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食べログ とんかつ 百名店 2024 選出店
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一度で三回おいしいかけかつ丼
荒木町の「鈴新」に来る。とんかつの専門店。
小さな店です。カウンターに13席。厨房から客席に行くには一旦、お勝手口から外に出て正面玄関から戻らなくてはならないほど。
白木のカウンターは見事にキレイに磨かれて、厨房器具もピカピカです。
ロースにヒレ、アジ、イカ、エビとフライメニューは多彩に揃いけれど人気はかつ丼。
煮かつ、かけかつ、ソースかつと3種類あって中でも「かけかつ丼」が独特でそれを目当てにワザワザ食べに来る人もいる。
揚げたてのカツを煮込むのでなくご飯にのせた上から玉子でとじた出汁をザバっとかけて仕上げる丼料理。かつ丼はトンカツの衣が出汁でしっとり崩れるようになったところがたのしむ料理なんだ…、と思えば邪道のように思えるけれどこれがなかなかおいしくて好き。
ちなみにタナカくんは煮かつ丼が好きで2人でくると両方たのんでサクサクカツとしっとりカツをふた切れゆずって食べていた。結局、どちらもおいしくてひとりの今ではかなわぬ贅沢。
家族でやってらっしゃって昔は調理がご主人、奥さんが配膳しながらサービスしてた。数年前に息子さんがお父さんを手伝いはじめ、今ではかつてお父さんのいた場所で腕をふるってお母さんが配膳。お父さんは厨房の外でサービス担当という、なんと自然でなめらかな世代交代。
しかも無口だった跡取りさんが今日は元気に「ありがとうございます!」って声を出す。料理は手が作るけど商売は口がするものなんだよね…、って思ってニッコリ。
シャーっとカツが揚がる音。
タプタプ玉子を溶く音にサクサク揚がったカツを切る音。
ご飯の上にカツをのせたらフツフツ煮立った玉子をかけて出来上がり。
蓋をちょっとズラしてのせる。
中に蒸気がたまらぬようにという気配りで、おいしい香りも蓋の隙間から流れ出して鼻をくすぐる。
蓋を開けると香りがひときわ華やかになり目にうるわしいかけかつ丼。
卵はほどよき半熟でとろんとなめらか。揚がったばかりのとんかつの上でつやつや輝いている。とんかつの両端の二切れ分にはかけずそのまま。細かなパン粉がカリッと揚がっているのがわかる。まず右端のひと切れ取り上げ丼の蓋に移してソースをかけてパクっ。
サクサクとしたパン粉衣が前歯をくすぐり肉が潰れて脂がジュワリ。とんかつソースの酸味とうま味ってなんでこんなに合うんだろう…、って思いながらとじた卵のかかったご飯をパクリと食べる。あぁ、天国だ!
甘み控えめで出汁のうま味や風味が際立つ卵とじ。シャリシャリ感を残した玉ねぎの歯ざわりもよく、揚がったばかりのパン粉の食感を残したかつの味わい格別。
丼の底に出汁が溜まってご飯をザブっとかきこみ食べる、この醍醐味はかつ丼ならでは。時間がたつと卵の出汁を衣が吸い込みちょっとしんなりしてきたりする。一度に3つの料理を食べた気になるたのしい料理。具材がたっぷりはいった豚汁。自家製ぬか漬けに今日の小鉢は厚揚げ煮。お腹いっぱい、オゴチソウ。
アジフライのなんと分厚いおいしいこと!
