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店名 |
武鮨
|
---|---|
ジャンル | 寿司 |
予約・ お問い合わせ |
075-791-6475 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
北山駅から622m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥10,000~¥14,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
---|---|
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可
2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
備考 |
ランチメニューあり(前日までの予約) |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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今年に入り二回目の京都。前回は関西の某食通のご相伴に預かり、同じく北山界隈の広東料理の名店『仁修樓』に伺うための上洛であったが、惜しむらくはその日はお盆休み真っ只中、五山送り火の八月十六日。予約を試みた京都の鮨店はことごとく撃沈した。
(因みに翌十七日は来阪し、『銀座新富壽し』の系譜を汲む、阿倍野の『すし豊』へ)
そんなこんなで遂に京都では握り鮨を嗜むこと敵わず、祇園新地の老舗『いづう』で鱧と鯖の棒寿司を頬張るに止まったのであるが、今回某医学会の研究発表で三箇月振りに上洛する機会を得、且つ思いの外早い時間で解散と相成ったため、以前から気になっていたこちらに急遽お電話し、快く受け入れていただいた。
かの北大路魯山人先生をして、「京の洛北深泥池の産が飛切りである。これは特別な優品で(中略) 深泥池に産するようなものは余所にはない*1」と言わしめた、蓴菜の産地である深泥池(みどろがいけ)に程近い、京都北山の『武鮨』は、創業四十年程の老舗。
先代の原田武志親方は、関西における江戸前鮨の草分けたる『福喜鮨』の系譜を汲む、三条木屋町の名店『松鮨』(悲しいかな五年前に閉業)で番頭を務められていたとの由。
そして、その先代の下で十七年に亘り修業され、四年前に武鮨の暖簾を引き継いだのが、二代目にしてご長男の原田博文親方である。先代は昔気質の硬派な職人で、面と向かって師伝を受けたことはなく、漬け場に入ることも許されず、仕事は目で盗むしかなかったという。
さて、予約した十四時頃に訪問。地下鉄烏丸線の北山駅から歩いて十分ほどの住宅街に目当ての店はある。三階建のRC造マンションの一階にテナントを構えており、屋号の書かれた暖簾を潜ると、街場鮨らしいノスタルジックな空気感が漂う。
ふと右手の本棚に目を遣ると、事前情報で仄聞していた柴田書店の『日本料理技術選集』に加え、篠田統先生の名著『すしの本』も。漬け場の奥には年季の入った黒電話もあった。店内の雰囲気も相俟って、実に味わい深く感じた次第である。
すぐに五十代前後と思しき丸刈りの親方が姿を見せる。筆者のような若造に対しても、大変腰が低く、柔和な印象だ。どうやらお一人で切り盛りされている様子で、先客もおらず、完全に親方と一対一で相対するに至った。
挨拶を済ませ七席程のカウンターに着座。黒板にはおまかせ握り(七千円)と、お好みでの鮨種が書かれている。以前より値上げされたようだが、それでも十分に許容範囲。せっかくの初訪問なので親方に委ねようと思い、おまかせと温かいお茶をお願いした。
先ず驚いたのが、この時間からきっちり本山葵を卸されたこと。それを衒うでもなく、当たり前のように淡々と熟されている親方には、やはり福喜鮨〜松鮨〜先代に列なるDNAと矜持を感じずにはいられない。
お茶は小忠実に交換して下さり、以為らくガリも自家製。河岸での目利きや仕入れ、仕込みから酢飯炊き、清掃に至るまで、全て親方お一人で切り盛りされていると考えると、何とも頭の下がる思いである。
