進化論の歴史は概念拡張の歴史でもあり,これは数学が数の概念を自然数から整数,有理数,実数,複素数,超実数と拡張してきたのとよく似ていて,一度くびきを放たれたら近代的知性とはこのようにばく進できるものなのだという威力を示してくれる.進化論の場合,その本質は「中立でランダムな変異と,その変異と環境との相互作用により決まる自己増殖率の差異に基づく淘汰」というアルゴリズムである.本書最大の功績はこのアルゴリズム性をくどいまでに強調していることと言ってよい.
このアルゴリズムは強力で,その強力さに恐れをなした反対勢力の攻撃は今でも続いているが,もはや勝敗は明らかであろう.私にとってはこのアルゴリズムは汎用性のある宇宙的原理とさえ思える.ところが伝統的な西欧的知性にとっては,明確な因果律に基づかないランダムな変異というものはいかにもいかがわしく,そこが最も嫌われるのだろう.しかしこれは西欧的知性の歴史経路依存性によるものである.
ダーウィン進化論をすでに知っていて,ランダムな変動という物理現象になじみがある人には素直に読み進められる.
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進化論という考えかた (講談社現代新書 1598) 新書 – 2002/3/1
佐倉 統
(著)
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「人間の心」と「情報」から読む研究最前線行動や言語を進化で説明しようとする進化心理学と、DNAの情報のシステムとして進化をとらえるバイオインフォマティクス。進化論の新時代をやさしく案内する。
- 本の長さ222ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/3/1
- ISBN-104061495984
- ISBN-13978-4061495982
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商品の説明
著者について
■佐倉統(さくらおさむ)
1960年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院情報学環助教授。進化生物学を基点に、生物学史、科学技術と社会の関係を研究。著書に、『進化論の挑戦』――角川選書、『遺伝子vsミーム』――廣済堂出版――など。
1960年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、東京大学大学院情報学環助教授。進化生物学を基点に、生物学史、科学技術と社会の関係を研究。著書に、『進化論の挑戦』――角川選書、『遺伝子vsミーム』――廣済堂出版――など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/3/1)
- 発売日 : 2002/3/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 222ページ
- ISBN-10 : 4061495984
- ISBN-13 : 978-4061495982
- Amazon 売れ筋ランキング: - 687,154位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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2004年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年9月22日に日本でレビュー済み
橘玲著『「読まなくてもいい本」の読書案内』で、進化論全般に必要なことはすべて書いてあると
あったので期待して読んだが拍子抜け。進化生物学として始まった進化論が、関連する様々な学術
分野に適用されてきた歴史を、駆け足で紹介している。学者、著書、学説の羅列に終始し、
内容には立ち入らず、具体例も紹介されないので無味乾燥。非専門家をわくわくさせる啓蒙書の
意義を語っているが、残念ながら本書は該当しない。進化論関連のガイドブックとして活用するのがよい。
あったので期待して読んだが拍子抜け。進化生物学として始まった進化論が、関連する様々な学術
分野に適用されてきた歴史を、駆け足で紹介している。学者、著書、学説の羅列に終始し、
内容には立ち入らず、具体例も紹介されないので無味乾燥。非専門家をわくわくさせる啓蒙書の
意義を語っているが、残念ながら本書は該当しない。進化論関連のガイドブックとして活用するのがよい。
2007年1月12日に日本でレビュー済み
進化論の現在について分かりやすく紹介した著作。学界での最新の研究動向が手軽に理解できるということで有用だ。著者は科学史家で、啓蒙的な意図から書かれた入門書が多い。そのなかで本書は、やや抑えた筆致。以前の著作に批判もあったことから、慎重に書いていることが伝わってくる。そのぶん、切れ味は鈍くなったか。
2002年7月9日に日本でレビュー済み
タイトルが悪い。何故なら「あとがき」に「進化論をおもしろく紹介するというよりも、進化論を使って知的冒険を展開してみたかった。」と書いてある通りの本なのだが、そんなの読む前にはわからないからである。
僕は、このタイトルを見て「進化論をおもしろく紹介している本だろう」と思って読んだこともあって、進化論の歴史について書いてある第1・2章は面白かったけれど、あとはちょっと…。
全体として何と言うか、わかる人には当然のことばかり書いてあり、わからない人にはピンとこないことが書いてある本、という印象を受けた。
僕は、このタイトルを見て「進化論をおもしろく紹介している本だろう」と思って読んだこともあって、進化論の歴史について書いてある第1・2章は面白かったけれど、あとはちょっと…。
全体として何と言うか、わかる人には当然のことばかり書いてあり、わからない人にはピンとこないことが書いてある本、という印象を受けた。
2005年2月18日に日本でレビュー済み
わたしは進化論という考えかたにウサンくささを感じていた。というより、人間心理や社会規範までも進化論で説明できるとするその自然主義にである。しかし、本書の後半部は私の疑念に真摯に答えようとしている。
本書は4度の転換点をもつ現代進化論の変遷史を概説する。そして、人間と情報をキーワードに諸問題を整理し、変遷史の根底にある「自然選択」という考え方を浮き上がらせる。後半は進化論の考え方の説明というより、その考え方を使う上での注意書きである。
後半が真摯だという理由は、科学言説の物語化に相対主義を持ち込まないところである(前半で自然選択の普遍性を提示している以上、それも当然なのかもしれない)。
ちょっと難をいえば、悪しき物語化(ヒットラーの優生学利用など)への処方箋として、物語手の集団の雑種性(第三の文化)と語り手のセンス・オブ・ワンダーを使うというのは、いささか甘い気がする。
本書は4度の転換点をもつ現代進化論の変遷史を概説する。そして、人間と情報をキーワードに諸問題を整理し、変遷史の根底にある「自然選択」という考え方を浮き上がらせる。後半は進化論の考え方の説明というより、その考え方を使う上での注意書きである。
後半が真摯だという理由は、科学言説の物語化に相対主義を持ち込まないところである(前半で自然選択の普遍性を提示している以上、それも当然なのかもしれない)。
ちょっと難をいえば、悪しき物語化(ヒットラーの優生学利用など)への処方箋として、物語手の集団の雑種性(第三の文化)と語り手のセンス・オブ・ワンダーを使うというのは、いささか甘い気がする。