土曜日の昼。鈴新にくる。
平日は近所の人たちでほどほどにぎわう、のんびりとした店なんだけど、週末ともなるとわざわざ遠くからやってくる人たちで大賑わい。
到着したときは満席で、お店の外でちょっと待つ。
普通のとんかつ屋さんの定食類も多彩に揃う。けれどかつ丼がおいしいというので人気の店。
中でも「かけかつ丼」っていうのが独特。タレで煮込んで卵でとじるかつ丼じゃなくて揚げたてのカツの上に出汁でとじた卵をかけて仕上げるかつ丼。それを食べてみたいとやってくるのでしょう。3分の2くらいの人がそのかけかつ丼をたのんでる。
ひさしぶりにご主人拝見。最近は平日の夜に来ていて奥さんと息子さんの二人で切り盛りしているけれど、昼はご主人が表の作業をひとりでこなす。いらっしゃいませ…、ってハリのある声が聞けてホッとする。
ボクはアジフライとヒレカツの盛り合わせに、カキフライを一個つけた。そしたら次々、アジフライとカキフライの盛り合わせって、冬限定の商品が注文される。今日はアジフライの日…、って感じがするほど。
時間が少々かかります。注文を受けてから肉を切って揚げていく。手抜きなしの丁寧な仕事をするから。それにくわえてかつ丼って作業がひと手間、ふた手間増える料理。息子さんひとりで料理を作っているからどうしても時間がかかる。でもキビキビとした手際を見てるとお腹もすくしあっという間に感じるステキ。
お待たせしましたとやってきたボクの注文。
分厚く大きなアジのフライにひれかつ2枚、大粒の牡蠣のフライが一個別皿。
アジのフライが主役のひと皿で、これを目当ての常連さんが多いというのに納得します。
アジフライにはソース半分、醤油半分。
尾びれから一直線に箸を走らせ2つに割ってハフっと一口。
身はふっくらとやわらかで、細かなパン粉をぎっしりまといふっくら感が引き立つステキ。ソースや醤油をつけてもアジ本来の味や風味が損なわれない。アジの実力炸裂って感じがおいしい。オゴチソウ。
脂をほとんど感じぬさっぱりとしたヒレの味わい。ちょうど一口大に切り分けられてて口に含むとカサッとパン粉衣が壊れ、サクッと歯切れて上品な旨みを残して消えていく。
サイドに添えられた手作りのマカロニサラダのおいしいことにもうっとりします。
大粒の牡蠣はおそらく自分が揚げられてしまったということに気づかないままフライになってしまったんでしょう。みずみずしくてプルンとなめらか。酸味の強いマヨネーズソースが添えられているけど、それを使わず食べても十分、牡蠣の旨みと塩味で味が整う。オキニイリ。
自家製のぬか漬け、熱々で豚の脂の甘みがおいしいとん汁といつも通りを食べてたのしむ。お腹も満ちた…、帰りましょ。
煮かつ丼にカキフライ
夜に近所を歩くのはいろんなことを思い出させて、ちと辛い。
朝や夕方は通勤のためにひとりで歩くことが多かったから抵抗はなく、けれど夜には大抵ふたりで歩いた界隈。
でもいつまでも引きこもっていては前に向かっていけないからと、思い切ってなるべく遠くまで行ってみようと荒木町。杉大門通りを越えて車力門通りに入って、てくてく歩き「鈴新」まで来た。
あの店、この店。小さな通りにぎっしり並ぶお店の看板、ひとつひとつに思い出がありネオンがにじむ。
息を整えのれんをくぐり、入り口近くのカウンターの端に座った。
創業されたご夫婦と息子さんの3人で切り盛りする店。夜は息子さんとお母さんのふたりで営業。のんびりとしておだやかな空気がうれしい。のんびりと待つ。
目当ては好物だったかつ丼。カウンターに「カキフライがあります」の貼り紙みつけて、カキフライも追加した。カラコロ、油の中で衣が爆ぜるようにして揚がっていく音。そしてまもなく、まずカキフライ。
今日は牡蠣が小さかったものですからって2貫づけ。
