図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

板橋区立西台図書館(東京都)

所用で東武練馬にやって来ました。
ここは駅を挟んで北と南に図書館があります。南にある練馬区の図書館には昨年行ったので、北の板橋区の図書館に行ってみます。
と言っても、徒歩15分以上。
スマホナビの案内に従って歩いていくと、なかなか起伏の激しい地域のようで、坂道だらけ。
挙げ句に階段も出現。

階段を昇ったと思ったら、今度は下り階段。

しばらく行くと、また昇り。

予想外に歩き甲斐のある行程でした。
最後に見えてきたのは、農地とその先の団地。

この団地の中に図書館がありました。

石のタイル敷きの玄関を入るといきなり、左右に伸びる絨毯敷きの廊下。結構長めです。
右に進むと、児童書。
中央に、おおむらえりこさんの絵が描かれた大きなゲートがあり、2つに分かれていますが、その先にも続いています。
一番奥は靴を脱ぐ、おはなしエリア。

左は一般書。カウンターはこちらにあります。
カウンターどの壁のように、CDの棚が立っています。
盗難防止か、真ん中だけ開いたアクリルになっていて、カウンター側に押し出す仕組み。
と思ったら、普通に手に取れる棚もあり、数はなかなか豊富。
CDの下には、各テーマの本を探すヒントを載せたリーフレットパスファインダーもありました。

廊下の先には、結構な広い空間がありました。
外から見えた窓際は、雑誌コーナー。4つのソファが背中合わせで、なぜか座布団が乗っています。

中央には斜めの柱が立っており、遠目には階段に見えます。その周りには文庫本、新書がずらり。

全体的に古い本が多め。
知的生きかた文庫だけの回転棚があったり、地理・紀行の所には交通新聞社新書が揃っていたり、所々に個性を感じさせます。

郷土資料は行政資料が多いですが、美術展のパンフレットも多数。
板橋区立美術館で行われたもののようです。

反対側の窓の外には、テラスがありました。少々狭いですが。

両側とも、窓際の棚の本はかなり色褪せています。

近々海外旅行を考えているので、渡航先の某国の本を探したのですが、あいにく見当たらず。
コンピュータの本は、総記、パソコン関連図書コーナーと2箇所にありました。

蔵書数は約16万冊、CDが1万枚、と充実の数。
開館は1991年。正直、もう少し経っているかと思いました。

帰りは往きとは別の道を選んだのですが、やはり階段がありました。

たまに散歩する分には刺激的な街ですが、足腰が弱った人には少々辛いかも。

板橋区立西台図書館 | 静かな環境に恵まれた住宅街にある当館では、かいわいいお話しコーナーが充実。幅広い世代に親しめる図書館を目指しています。

南砺市立井波図書館(富山県)

北陸三県の三県目、富山県南砺市に入りました。
福光の町は、レトロな石造りのビルが建ち並んでいます。沿道に図書館もあり、思わず車を停めたくなりましたが、予定外なので泣く泣くパス。またいつか訪れなくては。

同じ南砺市の、井波の町に来ました。この日来たかったのはここ。2日前にたまたま新聞で紹介されていたのを見て、決めていました。
まずは図書館へ。駐車場に車を停め、入ります、

入口正面は児童書、奥の方が一般書。
中央に、後付けしたように大きなカウンターがせり出しています。

最奥に雑誌、郷土資料。
黒部ダムイタイイタイ病、合掌集落など、富山県全般の本があります。
カウンターを隔てる壁には、1972年に廃止されたという、加越線の写真が貼ってありました。
その横には、数十冊の鉄道の本コーナー。

主婦向け雑誌は、入口近くにありました。
その裏が参考書コーナー。
机は使う人が少ないのか、おすすめ本コーナーと化して、上に本が並べられていました。
壁代わりの棚は、池波文庫。
晩年に、毎年のように井波町を訪れたという池波正太郎の著作が並んでいます。
鬼平犯科帳」の漫画版もあり、コミックコーナーにもなっています。鬼平と勢力を競うように「じゃりン子チエ」が並んでいるのは奇妙な光景。

