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町蕎麦の雰囲気と値段を維持しながら、手打ちの蕎麦のレベルはなかなか
町場の蕎麦屋のスタイルながら蕎麦は手打
大塚という所は現在は池袋の陰に隠れてメジャーなイメージは無いが、戦前は都内でも有数の歓楽街で、今でもその面影は少なからず残っている。
この店の在る緩やかにくねった道筋は「大塚三業通り」と呼ばれ、多少うらぶれてはいるが往時を偲ばせる料亭や、ちょっとした小料理屋などが点在している。
(ちなみに「三業」とは「料亭」「芸者置屋」「待合」の3つを指し、それらが共存する特定の地域を「三業地」という)
こちらの歴史も古く、今の主人は4代目。
以前は都内の何処にでもあるような機械打ちの町場の蕎麦屋であったが、現在は自家製粉の手打に切り替えている。
食べログではレビューの件数も少ないが、一部の蕎麦屋愛好家には結構知られた店。
定法通りの通し営業だが、平日の夕刻に寄ってみた。
外観も店内の雰囲気も、昔ながらの食堂系の蕎麦屋の風情。
メニューには一般的な種物が並び、当然のことながらうどんやご飯物も扱う。
一方飲ませるための肴の種類も豊富なのは、やはり場所柄によると思われる。
一品ごとの値段は安く、なかなか面白そうなものが用意されている。
まずは「中生ビール」。つまみに少量の「柿ピー」が小皿で付いた。
肴は大いに迷うが、先に次の2品を注文。
「桜海老のかきあげ」:300円と言う値段から多くを期待できなかったが、かなりの大きさ。
桜海老や三つ葉の分量に比べ衣は多めではあるが、サクッとした揚げ上がりで、塩を付ければビールの相手としてはまずまずの味。
「鴨ぬき」:「天ぬき」「鴨ぬき」と言った江戸前伝統の肴があるのが嬉しい。
鴨肉は薄目のスライスに蕎麦粉を塗して煮込まれているため、「治部煮」のような舌触りで、つゆは濃すぎないため全部飲み干せる。
鴨も葱もふんだんに入り、800円にしてはお得な一品。
酒にもこだわりが感じられ幾つかの銘柄から、山形の「輝ら星の如く」という珍しい銘柄と、東村山の「金婚」をもらう。
洒落たガラスの器で供された。
上記の2品が値段の割にはボリュームが有ったので、もう一品には軽めのさっぱりしたものをと「おしんこ」をもらう。
料理のメニューのトップに載っており、但し書きの‘創業以来の糠床を使用’という文言も目を引く。
運ばれた小鉢には、大根・茄子・人参の糠漬けに白菜漬けが盛合されている。
塩分控えめで、こちらの店の歴史が封じ込められたような、しみじみとした味わい。
蕎麦は十割の「生粉打ちせいろ」にする。
出てきた蕎麦は、手打とは思えぬほど端正に揃っている。
香りも有り、適度なコシと滑らかな食感を兼ね備えた、まずまずの仕上がり。
それに対して「つゆ」の凡庸な味わいは残念。
さらに薬味の葱はやや乱雑で、山葵に至っては最近では珍しい「粉山葵」である。
「蕎麦湯」が自然体なのは良いが、「つゆ」が物足りないのですっきりと〆ることは叶わなかった。
蕎麦前はなかなか楽しく、蕎麦自体の出来も結構しっかりしているが、総合的な満足度では今一つ。
町場の蕎麦屋のスタイルから脱却出来ない、もどかしさやちぐはぐさは、どうしても感じてしまう。
蕎麦を自家製粉の手打に変えたり、酒の品揃えに拘りを見せる姿勢は好感できる。
しかし常連客にとってはあまり関係ないようで、今回もポツリポツリと訪れる後客は、みな長年通っている近隣住民と思しき食事目的の方々。
原価に照らしたり手打の手間を考えれば、値段が上がっても不思議はないが、安価を維持しているのは、そういったいきさつが有るのかも知れない。
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蓼喰人
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店舗情報の編集
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店名 |
手打ち蕎麦 小倉庵
|
---|---|
ジャンル | そば、うどん |
予約・ お問い合わせ |
03-3941-8230 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
大塚駅から徒歩6分 大塚駅前駅から383m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
~¥999 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPay) QRコード決済可 |
席数 |
28席 |
---|---|
個室 |
無 |
貸切 |
可 (20人以下可) |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
有 隣がコインパーキング |
空間・設備 | 座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
オープン日 |
