2021/04/04 : Towari Soba Mika Asa

あまりにも流行病の痺れが切れた二人で「大丈夫な店」と思い訪問（初投稿から5～6回目です）

御料理もお酒もブレること無く、美味しかった。
気になっていた私には固い盛りそばを少しだけ柔らかくして貰った。丁度良かった。

女将から「天抜き出来ますよ～」と、嬉しいお誘い。勿論オーダー！！！！！！！

出てきました天抜き・・・上品だ。上品すぎる。揚げたての美味い天麩羅をそのまま天抜きに・・・
店主には直接お伝えしましたが、衣をボッテリさせなきゃ悲し（;_;）天抜きで掻き揚げが合うのは衣と汁の渾然一体なのよ。
蕎麦屋なのに天ぷら屋より美味い天麩羅を天抜きにするには、もったいないというか、そのままで美味しい天麩羅を温汁につけるとは・・・悲し（;_;）友人も天抜きだが、超感動していた。だろうな。俺が日本で二番目に美味い蕎麦屋に認定しているもの。衣が重要と調理場で聞いていた大将が揚げ玉をそっと追加したのはナイショ。
天麩羅だけ言えば日本で一番美味い天麩羅は銀座でも無く、御茶ノ水でも無く、ましてや神保町の老舗でも無い。
日本で一番美味い天麩羅はここにある。バリエーションは少ないが、旬の素材をちゃんと出してくれる。
いや日本で一番の・・・言い過ぎました。銀座で1万円ならここは3,000円で最高の天麩羅を、最高の持て成しと笑顔とお酒で、満足して笑顔で帰ることが出来ます。（蕎麦、酒別料金ね）

あ～天麩羅の話が長い（スミマセン、久しぶりの外食で）

お通しは何時ものポテトサラダ（マヨ不使用）のキリッとした物。と、蕎麦味噌と、酢味噌和えの野菜。
呑むだけなら十分にお通しで完了できるが、いやいや終わらんぞ～

旬のタケノコをさらりと天麩羅で出され悶絶。エグミ無く痺れる旨さ！！！灰汁抜きで茹でていないのか食感抜群！！！。
絶対に軽く茹でているよね？ね？？香良く食感が最高で、言うこと無し。塩で戴きます。
その他も各種の御料理を戴きましたが覚えていないのよ～美味くて満足して帰路に就いたことだけ覚えている。
会計も覚えてないな。

なぜ自宅から1時間以上掛かるのに、行こうと思えるのか。それは厨房でそっと揚げ玉を足す心意気がある、作り手自己満足では無い、客の好みをトレースする真摯な料理。
北海道に在っても行くよ。でも早く赤羽支店を、大宮でも良いよ。
最後に。私の好みですが、純米酒なら「蓬莱泉」や「女泣かせ」のお酒が在ると嬉しいです。

そうそう久しぶりにビールを戴きましたがサーバーのメンテナンスを怠っていないようです。完璧な生ビールでした。
もう一つ私からのリクエスト。天抜きは大量のオロシ生姜と大量のオロシ大根、一寸気取った七味があると最高です。温蕎麦がメニューに無いと七味もリクエストできないんだよな～　で、ネギの薬味は大量に必須。そう、天抜きは下品で良いんです。上品な蕎麦汁に最高の天麩羅を合わせても、どっちかが勝つ。でもね両方負ける！納得いく試合が出来れば良い。最高の天麩羅は天抜きで最初に負ける。次に出汁が頑張るが勝てない。生姜と大根は振り向いてほくそ笑む。
七味に仲裁される大根と生姜。。。この渾然一体が欲しいのだが、晒しネギが審判し、どっちも勝ちと宣言する。私の理想です。

