大阪府警で勾留中の男性死亡 「病院行きたい」と申告、連れて行かず

田添聖史 松永和彦
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 大阪府警は17日、覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで浪速署に勾留中だった40代の男性容疑者が死亡したと発表した。男性は15日朝、「熱がある。息苦しい。病院に行きたい」と申告したが、体温は平熱で呼吸に乱れがないように見えたため病院に連れて行かなかったという。府警は「詳しい状況や判断が適切だったかどうかについて、現在、調査中」としており、司法解剖で死因を調べる。

 署によると、男性は14日夜に同容疑で現行犯逮捕され、署の留置施設に収容された。逮捕時は「持病はあるが、いまは薬は飲んでいない。体調に変化はない」と説明したといい、持病は確認中という。15日朝に食事を取ったが、以降は食べようとしなかったという。

 署によると、16日午後、勾留請求手続きのため移送された大阪地検で男性が「ボールペンで胸刺して死んでやる」と言ったのを受け、署は「特別要注意被留置者」に指定。署の留置施設に戻ってから24時間態勢で対面監視を始めた。自傷行為や床のシートを破る行動などがあり、16日未明と17日朝に計約4時間、ベルト手錠と捕縄で体を拘束したという。

 その後は様子に変化が見られなかったが、17日午後3時50分ごろ、敷物の上で仰向けになっていた男性の呼吸がないように見え、脈が確認できなかったため病院へ搬送し、同日午後5時ごろに死亡が確認された。

 府警は身体拘束については「戒具(手錠などの拘束具)の使用は適切だったと考えている」としている。(田添聖史、松永和彦)

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この記事を書いた人
松永和彦
和歌山総局
専門・関心分野
高校野球、吹奏楽、地方行政