのソースで

    キタッラ 池田産サンマルツァーノトマトのソースで

  • ラ リベラ - 中に南瓜を包んだ生パスタ

    中に南瓜を包んだ生パスタ

  • ラ リベラ - 十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト、縮みほうれん草のソテーと人参のピューレ。シェフが煮込んだ名前のないソース…みたらし団子のタレに似たフォンのソースで

    十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト、縮みほうれん草のソテーと人参のピューレ。シェフが煮込んだ名前のないソース…みたらし団子のタレに似たフォンのソースで

  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパン、今回から小ボトルが登場し、グラスで頼む罪悪感が消滅!

    ノンアルコールシャンパン、今回から小ボトルが登場し、グラスで頼む罪悪感が消滅!

  • ラ リベラ - 友人がお給仕の方からお薦めされたレモン風味のビール。爽やかで軽くて美味しかったそうです

    友人がお給仕の方からお薦めされたレモン風味のビール。爽やかで軽くて美味しかったそうです

  • ラ リベラ - パンナコッタ、小豆と苺のソース

    パンナコッタ、小豆と苺のソース

  • ラ リベラ - シェフがチョコペンで描いてくださった絵(笑)。鳥さん可愛い!!

    シェフがチョコペンで描いてくださった絵(笑)。鳥さん可愛い!!

  • ラ リベラ - 胡桃のメレンゲクッキー、香ばしくてホロホロッ

    胡桃のメレンゲクッキー、香ばしくてホロホロッ

  • ラ リベラ - 今回はアメリカーナの気分

    今回はアメリカーナの気分

  • ラ リベラ - クリスマスの雰囲気

    クリスマスの雰囲気

  • {"count_target":".js-result-Review-175011659 .js-count","target":".js-like-button-Review-175011659","content_type":"Review","content_id":175011659,"voted_flag":null,"count":49,"user_status":"","blocked":false}
2023/07訪問12回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

友人の誕生日ディナーで再訪しました

前回は予約日に体調不良に陥り、田口シェフはじめお店にご心配&ご迷惑をかけてしまいました。
お店側が体調から食材から万事ととのえて待ってくださっているのに、自分の側の対応が至りませんでした m(_ _)m
気持ちよく訪問できるよう、体調から気持ちから、万事整えて参りたいと思います !( ^ω^ )

今回は友人の誕生日ディナーです。
■音更産ズッキーニの冷たいスープ、トマトのジュレ
圧倒的なめらかさ!
磨かれたようなスープ皿との境界線がわからないぐらいです。←色でわかるでしょ(笑)
ズッキーニの爽やかさに、押し付けがましくない滋味ある旨味が控えており、喉を癒しながら滑りおちてゆきます。
トマトのジュレ、淡い黄色ながらほぼ透明なのに、舌に乗せるとしっかり酸味とトマト味のギャップが楽しい。
おもしろいので交互にいただいたり、最後は混ぜてみたり、楽しめます。

■桃とカレイのカルパッチョ
カレイの切り身が大きかったので、マツガワガレイではないかと思います。カレイでありながら、ヒラメを超えるほどの繊細な旨味をもつ魚です。
濃い味付けだと、素材の持つ旨味がわからなくなりがちですよね。
しかし、こちらの前菜は塩がきいた部分がありました。尚且つ、旨味も濃い!
塩辛く感じないのは、塩のかかっている部分といない部分の味の落差を設けてあること。
濃い部分も、塩辛く感じるギリギリ手前を攻めた味付けであること(シェフがかつて仰っていました。その頃より更に限界域を攻めてる感が強いです)。
カレイの身を乗せた台は生の桃で、甘くとてもジューシーでした。
近年食べた中でも、一番美味な桃でした。

■海老を詰めた花ズッキーニのフリット、カポナータ添え
夏の看板メニューといっても過言ではない一品。
羽衣のように薄く繊細な衣はカリッとして、噛むと脆くハラハラと崩れてゆきます。
施された塩みが舌に乗るのですが、塩加減が絶妙です! すばらしい…。
帆立を詰めたヴァージョンも佳いですが、海老の繊細な旨味がこの薄衣にはよく合います。
フリットを乗せた台は、フルーティなカポナータでした。
ズッキーニはじめ、細かく切った野菜がいろいろ入っています。
フリットの油分をサッパリさせてくれる、甘酸っぱさが秀逸でした。おかわりしたかったです。

■手打ちパスタのキタッラ、帆立とカリフラワーのクリームソース
キタッラの稜角が冴え渡り、歯切れがいい!
帆立・カリフラワー共にクリーム色の食材同士が相性良く、互いの旨味を引き立てあっていました。
なんだかわからないぐらい美味しくて、あっという間に食べてしまいました(笑)。

■中にドライトマトを詰めたトルテッリーニ
一番好きな生パスタです。ラビオリのような生地の中に、ドライトマトを包んで閉じてあります。
なんといってもドライトマトが切なくなってしまうほど(笑)甘酸っぱく、とんでもなくフルーティ!
寒暖差の激しい十勝のトマトは、どの品種でも外れなく甘いのです。
シェフ自らオーブンで乾かして制作するドライトマトは、一見地味ですが手間がかかっています。
水分を飛ばすことで、甘さと旨味が更に凝縮します☆
シコっとした食感のトルテッリーニを、愉しくカミカミ。中からトマト、あーっ、甘酸っぱフルーティ♪
チーズの入ったソースの塩気と旨味がトマトを引き立て、とてつもなく美味しいです。

■十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト、付け合わせのブロッコリー、フォンのソース
ブロッコリーの旨味におどろきました。
甘みと旨味と塩みが渾然一体となって、溢れます。
自分で茹でる時、色が悪くなるのを気にしてしまいます。その結果、ちょっと固めで旨味が少ないんです。
当店は絶妙の柔らかさにしつつ、色も悪くならない限界あたりを攻めた仕上げです。
イタリア仕込みの加熱加減♪ 脇役の野菜たちが、ほんとうに美味しいです。
分厚いフィレ肉の周囲に濃いめの塩をしてカリッと、中心部はとろけるようなレア状態です。
フォンのソースに、いつもより野菜の甘みを濃く感じました。

■誕生日特製 木苺と巨峰のタルト、バニラアイス添え
タルトにキャンドルを灯して提供してくださいました。
私がバースデーソングを歌い、照れる友人が火を吹き消したらいったん厨房へ、2等分して盛り付けられ再登場です。
小さめの一台とはいえ、3、4人で分けるとちょうどいい量なのでしょうね。
2人だと大きめですが、生クリームの飾りなどコッテリ成分がないので、食べやすいタルトです。
甘さのほとんどないタルト生地は、シュークリームの皮を思わせます。
中に仕込まれたカスタードクリームの素性の良さが、さらにシュークリームを想起させたのかも。
クリームには適切な甘さがあり、甘くない生地との対比でメリハリがあります。
数は多くないですが、見事な大粒の木苺が乗せられていました。完熟していて、口の中でとろけます。
心地よい酸味もあり、とてもジューシィです。
一緒に乗せられていたのは巨峰です。フレッシュで甘く香りよく、とても美味しかったです。この組み合わせは新しいです♪
当店のバニラアイス、ひさしぶりかも。
質の良いミルクの甘みとバニラの香りが品良く調和し、なめらかです。甘さも適切で、とても美味しいです。タルトの合間に少しずついただいて、温度差とまろやかさのエッジを愉しみました。
満腹でしたが、すべて美味しく完食致しました!

  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパン、今回は梨の香り

    ノンアルコールシャンパン、今回は梨の香り

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - 音更産ズッキーニのスープ、トマトのジュレ

    音更産ズッキーニのスープ、トマトのジュレ

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン、自家製

    十勝産セモリナ粉のパン、自家製

  • ラ リベラ - カレイと桃のカルパッチョ

    カレイと桃のカルパッチョ

  • ラ リベラ - 絶品!

    絶品!

  • ラ リベラ - 花ズッキーニのフリット、カポナータ添え

    花ズッキーニのフリット、カポナータ添え

  • ラ リベラ - 手打ちパスタのキタッラ、帆立とカリフラワーのクリームソース

    手打ちパスタのキタッラ、帆立とカリフラワーのクリームソース

  • ラ リベラ - ドライトマトを詰めた手打ちパスタ

    ドライトマトを詰めた手打ちパスタ

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - 十勝産ハーブ牛のフィレ肉ロースト、フォンのソースとブロッコリーのソテー

    十勝産ハーブ牛のフィレ肉ロースト、フォンのソースとブロッコリーのソテー

  • ラ リベラ - なめらかな断面

    なめらかな断面

  • ラ リベラ - 誕生日特製タルト

    誕生日特製タルト

  • ラ リベラ - エスプレッソ

    エスプレッソ

  • ラ リベラ - 店内

    店内

  • {"count_target":".js-result-Review-165988757 .js-count","target":".js-like-button-Review-165988757","content_type":"Review","content_id":165988757,"voted_flag":null,"count":42,"user_status":"","blocked":false}
2023/05訪問11回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