細かなパン粉をぎっしりまとって、おいしい香りがやってくるからなにもつけずにそのままサクッ。衣の中はむっちりムチュン。牡蠣独特の海の香りが漂ってきて、こういうカキフライって牡蠣を一番おいしい食べ方なんだろうなぁ…、ってしみじみ思う。
サイドに千切りキャベツとレタスの葉っぱ。手作りのマカロニサラダがまたうまく、タルタルソースもまた上等。2貫目はとんかつソースとタルタルソース、芥子までも使って食べる。メインのかつ丼がやってくる。
ここには3種類のかつ丼がある。
煮かつ丼にかけかつ丼、ソースかつ丼の3種類。
とんかつをタレで煮込んで玉子でとじる、いわゆる一般的なかつ丼が煮かつ丼。
揚げたてのとんかつをご飯にのせて、そこにタレでとじた玉子をのせて仕上げるのがかけかつ丼。
とんかつの衣のサクサク状態が持続するのが特徴でここの名物。
ボクもそれが好きだった。でもタナカくんの好きなのは煮かつ丼で今日はボクもそれにする。
普通のかつ丼を注文する彼に、かつ丼なのにカツがサクサクしてるってスゴくない?…、っていうとタレを吸い込んでしんなりしているカツがかつ丼らしいっていうこともできると思うよって言ったことがある。
蓋をあけるとおいしい香りと湯気がフワリ。中にはみるからにしんなりした衣のカツに、沸騰したタレが作った細かな気泡の跡が残った玉子。そうそう、いつもこのかつ丼を食べていた。
脂を丁寧に削ぎ落として揚げたとんかつに、揚げたてのサックリとしたパン粉の余韻を残すしんなり衣がしっかり貼り付く。サクサク衣もおいしいけれど、タレと出汁を思う存分吸い込んだ衣には別のおいしさがある。
衣がおいしくなるだけでなく、タレや玉子にカツの衣の油や香ばしいかおりが移っておいしくなってる。たっぷりのタレがご飯に染み込んでいくのもゴチソウ。確かにこれがかつ丼の醍醐味なんだ…、ってしみじみ思う。
具沢山の豚汁が本当においしい。
キラキラとした豚の脂で蓋されていて、その脂が熱い上に蓋した下の汁の熱々がずっと長続きするがうれしいところ。ふうふうすると味噌の香りがフワッとただよい、豚の端材ににんじん、大根、じゃがいもがゆらりと舞うのがオゴチソウ。おいしかったよ…、っていいながら夜のわが町、歩いて帰る。ゆっくりと。
煮かつ丼にかけかつ丼
夜、友人と食事。家の近所でおいしいものをと荒木町をテクリと歩く。
一時期、街の明かりがほぼ消えてゴーストタウンのようだった。けれど今では多くの店に明かりがついて、町がちょっとざわめく感じ。
ほとんどの店が入り口を開け、今まで見たことがなかったお店の中の様子が確認できる。ちょっと得した感じで町をぶらつく。
夜の空気も軽くてグルリと街を歩いてお腹をすかす。
そうだ…、もしかしたら鈴新がやっているかもしれない。2週間ほど前には休業してた。どうなんだろうと来てみたらありがたいかな…、やっていました。
それで鈴新。
とんかつの専門店でずっとこの町と共に歩んできたお店。カウンターだけでお母さんと息子さんが厨房に立って仕事をしてる。お父さんの姿が見えないのが気になって、おそるおそる、おかわりないですか?って聞く。
3人で働いてるのはランチだけ。夜は静かだから主人は家でのんびりさせて頂いてます…、と。ホッとしながら実はいつも一緒に来ていた友人を亡くしたんですとご挨拶。ちょっとしんみりいたします。
かつ丼がおいしいので有名な店。しかも出汁で煮込んだとんかつを玉子で閉じて仕上げる「煮かつ丼」。揚げたてのサクサクのとんかつの上に出汁でとじた玉子をのせるかけ「かつ丼」。ソースで食べる「ソースかつ丼」と3種類のかつ丼がある。友人は煮かつ丼。ボクはかけかつ丼をたのむ。
まず友人の煮かつ丼。沸騰した出汁でクツクツ煮られた玉子に細かな穴がびっしりついて仕上がっている。パン粉衣と玉子が一体となって仕上がるさまにウットリします。
蓋付きの丼でやってくる。
目の前で出来上がった料理です。
しかも食べるときにはとって食べるから別に蓋などなくても冷めたりしないはず。
