日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

公開日: 更新日:

八角信芳(日本相撲協会理事長/59歳、元横綱・北勝海)

日本相撲協会の八角信芳理事長(元横綱 北勝海)/(C)日刊ゲンダイ

「相撲人生の中で何度もあるチャンスではないので、闘争心をもって、とにかく気持ちの入った相撲を取っていきたい」



 2月27日、春場所(3月12日から大阪)の番付が発表され、横綱昇進に挑む大関貴景勝(26)が会見でこう言った。昨年の11月場所は優勝同点、先の初場所は優勝。横綱の昇進基準は2場所連続優勝か、それに準じる成績とも言われるが、それでも横綱になれなかったのはなぜか、課題があるとすれば何か。八角理事長(元横綱北勝海)に聞いた。



 ──貴景勝について「横綱に推薦されてもよかったのでは?」という声もありますが。



「横綱に推薦するのは横綱審議委員会なので、その理由はわかりません。ただ、貴景勝の場合はあくまで『優勝に準ずる成績』。確かに4場所連続で10勝以上中ですけど、その直前の昨年3、5月場所はいずれも8勝7敗で内容も良くなかった。そうしたところを加味されたのではないか。もちろん、審議の対象にはなっていると思いますよ」



 ──理事長は貴景勝をどう見ていますか。



「押し相撲で4場所連続10勝以上は非常に難しい。それだけ本人の精神力が強いことは間違いない」



 ──では、横綱になるにあたって物足りない部分や課題などは。



「圧倒的な立ち合いの圧力でしょうね。大関に昇進したばかりの頃の圧力。確かに最近は押しながら、相手をよく観察し、左からいなす相撲が増えてきた。それはそれで安定感は出てきますが、やはり、圧倒的な力強さを見せなければ、マイナスのイメージは回復できない」



■「現役時代の私のことですか?(笑)」



 ──確かに貴景勝は負けるときはあっさり。口さがないファンは「ペタッと倒れ込んだカエルみたい」なんて声もあります。



「それは現役時代の私のことですか?(笑) ただ、あっさり負けるのは押し相撲の宿命でもある。むしろ、それを気にしていたら前に攻められません。常に強気強気じゃないとダメなんです。私も押し相撲でしたが、立ち合い変化であっけなく負けることもありました。そこで次に同じ相手と当たった時、立ち合いで慎重になったら、今度は思い切り当たられて負けたこともある。それ以降、変化で負けた次こそ、より迷いなく当たるようにしていましたから」



 ──貴景勝はかつて、執行部と対立した元貴乃花親方の弟子でしたが、それも昇進に影響しているのですか。



「それは 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り2,968文字/全文4,031文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