飛翔を続ける田口シェフ・白と緑のアスパラの魅力全開! 体調不良でも完食☆

月一度ほど、不定期にお邪魔しています。
この日も予定通り伺うはずが、直前に体調を崩しました。熱もなくコロナではなく、ストレス性胃炎のようです。
同行者は前から楽しみにしていたし、体調もよいと言うし。私はシェフにお渡しする物もあるし。
直前過ぎて、キャンセルしたらお店に迷惑を掛けてしまいます。
もうすこし気分が良くならないかな…と横になっているうちに予約時間も迫り。
どうしたらいいかわからなくなり、ノロノロ起きあがって向かいました (>人<;)
行ってから田口シェフに相談しよう。気分が回復しなければ、車の中で待っていよう。
スタッフの方にシェフは調理中で手が離せないと伺い、とりあえず席につきました。
持ち帰りが可能なら、そうさせてもらおうかな…。
やがて厨房から出てきたシェフに相談したところ、持ち帰りは現在やっていないそうです。それはそうですよね。テイクアウトのサービスをしていたのは、コロナ禍のほんの一時期でしたから。
冷まして詰められる物だけ、詰めることもできますが…と心苦しそうに仰います。
ただし容器がないので、お子さんのお弁当箱しかないのですが…とそれはもう申し訳なさそうに。
一番美味しい状態で食べていただきたい…と、祈るような感じでした。
確かに、時間が経つとパスタは伸びるし冷めたら味が変わるで、難しいですよね。
持ち帰り前提で作られていないから、前菜にナマモノもありますもの。食中毒リスクがありますよね。
もしものことがあれば、お店の責任になってしまい兼ねません。今日の場合は、完全に私の自己責任なのですけれど。
そこで、決めました☆
食べられる限りは食べてみようと。
どうしても食べきれなかったら、冷まして詰めて頂くことにしました。
飲み物は、ハーブティーがいいかな。
すると、スタッフの方から白湯を提案してくださいました。
メニューにないし、おそらくアドリブだと思います。
しかも、素敵なカップでサービスされました。ピンク色の繊細なバラ模様の、きれいな器です。
シェフの気遣いとスタッフの方の優しさ、心に沁みました。
水分をとりたいのに胃に滞留しちゃって苦しかったので、とってもありがたかったです。
白湯とか湯ざましって、スーッと体に染み込んでゆくんです。不思議ですねえ。元は同じ水なのに。沸騰させることで、水の分子が細かくなるんですかねえ。
胃が温まってきて、めまいが治まってきて、気分の悪さも軽くなってきました。
もしかして、少し食べられるかな。
音更産カリフラワーの冷たいスープ、トマトのジュレ
何のスープであったか記憶が消失していたので、同行者に教えてもらいました。
とろみのある、優しい味のスープから始まるのも良かったです。爽やかな酸味のトマトのジュレが、気分を良くしてくれます。
ものすごーくなめらかな喉越しに救われます。
少しずつ胃に送っていたら、段々食べられるようになってきました。
食事中のお飲物に、ハーブティーを選択できるのも良かったです。
人工の香料を使っていない天然のバラの香りが、フワッとリラックスさせてくれるお茶でした。
荒れた喉に、とろみが優しいです。ティーポットにたっぷり入っているから、不足しきった水分を補えます。
胃を温めながら、土盛りホワイトアスパラのソテーを。
土盛りとは…アスパラの成長を見越して、光が当たらないよう土を掛けて育てるため、大変に手間がかかります。
そのため作る方がいなくなってしまい、もはや幻のようなアスパラで、大変な貴重品です。
暗室のように暗くしたハウス内で土を掛けずに育てるものと、別格の甘さとやわらかさです。
アスパラ汁が、ジュースのように迸ります。甘さの中にほろ苦さが潜んで、より甘みを楽しめる白いアスパラならではの喜びです。
ソースの卵黄が敢えて荒く砕かれ、食感に変化があります。去年のなめらかソースもいいけど、荒々しさが香る今のラリベラ、いいなあ。
聞けば気温の低さでしばらくアスパラが採れず、この日ようやく入荷したものとか。
きて良かった。食べて良かったのだわ。
スモークした桜鱒のサラダ、美味しい…。新鮮な鱒…お魚は消化によくて、食べやすいなあ。
ルッコラが添え物ではなく、主役を張る風味の強さで攻めてくるのが凄いです。
アンコウのソテーは、初めて頂きました。
以前アンコウ汁を頂いたことが一度だけ。洋風に調理されたアンコウは珍しい!
身がもちもちプリッとして、独特の食感で面白いです。脂っこくはなく、身に甘さと弾力がある感じでした。
ドライトマトのパッパルデッレが、今回の白眉です。
卵黄の旨味を含んだ麺がプリッと歯応え良く、ふくよかな味わいです。
同行者は「アルフォンス・ミュシャの美人画みた〜い」と喜んでいました。味わいのふくよかさと奥行きが、そう感じさせたようです。
ドライトマトの濃縮された甘さと旨味がパスタに絡んで、シンプルイズベスト!
中にドライトマトを詰めたものも佳いけれど、ソースとしてまぶしてあるとダイレクトに舌で美味しさを感じられますね。
いつもの十勝産ハーブ牛のロースト。
添えられたグリーンアスパラは生産者さんからプレゼントされたもので、仕入れ品ではないそうです。特別にサービスしてくださったようです。
ホワイトとグリーン、両方一度に頂けるなんて! やっぱり今日は特別な日でした。キャンセルしなくて良かった…。
まろやかで茫洋としていたフォンのソースの輪郭がくっきりと立ち上がっています。
前回訪問時に感じた変化は、一過性のものではなかったようです。
安定した飛翔を堅実に続けている、田口シェフなのでした。
その変化はデザートにも及びます。
去年も頂いた紫蘇とパイナップルのソルベ、グレードアップしていました。
目覚ましいほどフレッシュなパイナップルの香気は、ココナッツに近いほど。この豊かな美味しさは、台湾産パイナップルかな。
紫蘇の香りを数段高めていて、素晴らしい食後の清涼感でした。
もっちりしたクレープも香ばしく、アングレーズソース(かな?)の穏やかな甘みとまろやかさを絡めながら頂くのは幸せなひとときでした。
…結果、完食しましたー!! \(//∇//)\
とても良く噛んで食べる必要があり(消化のため)、ディナー終了までかなり時間が掛かってしまいましたが (^◇^;)
同行者にも快諾され、香りの良い紅茶もゆっくりと味わうことができました。
素材の良さを生かし、手を加えすぎない田口シェフのお料理だから、完食することができたのだと思います。
その節は困らせてしまって、本当に申し訳なかったです。そしてありがとうございました。
良いものを食べられたという満足感と幸福感で、その晩は安心して眠ることができました。
もしも数日食べられなくても、今日栄養を摂ったから大丈夫☆
後日病院で、強めの胃薬を頂いてきました。
この時期って、新年度から無理して働いたりして体調を崩しやすいのかもしれませんね。
マイレビの方にも、体調不良の方をお見受けしました。
皆さま、どうかご自愛くださいませ。
おいしいものが食べられるのも、健康あってこそです。
今回はかなり痛感いたしました〜。
そして信頼できる飲食店があって、心から良かったと思いました。
今回はせっかくのお料理を存分には味わい切れなかったので、体調をととのえてから再訪したいと思います。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-162824592 .js-count","target":".js-like-button-Review-162824592","content_type":"Review","content_id":162824592,"voted_flag":null,"count":37,"user_status":"","blocked":false}
2023/03訪問10回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.8
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.8
¥10,000~¥14,9991人

――アブラクサス、翔んだ。

…鳥は卵から出ようともがく。卵すなわち世界なり。生まれんと欲する者は世界を破壊するほかなし。鳥は神をめざして飛ぶ。神の名はアブラクサス。
ヘルマン・ヘッセ(1919)『デーミアン』酒寄進一訳 光文社

…確かに愛していたのだと思います。あの方を。
…そうは言っても、あの方には理解ある奥様と、素敵なお嬢様がいらっしゃいます。
月に一度伺うかどうかの客である自分が、何も横入りしようというのではないのです。
私の愛していたのは、あくまであの方の作られるお料理なのですから。
朴訥さを越えて愚直なまでに誠実な、あの方の人間性を。
震える魂のざわめきを。怯えを、不安を、かなしみを。
あの方には、ご自身の中にある何某かの力を行使することに、非常なる躊躇いがあった。
あの方が恐れていたのは、まさにご自身だったのだと思います。繊細な方ですから。
私には、その気持がよくわかるような気がしたのです。
人前では声が震え、鶏が絞められたようにしか歌えない自分と、どこか重なるものを感じていたのだと思います。
…いいえ、そんな内容を直接お話ししたことなどありません。お料理の感想を、控えめにお伝えするのみです。
世界から拒否されていたと、ひりつく皮膚で感じていた私なのですから。
どうにか声が震えないよう腹に力を入れるだけで、精一杯だったのです。
あの方は、開店間もない頃から優し過ぎるほどに繊細なお料理を作っていらした。
それはまるでパステルで描かれた淡彩画のごとく、味のコントラストが極限まで抑えられた佇まいでありました。
抑えた色調の中にもしっかりとした基礎があり陰影があり、毎回大変美味しく頂いていたお料理でした。
そのようなお店に出会えたこと自体が驚きであり喜びであり、不満や不足を覚えたことなど、一度もなかったのです。
優し過ぎる心根さえも、ひとつの個性であるのですから。
二十年近くの間、たったお一人で店を回して来られた。
それは見習いや助手を置く大きなお店でシェフを勤めるのとは、まるで違う次元の負担がかかっているのだと。
ほんのすこし考えれば、じゅうぶん想像ができることなのでした。
メニュー考案に仕入、ときには山菜やキノコ狩りまでご自身でなさり、下拵えからパンまですべてを、ご自身の内から滲み出すものだけで完成させようとする。
近道を許さず、自分に楽をすることを許さず、謹厳なまでにケレンみを排する。
ひたすらあるがままの、食材たちの引き立て役に甘んじる。
そんな姿を、長年見てきたのです。
変わらない、変えられないということさえ、同様に個性であるのです。
変わらないものなどこの世にひとつもなく、食材も生命も万物は変転し続けています。
同じお料理を作り続けられる行為自体が、「変わりたくない」という強固な意志を示すものではないでしょうか。
他人の評価など、無理に見ることはないのです。
外側から卵の殻を突き壊す行為は、無意味どころか害悪にすらなり兼ねません。
ふさわしいタイミングというものは、卵の中にいる当人にしかわからないのですから。
時折金を落とすだけの客に、一体何ができましょう。
下手な世辞や褒め言葉は、繊細な人間の感度を狂わせ、羅針盤を迷わせることもあるのです。
ましてや否定的な言葉など。
一家の主人として、家庭を背負って店を回さなければならない方に、一体何が言えましょう。
見守るだけです。
遠くからただ、ひっそりと。
ただお料理を頂きながら、祈るだけです。
あの方に、しあわせが訪れますように…と。

…変わらないと、思っていました。
そう思って訪問いたしました、今夜も。
18時からのディナーで、目の覚めるような香ばしさのパンを頂いたとき。
それは予兆であり、まだぼんやりとした予感に過ぎなかったのです。
魚のスープの濃厚さにしてやられ、目眩すら感じながらパンを浸したとき、いつもより塩分が濃いのだと理解しました。
普段がごくごく控えめですから、却ってクリアな旨味が冴え渡り、トマトの旨味との協奏曲が楽しめます。
そして、それから。
手打ちパスタのキタッラの生きの良さは、18時スタートゆえの特権でしょうか。
いいえ…。それだけでは説明がつかない気がします。
キタッラに、ハッキリと稜角が感じられるではありませんか。
なかったことです、これまでは。
しまいに、十勝産ハーブ牛のロースト。
ここ一年近くの間毎月頂き続けているお馴染みの一皿を眺めます。
いつも通り写真におさめ…ほうれん草のソテー口に運んだとき。
私たちは識りました。

――アブラクサス、翔んだ。

※詳しい料理の説明は写真キャプションにて

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - 帆立のカルパッチョとアボカドのムース

    帆立のカルパッチョとアボカドのムース

  • ラ リベラ - 切り口で新鮮さがわかる

    切り口で新鮮さがわかる

  • ラ リベラ - ムースの滑らかさ極限

    ムースの滑らかさ極限

  • ラ リベラ - 音更産アスパラガスのソテー なんというハシリの食材

    音更産アスパラガスのソテー なんというハシリの食材

  • ラ リベラ - ほろ苦さ、旨味、甘味、青い春の香りが渾然一体

    ほろ苦さ、旨味、甘味、青い春の香りが渾然一体

  • ラ リベラ - 下に卵黄、上に卵白のメレンゲをチーズで彩る。絶妙な塩味

    下に卵黄、上に卵白のメレンゲをチーズで彩る。絶妙な塩味

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン いつもより乱れた表面、荒ぶる香ばしさ

    十勝産セモリナ粉のパン いつもより乱れた表面、荒ぶる香ばしさ

  • ラ リベラ - 天然ヒラメのソテーと色々なお魚のスープ「チュッピン」

    天然ヒラメのソテーと色々なお魚のスープ「チュッピン」

  • ラ リベラ - ヒラメの旨さ、凝縮した旨味の濃厚スープをパンにつければ昇天

    ヒラメの旨さ、凝縮した旨味の濃厚スープをパンにつければ昇天

  • ラ リベラ - 手打ちキタッラ、サクラマスの浅いスモークをトマトクリームソースで

    手打ちキタッラ、サクラマスの浅いスモークをトマトクリームソースで

  • ラ リベラ - 単体でソースを味わうとトマトの酸味がやや強め、キタッラの稜角鋭く心地良し

    単体でソースを味わうとトマトの酸味がやや強め、キタッラの稜角鋭く心地良し

  • ラ リベラ - アルタリアテッレ 薄く切った自家製パスタ、海老とブロッコリーのソース、シコシコ噛みごたえ食感楽しき

    アルタリアテッレ 薄く切った自家製パスタ、海老とブロッコリーのソース、シコシコ噛みごたえ食感楽しき

  • ラ リベラ - 海老とブロッコリーの旨味、塩みだけで超絶美味しく、ニンニクなどの力も借りずによくもここまで

    海老とブロッコリーの旨味、塩みだけで超絶美味しく、ニンニクなどの力も借りずによくもここまで

  • ラ リベラ - ブラッドオレンジジュース

    ブラッドオレンジジュース

  • ラ リベラ - 漠然としていたフォンのソースに方向性が生まれ、めざましく窯変

    漠然としていたフォンのソースに方向性が生まれ、めざましく窯変

  • ラ リベラ - ほうれん草のソテーにはローストの肉汁が加えられ、力強い旨味と塩味。キタアカリのマッシュの淡い旨味との目眩くコントラスト

    ほうれん草のソテーにはローストの肉汁が加えられ、力強い旨味と塩味。キタアカリのマッシュの淡い旨味との目眩くコントラスト

  • ラ リベラ - 外側の塩とハーブ味増強、レア部分のとろみと旨み、淡さとの対比

    外側の塩とハーブ味増強、レア部分のとろみと旨み、淡さとの対比

  • ラ リベラ - 名残雪の粉砂糖

    名残雪の粉砂糖

  • ラ リベラ - 香りたつ苺、卵黄が強烈な個性を発揮するカスタードアイスクリームが中に。

    香りたつ苺、卵黄が強烈な個性を発揮するカスタードアイスクリームが中に。

  • ラ リベラ - エスプレッソ

    エスプレッソ

  • ラ リベラ - シェフの神棚

    シェフの神棚

  • ラ リベラ - いのち

    いのち

  • {"count_target":".js-result-Review-158435113 .js-count","target":".js-like-button-Review-158435113","content_type":"Review","content_id":158435113,"voted_flag":null,"count":33,"user_status":"","blocked":false}
2023/02訪問9回目

