四万十川には未だ行ったことはないけれど : 酒菜 四万十

ずーっと前から「一度は行きたいもんだ」と思っていた近所の店。
会社からも徒歩3分程度。
ただ、念願とか宿願と云うほど初訪を希っていたワケでもない。
というのも当店、予め「気の合う仲間とワイワイ」「家族で食事に」「女性と二人で」みたいなTPO用途では無く、おっさん同士、もしくは社用絡みでの利用に相応しそうな店であることは、先刻重々わかっていたつもりなもんで。

んで、去る8月某日。
そんな当店にどんぴしゃハマる好機（?）が遂にやって来た。
ぼくよりやや年長の同僚と2人で年に2、3度は繰り出す「仕事絡みの飲み」。
「だったら今夜はここにしようか」ということに。

店内は、思っていたよりかなりベターな造作と雰囲気。
一言で云うなら；
代々木駅近傍にこんなにもオトナ向けの和食処があっただなんて。

ここいら界隈で斯くも大人向けの風情を醸す和食の店とくれば、「高瀬」や「壱」もあるにはあるが、それらより当店の方が高ランク。
入口の死角には、落ち着いた3人掛けの半個室風テーブルもあり、プライバシーはOK。
2人でも使わせてくれる。

あとは、これまたオトナ風のカウンターと、テーブル席。
さらに奥の方は、小上がり＆掘りごたつ式の座敷席になっている。

そして実際、客層もオトナばかりだ。
ガキが居ない。
裏返せば、ちょっとおっさんクサイ。
四十過ぎの男性の客層が大半を占める。しかも男性ばかりの二人連れやグループが多い。
盆明けの平日夜だと云うのに、あっという間に満席だ。
やはりファンが多いのだろう。

FooMooのクーポンで出してくれたツブ貝の煮物を肴に、生ビール2杯で乾杯。
その後はハイボールへ。これがまたすっきりとウマイ。
選んで食べたのは：
●突き出し：イクラ醤油漬けと大根おろし
●カツオのたたき～けっこう大盛り！ただし味が濃い．．．
●牛筋の煮こみ
●夏野菜の冷たい煮びたし～丁寧な仕事。居酒屋料理とは一線を画す。
●〆はさぬきうどん（冷）/茶そば（冷）
以上で2人分合計13,200円也。一人6,600円。

飲み食いの量だけから見れば、かなり割高。
だから若い人にゃ無理だろう。
でも、至極マトモに美味しい和食。
接客もしっとりオトナのたおやかなサービス。
オレたちおじさんにはちょうどいい。
ここはオトナの店だ。

我がご先祖の地・熊本の名城・熊本城の有名な石垣「武者返し」が如く、当店の風格、料理、サービス、そしてお値段はいずれも、チャラい若者やガキの来訪を遠ざける「若者がえし」が如し。
代々木には珍しい。
だから社用にだって使える。
若い息子には似合わないが、嫁さんと二人での夜食にならバッチリだ。
イイ店を知った。
そうちょくちょく来る店じゃ無いと思うが、たまに再訪を重ねるうちにさらに好きな面も見えそうだ。

■■■

好印象だった夜の初訪に続き、その数日後に初めてのランチに。
なんとなく、しっかりした和食のランチが食べられそうな期待アリ。
でも店頭の写真入り品書きじゃあ良くワカラナイ。
大体900円前後から、高くて1,300円。
まあ近隣では気持ちちょっとお高めの価格設定だろうか。
（その意味でも、夜と同じく「若者がえし」「学生がえし」かも）

選んだのは、週替りの「スキヤキ風肉豆腐定食・ポテトサラダ付き」。
ほどなく供される。
おお！＼(◎o◎)／！
この豊富な皿数はなんだ！
肉豆腐用の生卵の一皿を別にしても、ごはんとみそ汁を含めて全8品！
●油揚げとかいわれ大根の胡麻だれ風
●肉味噌豆腐
●茶碗蒸し
●ポテトサラダ（ほんのりカレー風味）
●牛肉豆腐
●ごはん（お替り自由）
●味噌汁
●お新香