DVDもありました。棚の表裏で大人向け、児童向けに分かれています。
判断基準はアニメか否かのようで、ハリー・ポッターピーターラビットの実写版は大人向け。

二階は学習室ですが、中に池波正太郎コーナーが。ガラスの向こうに写真や初版本が展示され、ケースの中には直筆原稿もありました。

現在の施設は1984年の開館とのことで、蔵書数は約9.8万冊。
裏は緑地になっていますが、古墳のようにポコポコと高くなっています。

彫刻もポツリポツリと置かれていました。
もしかして木彫りだったか?と後で思いましたが、写真で見直した限り違いそう。

その後は、井波の町の中心近くにある道の駅へ移動。
時間が遅いからか、連休中なのに空いています。
ここ井波は、木彫りの町。駐車場に立つ巨大な七福神も、全て木彫り。

道の駅の中には、オリンピックおじさんの記念館がありました。
ここ井波の出身だったそう。彼の集めたオリンピックに纏わる色々な品が展示されていました。

売店の中には、ドラえもんコーナーも。作者は富山、高岡出身。

観光スポットに寄りつつ、町の方に歩いて行きます。
大門川河川公園。ここにも木彫りの彫刻があります。

井波八幡宮。苔が綺麗。

その隣の、松島古城公園。

そして、町の中心、瑞泉寺

しかし、じきに閉まってしまう時間だったので、中に入るのは見送りました。

門前の八日町には古い町並が残り、そして随所に木彫りが置かれています。
とりわけ多いのが、猫。

2日前にお墓参りをした、聖徳太子も佇んでいました。

町の中に、池波正太郎ふれあい館がありました。入館は無料。

本や原稿はもちろん、直筆の絵もありました。さほど上手いとは言えませんが、味わいのある絵でした。

八日町通り

その後は、夜の高速で埼玉の自宅へ。遅くなったお陰で、見事に渋滞も回避できました。

井波図書館 | 南砺市立図書館

白山市立鶴来図書館(石川県)

石川県に入り、国道8号線を快走。ここでも1つ図書館に寄るため、国道を外れました。
やって来たのは、白山市鶴来総合文化会館。クレインなる愛称が付いています。英語で鶴のこと。

大きさに圧倒されます。図書館も一応この中なのですが、大きく右に回った所にありました。

右側が図書館

館内は細長く奥に伸びています。
手前は児童書。
カウンターはガラス張りになっており、下だけ開いています。
コロナ対策でビニールシートを張っているのは一時よく見かけましたが、こんなちゃんとしたガードがあるのは初めて見たような。
横には、絵本作家の色紙が何枚か飾られていました。

郷土資料には、白山に関する本が多数。
他にも九谷、加賀屋、能登、金沢など、石川県内に関するあらゆる本があります。
その裏も郷土資料。文学系の本が置いてあり、とりわけ泉鏡花の本が多数。
思想、宗教に関する本はかなり古いものも。と思ったら、この辺りは北村文庫となっていました。白山比咩神社に奉職した北村政次なる人の寄贈とか。
「日本思想闘諍資料」は、昭和5年の刊でした。

ロシア・ソビエト文学なる分類があるのが目を引きました。ソビエトなる字を久々に見たので、日本海を隔てて大陸と対峙する土地ならでは?と思ってしまいましたが、実は通常の分類法でした。

藤子・F・不二雄大全集ほか、マンガも少し。
雑誌は60誌ほど。
コンピュータの本はマニュアル本が多くて、今ひとつ。

鶴来町の図書館には、実に百年超の歴史があるようですが、現在の施設の開館は2000年。蔵書数は約11.8万冊。
駐車場とは反対側の窓の外には、公園が。

その背後には山々が見えます。低いので、白山では無さそうですが。

白山比咩神社も建つ鶴来の町は、古い町並みも残る宿場町とのことですが、ここからは5kmほども離れています。
迷いましたが、今回は帰路を急ぐことにして、断念。またいつか訪ねる機会もあるでしょう。
その後は金沢市街の混雑を避け、山の中を通って富山県へ。実に爽快な道でした。金沢大学が随分な山の中にあるのも、意外な発見でした。

鶴来図書館 つるぎとしょかん - 白山市立図書館

あわら市金津図書館(福井県)