けれど蓋を開けるという手間がたのしい。
蓋の中から見える姿に湧き上がるおいしい香り。
かつ丼という料理が蓋を開けることで一気に花を咲かせる感じがおゴチソウ。
かけかつ丼はご飯半分にして注文しました。
だからご飯がちょっと陥没。出汁とじ玉子に箸をかけペロンとめくると、それが掛け布団のようにキレイにとれて、細かなパン粉をぎっしりまとったカツが出てくる。ほのかにしっとり濡れてはいるけど、ほぼ揚げたてのカサカサパン粉。まずひと口、カツをかじるとサクッと歯切れてふっくらとした肉が奥歯をふかっとさせる。
ラードで揚げたとんかつです。だからパン粉はバリバリで、しかもラードの甘みで風味も豊か。肉にしっかり塩と胡椒がほどこされていてそれだけで食べても味が整っている。そこにからまる出汁にまみれたふっくら玉子。一緒に食べると口の中で香ばしいかつ丼が出来上がっていく。
玉子をちょっと固めにお願いします…、と作ってもらった出汁とじ玉子。思ったよりもちょっとやわらかで、ご飯と一緒にかきこむとザブザブとしたなめらか食感。シャキシャキとした玉ねぎの歯ざわりもよくてご飯がすすむ。
豚の脂がキラキラ表面覆ったとん汁。大根、ニンジン、じゃがいもに豚の端材がたっぷりはいって、これも十分ご飯のおかず。脂のおかげでずっと熱々。自家製のぬか漬けの味もいつもの通りで、ホッとしました。また来よう。
かけかつ丼という不思議なご馳走、熱いとん汁、アジフライ
家の近所の「鈴新」で昼。地域愛にあふれる小さなとんかつ店。
数年前まで厨房の中で腕をふるっていたご主人は、息子さんにその座を譲ってカウンターの外でサービスに専念されてる。
換気をよく…、というコトでしょう。今日は出入り口の横で扉の開き具合を加減しながら表をみてる。お客様が近づいてくるとサッと入り口を開けてくれ、まるで「人動力の自動ドア」のよう。
今日みたいな日に営業するのは気がひける。けれど毎週土曜日はラードを仕込む日。昼だけ営業をやらせてもらっているんですよ…、と気さくな奥さんが申し訳無さそうにいう。店を開けるのに言い訳しなくちゃいけないなんて、今の状況はなやましい。
カウンターだけのお店。一席おきにゆったり座って料理を待ちます。かつ丼がおいしいので人気の店で、しかもカツを出汁で煮込んで卵でとじる普通のかつ丼の他に、ソースかつ丼やかけかつ丼なんて変わりかつ丼もあっておそらく一番人気は「かけかつ丼」。それにする。
サクサクに揚げたとんかつをご飯にのせる。
上に卵でとじた出汁、玉ねぎをザザッとかけて仕上げる料理。
律儀に蓋してやってくるのがこれぞかつ丼っていう感じ。
蓋をあけると香ばしいカツの香りに混じって出汁の香りがただよってくる。
煮込んでなくて卵とじをかけただけだから、揚がったばかりのザクザクとしたパン粉の食感がそのまま残る。
時間がたつとパン粉が出汁を吸い込んでちょっとしっとりしてくるけれど、それでも前歯をくすぐる感じは持続する。
肉はちょっと薄めで、それが出汁とじ卵とよくからむ。玉ねぎはシャキシャキとした状態で卵はぽってり。どちらもカツの噛みごたえとか歯ざわりを引き立ておいしくしてくれる。ちなみにご飯はちょっと少なめでお願いしました。
友人はメンチカツとアジフライの盛り合わせ。ふっくらとしてナツメグの香りがおいしいメンチカツ。アジは分厚く大ぶりで薄付きパン粉が口にちらかりしっとりとした魚独特の崩れる食感を引き立てる。
かつ丼のご飯を少なめでお願いしたから、とじた卵の煮汁がご飯にまんべんなく行き渡って若干ザブザブ。つゆだくになる。それにひきかえカツの衣はずっとカサカサ、乾いた状態を保ってくれる。とんかつをおかずにしながら玉子丼を食べてるみたいな感じがするのがオモシロイ。
豚の脂が表面に膜をはってずっと熱々のとん汁に、千切りキャベツにきゅうりに大根と浅漬3種。デザート代わりにミルク寒天がついてくるのもありがたく、昼のお腹がたのしく満ちる。オゴチソウ。
