C プロジェクト

水沢VLBI観測所

水沢VLBI観測所とは

日本国内の4カ所(岩手県奥州市、鹿児島県薩摩川内市、東京都小笠原村、沖縄県石垣市)に設置した口径20メートルの電波望遠鏡の観測データを合成して、日本列島規模の巨大なVLBI観測網(VLBIは超長基線電波干渉計の英語略称)を形成します。これを用いて、天の川銀河の天体位置を高精度で計測する観測を進めています。地球の公転運動に伴うわずかな星の位置変化(年周視差)から星までの距離を正確に求めるとともに、天の川銀河の運動の研究を進めています。

4基の電波望遠鏡は水沢キャンパスから遠隔・集中観測を行い、観測データは水沢キャンパスの相関処理センターで合成処理を行っています。さらに銀河の中心に存在する活動銀河中心核の高精度観測による研究も推進しています。

山口32メートル鏡、高萩32メートル鏡・日立32メートル鏡を用いて、それぞれ鹿児島大学、山口大学、茨城大学と連携研究を進めています。また、岐阜大学11メートル鏡など各地の大学局や国土地理院つくば32メートル鏡、宇宙航空研究開発機構(JAXA)臼田64メートル鏡と連携した日本列島VLBI観測を推進しています。

東アジア各国とも国際的な観測協力を進め、韓国に設置された3基の電波望遠鏡(KVN)とVERAを結合した観測を進めています。さらに中国の上海・ウルムチ・昆明などの局と連携した東アジアVLBI観測網(EAVN)の観測も国際協力で実施しています。それらのための東アジアVLBI相関センターを日韓共同で韓国天文研究院において運用しており、東アジア地域におけるVLBI観測の中核的な相関センターとして活躍しています。

観測成果と相関処理センター

日米欧の望遠鏡の観測で測定された114天体の天の川銀河内の位置
日米欧の望遠鏡の観測で測定された114天体の天の川銀河内の位置。
水沢キャンパス相関処理センター
水沢キャンパス相関処理センター。

おもな観測施設

水沢20メートルアンテナ

水沢20メートルアンテナ

VERA入来観測局20メートルアンテナ

VERA入来観測局20メートルアンテナ

VERA石垣島観測局20メートルアンテナ

VERA石垣島観測局20メートルアンテナ

VERA小笠原観測局20メートルアンテナ

VERA小笠原観測局20メートルアンテナ

SKA1サブプロジェクト

SKA

SKA(Square Kilometre Array: 1平方キロメートル電波望遠鏡)は、2021年から建設中の国際電波望遠鏡プロジェクトです。オーストラリアと南アフリカに異なる形状のアンテナを分散して設置し、一体的に運用します。メートル波からセンチ波の電波帯域で高感度・高解像度、そして究極的な掃天性能を達成することで、様々な天文学・宇宙物理学の謎に挑みます。2029年頃の本格運用を目指し、日本からは望遠鏡の性能出しやVLBI、新受信機、そして地域センターの開発などで貢献することを予定しています。

SKA-JP 公式サイト

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