今度は走入の夏野菜の天麩羅、期待していこう！！！有り難う。ごちそうさまでした。

2017.6.25訪問
疲弊している自分と会社の後輩の「呑みに連れてけ」コールが重なり、蕎麦屋呑み歩きを再開した本年第一弾。

日曜日当日の予約で快諾いただき、訪問。正直赤羽近辺から川越霞ヶ関は遠かった。

開店時間と同時に入店。日本酒冷をお任せで5～6合は呑むよ～と宣言し、組み立て方を相談した。
女将が組み立ててくれたのだが、これが良かった。甘口から入り、だんだん辛口になっていく。そりゃあ進みますよ。結局日本酒だけで二人で8,000円程度。スミマセン。蕎麦屋で２時間の二人だけの静かな大宴会でした。

オーダー
「出汁巻」
甘くない。そして出汁が勝ってない。負けてもいない。絶妙に抜群！

「焼きのり」
炭箱で供された。練馬にあった（銀座にもあるが）田中屋で出された焼きのりを思い出した。
海苔が旨い。「山葵醤油で」と出された山葵が旨い。良い山葵と良い海苔。そして炭箱で冷めない演出。
海苔に飽きない。

「板わさ」
当たり前だが上等な蒲鉾。白肌に黒い粒が混じる。魚の皮が混ざる本物の蒲鉾。
不味い訳がない。そして良い山葵。一品提供ごとに摩り下ろすのか、鮮烈極まりない。
山葵の外皮は丁寧に取り除いた後におろしている。完璧だ。

「蕎麦屋のポテトサラダ」
ほんのりと大蒜が香る。臭うではなく香る。最初は　え！！？と思うが癖になる。
そしてジャガイモに混ざる茹で卵が食材と調味料を混然と、主張を抑え旨いポテトサラダに仕上げる。
居酒屋とは全く違う蕎麦屋の料理人のプライドだろうか？ポテトサラダに持て成された気がした。

「天抜き」
予約時に掻揚で天抜きが食べたい旨を伝えた。天抜きが出てきた。わざわざありがとうございます。
芝海老が無かったのか、カットされた海老が鏤められていた。私の我儘を叶えてくれた。
合鹿椀だろうか・・・一人前のジャストサイズ。掻揚と掛け汁の量も最適。
何も考えていない蕎麦屋だと、掛け汁の中で掻揚が泳ぎ始める。最後は掛け汁を飲むようにして衣を口に運ぶ始末の悪い天抜きもあったりする。大きな丼の中で、掻揚が競泳する。（西麻布の有名店ね）
出来れば、椀物は取り皿とかではなく、一人一椀でお願いしたい。
それと、蕎麦同様に薬味があれば完璧。
温汁・・・やるじゃん。

「鱚天」
大きく厚みのある鱚であった。仕入れにもよるだろうが、このような鱚は一流の天ぷら屋でも中々お目にかかれない。お代わりしたかった・・・

「富倉そば」
細打ちで噛み締め、味わう。のど越しだけでは勿体ない。味のある蕎麦。旨い。
手打ちで細打ちであるのに、ちぎれている物が無かった。作り手の満足など微塵も感じない。
客の蕎麦のイメージを崩す事無く、供される。技術と思いやりに感謝したい。
絶対に食すべき逸品だ。皆さんの目の前に供されたら有難く頂いて欲しい。

番外「女将の投げキッス」
メニューにはないが、壁には￥500とあった。女将曰く、時価で今は値上げしているそうだ。
キュートな女将の投げキッスは常連客だけになりそうだ。足しげく通わねば。


総論
食材のクォリティ、食材を活かす技術は感服した。
蕎麦屋呑みで、久しぶりに満足した。日本中の飲食店に少し見習って欲しいと感じた。
蘊蓄など何もない。オーダーされたものをどうぞどうぞと目の前に並べる。
決して奢らず、ただ真面目で正直で当たり前を一生懸命にこなしている。好みを伝えれば応じる。
イレギュラーにも考えて持て成す。
満席になれば、料理の提供はそれなりに待つことになる。この店を知れば、それも楽しみに変わるだろう。
酒量にもよるが、今回の我々一人¥6,000強は決して高くない。
酒量を控えれば一人¥3,000程度でしょう。
蕎麦前の夢のような世界を有難う！！！

御馳走様。本当にありがとうございました。美味しかった。この店が在る事が嬉しかった。