4.9

  • 料理・味4.8
  • サービス5.0
  • 雰囲気4.9
  • CP4.9
  • 酒・ドリンク4.8
¥8,000~¥9,9991人

お魚スープの旨味が凄い…! プリン系スイーツ最高峰のブネーも登場☆

月に一度伺うことにしている、ラベラのディナーです。
思ったより早く訪問日がやってくるので、月日の過ぎる早さを実感します(笑)
1月にも予約を入れようとしたところ、12月から2月まではお料理があまり変わりませんが…と遠慮がちな田口シェフ。
確かに十勝は雪の下で、新鮮な地物食材は手に入りらない時期です。貯蔵のきく根菜類など地味に食べ進めるのが、THE十勝スタイル!
しかし、何か月も間をあけるのも寂しいものです。同行者と相談し、2月の訪問に決めました。
美味しいお料理は、何度頂いても良いものですから。
■アボガドのムースと天然ヒラメのカルパッチョ
ラリベラお馴染みの前菜です。
既に懐かしくさえ感じる、初訪問時に度肝を抜かれた逸品です。
とてもなめらかな舌触りのアボガドムースと、新鮮なヒラメの淡い旨味のハーモニーが素敵です。
控えめにきかせてあるレモンが爽やかで、あっという間に食べ終わってしまいます。
■十勝産マッシュルームのサラダ
パリッパリの肉厚な白いマッシュルームがたっぷりと。新鮮なマッシュルームでないと、生食できないのですよね。
ちなみにマッシュルーム以外のキノコは、生食できないそうです。欧米では馴染みの薄いエノキタケ等をサラダにして、中毒事故などあったようですので ∑(゚Д゚)
日本の皆様はしっかり加熱なさっているとは思いますが、念のためお気をつけくださいませ。
さて、生食しても安全な当店のマッシュルームのサラダ。
ハードチーズと勘違いしそうなほど分厚く立派なマッシュルーム、食感もパリッとしていて食べ応えがあります。
チーズが崩れる感じに似ており、贅沢に掛けられたパルミジャーノチーズとの一体感がすごいと同行者。
下に敷かれているルッコラも新鮮で味が濃く、ニッコニコで食べ終わりました ( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
会計時に田口シェフがものすごく申し訳なさそうな顔をしておられたので、一体どうしたのかと思ったら。
サラダのトッピングに使うフォアグラ…私たちは苦手なので別の食材に替えてくださるはずが、ウッカリ載せ忘れたとのこと。
お詫びと共に、その分を値引きしてくださいました!
ぜんぜん構いませんのに。却ってマッシュルームの美味しさを堪能できて、美味しかったです☆
■帆立のソテーと魚出汁のスープ
初めて目にしたお品です。
濃度のあるスープには、これでもか!! とばかりにお魚の旨味が凝縮していました。
少しトマトが入っているので、後味が爽やかです。
鮮度がいいので、魚のアラ特有の臭みは皆無でした。キレのいい旨味のみを抽出して、お米なしのリゾットにして頂いたような感じでした。
後で作り方をお聞きすると、ブイヤベースに近い作り方だそうです。漁師料理らしく色々なお魚を煮たものを濾し、スープに仕立てたものとか。
帆立のソテーも甘くて美味しい。スープの旨味と交互に楽しんで、パンの欠片を浸して頂いたらもう至福でした (*´Д`*)
おかわりしたい! もう一回食べたい!(笑)
■菜の花とアンチョビのキタッラ
菜の花のほろ苦さが春ですね。
謙虚なシェフはお料理があまり変わらないなんて仰るけれど、密かに早春が進行中です。
隠れた脇役のアンチョビと重なり、旨味の二重奏がほっこり美味しい。
■海老と自家製リコッタチーズを詰めた生パスタ、胡桃のソースで
このパスタはお初かも!
少し固めの、コリッとした食感の生パスタに海老とチーズの旨味が閉じ込められています。
粗めに砕いた胡桃の食感が楽しく、こっくりとした冬仕様ののソースに変化を与えています。
東北…特に岩手県の方は、美味しいもの全般を指して「胡桃の味がする」と仰るそうですね。
同行者はこのパスタを頂いている間中、実にしあわせそうにニッコニコしていました(笑)。
■十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト、白インゲン豆のトマト煮込みを添えて
ラリベラ定番のロースト、変わりなくいつも美味しいです。
これを食べられると思えばこそ、底値の鶏肉料理の連続にも耐えられるというものww 食事はバランス良く食べましょう(笑)
…添えられていたインゲン豆、実は同行者の苦手食材なのですが、皮の食感もわからないほどよく煮えていたので、お芋感覚で美味しく食べられたそうです。お豆は体に良いので、なるべく食べられた方がいいのよね♪
ハーブ香るトマト味が豆特有の匂いを抑えて、食べやすく仕上がっていました。
■アーモンド入り自家製クッキー(アマレッティ)を入れたブネー&生姜のジェラート
キター!! (((o(*゚▽゚*)o)))♡
待ってました、十年ぐらい待っていたデザートです。←リクエストすればいいのに
他のお店では「ボネ」という名前で供されたことがありますが、田口シェフの修行先がピエモンテ州である当店では「ブネー」と発音されるようです。
ココア入りと無しがあり、本日はココア無しヴァージョンでした。
ほろ苦さが心地よいアマレッティを中に入れ、固さや甘さがちょうど良くなるよう仕上げられている、と当店のブログで読んだ気がします。
カラメルソースのシズル感がタマラナイ外観に、心踊ります♪
しっとりとした食感に、卵黄の旨味がしっかりあり、名状し難い美味しさです。メイラード反応をフルに生かした、プリン系スイーツの最高峰☆☆
これを食べるために生きてきたような気がする、締めの絶品スイーツでした。
寒い時期に出してくださる生姜のジェラート、口の中が温かくなるので好きです。
生姜の風味が程よくスパイシーなので、爽やかな後味です。
まったりとしたブネーと交互に頂くと、マイルド&ワイルドで魅力倍増です。
いやー、美味しかった! 大変に満足致しました☆
今回はお紅茶を頂いたのですが、開店当初からまったく変わらない、実に品の良いアールグレイです。
香りに頼って粗末な茶葉でお茶を濁すことなく(文字通りですネw)相応にきちんとした茶葉が使われているところが高評価。紅茶として本当においしいのです。
良い茶葉がどんどん手に入らなくなってきているこのご時世に、きちんと安定した味の紅茶を出し続けられること自体が、密かに凄いのでは。
一体どこから仕入れていらっしゃるのか、銘柄は…と?
ずっと気になっているのに、料理の感想をお伝えするのに夢中になり、今回も聞きそびれました(笑)

  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパン

    ノンアルコールシャンパン

  • ラ リベラ - アボガドのムースと天然ヒラメのカルパッチョ

    アボガドのムースと天然ヒラメのカルパッチョ

  • ラ リベラ - ヒラメの淡い旨味を消さない、まばらな塩み

    ヒラメの淡い旨味を消さない、まばらな塩み

  • ラ リベラ - ルッコラとマッシュルームのサラダ

    ルッコラとマッシュルームのサラダ

  • ラ リベラ - パリッパリのマッシュルーム、これほどの鮮度ものはスーパーでは買えないかも

    パリッパリのマッシュルーム、これほどの鮮度ものはスーパーでは買えないかも

  • ラ リベラ - 帆立のソテーと魚出汁のスープ

    帆立のソテーと魚出汁のスープ

  • ラ リベラ - 旨味凝縮!

    旨味凝縮!

  • ラ リベラ - 菜の花とアンチョビのキタッラ キタッラはシェフの手打ち

    菜の花とアンチョビのキタッラ キタッラはシェフの手打ち

  • ラ リベラ - アンチョビが控えめに良い仕事をしている

    アンチョビが控えめに良い仕事をしている

  • ラ リベラ - 海老と自家製リコッタチーズの詰め物をした生パスタ、胡桃のソース

    海老と自家製リコッタチーズの詰め物をした生パスタ、胡桃のソース

  • ラ リベラ - 胡桃のほっこりした旨味とザクザク感が美味しかった

    胡桃のほっこりした旨味とザクザク感が美味しかった

  • ラ リベラ - 十勝産ハーブ牛のロースト、インゲン豆のトマト煮を添えて

    十勝産ハーブ牛のロースト、インゲン豆のトマト煮を添えて

  • ラ リベラ - インゲンがよく煮えていて、ほんのりハーブのきいたトマトソースと合っていた

    インゲンがよく煮えていて、ほんのりハーブのきいたトマトソースと合っていた

  • ラ リベラ - レア加減が絶妙

    レア加減が絶妙

  • ラ リベラ - ココア無しのブネー、生姜のジェラート

    ココア無しのブネー、生姜のジェラート

  • ラ リベラ - ブネー!!!

    ブネー!!!

  • ラ リベラ - 驚愕の安定品質アールグレイ

    驚愕の安定品質アールグレイ

  • ラ リベラ - キタッラを作るお道具…の、壊れたのを展示

    キタッラを作るお道具…の、壊れたのを展示

  • ラ リベラ - 田口シェフ曰く、すぐ壊れるそうデス ← どんだけキタッラ打ってるんですか Σ('◉⌓◉’)

    田口シェフ曰く、すぐ壊れるそうデス ← どんだけキタッラ打ってるんですか Σ('◉⌓◉’)

  • ラ リベラ - キタッラのお道具

    キタッラのお道具

  • ラ リベラ - 本日はコットンフラワー ふわふわして可愛い

    本日はコットンフラワー ふわふわして可愛い

  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-157753106 .js-count","target":".js-like-button-Review-157753106","content_type":"Review","content_id":157753106,"voted_flag":null,"count":24,"user_status":"","blocked":false}
2022/12訪問8回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

真冬の十勝を包み込む、田口シェフの慈愛溢れるクリスマスディナー☆

クリスマスディナーの予約が取れました☆
ところがハプニング発生! 前日に一晩で40cmもの雪が積もり、交通機関は運休&主要道路は大渋滞です。
しかし準備して頂いたお料理を無駄にするわけにはいかないので、頑張って運転して行きました ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
悪天候にもかかわらず、着いてみたら満席! さすが人気店です。

■ブラァータチーズと牡丹海老、トマトのジュレ
ここで訂正です。私はチーズの呼び名を間違って書いておりました。
ogetti先生の素敵な巻き舌発音では、「ブッラータ」ではなく「ブラァータ」が正しいそうです。
皆様、大変失礼致しました。そしてo先生、ご指摘ありがとうごさいます (^O^)
先月も頂いたお料理ですが、何度食べても美味しいです。
お刺身クオリティのプリッとした牡丹海老と、とろんとミルキーなチーズが一度に食べられる贅沢な前菜です。
…前から不思議に感じていたのですが、前菜に高確率で使われているトマトのジュレ…ほぼ無色透明に近い色合いにもかかわらず、トマトの酸味や風味はシッカリあるのです。
一体、どうやって作っているのだろう??
帰り際にシェフにお伺いすると、快く教えて頂きました☆
詳しく書くのは避けますが、旬の一番美味しいトマトで作るのが秘訣のようです。

■本マグロとアボカド、長芋のサラダ仕立て カラスミをかけて
オレンジのカラスミが、大胆に振りかけられています。
お刺身にするような良い本マグロを、洋風に頂くのは贅沢な気分です( ^ω^ )

■フォアグラのムースとかぼちゃのパイタルト
今回のサプライズはこちらです。
お品書きにはフォアグラとありましたが…苦手食材であることを覚えてくださって、ウニで作ってくださいました。
ウニのパイタルト!? どんなのだろう? しかも南瓜がパートナーなんて、想像もつかない味です。共通しているの、オレンジ色だけやん!(笑)
オーブンで皮ごと焼いた、甘くてみずみずしい玉ねぎの蒸し焼きを先に頂いて…と。
ウニの量が多いです。上にもたくさん乗っているし、中にも! パイの皮は、柔かいです。ナイフを入れると、とろーっと。温められたクリームが溢れ出します。
これが南瓜か! 南瓜クリームかな。
加熱されたウニの濃厚な味わいと、まったりした南瓜クリームとのコンビネーションがとても不思議な感覚でした。
タルトか溢れ出すクリームを愉しむのは、その場で頂くお料理ならでは☆ テイクアウトでは無理ですよね。

■金目鯛のソテー 音更産オレンジ白菜のスープ
千葉県に旅行してから大好きになった金目鯛。十勝では見かけたことがない気がします。
新鮮で、ふーんわりシットリしています。上品な旨味とパラっと身がほぐれる魅惑の食感 ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
甘くトロッとした白菜と共に頂くのは、真冬ならではの楽しみです。
煮付けに感激した金目鯛ですが、洋風も美味でした。
こんなお料理を頂けるなんて、クリスマスディナーを予約して良かったです。

■キタッラ(自家製パスタ)池田産サンマルツァーノトマトのソース
真冬に地物トマトが来たァ! ちなみに十勝は寒すぎて、短い盛夏の間しかトマトが採れません(笑)
ソースに仕上げて、保存してくださっていたのでしょうか。
お金を掛ければいくらでも食材を取り寄せることは可能なこの時代に、旬の地物食材で作ったお料理を頑なに出してくださる田口シェフが大好きです(笑)