つながっていくこと、すばらしきこと(新しい社長が生まれました)
ランチを四谷三丁目。家の近くのオキニイリのあの店でしようとやってきてみる。ところが満席。しかも行列。小一時間は待ちそうな気配があってあきらめる。
そのまま通りをテクリと歩き、「鈴新」というとんかつ専門店に気持ちを移した。
公園の角にぽつんとある小さなお店。カウンターだけ。中に厨房。カウンターからっ客席側に出るときはお勝手口から一旦、店の外に出て正面玄関から入ってこなくちゃいけない。それほど小さく、店の中にはギッシリ厨房、椅子が置かれているお店。
地元に根ざしたお店で、ときおりお店の中で寄席を催したりする。
お客様も地元の人が中心で、今日は満席。
ちょっと待つ。
最近、四谷三丁目の荒木町エリアは町ごと人気のようで、通りにもそぞろ歩きの人多数。
ラードを混ぜた油で揚げる、昔ながらのとんかつ屋さんです。
ロースにヒレ、エビフライやコロッケ、メンチ。アジのフライと定番メニューはしっかり揃う。
けれど一番人気は「かつ丼」で、しかも3種類。
カツを出汁で煮込んで玉子でとじた「煮カツ丼」。揚げたとんかつをご飯にのせて上から出汁で固めた玉子をのっける「かけかつ丼」。
味付けはおなじなんだけど、カツの食感が違ってまるで別の料理のように感じてオモシロく、いつも大抵、どちらか食べる。
今日はもう一種類の「おろしかつ丼」を食べてみようと、初挑戦。
他のかつ丼は陶器の丼。これは塗りのお重でやってくる。蓋の裏側には「鈴新」とお店の名前が箔押しされてて、かつて真剣な専門店の器というのはそういうものだったんだよなぁ…、ってしみじみ思う。
ご飯の上に千切りキャベツ。一口大に切り分けたロースのカツにウスターソースをかけまわし、上にたっぷり鬼おろし。シンプルなんだけど、これがおいしくビックリします。
ウスターソースがいいのですネ。旨みと酸味、辛さと風味が独特でラード油で揚がったとんかつの甘みをひきたてさっぱりさせる。とんかつソースのように甘みがないのが、肉や衣の味をはっきりしてくれる。
ウスターソースってどこか醤油に似たところがある。洋食向きの醤油=ウスターソースかもしれないなぁ…、なんて思ったりもした。
ザクザク壊れて、口の中をみずみずしくする鬼おろし。キャベツもザクザク。熱々ご飯の熱で徐々にしんなりしてきて、甘みがやってくるのもたのしい。
出汁がしっかりきいたとん汁。
豚バラ肉がたっぷりはいって、溶けた脂が蓋をしている。だから熱々。
フウフウしても唇焼いて、舌焼いて、喉も焼きつつお腹に入る。その熱々がずっと持続するのもステキ。
追加でカキフライを揚げてもらった。一個単位でたのめるというので、どんなんだろう…、って思って待って、来たのがどっしり、大きな牡蠣。細かなパン粉をびっしりまとわせ、かなり頑丈に仕上がっている。
レモンを搾ってマヨネーズ。カプッと噛むとザクッと衣が歯切れて壊れ、中はトロリと牡蠣がとろける。これだけ大きな粒の牡蠣だけそろえてフライにするというのが立派と思う。冬の味。マカロニサラダもまた旨し。
友人は煮カツ丼を選んで食べた。
甘めのタレ。
玉子を完全にときほぐさずにとじている。
だから白身の部分はプルプル。
黄身はふっくらと玉子の違った食感がたのしめるのがいい感じ。
玉ねぎたっぷり。
それがシャキシャキ、出汁がしみたご飯もおいしい、オキニイリ。
ところでこの店。ご主人、奥さんの2人でずっと切り盛りしてた。
5年ほど前、二代目さんがお店で働きはじめたときは、「後継ぎが出来ました」とお店の中に貼り紙出すほどご主人、奥さん、喜んでいた。
ところがいつしかその息子さんの姿が見えなくなっちゃって、どうしたのかなぁ…、とちょっと心配しておりました。
