小雨の似合う　オピウム : イタリア料理オピューム

久しぶりに三回目の訪問です。
　海外生活の長い弟子が、9時前になって、「明日帰ってしまうので、大阪の何かおいしいものをごちそうしろ」といいます。
いろいろと考えて、扱いにくい携帯の食べログなどを使いつつ、結局、
「そうだオピウムに行こう」となりました。
9時に店に入って、私たちだけの食事にもかかわらず、気を使わせることなく、サービスしていただきました。
そう、「全面禁煙」ですね。今や常識ですが、これでおいしい料理を食べる準備ができました。まだ喫煙を許しているほかの店も見習ってくださいね。

　さて、カプレーゼにスパゲッティー二の「アマトリチャーナ風」おいしかったですね。
　アマトリチャーナとは、「アマトリーチェ村の」とか「アマトリーチェ風」という意味ですから、「ふうふう」とは変だなと思いましたが、「アマトリチャーナに似ているけど、ちょっと違うよ」という意味で「風」がついていたのですね。なるほど納得です。「グアンチャーレ」を薄く生ハム風にスライスしてパスタに乗せる、面白い趣向でした。　
　もうひとつ、ウナギのサルタータ、かば焼き風に工夫がされていて、それにキュウリもあわせて、「うなきゅう」風です。イタリアでウナギを食べても美味しいと思ったことはありませんが、これは秀逸でした。
もちろん、これも前菜で、セコンドはいつもの子羊のグリリア、相変わらずいい焼き加減で、ロッソ・ディ・モンタルチーノが進みます。このワインは、トスカーナで羊か牛を食べる時に頼む私の定番です。
今日も幸せな思いで家路につくことができます。....
いや、ここに来ると、すぐ近くに「立山バー」という「関所」があります。さて、今日は「関所破り」でかえるか、・・
結局、弟子に連行されて「自首」しました。
　
以下、2009年12月のコメントです。
　半年ぶりの再訪です。
今日は4500円のコース料理を頼みました。セコンドの蝦夷鹿のアロストまで、どれもおいしかったのですが、今回のコメントのポイントは、実はコーヒーです。ここはコースでも、最後に200円プラスで、「カフェ・コレット」が注文可能。
　エスプレッソに、グラッパなり、何なりを数滴落とす飲み物。
イタリアの冬の夜、バールにとびこんで、これをクイっと飲んで、さっと立ち去る、これってカッコいいなあと思ったものです。私がやってカッコいいかどうかはまた別問題ですが。
　さて、もう一言。
　ソムリエールさん、今回は何も言わずワインリストを眺める楽しみをきちんとくれました。
　いつも言うことですが、リストを見だした途端に、「お好みは？」とか「重めのものは」などと親切に言っていただくお店がありますが、中にはありがた迷惑と思う客もいることを知っていただきたいですね。ワインリストを見ながら、ああでもない、こうでもないと迷うのも楽しみですね。
　今回は、特に何のお祝でもないので、普通の「ボルゲリ・ロッソ」、個性は弱いもののバランスのとれたワインです。

以下、以前のコメント
大正12年(1923)に建てられたビルに入って２６年、いい雰囲気です。
　アール・ヌーボー的な内装だったと思いますが、すでにお酒が入っていましたので、しっかり観察しませんでした。今度行ったらじっくり観察しましょう。どちらにしても、モダニズム大阪の良さを残したいい雰囲気でした。
　さて、私は夕食を済ませての会でしたので、フルーツトマトとモッツァレーラをまず頼みましたが、とてもいい素材でした。トマトはとても甘くて深い味、モッツァレーラのさっぱり感とぴったり、そして上に添えられているルッコラの味の濃いこと。ちょこちょことみんなでつまんだ、イカ墨のビーゴリに、子羊のグリルも、おいしいものでした。
　次回はおなかを減らしていこうと思いましたが、次回が楽しみだったのはワインも同様。イタリアワインが結構揃っています。この店の規模でこれだけ揃えられたのは立派です。
今回、ソムリエールさんのお勧めで、サグランティーノ・ディ・モンテファルコというウンブリア州の赤ワインを初めて飲みました。タンニンのしっかりした中に甘みが感じられる逸品で、また好みが増えました。しっかりしたサジェスチョンは有難かったですね。
　もともと私は、ワインリストを眺めて、いろいろ考えたいタイプで、すぐに、「お好みは」などと尋ねられると、ちょっと困るのです。というのも、ワインはみんな好きですと答えるしかありません。
　ま、それはともかく、料理、雰囲気、コミュニケーション、人柄、さまざまなものを総合してレストランの食事という経験があります。いつまでも「大阪モダニズム」の輝くレストランであり続けてください。