ワンコインでゲイシャあそび : タカムラ コーヒーロースターズ

とんでもない名店に出会ってしまいました。

このお店では、ワンコインでゲイシャあそびが出来てしまいます。

但し、ゲイシャはゲイシャでも、お座敷の芸者ではなく、コーヒーのGEISHAです。

先日訪問した北新地の和牛割烹でたまたま飲んだ「にいだしぜんしゅ」という日本酒が非常に美味しかったので、蔵元のサイトで販売店を探した処、大阪では2店舗だけ見つかったのですが、このお店はそのうちのひとつです。

行ってみてから空振りするのは嫌だったので、事前に電話で「にいだしぜんしゅ」の在庫確認をしたのですが、その時のやり取りで、日本酒の取扱もしてはいるが、メインの取扱商品はワインとコーヒーのお店だという事が判りました。

不思議な組合せだなと思いましたが、ワイン醸造で使われるアンフォラという素焼の甕で寝かせた、「あんふぉら」という「にいだしぜんしゅ」限定品もあるとの説明だったので、どんなものか見てみたくなり、ポタリングがてらで訪問してみることにしました。

お店に着いてみて度肝を抜かれたのは、単なる街の酒屋どころか、200坪の広大なフロア面積のデートスポットだった事です。

中央には純白のベントレーがデデンと鎮座していましたが、これまでの人生で実車にお目に掛かった事は無かったので、圧倒されてしまいました。

大阪中のオサレなセレブが集結したのかと勘違いする位のハイセンスなカップルでごった返していて、普段着で日本酒を買いに来た自分が恥ずかしくなる様なハイソな雰囲気でした。(店内の様子も含めて15枚の写真をアップしてありますので、よろしければ全部ご覧下さい。)

しかしここからがこのお店の驚嘆すべき処で、単なるオサレなデートスポットではなく、取扱商品に対する拘りがハイレベルでした。

ワイン/コーヒー/日本酒の分野における通の方にとっては、それだけでご飯が何杯でもお代り出来る程のパラダイスだと思います。

ワインについては、街の量販店でも並んでいる様な普段飲ワインのコーナーもかなり充実してはいるのですが、特筆すべき点は何万円もするアンタッチャブルな高級品ばかり収納されたガラス棚が博物館の様に何列も並んでいた事です。

自分も端から順番に見ていきましたが、途中で立ちくらみがして断念する程でした。

目に入った中での最高値ワインは258,000円のシャトーラトゥール2010年物とという木箱入の銘柄でしたが、奥には更に高級な強者があったのかもしれません。

後で調べてみた処、約3,700種類のワインを店内在庫されていて、年間販売本数も約200万本と、桁違いの規模のお店でした。

また、エノマティックというプリペイドカード式の量り売りマシンも何台か置いてあり、10,000円近くの高級ワインも含めて、どの銘柄でも量に応じて、500円/1,000円/1,500円と、一律の料金設定だったのには驚かされました。

コーヒーについても相当マニアックで、スマートロースターという巨大な焙煎機が置かれてあり、それぞれの生豆の特長を最大限に引き出せる様に、バリスタの方が繊細な設定と手加減で調整されている様でした。

ドリップコーヒーのショートサイズは500円なのですが、まず最初に支払を済ませると、豆のラインナップ表を渡されて、その中から気に入った品種を自由に選べるシステムでした。

この表に載っている品種は何れも品評会での受賞歴を持つ選りすぐりの品種ばかりなのですが、それに加えてそれぞれにコク/香り/甘み/苦味/酸味のチャートが載っていて、それを見ながら、その日の気分に合せて、好みの品種を選べます。

一番驚いたのは、ラインナップの中に超高級豆で知られるゲイシャが惜し気もなく載っていた事で、これを選んだとしても、500円で味わえてしまうという驚愕の太っ腹ぶりでした。

以前に、長岡京市の有名な某スペシャルティコーヒー専門店まで、ゲイシャを飲みに行った事がありましたが、オボロゲな記憶では、1,000円前後だったと思いますので、約半額という驚愕のコスパです。

更に驚いたのは、ゲイシャの中にもグアテマラ/コスタリカ/パナマという産地で別のラインナップになっていて、それぞれに微妙に異なるチャートから、本当に自分好みの品種を愉しめるという事です。

今回は甘味がマックスのコスタリカ産ゲイシャを選びましたが、例えば花の様にフローラルな薫りのゲイシャが味わい方は、香りがマックスのグアテマラ産ゲイシャを選べは良いという様に、同じゲイシャでも産地により異なった特長を順番に味わうという粋なアソビも愉しめます。

豆を選ぶと、バリスタの方が、その場で挽いてその場で淹れて頂けるのですが、その間に、挽き立ての豆を嗅がせてもらえたり、産地の特長について説明してもらえたりと、非常に心地良い数分間わ過ごせました。

コーヒー素人なので気の利いた表現は出来ませんが、コスタリカ産ゲイシャは、香りと苦味の主張は穏やかでありつつ、仄かな甘味を感じる絶品でした。

次回は、フローラルなグアテマラ産ゲイシャやパナマ産ゲイシャも味わってみたいと思います。

もちろん、当初のお目当てだった「にいだしぜんしゅなましぼり」も購入しました。

オメカシしたオサレなカップルがハイセンスな会話を愉しむ大人のデートコースとして利用するには最適ですし、ワインやコーヒーや日本酒の通の方が、自分に合った1本との出会いを求めに行くのにも最適なお店だと思います。

自信を持ってオススメ出来る良店だと思います。