福井から、北陸三県を回って埼玉に帰ります。
石川県が近づいて来たところで、ちょっと寄り道。
今年開通した、北陸新幹線芦原温泉駅

その近くにある、金津図書館。
「金津本陣IKOSSA(イコッサ)」なる生涯学習施設になっています。

近くには竹田川が流れています。

今でこそ合併してあわら市になりましたが、ここ金津町と温泉のある芦原町は別の町。温泉地までは4kmほども離れています。
ここ金津にも温泉街っぽい町並がありますが、ここは北陸街道の宿場町。

IKOSSAに戻ります。一階にある図書館は、ほぼ正方形の広い室内。絨毯敷きで静か。

中央に、丸い棚に囲まれた空間があり、内側がソファ。外周は雑誌、大型本が並んでいます。
棚の上には、北陸新幹線の紙模型が置かれていました。

郷土資料は膨大。姉妹都市だという、茨城県下妻市の資料も。
「芦原町史」「金津町史」も仲良く並んでいます。
蓮如関連資料は、棚一つ分を占めています。
一向一揆浄土真宗の本も多数。

山口喜三太文庫なるコーナーもありました。
地元の元教師で、ここの初代館長も務めた人物の寄贈とか。古典文学が多め。

いつもチェックする、コンピュータの本は少なめ。
図書館員おすすめの本コーナーが2つありました。固定ファンがいるのか、どちらも貸出率高め。
一番奥には文学全集類が並んでいます。

児童書コーナーには、ガラスで仕切られたおはなしルームが。
マンガもありました。藤子不二雄に「ちはやふる」「ワンピース」など、不難な品揃え。

入口付近には、狛犬特集がありました。二階の郷土歴史資料館で狛犬展をやっており、その連動企画のようです。

窓の外は、金津神社の参道。石灯籠が立ち並んでいます。
蔵書数は約10.5万冊、開館は2013年。

二階の郷土歴史資料館も見ておきます。
企画展の狛犬展は有料でしたが、常設展示の方は無料。
本陣飾り物の展示を行っていました。

一体何かと言うと、家庭の日用品を使って作った飾り物。江戸時代、金津宿に泊まる人をもてなすために町人が始めたとか。
皿、匙などが使われています。
少々不気味な紫式部もありました。

真裏にある金津神社の参道。

勿論狛犬も鎮座。
この日の旅の安全を祈っておきました。

歴史も趣もある金津の町。芦原温泉の前座みたいな扱いになっているのが気の毒に思えてなりませんでした。

ホーム | あわら市図書館

久御山町立図書館(京都府)

奈良から福井へ向かう途中、図書館で小休止。
やって来たのは、国道1号線から少し外れた所にある、久御山町の図書館。
ふれあい交流館ゆうホールなる施設の、一階にあります。

なかなか斬新なデザイン。向かいにはファミリーマートがあります。

図書館に入ると、雑誌ラック、その横にCD、DVD、VHSが並んでいました。
その内側は、柱時計を中心にした雑誌コーナーになっています。
館内は、先が丸くなった弾丸型。
先端の窓側は天井が高くなっています。

分庫本は、昭和に発行された古い岩波文庫が目立ちます。
文学全集なども古いものを置いています。
コンピュータの本は、量はそこそこですが、技術的なものは見当たりません。

郷土・行政資料は、貸出不可。
広報くみやま、府下の市町村史が目立つくらいで、書籍類はかなり寂しめ。

児童書が比較的多めに見えます。
児童書も一般書と同様、分類番号で分類されていました。

蔵書数は約8万冊、開館は1999年とのこと。

ロビーは、ちょっとした博物館になっています。

近くで出度した土器、石器に、平安の頃から歌に読まれる巨椋池の紹介もありました。

その後は、京都南ICから京都東ICまで1区間だけ高速に乗り、無料の湖西道路を通って福井県へ。
時間も距離もお金も抑えた、なかなか賢明なルーティングでした。

久御山町立図書館

太子町立図書館(大阪府)

富田林市から奈良方面に帰る途中、通ったのは太子町。
聖徳太子ゆかりの町で、叡福寺には太子の廟もあるとか。
寄っていくことにします。
三連休の最中ですが、時間がやや遅いためか、ここも空いていました。