1957年 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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正月の5日、やって来たのは大塚。
大塚は現在では池袋の陰に隠れているが、かつてはこの界隈一番の歓楽街であった。
今回久々に訪れたのは、駅の南口から「大塚三業通り」という曲がりくねった道を4.5分進んだ所に在るこちら。
この道筋は少々うらぶれた雰囲気が漂っているが、名前の通りかつては花街だった場所で、その昔はさぞや賑わったと思われる料亭風の日本家屋が今でも点在している。
こちらはその中に戦前から在る老舗蕎麦屋で、現在のご主人は4代目。
建物は自己物件と思われるビルに組み込まれているが、外観にも店内の様子にも懐かしい町場の蕎麦屋の雰囲気が漂っている。
10年ほど前までの商売の形態は、蕎麦は機械打ちでうどんや丼物も商い、さらに出前も行うと言う典型的な'飯屋系蕎麦屋'であった。
しかし現在のご主人は、世の流れを先読みして旧態依然のスタイルの変革を模索。
蕎麦を手打ちに切り替え、一杯呑ませることを宗とする江戸前伝統の姿勢に立ち返り、蕎麦前を充実させた。
私が6年ほど前に訪れた時は、まだその途上だった。
しかしその後のHPを覗くと、ここ2.3年の間に出前の廃止・カード利用可能・全面禁煙などの新しい方向を打ち出し、その一方で代々の町場の蕎麦屋の良さも残している様子なので、是非一度寄ってみたいと思っていた。
現在は通し営業では無くなったが昼でも一杯やることは可能で、13時半ごろの半端な時間帯を選んで訪店。
案の定、先客は一人と言う状況で、どこでもどうぞの声に厨房を正面に見る真ん中あたりの席を選ぶ。
この寒さだがビール(キリンラガー中瓶)で始める。
お通しに「柿ピー」が出るのが微笑ましい。
肴の品書きを眺めると、定番物の他にひとひねりした面白そうなもの(豆腐ステーキ・鴨のパストラミなど)も並んでいる。
今回はその中から、敢えて昔からの仕事を確かめようと「カツ煮」を選択。
それほど時間が掛からずに登場した深皿には、たっぷりの玉ねぎ椎茸のスライスとカットされたトンカツがつゆで煮られ、玉子でとじられた所謂'カツ丼のあたま'である。
味についてはそれほどの特徴は無いが、玉子のとじ加減がほど良い。
つゆだくで、添えられたスプーンを使って余さず頂く。
肴にはもう一品「山芋いくら」が面白そうなので頼んでみた。
繊切りの山芋の上にいくらを盛り、さらにそばつゆが掛けられた小鉢が登場。
刻み海苔と山葵が添えられ、混然とさせた味わいはなかなか良い。
いくらは一見合わないように思えるが、塩気が控えめなのが好ましい。
燗酒が欲しくなり「金婚」をもらう。
注文が入ると一合入りのガラス瓶が開けられ、一旦ちろりに移されて燗用の小鍋で湯煎される。
程よくついたところで、一緒に湯で温められたガラス瓶に再度戻して供される芸の細かさを見せていた。
これらで暫しの寛いだひと時をすごす。
蕎麦は一般的な「せいろ」とは別書きになった「生粉打ち」と「田舎そば」の2種類が盛り合された「合い盛り」を注文。
丸い蒸篭に市松に盛られた「松翁」スタイルで登場したが、量もしっかりで750円と言う安価。
蕎麦の産地は「音威子府」とのことで、いずれも十割だが微粉を綺麗に繋いでおり香りも有る。
シャキッとした歯触りで喉越しの良い「生粉打ち」、太めでもちッとした食感の「田舎」、ともに上々の仕上がり。
つゆも今回はなかなか良かった。
昔からの仕事を大きく変えてはいないが、'かえし'のコクと出汁の旨味が融合したバランスの良い出来栄え。
徳利を使う手法も好ましい。
薬味の山葵は相変わらず、今どき珍しい粉を練ったもの。
最近は業務用の調合品にもかなり質の良いものが出回っており、ほとんどの蕎麦屋で導入されているが、敢えてこれを使わずにその分値段を抑えているのはむしろ立派と言える。
蕎麦湯は昼の仕舞いに近いため、白濁し多少のとろみもあるが自然体のため気持ちよく〆られた。
なかなか気持ちの良い「蕎麦屋酒」が楽しめた。
変わらぬざっか気のない雰囲気と温かみのある接客ぶりも、居心地の良さの要因。
勘定は3,000円ちょっとで、内容からすれば極めてリーズナブル。
ご主人の意欲的な姿勢は随所に発揮されており、特に蕎麦の出来には伸長が見られる。
これに特化して値段をもう少し上げても良いと思うが、商売自体には旧来のスタイルを堅持している点には矜持を感じる。
昔ながらの近隣の常連客も大事にしている表れと言えよう。
最近こちらのようなパターンで新たなスタイルを志向する蕎麦屋は、結構見掛ける。
「じゆうさん」のように完全に業態を一新し、店舗をリニューアルして屋号まで変えてしまったケースは稀だが、昔の雰囲気を残しつつハイレベルな蕎麦を提供している「まるやま」などは好事例として挙げられる。
私が思い当たるのは他に数軒だが、都内にはまだまだあると思われる。
今回は昼だったので成果を十分には確認できなかったが、店内に掲示された'ガレット'の文字からも更なるチャレンジ精神が窺える。
世の中が落ち着いたら、またゆっくりと訪れてみたい。