自転車の盗難防止に「AirTag」を使ったら生活の質が上がった話

AirTagと自転車

気に入っている車両であればあるほど、盗難は心配になる。センサーで盗難から安心感を得ることはできるか。

撮影:伊藤有

アップルの忘れ物防止タグ「AirTag」が発売されてから約1カ月。新しい物好きのアーリーアダプターの人でなくても、AirTagの噂を聞いてこれから手に入れようという人もいるかもしれない。

時間が経って、使い方もそれぞれ見えてきた。今回は「自転車盗難対策に使うとどうなるか」という実体験だ。

AirTagを自転車にどうやって付ける?

駐輪場

駅前に広がる一般的な駐輪場。こうした駐輪場は日本各地にあるが、監視カメラがあったとしても心許ない、というのが自転車ユーザーの気持ちじゃないだろうか。

AirTagの実物を触るまで、僕個人としては「忘れ物防止タグと同じ」だと考えていた。なくさない限りは機能させる必要がない、いざ紛失や盗難のときに役に立つ、というものだ。

実は5月のGW明けに自転車を買い替えた。連休中に何もやることがなかったので、自転車サイトを眺めていて気になるモデルを見つけてしまったからだ。

いざお気に入りを手に入れてしまうと、今度は自転車を買った人が一度は経験する、独特の感覚が僕の頭の一角を占めるようになってしまった。「駐輪場に停めて出かけると、盗難が気になって仕方がない」という感覚だ。

そこで思いついたのが、発売したばかりのAirTagを自転車に貼り付けてしまう方法。盗難防止に使えるはず、と考えた。

問題は取り付け方法だった。AirTagに小加工をして付ける、またはサドルバッグのようなものに入れておく、色々と手段は考えられる。2日ほど考えた末、一番シンプルな方法を選んだ。次の通りだ。

  1. 自転車のなかで「貼り付けやすい場所」を探す
  2. 高温耐性のある強力両面テープで、本体をそのまま貼り付ける

airtag00

使ったのは「3Mスコッチ 超強力両面テープ プレミアゴールド 自動車内装用」。使用温度範囲-20度〜90度のため、夏場高温耐性も比較的ある。

撮影:伊藤有

構想2日、作業5分。どこに貼り付けたかを書くと、盗難対策にならなくなるので詳細は割愛する。

ちなみに今回使った強力両面テープは、車の内装用のもの。夏場の高温でも粘着力が弱らないので、自宅玄関に装着しているQrio SmartLockの固定にも使っている。

今のところ、両面テープの取り付けは成功したようで、数週間経ってもまったく剥がれそうにない。

ちなみに、自転車といえば気になる防水性についても安心だ。AirTagは水深1mに最大30分耐える耐水性能があるから、大雨に振られでもしなければ大丈夫だろう。

さて、ここまではごく普通の話。

自転車をAirTag化してみて、意外なメンタル面の効果に気づいたのは数日あとだった。

いつでも自転車の位置を確認できるとソワソワしなくなる

AirTagをつけておくと、離れた場所に駐輪しているときの「どこかソワソワする感じ」がまったくなくなった。これは意外な発見だった。

airtag

駐輪中のAirTag。屋外駐輪は、お気に入りの自転車を持っているとソワソワするもの。常時位置確認ができるようになることで、精神衛生がとてもよくなった。

作成:伊藤有

理由は1つ、「いま・どこにあるか」が、いつでも手元のiPhoneで確認できるようになったからだ。以前の実機テストで報じたとおり、アップルの「探す」ネットワークはかなり強力で、相当な頻度で、誰かのiPhoneを使って、周囲のAirTagを検知してくれる。

日本のスマホユーザーは、ざっくり半分がiPhoneユーザー。つまり、人が通るところなら、かなり高確率で、AirTagを検知する機会があることになる。

実際、屋外の駐輪場に停めている間に、どれくらいの頻度で反応しているのかをみると、少なくとも日中〜夜8時くらいまでの間は、10分以内間隔で「元の場所にちゃんと置いてある」ことを検知していた(上のスクリーンショットでも5分前に検知していることがわかる)。

この性能でバッテリーが1年持ち、仮に両面テープが剥がれたとしても、損失は3800円で済む。安心を買う意味では、なかなかのコスパじゃないだろうか。

「安心感を得るツール」としてAirTagを使う方法は、単に忘れ物だけではなくて、どこかに持ち去られる可能性のある色々なものに使えそう、というのが今の実感だ。

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(文・伊藤有)

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