都心からも気軽に食べに行ける超優良武蔵野うどん店 : 櫻井謹製

この日は桜上水へ。2024年のうどん始めに櫻井謹製さんへと足を運びました。
京王線の桜上水駅は、これまで食べログ活動で何度か電車で通過したことはあるものの、下車するのは今回が初めてです。

さて、桜上水駅南口から出て踏切や商店街とは反対方向の左へ進み、突き当たりを左折してから最初の十字路を右折。程なく左手の住宅地の中にお店が現れます。
この日がお店の新年初営業日。開店予定時刻直後に着いたところ、既に営業中の札が下がっていましたが、店内に先客は無く私が一番乗りでした。

お好きな席にどうぞ、と女将さんから声を掛けられ、カウンター席の一番右端に腰を下ろしました。

卓上に立てられたお品書きを見て悩むまでもなく、肉汁うどん 大盛 1,050円（税込）を注文。食べ比べるため、武蔵野うどん店を訪れた際に必ずオーダーする私の定番メニューです。飯能のこくやさんで大盛うどん800gの洗礼を2度受けている私にとっては、こちらの大盛600gは余裕でクリアできる範囲内です。

待つこと8分程でカウンター越しに旦那さんからトレイごと受け取りました。二郎系ラーメン店だと300g前後の小盛でもビビってしまいますが、武蔵野うどんだと600gでも平常心で居られるのが不思議です。（苦笑）

うどんは少し黒味がかった色で、如何にも武蔵野うどんらしいルックス。一反木綿ではありませんが、通常の3倍位の太さのうどんが天辺に載っています。
肉汁に浸けながらいただくと、武蔵野うどんらしい小麦粉の香りが口の中に広がりますし、噛み締めるこの独特の食感も堪りません。
肉汁も少し甘めで出汁の旨味の効いた王道の味。肉は特大サイズの分厚いバラ肉5枚で圧巻の食べ応え。「肉を思う存分食べてもらいたい」という旦那さんの思いがこもっています。

うどんを半分程いただいたところで、旦那さんのオススメに従いおろし生姜を出していただき、味変。
うどんを食べ終えたところで、残った肉汁に出汁割りを加えてもらって一滴残らず楽しませていただき、20分足らずで平らげました。

キッチンの右後方の壁に修了証が2枚貼ってありましたが、こちらの旦那さんと女将さんは埼玉県比企郡川島町にある武蔵野うどんの名店「本手打うどん庄司」さんが運営するうどんスクールの卒業生。
旦那さんはとてもにこやかな表情の穏やかな方で、私が昨年武蔵野うどん巡りで東京や埼玉の郊外に出かけた話をすると、笑顔でお相手して下さり、箱根ヶ崎の百名店 村山 満月うどんさんも良くご存知でした。
「今年は是非こちらの本家本元の庄司さんにも伺いたい」と決意表明したところ、「あそこは駅からも遠くて不便なところにあるので、大変ですよね」と仰ってくれました。
昨年2月に訪問済みの高円寺の「とこ井」さんも庄司うどん系列と聞いていたので、その名前を出したところ、とこ井のご店主はスクールの先輩に当たり、高円寺のお店は既に他の方に譲って栃木県栃木市で「とこ井」を営んでおられるとのことでした。
庄司うどんスクールは武蔵野うどんの基本は徹底しつつも、後は各人の創意工夫で自由に、という指導方針だったとのこと。それを楽しそうに話す旦那さんの柔和な表情が印象的でした。

30分程滞在して退店しましたが、その直前に男女2人が来店。
新年最初のこともあり、まだのんびりした雰囲気でしたが、東京23区内でこれ程本格的な武蔵野うどんを腹一杯食べられるお店は貴重。私も武蔵野うどんが食べたくなったらまたお邪魔したいですし、これから益々繁盛してもらいたいお店です。


余録

京王線は線路高架化事業の真っ最中で、桜上水駅は駅舎だけとりあえず高架化していましたが仮設感満点。駅東側の踏切は相変わらずで、私が櫻井謹製さんでのランチの後、北口側に渡るときも上り下りの電車が立て続けに3本通り過ぎ、数分間開かずの踏切状態。漸く開いて渡り始めたら、真ん中に着く前にもう警報器が鳴り始めました。これではお年寄りや身体の不自由な方は危なくておちおち渡れないですよね。桜上水駅が急行列車の通過待ち駅になっているせいもあるのかも知れませんが。

櫻井謹製の旦那さんの話では、高架化工事は何度も工期が延期になり、いつ終わるかも分からないとのこと。早く工事が完了して南北の行き来がスムーズになり、このエリアが更に便利になるといいですね。