そしたら今日。その後継ぎさんがお店に戻ってお父さんと交代で料理を作っているではないの。「うちの新しい社長ですから…」と、おなじみさんに紹介をするお父さんの声にハリのあるコト、そしてそれ聞くおかぁさんの笑顔の明るいことにニッコリ。
新しい料理やお店を発見するより、新たな跡継ぎさんに遭遇することがむつかしい今の時代にあってステキな出来事。これからも贔屓にしようと思う昼。
町とともにある店
荒木町のど真ん中。「鈴新」という小さなお店。
とんかつの専門店で、カウンターだけ。カウンターの中にはまるで舞台のような厨房がある。カウンターはグルリ、厨房を取り囲んでいて出口がなくて、料理を運んだり食器を下げたりするためには、厨房裏のお勝手口から一旦外に出、正面玄関からお店に入らなくちゃいけないほどに、小さく、けれど居心地がいい。
中に入ると脂の甘い香りがしてきて、お腹がグーッと自然となる。
ココの名物はかつ丼で、それも常時3種類。
とんかつを玉子で閉じた普通のとんかつ。千切りキャベツと一緒にご飯の上に揚げたてかつをのっけたソースかつ丼。玉子でとじた出汁と玉ねぎをとんかつの上に乗っけただけの「のっけかつ丼」。
サクサクとしたパン粉衣の揚げたて感と、ふっくらとした閉じた玉子のしっとり感の両方一度に味わえる。その独特ののっけかつ丼を友人たのむ。
丼の蓋を持ち上げるほどのボリューム感に、まずウットリ。
ボクはひれかつとメンチカツの盛り合わせ。四角いお盆の上にメインのカツがのった大きなお皿。千切りキャベツにマカロニサラダがカツのための舞台を作る。
味噌汁、漬物、切り干し大根の煮付けにご飯。
漬物も自家製、手作り。ほどよく浸かったおいしいぬか漬け。
ココのとんかつはクラシック。豚の脂を混ぜた油でガリッと揚げる。口に含んだ瞬間に衣がザクッと崩れて甘みと旨みが広がる、どっしりとした重厚な味。
健康志向で最近は、植物油だけであげるお店が多くて、それはそれで軽やかでふんわり旨い。けれどときにはこういうどっしりした味わいもいいモノですな。
そもそも脂はおいしんだもの。甘くてどっしり濃厚で、しかも旨みが持続する。
みんなこのおいしさを目指して求めて、例えば背脂チャッチャ系のラーメンなんてまさに豚の背脂のもつ旨みをたよりおいしくさせる。
これもそれと同じ味わい。体が疲れたときなんて、衣の旨みとエネルギが体の中に染みこむようなオゴチソウ。
鰭はふっくら。口の中でほどけるような滑らかさ。メンチカツはジューシーでパン粉衣のサクサク感を引き立てる。
ご飯がおいしくウレシクなります。ホツホツ口の中を転がる、若干固めの炊き加減で、どっしりとしたカツの旨みを受け止める。
友人に分けてもらったカツ丼の頭をご飯の上にのっける。鰹出汁の風味と旨みがおいしくて、不思議なほどにカツをやさしくしてくれる。
豚汁がつく。
中にくわえた具材の豚肉。脂を吐き出し、それが表面に膜を作っているからでしょう。やけどするほど熱くって、しかも熱さが持続する。フウフウしながら飲み、食べて、お腹がおいしい汗をかく。
お店の人の明るい声を聞いてるだけで元気がでてくる。
おなじみさんが多いようで、世間話がそこここで。ご主人、奥さんの人柄感じる空気感が、ここ一番のゴチソウでしょうね。
ごちそうさまとお店を出ると、入り口脇にご近所さんのお店の名刺を入れた箱。お店の中に置くじゃなくて、ワザワザ外に置き場を作って置いてあげるという気遣いに、ニッコリしました。いいお店。
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店名 |
鈴新(すずしん)
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受賞・選出歴 |
とんかつ 百名店 2024 選出店
食べログ とんかつ 百名店 2024 選出店
とんかつ 百名店 2021 選出店
食べログ とんかつ 百名店 2021 選出店 |
ジャンル | とんかつ、かつ丼 |