■五穀鶏を詰めたラヴィオリ "インブロード"(スープ仕立て)
五穀鶏、以前はスーパーの売り場でたまに見かけたのですが、最近は見なくなりました。イヤな匂いがなく、旨味が濃くておいしいので、出会えて嬉しいです。
小さな円形の手打ちパスタに、細かい鶏肉が詰めてありました。澄明なスープはアッサリですが、旨味がしっかり出ていて味わい深いです。
イタリアでは、鶏を一羽丸ごと使ってクリスマス料理にするのだと教えて頂きました。
細かいお肉も、パスタに詰めたら無駄なくおいしく頂けますね☆

■十勝ハーブ牛フィレ肉のロースト パプリカのペペロナータ(煮込み)添え
安定の美味しさです。
きめの細かいぽったりと水分を含んだお肉を噛むと、旨味とミルクみに近い風味がギューッと滲み出してきて、幸せな気分になります。
月イチでこんな美味しい物を頂けるなら、残りの日々は粗食でも文句なしですね(笑)

■木苺ソースのマチェドニア マスカルポーネチーズのジェラード添え
シェフが夏の間に集めておいた木苺が、これでもか! と贅沢に使われています。
春から月一で通っていますが、木苺が出るのは3回目です。
7月の木苺は、ハシリのフレッシュなものを。
9月初めには、完熟した濃厚な甘酸っぱさを。
そして12月には大切に保存しておいた木苺を放出し、私たちに忘れかけた夏の鮮やかさを思い出させてくださる。
同行者は大の木苺好きです(笑)。一度だけ木苺のデザートをリクエストしたことを、覚えていてくださっているのだと思います。
田口シェフも、ご実家のお庭で摘み取る木苺を愛していらっしゃるのだと思います。
世界中からスペシャルな食材を集めれば、それはそれは素晴らしいお料理に仕上がるのでしょうけれども(食べたことないですけど・笑)。
ラリベラの素朴なお料理が、私は大好きなのでした。
一体なぜなのでしょう?
…たとえ話を考えました。
帰省して久しぶりに会うおばあちゃんが、「○○ちゃんの好きなお菓子を用意しておいたよ」と言ってくれたとします。
それはそれで、もちろん嬉しい。好物を把握していてくれるのは、自分に関心を持ってくれている証ですから。
手作りは格別ですけれど、買ってくれたのでも嬉しい。
しかし、おばあちゃんが夏の間に木苺を集め、たくさんトマトを採ってソースにしてくれていたら?
いつでも食べられるように瓶詰めや冷凍にして、自分のことを待っていてくれたとしたら…?
おばあちゃんは木苺を摘みながら、トマトを煮込みながら、その間じゅう自分のことを考えてくれていたわけです。
これは一体、どれほどの愛なのか。
愛の確かさ、遠大さに眩暈がしました。
十勝は半年間氷雪の下に埋もれますから、温暖な土地と違って年間計画で食材の確保や保存をしておかなければならないのでした。
晩秋から初夏までの間、手に入る地物は保存のきく根菜ばかりです。彩りは地味で青菜は皆無、似たような組み合わせになってしまいます。
田口シェフは、盛夏の時期にトマトジュレを大量に仕込んでおかれるそうです。
そうして、保存した物を延々とテーブルに出し続ける冬。
このお店にあるのは、十勝の暮らしそのものです。
ラリベラの田口シェフは、十勝の食材と生産者と、お客さん
とイタリア料理を…冬の煮込み料理のごとく深く静かに、とろ火が燃えるがごとくに愛していらっしゃいます。
それは確かなことだと、自分には思えたのでした。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - 予約席にメニューがセットしてありました

    予約席にメニューがセットしてありました

  • ラ リベラ - いつものノンアルコールシャンパン

    いつものノンアルコールシャンパン

  • ラ リベラ - ブラァータチーズと牡丹海老、トマトのジュレ

    ブラァータチーズと牡丹海老、トマトのジュレ

  • ラ リベラ - とろんとろん、プリップリ、チュルチュル食感の饗宴

    とろんとろん、プリップリ、チュルチュル食感の饗宴

  • ラ リベラ - 鮮度の良い海老ですわ〜

    鮮度の良い海老ですわ〜

  • ラ リベラ - 本マグロとアボカド、長芋のサラダ仕立て

    本マグロとアボカド、長芋のサラダ仕立て

  • ラ リベラ - カラスミが贅沢に掛かっていました

    カラスミが贅沢に掛かっていました

  • ラ リベラ - 良いマグロでした

    良いマグロでした

  • ラ リベラ - ウニのパイタルトと、皮ごとオーブン焼きした玉葱。冬の甘み満載。

    ウニのパイタルトと、皮ごとオーブン焼きした玉葱。冬の甘み満載。

  • ラ リベラ - パイの上に乗ってるの、ウニなんです

    パイの上に乗ってるの、ウニなんです

  • ラ リベラ - 南瓜クリームが溢れ出る中に、ウニがごそっと

    南瓜クリームが溢れ出る中に、ウニがごそっと

  • ラ リベラ - 過去ブログでは、シェフのお婆さまが無農薬で育てた玉葱が使われていました。大事に味わって頂きます。

    過去ブログでは、シェフのお婆さまが無農薬で育てた玉葱が使われていました。大事に味わって頂きます。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - トキメキの金目鯛。オレンジ白菜って綺麗な色!

    トキメキの金目鯛。オレンジ白菜って綺麗な色!

  • ラ リベラ - 優しい甘みと慈愛のような静かな旨味

    優しい甘みと慈愛のような静かな旨味

  • ラ リベラ - 五穀鶏を詰めた生パスタ、澄明なスープに浮かぶ月のごとき

    五穀鶏を詰めた生パスタ、澄明なスープに浮かぶ月のごとき

  • ラ リベラ - シェフが何度も器具をダメにしながら作り続けるキタッラ。池田産サンマルツァーノトマトのソース

    シェフが何度も器具をダメにしながら作り続けるキタッラ。池田産サンマルツァーノトマトのソース

  • ラ リベラ - キタッラは心地よい食感、稜角の歯応えが楽しい
      潔いトマト味だけど、濃厚なウニの後だからホッとします

    キタッラは心地よい食感、稜角の歯応えが楽しい 潔いトマト味だけど、濃厚なウニの後だからホッとします

  • ラ リベラ - シェフが自分で焼かないとパンツ履き忘れた気分になるというww 十勝産セモリナ粉のパン。その気持ち、なんとなくわかるような(笑)

    シェフが自分で焼かないとパンツ履き忘れた気分になるというww 十勝産セモリナ粉のパン。その気持ち、なんとなくわかるような(笑)

  • ラ リベラ - 香ばしくて荒めの生地に、お料理のソースをつけると旨いぃい

    香ばしくて荒めの生地に、お料理のソースをつけると旨いぃい

  • ラ リベラ - 上士幌産ハーブ牛のロースト、パプリカのペペロナータ添え。ソースは野菜と煮込んだとろみのあるフォン(出汁)ですが、メニューに明記はされていませんでした。

    上士幌産ハーブ牛のロースト、パプリカのペペロナータ添え。ソースは野菜と煮込んだとろみのあるフォン(出汁)ですが、メニューに明記はされていませんでした。

  • ラ リベラ - 中がレア、一番美味しい加減

    中がレア、一番美味しい加減

  • ラ リベラ - 落ち着く店内です

    落ち着く店内です

  • ラ リベラ - 窓から外を撮ってみた。雪止んだかなあ? ←帰りに遭難しそうになりましたww

    窓から外を撮ってみた。雪止んだかなあ? ←帰りに遭難しそうになりましたww

  • ラ リベラ - お腹いっぱいな時のエスプレッソ

    お腹いっぱいな時のエスプレッソ

  • ラ リベラ - 悪天候でヨレヨレで着いたせいか、シェフからチョコレートケーキ頂いてしまった☆

    悪天候でヨレヨレで着いたせいか、シェフからチョコレートケーキ頂いてしまった☆

  • ラ リベラ - 細かく切った果物が色々入っていて、食感に変化あり。爽やかでリフレッシュ! マスカルポーネのジェラードは、とてもミルキーでなめらかでした。

    細かく切った果物が色々入っていて、食感に変化あり。爽やかでリフレッシュ! マスカルポーネのジェラードは、とてもミルキーでなめらかでした。

  • ラ リベラ - シェフの木苺愛、ひいては十勝愛、人類愛の深さを体感したスイーツ。

    シェフの木苺愛、ひいては十勝愛、人類愛の深さを体感したスイーツ。

  • {"count_target":".js-result-Review-155132487 .js-count","target":".js-like-button-Review-155132487","content_type":"Review","content_id":155132487,"voted_flag":null,"count":28,"user_status":"","blocked":false}
2022/11訪問7回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

十勝は晩秋から冬へ〜11月のプレクリスマスディナーを頂く

月に一度ほど伺うと決めたので、良いことがあってもなくてもラリベラでディナーを頂くのです。← 大抵普通のことしかないです。そりゃそうだわ(笑)
これも一種の推し活、好きなお店にはお金を落とさないとね☆ いつまで続けられるかはわかりませんが (^_^;)
予約の際に10月は9月とそれほど内容が変わらないと教えて頂き(親切過ぎないですか、田口シェフ)加えて業務多忙でしたので、ひと月ほどスキップしました。
周りの景色を見ることができずにいる間に、紅葉も終わり朽葉色と落葉した樹木が目立つようになってきました。
雪が降るまでは、茶色と灰色の眺めが続きます。

■前菜 ブッラータチーズと牡丹海老とトマトのジュレ
ブッラータチーズですと!?
モッツァレラチーズの皮を切ると中から生クリームがトロッと出てくる凝った仕掛けのチーズですね。
以前どこかで手に入れて、すごく美味しかったけれど二度と買えなかったあのチーズ!
わあわあ、今日はごうじゃすうう。
と思ったら、この時期シェフはクリスマスディナーのメニューを試作していたようです。
知らずに行ったけど、なんか得しちゃった☆ だって、いつもの夜のディナーと料金は変わらず、8200円なんですよ。
小さくカットされた牡丹海老は、まばらに塩が効いています。
とろんとミルキーなチーズも美味しくて、光の速さでお皿から消えました。

■燻した秋刀魚のサラダ
秋の名残の秋刀魚。また会えて嬉しい、いつ食べても美味しい。

■真ダチのムニエルのシェリービネガーソース
冬来たりなば、タチも来たりぬ。
私はタチが苦手です。でも、ラリベラでは食べられます! 生臭さが皆無で、ひたすらクリーミィなんですもの。
表面に軽く小麦粉をまぶし、バターでカリッと焼き目をつけてあるので、クリスピーで食が進みます。
シェリービネガーソースはお洒落なだけでなく、香りがよいです。
タチの濃厚さとバターのコクを実に爽やかに押し流してくれます。味蕾がリフレッシュしたところで、続きを頂くのが最高です。

■黒キャベツとお豆を入れた十勝産野菜のミネストローネ
庶民的なトマト色のスープを予期していたら、チーズたっぷりで白いスープがきました。
具沢山で、スープというより煮込み料理のようです。
ほっくりした豆も、甘〜いキャベツも、野菜の美味しさが響き合う協奏曲です。
アッツアツで出してくださいます。猫舌なのですぐに食べられないのですが、それでも嬉しい。わずかに湯気が落ち着いたところを狙って、手を出します☆
ラリベラでは冷たいものはキンキンに冷やして、熱い料理はお皿まで熱々に温めてから提供してくださいます。
一番美味しい状態で食べてほしい、という田口シェフの真心が感じられて、幸せなひとときです。

■南瓜を詰めた生パスタ、クリームソース
こういう料理が出てきた場合、クリームソースが信じ難いほど美味いことに決まっているのがラリベラなのです。
皿を舐めたいのを我慢して、パンでソースをすくって食べるのです。皿を磨いたようにして、厨房に返すのです。
このソース、めちゃくちゃ美味しかったよ! のアピールです(笑)
そのためにパンは有る。のです。
メインディッシュの終わりまで、この小さなパンを食べ尽くさないよう慎重にペース配分をする必要があります。
お代わりは可能です。しかし、胃が許しません(笑)
あっま〜い南瓜のホクホク感と、なめらかなソースのミルク味と塩分が調和しています。
噛み応えのある生パスタの食感もとても楽しい。
ラリベラの詰め物パスタの中では一等ドライトマトが好きですが、南瓜に浮気してもいいんじゃない? と固い決心をぐらつかせる魅力があります。
寒いときに口の中が温かくなるから、より美味しく感じられる食べ物ってありますよね。それが南瓜です。