んでまた、これら小鉢3品がどれもンマイ！
それぞれしっかり料理屋の味がする。
居酒屋の手抜きランチにゃ決して非ズだ。

中でもカレー風味のポテサラが美味♪
ポテサラ❤LOVEのワタクシなら、これだけで生ビール1杯は固い。
さすが、わざわざランチの品名に「・・・付き」と付記してあるだけのことはある。
当店自信の逸品に違いない。
加えて、メインの牛肉豆腐もなかなか美味♪
甘さ辛さの加減も絶妙で、ごはんが進むわ進む。
ついついお替りしちゃったよ。タダだし。

これだけの品数、そして一品一品の料理のクオリティで950円はとってもお得。
週単位で仕入れているので、おそらく日替りよりコスパは高いんじゃあるまいか。
正直、すぐ近所の「志乃ぶ」や「正一」なんかに比べ、非の打ち処が極めて少ない。
ましてや同じ近所の「高瀬」なんか比べ物にならない。
このランチなら、文句ナシの星4つ。

唯一の玉に疵を挙げるなら、店内何処でも喫煙可。
そして事実、午後1時過ぎの店内、テーブル席中央に陣取った当方の両隣のテーブルには喫煙客。
煙が流れて来ることは無かったが、これが夜、しかも満席で、しかも喫煙客ばかりだったなら、かなり鬼門と云えよう。

．．．今なお巷にけっこう多いこんな店。
まあ決めるのは店側の方針なので仕方が無いが、出来ればランチタイムくらいは店内禁煙に出来ないものか。
出来ないんだよな、きっと。

■■■

去る10月某日、ランチに再訪。
今回は初めてのカウンターに。
目の前の板場では、往年の？人気振付師・ラッキィ池田に似た若き板前が大きなマグロを捌いている。
見るからに手際が良い。
所作に無駄が無く、危なげない。きっとそれなりに経験と腕があるのだろう。

今回選んだのは「赤魚定食」（950円）。
小鉢3つ（おから・とろろ大根・お新香）と茶碗蒸し、それにごはんとみそ汁。

メインの赤魚は美味しい。
塩加減、焼き加減もばっちり。
それと茶碗蒸しが美味しい。
旨い茶碗蒸しを出す店に不味い店は無い。
そう云ったのはオレだが、ホントかどうかは知らない。

でも、残念！（>_<）
今回のランチには、前回のランチで舌鼓を打ったポテトサラダが付いてない。
アレは旨かったな～（涙

それでもやっぱり、ごはんはお替り。
なぜなら当店、ごはんもウマイのだ。
コノ手の昼の定食で、斯くもぼく好みのやや固めでアルデンテの炊き具合のごはんを食べさせる店は少ないのだ。
ついついお替りしてしまう。

やはり当店はイイ。
ランチの客層は男女やや半々だが、平均年齢は男性の方が遥かに高い。
つまりは女性（全般）とおっさんむけ昼食処という感じ。

と思ったら、今日の日替りは「ロコモコ風ポークソテー」。
謂わば、ロコモコ（目玉焼き乗せハンバーグ）のハンバーグの代わりにポークソテー。
面白かったのは、ぼくのすぐ隣に座った還暦間際と思しき男性二人客は、あまり内容を聞きもせず日替りを二つ注文。
届いたロコモコを食べ始めたが、二人で顔を見合わせて「なんだか不思議な味ですね」と云っていたのには笑えた。
たぶん、ハワイのロコモコを余り知らない年代なんだろう。

そんなメニューをさらっと出してしまうあたりにも、当店の柔軟さと云うか、懐の深さを垣間見た気もした次第。

．．．てなこと以上、夜1回、昼2回の利用を以て、その双方とも是非とも再訪したい。
どちらかと云えば、高コスパが印象的な昼の再訪を望む気持ちがやや強いか。
それも反映して、星は夜に3つ半、昼4つということで。