予約・ お問い合わせ |
03-3341-0768 |
予約可否 |
予約可 夜のみ予約可 |
住所 | |
交通手段 |
東京メトロ丸ノ内線【四谷三丁目駅】徒歩4分 四谷三丁目駅から234m |
営業時間 |
|
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー可 QRコード決済可 (PayPay) |
サービス料・ チャージ |
サービス料なし、お通し代なし |
席数 |
13席 (カウンター13席) |
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個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
無 徒歩1分以内にコイン・パーキングあり |
空間・設備 | カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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オープン日 |
1958年 |
備考 |
FAX:03-3351-0927 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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昼、荒木町の「鈴新」でかつ丼食べる。
なつかしい店。タナカくんと一緒によく来たお店で、来るといつもかつ丼だった。
趣向の違う3種類のかつ丼があるので人気のお店。ひとつは普通のかつを卵とじにして煮込んだ「煮かつ丼」。鬼おろしをかつに乗せてウスターソースをかけた「おろしそうすかつ丼」。
そして名物がご飯にかつを直接のせて、そこに卵とじをかけて仕上げる「かけかつ丼」。
二人で来ると煮かつ丼とかけかつ丼をたのんで分けてた。
それに揚げ物をひとつ追加するのがいつものことで、冬だとカキフライ、カキのない季節はアジフライがオキニイリ。アジフライを追加した。
カウンターだけのお店で昔はご主人、奥様ふたりでやってた。10年くらい前かなぁ…、息子さんが揚げ場にはいってお父さんはカウンターの外で見守りながらサービスするようになったのネ。
最初は大きな声が出せなかった息子さんも、今日は惚れ惚れするほど元気に受け答えするようになっていた。いいなと思う。
まずアジフライがやってくる。
豚汁に大根、きゅうり、キャベツのぬか漬け。
今日の小鉢は炊いた飛龍頭、さやえんどうが彩りそえる。
そしてすかさずかつ丼完成。
丼の縁からはみ出すかつが蓋を持ち上げる雄々しい姿。
蓋をあけるとまっさきに目に飛び込んでくるのはとろんとカツの上にのっかる卵とじ。卵と出汁で作ったブランケットのようでウットリ。
カツは厚めで脂ひかえめ。細かなパン粉がぎっしりはりつき噛むとパラッと散らかっていく。
ラードで揚げているからパン粉が甘くて香ばしい。
肉はがっしり、顎においしく噛むとジュワッと肉汁滲む。塩や胡椒で下味がしっかりついているから卵とじを被っていない両端もそのままおいしく食べられる。
卵とじはほどよく甘く出汁がしっかりきいていて卵とろとろ。とは言えしっかり熱の通ったとろとろで、白身がブルブルしていないから生の白身が苦手なボクにもありがたい。
作っているところをみていると煮かつもかけかつも出汁の量は同じ。煮かつはパン粉が出汁を吸ってしまうけど、かけるだけだとつゆだく状態。ご飯がザブザブするのがボク好み。
シャキシャキとした食感を残して煮込まれた玉ねぎもたっぷり入ってしみじみおいしい。
アジのフライはほどよき厚さ。新鮮なアジはふっくら、おいしくてサイドについてくるマカロニサラダがこれまたおいしい。マカロニが硬めで酸っぱめ。ちょっと大人の箸休め。