■十勝ハーブ牛フィレ肉のロースト、ペペロナータ(パプリカの煮込み)を添えて
サーロインが供されることが多かったのですが、久しぶりのフィレ肉です。
匂いが少なく柔らかいので、個人的にはフィレが好きです。お肉の周りはカリッと焼けていますが、中心部はレアでしっとりぽったりしており、旨味の塊でした。
全体に塩分は控えめなのですが、まばらな塩梅がアクセントになりとても美味しいです。
あっま〜いパプリカはとろんとろんに煮えて、啜れるぐらいです(笑)。
お肉料理はこのようなローストが基本で、付け合わせで感じが変わるのだと言うことがわかりました。
んん、ロースト以外には何があるのでしょう。頬肉の煮込みはかなり前に頂いたことがありますが、ほかに何があったかな?
今度お時間があるとき、田口シェフに伺ってみましょう☆ 特別注文なんて可能だったら、楽しそうですね (*≧∀≦*)

■音更産りんごのプリンとマスカルポーネのジェラート(11月のプレクリスマス)
中に林檎の入ったプリンはみっちりと充実していながら柔らかくもあり、プリン固め党と柔らか党をも虜にする魅力があります。
卵のなめらかさと林檎のマットな舌触りを愉しんで、交互に味わっているうちに消えて無くなっていました。
マスカルポーネのジェラードは、ミルキーで美味しかったです!
ジェラートってジェラードと表記されることもあり、スペルは「T」なので濁らないのが標準的発音?? と迷っていたところ….発音の違いであり、どちらでもいいそうです ( ^ω^ )
長年の疑問が解決しました(笑)

  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパン

    ノンアルコールシャンパン

  • ラ リベラ - ブッラータチーズと牡丹海老とトマトのジュレ

    ブッラータチーズと牡丹海老とトマトのジュレ

  • ラ リベラ - トマトのジュレが海老とチーズに爽やかな風を送る

    トマトのジュレが海老とチーズに爽やかな風を送る

  • ラ リベラ - 南瓜を詰めた生パスタ、クリームソース

    南瓜を詰めた生パスタ、クリームソース

  • ラ リベラ - ミネストローネ。パスタかと思った!

    ミネストローネ。パスタかと思った!

  • ラ リベラ - チーズたっぷり! 美味なオリーブオイルたっぷり。

    チーズたっぷり! 美味なオリーブオイルたっぷり。

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパンもシェフが自ら焼く

    十勝産セモリナ粉のパンもシェフが自ら焼く

  • ラ リベラ - 燻した秋刀魚のサラダ

    燻した秋刀魚のサラダ

  • ラ リベラ - オレンジトマトの付け合わせのルッコラが脇を固める

    オレンジトマトの付け合わせのルッコラが脇を固める

  • ラ リベラ - 前ダチのムニエル

    前ダチのムニエル

  • ラ リベラ - 士幌産ハーブ牛フィレ肉のロースト、ペペロナータ(パプリカの煮込み)

    士幌産ハーブ牛フィレ肉のロースト、ペペロナータ(パプリカの煮込み)

  • ラ リベラ - ぽったり柔らかなお肉

    ぽったり柔らかなお肉

  • ラ リベラ - カラメルがまた、香ばしくて旨いんだなこれが

    カラメルがまた、香ばしくて旨いんだなこれが

  • ラ リベラ - むっちりというか、ぷいんというか

    むっちりというか、ぷいんというか

  • {"count_target":".js-result-Review-153517115 .js-count","target":".js-like-button-Review-153517115","content_type":"Review","content_id":153517115,"voted_flag":null,"count":22,"user_status":"","blocked":false}
2022/09訪問6回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

一瞬の秋。

夏が足早に駆け去ってから、それほど間を置かずに訪問しました。
しかし、コースの内容はガラリと変化していました。
さすが料理人! 季節を取り込みそのままお料理に反映させるのですね。
たとえ窓のない部屋に軟禁されたとしても、このお料理を頂けば秋だとわかります! 季節の巡りを十全に満喫できます!(この時期業務多忙だったので、発想が変w)

■カリフラワーのムース、塩水ウニを添えて
実はウニが苦手です。昔鮮度の落ちたものを食べたせいです (^_^;) 新鮮なものは食べられます(贅沢な!)
ウニを柔らかな旨味のカリフラワーと一緒に頂くと、旨味の濃淡が一層際立ちます。トマトのジュレの穏やかな酸味が、ウニの濃厚さに悶える舌を緩和してくれます。
めったに食べない新鮮なウニを堪能しました。

■燻したサンマのサラダ
お口の中に、秋来たれり!(((o(*゚▽゚*)o)))♡
秋刀魚の不漁で食べられない年もあり、今年は小ぶりながらも「秋刀魚やりますよ」とシェフが囁く魅惑のサラダ!
トマトの酸味で舌をリセットしながら、濃厚な秋刀魚にかぶりつく幸せよ!
噛み締めるとジュワッと染み出す良い脂と共に、心地よいスモークの薫りが口中に溢れます。
添えてあるルッコラ等は色鮮やかなだけでなく、強い香気を持ってお口をリフレッシュしてくれます。
シェフのブログにあった、「野生のルッコラ」とはコレでしょうか? 栽培ものとは全く違う味と香りです。
秋刀魚に合わせるのなら、これでなくちゃならない。という気迫に満ちたパンチのある脇役でした。

■帆立を詰めた花ズッキーニのフリット
食べ納めと思ったのに、また会えて嬉しい一品です。
かわいいサイズですが味は変わらず、サクッとした薄衣の歯触りよいです。
茎部分はコリッと歯切れよく、花の部分は薄く軽やか♪
帆立の旨味と相まって、淡い味同士なのに実に旨い。永遠に食べていられる軽さと美味しさです。

■パスタその1 キタッラ じっくり煮込んだ玉ねぎとアンチョビのソース
時間をかけて煮込まれた玉ねぎがとろけた、「THE・秋!」という味わいのソースです。
甘ーくコックリと、とにかく優しい…。
プリッと弾力のある手打ちパスタがマイルドなソースの中で踊り、飽きずに頂けます。
楽器に似た器具で切るという、キタッラの稜角が口中に当たるのもまた楽しい。

■パスタその2 パッパルデッレ 秋鮭とほうれん草のソース
パリッと焼いた鮭を、さらにほんのりスモークするという一手間が!
コクのあるクリームソースの向こうにスモーク風味がゆらゆらと遠巻きに薫り、まさに秋の気配といった一品。
寒いと美味しくなるほうれん草もこのソースに良く合い、組合わせの妙にほっこりしました。
高価な食材は使われていませんが、高価=美味しいではありませんので美味しければもう大満足なのです。

■十勝ハーブ牛のサーロインのロースト、フォンのソース
アーティチョークの蒸し煮
数回続けて十勝ハーブ牛のサーロインを頂きました。田口シェフは、お肉をいろいろ試しているところだそうです。
文句なく美味しいのですが、自分の好みは柔らかくぽったりとしたヒレかな。
ゼラチンの奥に旨味がある摩訶不思議なフォンのソースです。
アーティチョークというお野菜を初めて頂きました。
可食部がとても少なく、直前に下ごしらえしないと美味しくない等手間のかかる食材だそうで、なかなか食べられないだろうと思っていました。
遭遇できて嬉しい!
ほっくりした歯触りに旨味があり、ほろ苦さが新鮮です。
交互に頂くとお肉の濃厚さを中和してくれ、同じお肉でも付け合わせで随分変わるものだと思いました。

今回、この世で一番好きなデザートが出ました! それだけでも訪問の価値があります。
あまりに美味しいので、何年も忘れられず「アレ美味しかったなぁ…」と遠い目になってしまうスイーツです。

■とうもろこしのカタラーナ
採れたての新鮮なとうもろこしをピュレにて、卵黄など加えて香ばしく焼いたカスタードプリンタイプのデザートです。
凍らせてあり、表面をバーナーで炙って焼き目をつけてあります。
とうもろこしを模して粒状に焦げ目をつけてあるのが、ものすごっく香ばしく激ウマです。
札幌の大通り公園で、旬の焼きとうもろこしを頬張ってる感満喫!!
十勝はとうもろこしの大産地なので頂き物も多く、地元民は食べ飽きるほどですが、これは格別に美味しいです。
まさに至高のとうもろこしスイーツであります!

・巨峰と紅茶のジュレ
写真ではジュレの見かけが良くないのですが(良質の茶葉を急速冷却したため、クリームダウン現象が起こり白濁している)、味はとても美味しい…。
巨峰を包んだ紅茶ジュレのフルフルが、涼風で口中の油っこさを吹きさらってくれます。
ラリベラで出される紅茶はアールグレイ1択です。天然香料なので香りに嫌味がなく、茶葉も質の良いものを使っているので紅茶として美味しいのです…!
どこのメーカーか聞きそびれているのですが、開店当初から変わらず上質のアールグレイです。
その紅茶をジュレにしたのだから、美味しくないはずがない!
今回も最後まで大満足でした。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-153214517 .js-count","target":".js-like-button-Review-153214517","content_type":"Review","content_id":153214517,"voted_flag":null,"count":16,"user_status":"","blocked":false}
2022/08訪問5回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

帯広の短い夏。

8月も半ばを過ぎれば、風が冷たくなる北海道です。
夏は短く、一瞬で燃え尽きました。
とある店の女将によれば、9月のみが十勝の秋なのだそうです。
そして、長い長い冬がやってきます。
こちらは9月に届こうかという頃頂いた、夏の名残のお料理です。だいぶ時間が経ってしまい、記憶が薄れました (^_^;)
翌月に伺いましたら秋の気配を懸命に盛り込んでくださって、たった一月ほど間を空けただけでガラリと違うメニューに変わっており驚きました。
月一で通うというのは身の程知らずの贅沢かとも思ったのですが、短い旬にしか頂けないお料理があるのですね。
お料理から季節感を十全に味わってもらおうと心を砕く、田口シェフの真心と料理人の心意気を感じることができました。
まさしく、食べるアート。
他店の華やかさに比べるとシンプルな盛り付けですが、滋味栄養と新鮮な素材の生命感が溢れる味わいが大変佳く、通い続けても飽きることがありません。

  • ラ リベラ - 音更産ズッキーニの冷たいスープ

    音更産ズッキーニの冷たいスープ

  • ラ リベラ - 真ん中にはトマトのジュレ、酸味爽やか。ズッキーニの皮の緑が活かされ鮮やか。

    真ん中にはトマトのジュレ、酸味爽やか。ズッキーニの皮の緑が活かされ鮮やか。

  • ラ リベラ - ブラッドオレンジジュースにしました

    ブラッドオレンジジュースにしました

  • ラ リベラ - トマトではなくパプリカでした。盛り付けから美しい

    トマトではなくパプリカでした。盛り付けから美しい

  • ラ リベラ - パプリカのインボルティーニ(詰め物)。中にはマグロのサラダ。高級なツナや!

    パプリカのインボルティーニ(詰め物)。中にはマグロのサラダ。高級なツナや!

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン

    十勝産セモリナ粉のパン

  • ラ リベラ - 今季最後の花ズッキーニと思うと、美味しさもひとしお。

    今季最後の花ズッキーニと思うと、美味しさもひとしお。

  • ラ リベラ - 帆立たっぷりで旨いのお

    帆立たっぷりで旨いのお

  • ラ リベラ - 網目状にとろけるポルチーニの大きいの。旨味や香りはないけれど、食感が不思議でたまらない

    網目状にとろけるポルチーニの大きいの。旨味や香りはないけれど、食感が不思議でたまらない

  • ラ リベラ - ポルチーニのクリームソース煮が死ぬほど好き!!

    ポルチーニのクリームソース煮が死ぬほど好き!!

  • ラ リベラ - ポルチーニをリクエストしたら、シェフが苦労して採ってきて下さった。申し訳なくて死にそう。お勧めメニューを黙って食べるのが至高の行為だというのにこの食いしん坊め! 

    ポルチーニをリクエストしたら、シェフが苦労して採ってきて下さった。申し訳なくて死にそう。お勧めメニューを黙って食べるのが至高の行為だというのにこの食いしん坊め! 

