東小金井：副菜までレベルが上がり凄い店に : ビストロ ヴェール ド メール

2022.01
　禁酒法明け(仮)週末呑みのDAY-12は、ヒガコ南口のBistro Vert de Mer。
　昭和の頃からの老舗 純喫茶まりも の跡地に2016年に現れたイタリアン系のビストロです。

◆鮭ハラスローストサラダ
　去年出会って感動した焼鮭サラダ、去年はスモークサーモンソテーでしたが今回はハラスローストです。（というか鮭は日替わりっぽい感じ）
　野菜は今回も焼きと常温の組み合わせで、焼きが蕪・トマト・ブロッコリー、常温が葉物と人参だったと記憶しています。
　仲立ちを務めるのが鮭で、サクサク食感に焼き上がり、しかもジューシー。
　さらにチーズを上手く絡めたドレッシングが加わって複雑な食感と味を楽しませてくれます。
　いや、ホント何処を食べても変化のある食感と味で、一見すると荒っぽそうにも見えますが味的に凄いとしか言いようがありません。
　黒板にあれば、いや、なくても「焼鮭サラダできる？」と聞いた方がいい絶対のオススメ。

◆鶏ソテー・野菜ソース＋バケット
　２皿目、メインは鶏ソテー。
　ネーミングは普通ですが、野菜ソースに期待が高まります。
　写真では見えにくいのですが、トマトベースで多種野菜を使った温かいソースが鶏の下に敷かれている仕上がり。
　生野菜も添えてられているので、鶏ソテーと組み合わせて食感に変化を付けながら食べ進みます。
　温野菜ソースは濃厚な味付けで、でも野菜の食感と味が死んでいない絶妙な仕上がり、そこに表面がパリパリに焼かれたジューシーな鶏の組み合わせはメチャ満足感があります。
　焼鮭サラダと合わせてレギュラーメニューっぽい感じなので、黒板を見て、ぜひ。
　そして今回驚いたのが、バケットに添えられたオイル。
　普通の店なら１種類だけだと思いますが何と３種合わせ、写真左は辣油ブレンドっぽい辛い系・真ん中が胡椒を効かせたもの、そして右が甘い系という手の混んだ仕掛けでした。
　もちろん目を引くだけでなくオイル自体が美味く、本来は鶏ソテーのソースを掬うために頼んだはずが単品で半分ほど食べてしまいました。
　主菜のレベルアップに驚いた去年に続いて、副菜のレベルアップに驚いた２０２１年末でした。

　開業当初は得意料理が何なのか分かりにくかったのですが、今は野菜を上手く使って、主菜だけではなく皿全体で多段の食感・味の組み合わせを楽しませてくれる人だと理解してきました。
　基本的にはワンオペなので料理が出てくるのに時間がかかりますが、料理の完成度を知ってしまえば全く気になりません。
　というか、２時間くらい過ごすことを前提に行く店だと思います。
　野菜ヘルシーに呑みたい時に絶対のオススメ店、ぜひ機会を作ってお試しいただければと思います。

2020.07
　何となくイタリア～ンな気分だったので、軽呑みしてみました。
　料理が段違いに美味くなっています。
　以前に増して調理時間が長くスローフードになりますが、待ち時間が全く気にならない凄いレベルの料理でした。
　樽スパークリング(\550)をお供に、主菜２皿を並べる独り呑み。

◆スモークサーモンのソテー・サラダ仕立て(\700)
　ビジュアル的にも唸りますが、これは本当に美味い。
　常温の(つまり冷蔵庫出したてではない)葉モノ、火を通したトマトとキノコ、表面をカリカリに焼いたスモークサーモン、その上にチーズをたっぷり散らしてドレッシングを２種という手のかかった温サラダです。
　どこを食べても変化があり、本当に「美味ぇー」という言葉しか出てこない凄い皿で、黒板にあればオーダー必須の一皿です。

◆帆立と明太のクリームパスタ(\1350)
　これも手のかかった一皿。
　具の帆立とトマトに丁寧に火が入っており、これがコクのあるクリームと絶妙に合います。
　チーズとペッパーのバランスも完璧で、創業期の試行錯誤的な料理に比べて２段階・３段階くらい上の美味さになっています。