南大門

門をくぐった左には、宝塔が建っています。

真っすぐ進むと、聖徳太子廟がありました。
推古天皇の皇太子だった太子なので、宮内庁の管理。そう言われればそう習ったような。

ここを一度参拝すると極楽浄土に行けるとか。そんな簡単に?と思いましたが勿論拝んでおきました。

向かいには別の寺があり、こちらも由緒ある寺だったようですが、知らずに素通りしてしまいました。

山門の前の様子

東に1kmほど行くと、図書館があります。
町役場とほぼ一体化していますが、両者の間を駐車場に入る道路が貫いています。

左が図書館

入口を入ると、館内は横長。

玄関

真新しい木の床と棚。
聖徳太子をモチーフにしたキャラクターが、館内随所にあしらわれています。

郷土資料には、聖徳太子の本が大量にあります。下段には美術の大型本も。
一部の本の背表紙には、太子の笑顔のシールが貼ってありました。
以倉紘平さんのコーナーもありました。太子町出身の詩人だそう。

窓の下は分庫本の棚や、閲覧席になっています。

コンピュータ関連は、高度な本は見当たらず。
洋書も数十冊。
DVDも少しありました。子供向けアニメが中心。

大雑把に、館内右側が児童書、左側が一般書。
その間にヤングアダルト。そこにはコミックもありました。「マンガ日本の古典」「ブッダ」「親鸞」など、らしい本が目につきます。

現在の施設は2010年の開館で、2年前にリニューアルオープンしたばかり。蔵書数はよくわかりませんでしたが、収容能力は約9万冊とか。

最近まで知りませんでしたが、この辺りは「近つ飛鳥」と呼ばれ、本家の奈良の飛鳥にも負けず、古代歴史ロマンに溢れる地域。
時間の都合で行けませんでしたが、町内には小野妹子の墓もあるようで、またいつか訪れたい所でした。

太子町立図書館ホームページ(兵庫県)

富田林市立中央図書館(大阪府)

千早赤阪村から富田林市へ移動。5kmほど車を走らせたら、もう町の中心部。意外な近さでした。
昼食後、近鉄富田林駅からほど近い図書館へ。
駐車場は無いのかと思っていたら、ありました。

かなり年季の入った施設。公民館と一緒になっています。
図書館内は真ん中がくびれた、前方後円墳のような不思議な形。
左が児童書、右が一般書。

中央のカウンター前には新刊、CD、その先に雑誌がありました。
CDは、あいみょんなど新しい人も入っていました。
壁際はスチール棚、中央は木の棚。
高めの本棚の間には、耐震のため鉄骨が渡されています。

地域、行政資料は、天井から大きな案内板が提げられています。
歴史ある街の図書館にしては、本は少なめ。
寺内町の資料はここにあります、とも書いていますが、あまり見当たらない。
そんな中、石上露子なる詩人の本が多数。富田林の寺内町の出身のよう。
その裏にコンピュータの本がありましたが、これも少なめ。

外国語の本も少しありました。
ハングルの本も何冊か。

開館は1976年とのことで、半世紀近い歴史があります。
蔵書数は、市立図書館全体で約30万冊とのことで、当館のみの数は分かりませんでした。3館あるようなので、10万台でしょうか。

裏側にも玄関があり、公園になっていました。と言うか、こちらが正面かも。

その後は、町を少し散策。
500年近い歴史を誇る、日本でも有数の寺内町

素晴らしい町並が残っているのですが、三連休なのに観光客の姿は多くはありません。
ここには昔、夏休みに来たことがあるのですが、その時もこんな感じだったような。

遠くには、PL教団の塔が聳えています。

町の始まりとなった寺は、興正寺別院。さほど大きな寺ではありません。今は修復工事中でした。

その前の道は、日本の道100選にも選ばれているとか。

図書館にもほど近い、旧田中家住宅。

ここは無料で中の見学ができました。

昔ながらの純喫茶もあったりして、気取りのない実に落ち着ける町でした。

富田林市立図書館へようこそ - 富田林市公式ウェブサイト