  • ラ リベラ - 自家製ドライトマトを詰めたラビオリ。バターソースの適度な塩気とコクがウマー!! トマトが甘くてフルーティで、顔がにやけてくる(笑)

    自家製ドライトマトを詰めたラビオリ。バターソースの適度な塩気とコクがウマー!! トマトが甘くてフルーティで、顔がにやけてくる(笑)

  • ラ リベラ - お肉は十勝ハーブ牛のサーロインのロースト、シェフが黙って繰り出してくるフォン(出汁)のソースが旨すぎ。長ったらしい名前のホニャララソースを添えて…とか気取ってください(笑)シェフがシャイ過ぎ事件簿。

    お肉は十勝ハーブ牛のサーロインのロースト、シェフが黙って繰り出してくるフォン(出汁)のソースが旨すぎ。長ったらしい名前のホニャララソースを添えて…とか気取ってください(笑)シェフがシャイ過ぎ事件簿。

  • ラ リベラ - 茄子の煮込みが肉の濃さを優しく中和してくれる

    茄子の煮込みが肉の濃さを優しく中和してくれる

  • ラ リベラ - エスプレッソ

    エスプレッソ

  • ラ リベラ - 日本の国旗!! このビジュアルに、皆さんそう仰るそうです。熟したラズベリーの種を除いた途轍もなく濃いベリーの塊が、泡立てたヨーグルトの海に浮かんでいます。最高です。

    日本の国旗!! このビジュアルに、皆さんそう仰るそうです。熟したラズベリーの種を除いた途轍もなく濃いベリーの塊が、泡立てたヨーグルトの海に浮かんでいます。最高です。

  • ラ リベラ - シェフの実家の裏庭で採れたラズベリー。一人分にとんでもない量のラズベリーが使われている。

    シェフの実家の裏庭で採れたラズベリー。一人分にとんでもない量のラズベリーが使われている。

  • ラ リベラ - 音符ですかワラビですか、可愛いよスプーン

    音符ですかワラビですか、可愛いよスプーン

  • ラ リベラ - いつもノンアルコールシャンパン

    いつもノンアルコールシャンパン

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-148018757 .js-count","target":".js-like-button-Review-148018757","content_type":"Review","content_id":148018757,"voted_flag":null,"count":15,"user_status":"","blocked":false}
2022/07訪問4回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

十勝産・生ポルチーニ尽くしのコースを頂きました!

友人の誕生日を祝うため、予約して訪れました。
メニュー指定はせず、シェフ信頼の8200円おまかせコースで。飲み物を追加しても、だいたい一万円ちょっとぐらいに収まります。
今回はデザートにタルト製作を依頼しました。てっきり追加料金が掛かるものと思いきや。
「追加料金は特に頂きませんので。季節の果物等で作らせて頂きます」静かにニッコリ、田口シェフ。
マジですか!? Σ('◉⌓◉’) いいんですか、そんなサービスをして頂いて!
友人も「タルトを食べてみたい!」というので決定。
いざ当日。
友人が業務多忙で予約時間に間に合わず、シェフに連絡してディナーの開始時間をずらして頂きました。
閉店時間を過ぎてしまい、ご迷惑をかけました。その節は申し訳ありませんでした (^◇^;)
しかし考えてみえば、友人は数年前に体調を崩して仕事をセーブしていたのです。それだけ必死に打ち込んでしまう。ということは、回復した証しなのでしょう。
一時は外出さえ危ぶまれる状態だったので、当時のことを思えば奇跡のようです。
こんな日が来るなんて、ほんとうに良かった。過去の自分に「大丈夫だよ」と囁いてやりたいです(笑)

■音更産カリフラワーの冷製スープ、塩水ウニとトマトのジュレ入り
信じられないほど滑らかなスープに凝縮された、カリフラワーの旨味と甘さ。
トマトのジュレがアクセントになり、ウニの濃厚さが舌を驚かせてくれます。

■桃と天然鮃のカルパッチョ
桃に乗せられた鮃に絶妙な塩梅の塩が利いていて、桃の果汁がプシャー! と迸る際にハーモニーを奏でます。
桃をレモンで軽くてマリネしてあるのか、爽やかでオリーブオイルの香り高く、瞬間芸で平らげてしまう逸品です。

■帆立を詰めた花ズッキーニのフリット、十勝産ポルチーニのフリット
季節が夏なので、花ズッキーニや桃が供されるであろうことはなんとなく想像しておりました。
今回のサプライズは、十勝産ポルチーニ!
エッ!? ((((;゚Д゚)))))))
なんですと!? 当然ながら、乾燥ものではなく。
旬の短い時期にしか頂けない、生のポルチーニ!?
食通の中の食通にのみ提供されるという、アノ幻の食材ではありませんか。
食べちゃって、いいんですか!!
キノコの季節は秋だと思い込んでいたものですから、完全にサプライズです。
後からシェフのブログを覗くと、今年は暑く雨が多いせいか、ポルチーニのシーズンが早まり、豊作とか!
しかし、旬はほんの一か月ほどしかないそうです。
たまにしか行けないので、道理で巡り合ったことがないわけです。
なんということでしょう。
これは超力招力さんに早くお伝えせねば! ということで、とり急ぎレビューを書きました。
ポルチーニは別名ヤマドリタケと称するそうですが、アジアで産するヤマドリタケモドキを含むこともあるそう。
ヤマドリタケモドキの自生地は、広葉樹林。
さて、こちらのポルチーニは…?
ヤマドリタケは、青森と北海道を含む阿寒帯の針葉樹林に自生する、との記述をネットで発見。…なななんと、本当デスカ!!
栽培はできず、天然物を採るしかないことから、本場ヨーロッパでも偽物が出回っているとか。
田口シェフはご自身で山菜やキノコ狩りに行かれるぐらいですから、見分けの難しいキノコにもお詳しいのでしょう。
そんな貴重な食材を頂けることに、低頭 & 感激です。
フリットの衣が薄く均一でさっくりしていて、どうしたらこんなに薄い衣を美しく纏わせることができるのか、小一時間伺いたい(笑)。何か、秘密があるのでしょうね。
自分で作ってみたところペシャンコの物体と化したので、もう作らないと思います(笑)
コリッとした茎も実においしい。海老とは違う海の旨味が全体に馴染んで、何回食べてもおいしいお料理です。
そして、震える手でポルチーニをば。
サクッ。ふわっ。…あれ? このキノコ、途中で網目状に溶けてゼリーになりました。
口中にふんわり広がって、消えてしまう。何度食べても不思議です。
香りがあまりしないと感じましたが、ポルチーニ特有の強い香りは乾燥によって生まれるそうです。
そうか! 生なんて、食べた経験がないからですね。←生も乾燥も初めて
これは、旨味と食感を愉しむキノコだ…。
友人はキノコが大好きなので、とても喜んでいました。良かったねえ。

■桃と十勝産ポルチーニのクリーム煮
「桃かぶりですが」との囁きと共に、シェフ自らサーブして下さった一品です。
食材かぶりなんて、気にしません。旬の食材は、どしどし頂くべし!
2度目のポルチーニです。
しかも、大胆な量が一皿に入っています。イインデスカ、こんなに食べちゃって。
一口そうっと。
…旨い!! ナニコレ、何の旨味、驚愕の滑らかさ! すんごい凄い! めちゃくちゃ美味しい!
超白眉!! と超力招来さんなら書かれるところ。
とろんと溶けてしまうポルチーニの旨味が全体に回って、これ以上美味しいものを食べたことがない気がします。
桃は? というと、優しい持ち味が生クリームと相まって、アクセントとなりつつも馴染んでおり、こんなおいしいものがこの世にあったのかと思いました(笑)
旨味の由来をお訊きしようと思ったのに、ゆっくりお話する時間がなかったのが残念です…。おそらく、ポルチーニから出る旨味なのでしょう。
瓢箪から駒で、とんでもないお料理を頂いてしまいました。
超力招来さんに先んじてしまい、ちょっと申し訳ない感じです (⌒-⌒; )
真の食通の方には、是非にも召し上がって頂きたいです。

■タヤリン(卵を入れたピエモンテ州の極細パスタ)、伝統的なポルチーニのソースで
3回目のポルチーニ!! ∑(゚Д゚) 良いんですか? 今回はポルチーニ尽くしですよ!
卵の風味が良い麺は、細いのにしっかりコシがあります。
オレンジ色のソースは何かわかりませんでしたが、シェフによると「オレンジトマトなんです」とのこと。
酸味が穏やかで、旨味を減じることなくツルツルっと頂けました。
パスタのポルチーニは、溶けませんでした。コリコリッとした歯触りが楽しめます。
同じキノコなんですか? と訊いたところ、ポルチーニは大きさで食感が変わるそうです。大きいものはとろんと溶け、小さいものはコリコリしているのだとか。
へえーっ、同じキノコでも違うものですね。
友人が「椎茸の冬子と香信の違いのようなもの?」と言ったので、ちょっと納得。キノコは成長速度や傘の開き方で味も香りも違うので、そう聞くと納得します。キノコの世界は実に奥が深いです。

■十勝産ハーブ牛のフィレ肉のロースト、カポナータ添え
このお肉が毎月頂けるなんて、もう幸せでしかない。←役得です
外側はバターの香りと塩味をまとってカリッと、中はキメが細かくしっとりしていて、メリハリの効いたおいしさに毎回唸ってしまうのです。
フィレ肉の上質さが、ずば抜けていると感じます。ぽったりと良い具合に水分と旨味を含んで、煙る雨上がりの優しさ!
ソースは前回お聞きしたフォンのソースで、遠い旨味を愉しめる水墨画のような逸品です。
カポナータは正反対にエッジがくっきりしていました。
角切りの野菜がシャキッと角があり、半生の食感を残しており爽やかです。水墨画の前景に、ビビッドな筆致の書を置いたようですね。
十勝産セモリナ粉のパンも一層香ばしく旨味も深く、飲み物を忘れるほどに料理に集中していました。

■誕生日のデザート、ラズベリーとバナナのタルト。マスカルポーネのアイスクリーム添え
超新鮮な大粒のラズベリーが、こんもりと乗った状態で提供されました。ラズベリーの走りだと思います。
蝋燭に火をつけて、友人が吹き消して。セレモニーの後、カットして改めて提供してくださいます。
キュッと酸っぱいラズベリー! 酸味好きの友人は、とても喜んでいました。酸味と甘味のバランスをとるためか、タルトの底にはバナナと生クリームが敷いてあります。
タルト生地は甘くないシュー皮のような食感で、しっとりしています。良い小麦粉の香りがします。
手作りのぬくもりに溢れる、素朴で素敵なスィーツです。シェフの真心を十全に感じられる、優しさ仕上げです。
エスプレッソと共に頂き、お腹いっぱいになりました。
田口シェフ渾身のポルチーニコース、フルに味わい尽くしました。
訪問が遅れて、本当に申し訳なかったです。
友人の更なる健康を願い、お開きに致しました。

  • ラ リベラ - 白い紫陽花と卯の花?

    白い紫陽花と卯の花?

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパンで。

    ノンアルコールシャンパンで。

  • ラ リベラ - カリフラワーのスープ、塩水ウニとトマトのジュレ

    カリフラワーのスープ、塩水ウニとトマトのジュレ

  • ラ リベラ - 桃と鮃のカルパッチョ

    桃と鮃のカルパッチョ

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉の自家製パン。田口シェフは自らパンを焼かずにはいられないそうです。

    十勝産セモリナ粉の自家製パン。田口シェフは自らパンを焼かずにはいられないそうです。

  • ラ リベラ - 花ズッキーニの帆立詰め、ポルチーニのフリット

    花ズッキーニの帆立詰め、ポルチーニのフリット

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ - ポルチーニさん。

    ポルチーニさん。

  • ラ リベラ - ポルチーニと桃のクリーム煮

    ポルチーニと桃のクリーム煮

  • ラ リベラ - 超絶旨い!!

    超絶旨い!!