　もちろん旨味と手数は正比例するので時間はかかりますが、一口食べれば待ち時間の長さは一瞬で吹っ飛びます。
　創業期は少し心配な要素もありましたが、元々丁寧な部品づくりに加えて仕上げの技術とバランス感覚が一気に突き抜けた、本当に凄い料理を出してくれる店になってきました。
　深く開拓する気満々です。
　是非機会を作ってお試しいただければと思います。

2016.05
　ン十年の歴史を閉じた「純喫茶まりも」の跡地にできた、欧風小皿料理を揃える店です。
　カウンター６～８？くらいにテーブル席が２セット（２人＋４人？）というコンパクトな造りは、まりも時代を思い出させてくれます。

　2016.05.14開業から間もないこともあり、フードメニューは限定されていますし、付け合せもワンパターンです。
　ですが、素材の扱いと味付けのバランスが素晴らしく、店が軌道に乗ると付け合せのバリエーションも増えて面白くなりそう。
　樽生スパークリングワイン（￥５５０）をお供に、４皿ほど並べてみました。

◆自家製鶏レバーのポシェ（￥５００）
　旨味の濃い、素材の良さがストレートに伝わってくる冷製の一皿です。
　ところどころ旨味がボヤケるところが気になりますが（包丁の入れ方が得意ではない人の料理に時々あります）、仕上げは上々で、基本的にはシェフの得意料理だと思います。
　キックオフにおすすめです。

◆生ハムで巻いた赤海老のロースト（１尾）（￥３５０）
　手間のかかった料理ですが１尾からオーダーできるという、小皿料理中心の考え方、というか気持ちが伝わってくる一皿。
　見た目は分かりにくいのですが、胴体部分は殻が剥かれてハムが巻かれているので、そのまま食べ進みます。（少しカリカリ気味に焼かれているので殻と勘違いして捨てかけましたが、一応ハムでした・・・）
　上手く焼かれているので、手掴みで味噌を吸いながら食べ進みます。

◆ローストビーフ（￥５５０）
　黒板メニューですが、素晴らしい一皿でした。
　食感、肉自体の味もさることながら、独特の味わいのソースと合わせると旨味が倍増します。
　食感の良さは仕上げの包丁の入れ方が上手いことを示しているので、前菜での謎は残りますが、これにはホント感動しました。
　ぜひレギュラーメニューになってほしいところです。

◆小金井野菜のラザニア・ボローニャ風（￥７００）
　これも感動モノ。
　ミートソースの味を控えめにして野菜の味を表に出すイメージの仕上げですが、絶妙なバランスで美味いんです。
　しかも量が小皿を超えるサービスで、締めにも良さ気。
　黒板メニューでしたが、これもレギュラーメニューになってくれることを願っています。

　という感じの初回訪問でした。
　まだ慣れていない感じで店廻しはスムーズとは言えませんが、すぐに軌道に乗りそう。
　まずは軽呑みから、お試しを・・・


【黒板・フード】
￥４５０　ゆでたて生枝豆
￥５００　玉ねぎのマリネのサラダ
￥５００　小金井野菜の人参のサラダ
￥５５０　ムール貝の白ワイン蒸し
￥３５０　生ハムで巻いた赤海老のロースト（１尾）
￥５５０　主人特製！ローストビーフ
￥７００　海老と白蛤のアヒージョ
￥７００　小金井野菜のラザニア・ボローニャ風

【レギュラー・フード】
￥２００　バケット
￥５００　おすすめチーズの３点盛り
￥３００　オリーブ
￥３５０　小金井野菜の自家製ピクルス
￥５００　今日のお刺身
￥５００　自家製鶏レバーのポシェ
￥４５０　自家製ポテトサラダ

【レギュラー・ドリンク】
￥５００　生・サッポロ黒ラベル
￥５００　瓶ビール（中瓶）
￥５００　グラスワイン（白・赤）
￥６００　シャンディガフ
￥６００　レッドアイ
￥５５０　フレッシュ！樽生スパークリングワイン
￥５００　自家製梅酒（ロック・ソーダ割）
￥５００　グレープフルーツのお酒（ロック・ソーダ割）
￥４５０　ウイスキー（ロック・水割）
￥４５０　焼酎・黒霧島（ロック・水割）
￥５００　ウーロンハイ
￥５００　ハイボール
￥３００　ソフトドリンク（ウーロン茶、ジンジャエール、トマトジュース）
￥３５０　挽きたてコーヒー