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Photographed by tsubottlee

宮城県仙台市の中心街へのアクセスも良い最寄駅からバスで10分ほど。

閑静な住宅街の中に、今回ご紹介するあいさんご家族のお住まいはありました。

お名前(職業):あいさん(会社員)、夫、お子さん2人
場所:宮城県仙台市
面積:3LDK
築年数:築1年
住宅形態:戸建て
間取り図(編集部作成):

1階

2階

 

仕事がきっかけで、長く暮らしてきた仙台。もともとマンションで暮らしていたとのことですが、あることがきっかけで戸建てマイホーム計画がスタートしたそう。

あいさん家族が選んだ環境と、マイホームへのこだわりについて詳しくお聞きしました。

この場所に決めた理由

夫婦二人のときから住んでいたマンションでは、家族4人だと手狭になってしまうことから、マイホームを持つことを考え始めたあいさん夫妻。

「子どもたちが騒ぐたび、まわりの方に迷惑をかけてしまうのではと気になって……。でも、子どもたちにはのびのび育ってほしいので、自分たちに合う環境を考えていたんです。

選んだのは自然豊かで、駅までのアクセスがいい土地。

建てた家は小さな子どもにも優しく、経年変化が楽しめるよう、自然素材をふんだんに取り入れました」

お気に入りの場所

こだわりと愛着のある造作キッチン

家づくりで、一番こだわったと話すのがキッチン

住まいの設計に関する議論が後半に差し掛かり、予算の兼ね合いで見直しが必要になっても最後まで譲れなかったというこだわりのある空間になっています。

「木製のキッチンにしたかったのですが、メーカーのユニットキッチンで気に入るものがなく、造作キッチンを選びました。

オーク材の扉とステンレスの天板の組み合わせが気に入っています」

無垢なので、水汚れに弱く、住み始めた頃はいつもヒヤヒヤしていたのだそう。

しかし、最初に水をこぼしてしまった際、修理の方からメンテナンスの方法を伺い、自分でも手入れができるようになったといいます。

「何かをこぼしても、すぐに拭き取れば問題ないですし、シミになった場合でもサンドペーパーでやすりがけをし、オイルを塗れば元通りになります。

お手入れをしているうちに、より愛着が湧いてきましたね」

意匠だけでなく、ゴミ箱はシンク下に置けるようにしたり、使用頻度の高いものはオープン収納で取り出しやすくしたり、動線や使い勝手も考え抜いたキッチンになっていました。

機能性も重視。柔らかい黄色が特徴的なヌック

「リラックススペースとしては大人もごろんとできる広さがあるから、夫がよく昼寝しています」とあいさん。

ダイニング横に設けられていたのは、柔らかな黄色い壁が特徴的なヌック

「元々は和室をつくろうとしていたのですが、住まいづくりが進む中で予算の関係上、厳しくなりヌックに変更しました」

ウッドブラインドをつけて、過ごし方に合わせて調光しやすくしたのもこだわりの一つ。

ベンチには、あいさんがお気に入りのカフェのつくりを参考にした“ある工夫”が施されています。

「ヌックのベンチ下は大容量の収納になっていて、子どものおもちゃを収納しています。散らかってもすぐ片付けることができるので便利です。

あとは、絵本を気軽に読める環境にしたかったので、ヌックに棚を設置して本棚に。リビングにいる子どもが自分自身でも取り出せるので、つくってよかったと感じています」

タイル目地の色までこだわった、広い洗面所

賃貸での暮らしを経て、強い希望があったと話すのが洗面所。

「キッチンと同様、造作した洗面所もお気に入りです。賃貸で暮らしていたときから、大人二人が並んでも窮屈じゃない洗面所に憧れていました。

ニッチ収納(壁の厚みを利用した収納棚)をつくり、最低限のものを置きつつ、ここに馴染まないものは目が届かない場所にしまってます」

また、かなり細部にまでこだわったのが「タイル目地の色」。

「普通じゃつまらないと思い、最初の提案にあったグレーではなく“栗梅色(くりうめいろ)”という色を選びました。黒やグレーの目地より空間が明るくなる気がするんです」

ヌックのカラーもそうですが、好みの色味にするだけでその場所への思いがより強くなりますね。

お気に入りのアイテム

サイズがちょうど良いサイドテーブル

ソファ横にちょこんと置かれていたのが、vitra.の「コルク ファミリー」。住まいと暮らしにちょうど良いサイズ感が決め手になったインテリアだそう。

「最初は、マンション時代に使っていたローテーブルをリビングに置いていたのですが、必要以上に場所を取っていたため、小さいサイドテーブルを探し始めました。

SNSで素敵なおうちの方が持っていたのを見つけ、ローテーブルの代わりに迎えいれています」

取材中もお子さんがタブレットで動画見るための台として、しっかり役立っていました。

どんな花にも合う花瓶

家が広くなったこともあり、新しく取り入れたのが、ヴィンテージ雑貨やジュエリーを取り扱うSORORで購入したヴィンテージのホワイトの花瓶。

「賃貸のときは、スペースが限られていることや災害のことを考えると、物を増やそうという気持ちが起きなかったんです。

ただ、ずっと欲しいなとは思っていて。せっかくのマイホームだし、思い切って迎えいれることにしました。

ヴィンテージアイテムをオンラインで買うのは少し緊張しましたが、ぷっくりとした形も色もお気に入りです。

状態もよく、どんな花にも合うのでお迎えしてよかったと思っています」

気分を変えたいときに使うティーポット

キッチンのディスプレイスペースで一際目を惹いていたのが、STUDIO PREPAの「ガラスティーポット」

日々の暮らしを切り替えるときに使う大切なアイテムなのだそう。

「在宅勤務なので、気分を変えたいときにはこれでお茶を淹れるようにしています。

華奢だけどシンプルで飽きのこないデザインに、持ち手がバンブー素材になっているのがお気に入りです」

賃貸のときから長く愛用しているにも関わらず、丁寧にメンテナンスをしてきれいな状態が維持されていました。

残念なところ

ここまでのお話でも各所にこだわりが詰められていたあいさん家族の住まい。

しかし、設計段階で考え抜いて取り入れたことが、暮らしてみると逆に制限に感じるようになってしまったところもあるのだそう。

「あれもしたい、これもしたい、とやりたいことを詰め込んだ結果、後から家具を追加したくても置く場所がないという現状になってしまいました。

テレビも壁掛けにしてしまったため、ソファの位置も動かせず、模様替えも難しいですね。もっと余白を待たせた家づくりをしてもよかったのかなぁと感じます」

これからの暮らし

今回の住まいづくりでは、機能面を中心に考え、色合いは少し抑えめにしてしまったというあいさん。

「海外のようなカラフルなお部屋に昔から憧れているのですが、戸建てとなるとすぐ飽きてしまうのが怖くてなるべく使う色は抑えました

ただ入居して1年が経ち、今のインテリアに慣れてきたことで、やっぱりカラフルな家にしたいと思い始めてきたんです。

そのため、大きなインテリアというよりは、花瓶や鉢カバーなどスポットで差し色となるアイテムを取り入れていきたいと思っています」

マイホームを持って1年、子どもたちの成長やそれに伴う暮らしの変化があるなかで、この先どんな色が加わっていくのか。

まだまだアップデートしていくのが楽しみですね。

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