  • ラ リベラ - 十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト フォンのソース & カポナータ添え

    十勝産ハーブ牛フィレ肉のロースト フォンのソース & カポナータ添え

  • ラ リベラ - バターでカリッと焼かれた外側と、中心部のシットリさの対比が素晴らしい。

    バターでカリッと焼かれた外側と、中心部のシットリさの対比が素晴らしい。

  • ラ リベラ - タヤリン(ピエモンテ州の細麺パスタ)、ポルチーニのオレンジトマトソースで。

    タヤリン(ピエモンテ州の細麺パスタ)、ポルチーニのオレンジトマトソースで。

  • ラ リベラ - 穏やかな旨味。

    穏やかな旨味。

  • ラ リベラ - フレッシュラズベリーとバナナのシェフお手製タルト、マスカルポーネアイスクリーム添え

    フレッシュラズベリーとバナナのシェフお手製タルト、マスカルポーネアイスクリーム添え

  • ラ リベラ - カットしてくださいます

    カットしてくださいます

  • ラ リベラ - エスプレッソ

    エスプレッソ

  • {"count_target":".js-result-Review-145663489 .js-count","target":".js-like-button-Review-145663489","content_type":"Review","content_id":145663489,"voted_flag":null,"count":19,"user_status":"","blocked":false}
2022/06訪問3回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.7
¥10,000~¥14,9991人

犬じゃない。豚じゃないから。

今回の訪問は、超力招来様のコメントからの発展で実現した。
十勝に来訪されていた超力様にお声がけしたところ、ラリベラを訪問される予定であるとお聞きした。
レビューを書いてみようかな? とお茶目な口調で言われるので、「是非お願いします!」と小躍りし、正座した(笑)。
片田舎の十勝・帯広市で、寡黙に誠実に淡々と仕事をする田口オーナーシェフの料理を、食の求道者たる超力様がレビューして下さるというのだ。
転げ回ってワンと言いたいぐらいである(笑)
超力様のレビューは、料理の精髄を斬新かつ的確過ぎる言葉で表現し切っておられた。快哉を叫んで拳を突き上げ、そこらじゅうを転げ回りたいほどのクオリティである。
素晴らし過ぎるので、ご紹介する。

https://s.tabelog.com/smartphone/reviewer/001960626/review/detail/B383618084/

あと数日で終わる、アスパラガスの旬を味わうこの喜びを、共感しませんか。
そう超力様に誘われたのだから、たまらない。
犬だか豚だかわからない生き物は、大はしゃぎで木に登った(笑)。
アスパラガスの時期に間に合うかどうかは、賭けであった。
しかし、シェフに無理を言ってお願いするのは避けたい。
以前も天候が悪く採れない蕗の薹を、自ら山に入って探してくださったのだ。
苦手な食材だけを最少限告げ、超力様のお勧め通り8200円のおまかせコースにした。
慌ただしい様子で電話に出られた田口シェフは、苦手食材を覚えてくださっていた。
その上、食べログに書いている旨を一言ったか言わないかぐらいであるのに、超力様のメニューとほぼ変わらないものを、黙って整えてくださった(!)
多く語らず、喧伝せず。さらっとそういう行いができる方。それが田口シェフのお人柄である。

■ノンアルコールシャンパン
前回も頂いたが、味が違っていた。桃のような香りで、おいしい! 生の桃にアレルギーがあるため、一際嬉しい!
友人はリモンチェッロソーダ。香りがよく、飲みやすかったそうだ。

■焼き茄子と天然鮃(ヒラメ)のカルパッチョ
何か半透明なカバーで覆われている? と思ったら、カバーは鮃の切り身だった。
中には香ばしく焼かれた茄子。
みずみずしく甘く、とろけてしまう。実にクリーミィで、オリーブオイルはフルーティ。
どのメーカのオイルをお使いか聞きたいが、なんだか悪いような気がしていつも聞けない。

■十勝産セモリナ粉のパン
さらっと説明されたが、「十勝産」の言葉にピクリとする。周り中小麦畑だけに、生産者が気になるところだ。意欲的・先進的な農家さんがいらっしゃるものだ。

※セモリナ=デュラム小麦のセモリナ(粗挽き)と勘違いしておりました。
デュラム小麦は日本で栽培できないため、「ゆめちから」等の粗挽きではないかと思われます。
大変申し訳ごさいませんでした。2020.8.2 追記

焼き餅のような香ばしさである。
ソースをすくって食べるのに、荒めの生地がとても具合が良い。お代わりを我慢するのに必死である(笑)

■芽室産土盛りアスパラガスのソテー、卵黄ソース
土盛り、は即ちホワイトなのだ。日に当たればグリーンアスパラガスになるのだから。当たり前のことを友人に指摘され、笑ってしまう。
ホワイトアスパラガスは、グリーンに比してやや固めで苦味がある先入観があったが、この一皿で払拭された。
こんがりした表面は、バターの香りに包まれている。
アスパラガスの中に溜め込まれていた水分が、噛むと一気に迸る。アスパラ汁プシャー! である(笑)
生命力そのものを頂くかのような。とてつもなくジューシィであり、何もつけなくても香ばしい。
繊維感がサクサクと、歯切れ良く心地よい。
ほろ苦さ、甘さ、バターの香り。複雑な味わいがハーモニーを奏で、頭の中がぐるんぐるんする(笑)
卵黄ソースにはチーズの風味が感じられる。あとはレモン、粗挽き黒胡椒、赤いのはピンクペッパーだろうか。
卵黄のまろやかさとチーズの旨味は、穏やかな丸い輪郭。
アスパラガスも甘くマイルドなところに、エッジを効かせたスパイスがピリリと香る。
レモンの微かな酸味が、後味を爽やかにしてくれる。

■海老を詰めた花ズッキーニのフリット
ルッコラとワサビ菜と春菊が下に敷いてある。量は少ないのだが、それぞれの野菜の味の濃さに驚く。究極に厳選され、味の良いものだけが選ばれているのだ。
どれもほろ苦く香りよく、中でもルッコラが爽やかだ。
海老は見事に半生であり、火入れの完璧さに舌を巻く。
肝心の花ズッキーニを、茎の方だけ少量頂く。…驚いた。茎だけでも、充分おいしい! そして衣がおいしい!
ああ〜、海老の旨味が、プリッとした歯応えが!!
旨味たっぷりなのである。
丁寧に堪能しつつ、超速で皿から消えた(笑)。

■芽室産土盛アスパラガスのスープと帆立のタルタル
…ほうっ! これは、渇きを癒す味だ。
昼間体を動かす仕事をしたせいで、乾いた細胞のひとつひとつに染み渡る感じがする。…体の奥から深呼吸。
ほろ苦さ、甘さ、ふくよかさ、そしてタルタルの僅かな酸味。
なめらかなスープを頂くために、このスープ皿が存在するのかと思えるほどに滑らかな、この一体感。
ひと匙すくうたび、手首に心地よさが走る。
形の悪いアスパラも余さずスープにするのだと、シェフのブログにあった。
滋味栄養をカタチにした、見事な一皿である。

■音更産ズッキーニと鶏ひき肉のキタッラ
キタッラについては、マイレビ・oggeti209様から示唆を頂いていた。
お陰様で四角い断面のカタチによる、食感の違いを意識しながら味わうことができた。
これまでは同じものを出されても豚に真珠、猫に小判。何もわからずに、ただ食べていた。反省しきり。
友人が音楽的な感想を呟いていて面白かったので、許可を得て以下にそのまま書く。
ファーストコンタクトは、ニンニクの香り。
鶏肉の旨味が濃い。
キタッラの稜角と、細い麺状に下ろされた半生ズッキーニの異種格闘技。
不協和音のような、協和音のような。月の光かアラベスクか、初期のドビュッシーを思わせる。
コリコリとしたズッキーニと手打ちキタッラの歯応えを愉しむうちに、完食していた。

■十勝ハーブ牛フィレ肉のローストとシシトウのソテー
ヒレ肉の外側は香ばしくカリッと焼けており、中心部はバラ色のレア状態である。
レア肉の舌触りが実に滑らかで、喉越しがよい。
噛むと旨味がじわっと広がり、雑味のない上質な肉の美味しさが伝わってくる。
十勝ハーブ牛とは、上士幌町のノベルズデーリィファームが育成するブランド牛である。
面積日本一を誇るナイタイ牧場のある上士幌町で、美味しい牛を育てている。
巨大畜産企業だが、近年は飲食業にも進出し鳥せい商事を傘下に置く。
超力様に提供された付け合わせと違い、こちらはシシトウである。
柔らかく、それでいて歯応えも残している。
絶妙の火入加減である。
友人は以前、シシトウの火入れを絶賛したことがある。ために、田口シェフは朝の仕入れでシシトウを用意してくださったようだ。
ソースに絡めると絶品で、とろけるように口の中へ消えてしまう。
しかしこの、謎のソースの正体は一体何であるのか。
香ばしく、塩気と甘味が共存しており、とろみもある。…みたらし団子のタレか? ←違うと思うが…
香ばしさの素は、お醤油か?
それにしても、調味料の存在がずいぶん遠くに感じられるのが不可思議である。
残り僅かとなったパンにつけ、ソースの味を確かめる。…わからない。
ついに降参し、食後にシェフに尋ねてみた。
答えは、「フォン」とのこと。つまり、出汁である。
牛の骨や細かい肉を煮込み、野菜も加え、とろみがつくまでじっくり煮たものとか!
そんな手間の掛かったソースを、「〇〇ソースを添えて」等の口上もなく、サラッと提供する田口シェフである。
言ってください!(笑) 自慢していい場所なのに、そこは!
普通のことのように振る舞い、謙虚に微笑むシェフ。イツモシズカニワラツテイル。
他店であれば、もっと大々的に喧伝して推しメニューに書くだろう。
そういうところがもどかしくもあり、応援したい気持ちを一層強くした。

■青紫蘇を入れたパイナップルのソルベとマスカルポーネチーズを入れたクレープ
卵の風味が感じられる、つるりとした食感のクレープは、ほぼ感じ取れないレベルまで甘さを抑えている。
中に仕込まれたマスカルポーネも、これまた極度に甘さを抑えている。
その微かな甘みのコンビに、まろやかなアングレースソースが出会ったら! まるで、砂漠でオアシスに出会ったような心地がする!(友人談)
温度差もまた、一興。
クレープが常温であるのに対して、マスカルポーネがひんやりと滑らかなのも美味しさの秘密であろう。
青紫蘇入りのソルベは斬新に感じるが、田口シェフによるとイタリアのレシピのバジルを青紫蘇に置き換えたもの、とのこと。
バジルに比して穏やかな香りだと思っていた紫蘇が、華やか香る。
パイナップルと完全に一体化し、新種の果物かと思うぐらい違和感がない。
初夏らしい爽やかさで、心の中にも涼風が吹いた(笑)。

会計時に、木箱に弦を渡した楽器のような物を発見した。
尋ねると、まさにキタッラを作るための道具であった。
すぐ壊れるので、使えなくなった物を置いているんです、と田口シェフ。
一体、どれだけたくさんのキタッラを打っているのだろう。
目を丸くする私たちに、器具を触らせてくれた。
私が触るとひび割れた音がしたが、友人が弾くとちゃんと音階になっていた(笑)。
予備知識をもって食べるのと、そうでないのとは大違いだ。
今までは「すごくおいしい」系の単調な感想しか伝えることができず、もどかしい思いだった。
何度も来ているのに、ほとんど良さを理解していなかったと思う。
今回は慌てず緊張せず、落ち着いて質問することができた。
シェフの料理にかける一途さと、真剣味の一端を伺うことができた。
…楽しかった。

本能に忠実な動物は、生きることに真っ直ぐで、健全である。
しかしニンゲンに生まれたからには、犬や豚のようであってはいけないのだろう。
頭や手足を使って、考えなくては。
目の前の薄っぺらい魔法の箱を使い、調べなくては。
お金を出せば、予約すれば。確かに料理は食べられる。けれども。
渾身の一皿に向き合うことにふさわしい、知見を備えた人間になりたいと思った。

※今回の写真は、全て友人提供による。自分は写真が下手であり、断念した(笑)。

  • ラ リベラ - ノンアルコールシャンパンは桃の香り。

    ノンアルコールシャンパンは桃の香り。

  • ラ リベラ - 自家製レモンチェッロのソーダ割り。

    自家製レモンチェッロのソーダ割り。

  • ラ リベラ - 鮃のカプセルを開けば、トロリと香ばしい焼き茄子が。

    鮃のカプセルを開けば、トロリと香ばしい焼き茄子が。

  • ラ リベラ - 超力様が「超白眉!」と評した白アスパラ。

    超力様が「超白眉!」と評した白アスパラ。

  • ラ リベラ - 十勝産セモリナ粉のパン。

    十勝産セモリナ粉のパン。

  • ラ リベラ - 三昧境に導かれる魅惑のスープ。

    三昧境に導かれる魅惑のスープ。

  • ラ リベラ - 茎まで旨いってどういうこと!?

    茎まで旨いってどういうこと!?