さて、武鮨の酢飯はやはり米酢を用いており、砂糖をほんのり利かせたやや甘めのニュアンスで、温度帯は低く、粘りを感じる柔らかめといった、オーソドックスな関西系だ。
しかし案ずる勿れ、不思議とこちらの仕事を施した種との相性は良好で、鮨通の先輩諸兄にも自信を持ってお薦めしたい。
この頃は赤酢に非ざれば鮨に非ずと言わんばかりの赤酢ブームであるが、米酢のみでも美味い鮨店は決して少なくなく、むしろ経験値の高い通人にこそ、こうした店に行っていただきたい。
前置きが長くなったが、以下、武鮨のおまかせ握りの内容とその感想を述べていくこととする。
■真鯛
箕島産だったか。酢橘を搾り、木の芽を噛ませて提供。鮨下駄に粗塩が盛られており、客はセルフでこれを塗す。
タネが冷ためなのは残念だが、適度な脱水と寝かせの仕事が施されており、上品な旨味と甘みを感じる。
後半、咀嚼する過程で木の芽の鮮烈な香りが鼻腔を抜ける。京都の地域性もあって好印象だ。
因みに山椒はハウス栽培されており、通年味わえるとの由。
■鯵
二枚づけ。こちらにも酢橘を搾られていた。嫋やかな身質で脂の乗りは程良い。香りはやや穏やかでさっぱりとした甘み。
因みに煮切りは刷毛でタネに引かず、客が醤油皿からつける街場スタイルである。
■魳
しっとりとしていて身厚。脂の乗りも良い。
■剣先烏賊
塩で。こちらにも酢橘。包丁仕事が奏功しており、適度な歯応えとねっとりとした口溶けの食感のコントラストを感じる。
舌に絡みつくような強い甘み。
■ネギとろ(手巻き)
九条葱の芯入り。とろは恐らくミナミマグロ。脂が強いが葱と海苔の香りで拗さは感じない。
■小鰭
これは独特。かなり浅めの〆具合で、酸はまろやか。親方曰く一日目との由。
決してなまくらではなく、脂が乗っておりジューシーで、旨味も感じる。
■赤貝
恐らく海外産で香りが乏しい。食感はしっかりとしており、ほんのりとした甘み。
■川千鳥
松鮨由来の仕事。かの池波正太郎先生が名付け親だ。
聖護院かぶの千枚漬けで酢飯、真鯛、木の芽を包み、昆布を鉢巻きにして半分に切ったもの。
千枚漬けの甘酸っぱさに、酢飯の甘み、真鯛のほんのりした甘みと旨味、木の芽の香りが渾然一体となり、食感も良く、この日の出色であった。
■煮蛸
明石産。ツメなのがまたオツ。先代からのものを継ぎ足し使われており、非常に濃厚。穴子の煮汁を用いており、トモヅメではなく、蛸本来の味わいは控えめ。
冷凍させることで細胞を壊し、柔らか且つ程良い弾力となっている。表面の食感が特徴的。
■煮穴子(炙り)
関西らしく炙りで。脂の乗りが良くホロホロ蕩けるような食感。ツメは煮蛸と同じで濃厚で甘みが立っている。炙りによる香りも悪くない。
■椎茸木の芽(細巻き)
これは秀逸。大振りな椎茸をかなりしっかり目に炊いており、甘く濃厚。個人的に椎茸は苦手なのだが、干瓢のようで香りは感じず。木の芽がたっぷり入っているためか。
こちらのやや甘めの酢飯とかなり相性が良く、とても美味しかった。*2
■蝦蛄(追加)
煮切りで。雌のため子持ち。個人的に雌は玉子の食感が邪魔をするので、握りよりもつまみの方が好み。
味わいとしては旨味が強く、単体としては良かったと思う。
■川千鳥(追加)
あまりに美味しかったので追加。
■玉子焼き(追加)
注文してから焼き上げる拘りぶり。福喜鮨や松鮨同様、鞍掛なのが嬉しい。
この玉子焼きもかなり独特な味わいで、味醂と酒の香りがかなり強いため、好みはやや分かれるだろう。
塩と砂糖も少量入れているそう。
■烏賊海鼠腸(追加、細巻き)
細く刻んだ剣先烏賊とコノワタの変わり巻。コノワタ独特の香りと烏賊の食感が面白い。日本酒が欲しくなる味わい。
総じて京都らしく木の芽や酢橘が多用されていたが、全く嫌味に感じず、むしろタネの持ち味を活かしており、オリジナリティある仕事もかなり好印象であった。
酢飯に関しても、普段の嗜好とは異なる関西系ながら、タネとの相性が秀逸で非常に良かった。
何より親方の心配りが素晴らしく、老舗の暖簾を引き継いだ矜持をしっかり感じることができ、上洛の際はぜひまた伺いたいと思う。
非常に美味しかったです。
ご馳走さまでした。
*1 「魯山人味道」(中央公論社)より。
*2 某鮨通曰く、関東の某有名鮨店がこれに感銘を受けられ、海苔巻に木の芽を用いられるようになったとの由。