  • ラ リベラ - o様ご所望の手打ちキタッラ。

    o様ご所望の手打ちキタッラ。

  • ラ リベラ - フィレ肉でお腹9分目に。コースの分量までピタリと客に合わせる、絶妙の満腹感。田口シェフに操られる喜び(笑)

    フィレ肉でお腹9分目に。コースの分量までピタリと客に合わせる、絶妙の満腹感。田口シェフに操られる喜び(笑)

  • ラ リベラ - 超力様評「羽ばたくようなドレッセ(盛り付け)」圧倒的語彙に痺れる(笑)

    超力様評「羽ばたくようなドレッセ(盛り付け)」圧倒的語彙に痺れる(笑)

  • {"count_target":".js-result-Review-144265483 .js-count","target":".js-like-button-Review-144265483","content_type":"Review","content_id":144265483,"voted_flag":null,"count":19,"user_status":"","blocked":false}
2021/12訪問2回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥10,000~¥14,9991人

前略、お元気ですか。

…作り手の人となりを頂きに、料理店に通っている。
私にはどうもそうした傾向があるようで、気に入った店に通い詰める。
そうは言っても貧乏暇なしの状況と勘案し、行けるのは年に数回ほど。常連客とは程遠い。
それでも顔や名前を覚えてくださっているのは、私が料理の感想を事細かに記してお届けするからだろう。
作り手の側からすれば、自分の仕事がどのように受け止められたか、切に知りたいであろうと想像するから。ただのお節介であり、迷惑かもしれないけれど(笑)
食べログ活動も、元はシェフへの個人的な手紙文を載せたのが始まりである。多くのレビュアーが読み手に向かって書かれる中、私の発信は逆方向であった(笑)
オーナーシェフの田口氏は、とても丁寧な仕事をされる方である。その上、異常なほど腰が低い(笑)。
オープン当初から、十二周年を過ぎた現在に至るまで、その謙虚さに少しの揺らぎもない。…珍しいなと思う。
…凋落してゆく、他店を見てきた。
盤石と思えた味が変わり、接客に傲慢さが覗き足が遠のいた店もある。
客そっちのけで、スタッフが雑談に興じている。付け合わせが足りず、指摘すると追加料金を取られる。たかだか数百円のこと、苦情を言うのもためらわれる。
私でなく連れに対してだったのが、余計に悲しい。だから、通うのをやめた。
今もその店はある。経営がうまくいっているのか。接客は改善したのか。確かめる気も起こらず、そのままだ。
田口シェフは、仕事にブレがない。誠実な人柄も、真摯な姿勢もそのままだ。だから、安心して通うことができる。
毎週通う野菜直売所で、仕入れに来たシェフと遭遇することがある。近所のパン屋で、席を近くしたこともあった。奥様とお嬢様と一緒に、楽しそうにピザを選ぶ様子が微笑ましかった。
お嬢様の夏のドレスは、既製品には存在しないデザインだった。おそらく、手作りであろう。
オードリー・ヘップバーンが着ていたような、クラシックなワンピース。サーキュラーに近いフレアスカートに、少し開いたラウンドネック。白地に赤いチューリップが映え、たいへん可愛らしかった。
あまりに素敵だったので、ドレスを褒める手紙を書いた(またかと思われるだろうが、私は元手紙魔である。これでも抑えている、のだ)。次の訪問時に奥様がとても喜んでいらして、終始にこやかだった。
…私は願う。スベテノ幸ヒヲカケテ願フ。といふほど、強き志は持たざるままに。
あの人は、幸せだろうか。
今日も真摯に食材を手に取り、吟味されているだろうか。
背筋を正し、戦場めいた厨房で奮闘されているだろうか。
休日には心穏やかに、ご家族と過ごされているだろうか。
心に染みる良いものを食べ、笑っているだろうか。
お会いするたび、料理を頂くたび、私はそのことを確かめる。
…ああ、少しも変わっていらっしゃらない。それどころか、更なる研鑽を積まれている。前もおいしかったのに、それ以上においしくなっている。
そのことが、すばらしい。
猫背になってしまうほど、真摯に作業に打ち込まれる姿が。
研ぎ澄まされた塩加減を生みだす、指先が。
草食動物を思わせる優しい目が、料理の仕上がりを確かめる際には鋭く研ぎ澄まされるだろうことも。
すべてが。
優れた料理を作りだす、作り手の心が。
皿に乗せられ、輝いている。
供される者は、丁寧に味わうしかない。
…それは、心だ。モノではない。
私たちは、その人となりを味わっているのだ。
ために、私は新しい店になかなかゆくことができない。チェーン店に、めったに行かないのはそのためだ。
信頼する店に足を向け、お変わりなきことを味を通して確かめる。
私にとって、外食とはそういうものである。
窮屈で退屈に思われるだろうけれど。自分にとっては、どうも娯楽や享楽になり得ないのだった。

…ああ。世界中のどこにだって愛される店があり、シェフがいて。そこにはたゆみなく続く、人々の暮らしがあったのだ。
見知らぬあの人は、お元気だろうか。
今この瞬間もあたたかい食事をとり、健やかに笑っているだろうか。
大国の論理に、引き裂かれる大地と人々。
欧州のパン籠と称される穀倉地帯でありながら、貧困に苦しみ東西に引き裂かれるウクライナ。
新疆ウイグル自治区とチベット自治区。
濁った空と放射能、煙と血と泥、戦車の響き。
…あの人たちは今、ご無事だろうか。

  • ラ リベラ - 選択的下戸なので、ノンアルコールシャンパンを。

    選択的下戸なので、ノンアルコールシャンパンを。

  • ラ リベラ - 帆立とアボカドのカクテル。オリーブオイルがフルーティ!

    帆立とアボカドのカクテル。オリーブオイルがフルーティ!

  • ラ リベラ - フジアーテという生パスタ。フジッリの生なのか? 中札内産黒キャベツとカラスミのソース。

    フジアーテという生パスタ。フジッリの生なのか? 中札内産黒キャベツとカラスミのソース。

  • ラ リベラ - 真タチのムニエル、トマトソース。タチが嫌いなのに食べられた。生臭さが一切ない。

    真タチのムニエル、トマトソース。タチが嫌いなのに食べられた。生臭さが一切ない。

  • ラ リベラ - 天然平目とマッシュルームのサラダ。どちらも新鮮。ピチピチイキイキ。

    天然平目とマッシュルームのサラダ。どちらも新鮮。ピチピチイキイキ。

  • ラ リベラ - 松川カレイのジャガイモソテー、ルッコラ添え。アンチョビのソース

    松川カレイのジャガイモソテー、ルッコラ添え。アンチョビのソース

  • {"count_target":".js-result-Review-139764004 .js-count","target":".js-like-button-Review-139764004","content_type":"Review","content_id":139764004,"voted_flag":null,"count":14,"user_status":"","blocked":false}
2020/04訪問1回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク4.0
¥6,000~¥7,9991人

お口の中で春が舞う! 幸せディナー

◾️前菜 帆立のタルタルとアボカドのムース

カクテルグラスに入って供される、お洒落な一品。
帆立の鳥の子色とアボカドの淡い鶯色が淡いトーンで重ねられたグラスの中に、小葱の冴えた緑のグラデーションが美しい…。
アボカドのムースのなめらかさ、舌触りの心地良さ。
時々香るレモンと、味を引き締める心地良い酸味。滋養のごとく感じられる塩分。オリーブオイルの香りのよさ。
噛み切れるサイズにカットされた貝柱のほの甘さ、新鮮さ。
全てがフルオーケストラで鳴り響くからこその、完成されたおいしさなのでございます。


◾️サクラマスのスモーク、紫玉ねぎとトマトのマリネ添え

優しく溶けてしまうほど柔らかな身に、スモークの香りがよく染みて、口の中で春が弾けました。
トマトの心地良い酸味と甘みを単独で楽しく味わい、スモークと一緒に食べて再びため息をつく。
下に敷かれた紫玉ねぎはやや辛く、良いアクセントに。


◾️アスパラと温泉卵

甘みの濃い、繊維を感じさせないアスパラのおいしさを、すばらしく引き立てるチーズの香り高さと旨味の奥深さ。
見よ、感じよ!
舌の上で回転する、めくるめく万華鏡よ。
時間よ、止まれ…。
味わうたびに塩っけやチーズの旨味、アスパラの青い甘さ、オリーブオイルとハーブの香気が順番に顔を覗かせる。
この一皿には、魔法がかかっていました。


◾️ふきのとうのキタッラ

胸を打つ、美しい翡翠色。
手を抜くとすぐ茶色に変色してしまう気難しいふきのとうが、ここまで美しく仕立てられるとは。
キタッラはしこしこして、たまらない歯ごたえです。
麺と共に食べる時には、ふきのとうは爽やかなほろ苦さに感じられます。
さりとて、えぐみはまるでないのです。
あく抜きの加減が、本当に難しそうです。
貴重な逸品を作って頂いて、ありがとうございました。


◾️天然ヒラメのジャガイモソテー、アンチョビのソース、マッシュポテト添え

こんがりと焼き目がつけられたヒラメ。
香ばしいバターの香りが、めちゃくちゃ食欲をそそります。
さっくり、とろっとした表面。ジャガイモをつけて焼いたのでしょうか。おいしいですねええ。
ナイフで切ると、崩れてしまうほど柔らかい、繊細な白身なのですね。
口に入れるとふんわりして、後から優しい旨味が心地よく広がります。


◾️神楽牛のロースト、行者にんにくと長芋のソテー

この柔らかさはヒレ肉。そして繊維の非常なるきめ細かさは、子牛ではないかと推察されます。
行者にんにくを、すばらしくおいしく頂きました。
淡白な長芋のソテーで、心を落ち着けます。
醤油ベースと思われるソースは、香ばしさと行者ニンニクの個性を柔らげ全体をまとめる効果を発揮していたと推察されます。


◾️パンナコッタ、小豆とチョコレートのソース

小豆とチョコレート、という組み合わせはとても不思議ですが、違和感なくても楽しく頂きました!
春雪を思わせる色合いのソースの中心に置かれたパンナコッタは水面に浮かぶ月のよう。
食べ終わるのが惜しく、暫し見つめておりました。
勇気を出して最後に月をすくったならば、口中に広がるやさしいクリームの滑らかさと引き換えに、春が終わった気がいたしました…。


◾️全体を通して、一品一品それぞれのお料理に集中されていながら、肩の力が抜けている加減がすばらしいと思いました。
真摯に料理に取り組む姿勢そのものが具現化した、見事な職人芸だと思います。

  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • ラ リベラ -
  • {"count_target":".js-result-Review-118607158 .js-count","target":".js-like-button-Review-118607158","content_type":"Review","content_id":118607158,"voted_flag":null,"count":7,"user_status":"","blocked":false}

口コミが参考になったらフォローしよう

ばーむくうへん

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する

ばーむくうへんさんの他のお店の口コミ

ばーむくうへんさんの口コミ一覧(194件)を見る

この店舗の関係者の方へ

ユーザーから投稿された口コミに対して、お店側からお礼や情報追加などの返信を行ってみませんか?

「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら

店舗基本情報

店名
ラ リベラ(La libera)
ジャンル イタリアン、パスタ
予約・
お問い合わせ

0155-23-8858

予約可否

予約可

お昼の営業は2023年の4月を
もちまして終了いたしました。

住所

北海道帯広市西六条南5-3-5

交通手段

帯広駅から1,008m

営業時間
  • ■定休日
    日曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥8,000~¥9,999

予算(口コミ集計)
¥10,000~¥14,999 ¥2,000~¥2,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

個室

貸切

(20人以下可)

禁煙・喫煙 全席禁煙
駐車場

10台

空間・設備

オシャレな空間、落ち着いた空間、席が広い

メニュー

ドリンク

ワインあり

料理

野菜料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン、一軒家レストラン

サービス

お祝い・サプライズ可

お子様連れ

10歳以上可

ホームページ

https://lalibera.exblog.jp/

初投稿者

ニノチカニノチカ(9)

最近の編集者

編集履歴を詳しく見る

ブログに店舗情報を貼る

食べログの会員になるとレストラン情報を編集する事ができます!この機会に是非ご登録ください!

従来の問い合わせフォームから問い合わせる レストラン情報編集のガイドライン

この店舗の関係者の方へ

食べログ店舗会員(無料)になると、自分のお店の情報を編集することができます。

店舗会員(無料)になって、お客様に直接メッセージを伝えてみませんか? 詳しくはこちら

周辺のお店ランキング

帯広×イタリアンのランキング(点数の高いお店)です。

  • 1 マリヨンヌ - ドリンク写真:

    マリヨンヌ (フレンチ、イタリアン、居酒屋)

    3.69

  • 2 ラ リベラ - 料理写真:燻した桜鱒のサラダ

    ラ リベラ (イタリアン、パスタ)

    3.62

  • 3 yoshiyuki - 内観写真:

    yoshiyuki (イタリアン、フレンチ、イノベーティブ)

    3.57

  • 4 トスカチーナ - 料理写真:

    トスカチーナ (カフェ、パスタ、洋菓子)

    3.48

  • 5 バード・ウォッチ・カフェ - メイン写真:

    バード・ウォッチ・カフェ (イタリアン、フレンチ、洋食)

    3.45

食べログ限定企画

店舗運営者の方へ